
島根県におけるイノベーションの現状

島根県におけるイノベーションはプログラミング言語であるRubyを軸に、スタートアップなどのIT企業を誘致している現状があります。ここでは島根県がなぜ「Rubyの街」といわれているのか、人口減少の課題にどう向き合ってきたのかについてみていきましょう。
島根県は「Rubyの街」
島根県は「Rubyの街」です。Rubyとは世界中で利用されているプログラミング言語で、島根県松江市在住のまつもとゆきひろ氏によって開発されました。
松江市発祥のプログラミング言語ということで島根県はRubyを資産として捉え、オープンイノベーションに活用していることから、島根県は「Rubyの街」として注目を集めています。
島根県における人口減少の課題
島根県も他の地方都市同様に人口減少が大きな課題です。特にIT産業に関わる企業は東京に集中しており、就職を機に都心に移住する若者が後を立ちません。人口減少を食い止めるべく松江市役所内で企業誘致専門の部署が十数年前に立ち上がっています。
スタートアップなどのIT企業を誘致
島根県では人口減少の課題を解決するために「Rubyの街」という特色を利用してスタートアップなどのIT企業の誘致を行っています。
特にRubyを利用する企業を中心に誘致を行い、島根県にIT企業を増やすことで島根県での就職率の向上を目指しているのです。島根県のIT産業の活性化も図れるため、人口減少の食い止めにもつながっています。
島根県のオープンイノベーションの取り組み

島根県のオープンイノベーションの取り組みは様々ですが、主軸となっているのが「Ruby City MATSUEプロジェクト」です。ここでは「Ruby City MATSUEプロジェクト」をはじめ「しまねソフト研究開発センター」と「松江オープンソース活用ビジネスプランコンテスト」の3つの取り組みを紹介します。
IT技術を活用「しまねソフト研究開発センター」
1つ目の取り組みがIT技術を活用した「しまねソフト研究開発センター」です。IT分野の技術研究と開発、島根県内の企業が新たな商品とサービスを生み出すための支援を目的に「しまね産業振興財団」が2015年に設立されました。
島根県に研究拠点を持つ企業が利用対象で、オープンイノベーションを主軸とした新産業の創出に対する支援を受けられます。研究成果を幅広く公開するべく、世界中の技術者や研究者、機関とのスムーズな連携が可能です。
該当テーマに興味を持つ世界中の人と共創し、最終的には島根県へ企業や技術者を誘致することを目指しています。
新規事業化が目的「松江オープンソース活用ビジネスプランコンテスト」
新規事業化を目的とする取り組みが「松江オープンソース活用ビジネスプランコンテスト」です。後述する「Ruby City MATSUEプロジェクト」の一環で行われているコンテストになります。
IT産業の枠を超えて様々な分野の人々に情報提供し、オープンソースを活用したアイデアを新ビジネスとして新規事業化することがプロジェクトの目的です。コンテストは企業とのマッチングの機会にもなり、新たなビジネスに発掘にもつながるでしょう。
産官学が連携「Ruby City MATSUEプロジェクト」
最後に紹介するのが産官学と連携した「Ruby City MATSUEプロジェクト」です。前述のとおり、Rubyはプログラミング言語で島根県松江市在住のまつもとひろゆき氏によって開発されました。
Rubyを島根県の資産と捉えて企業誘致に活用した取り組みが「Ruby City MATSUEプロジェクト」です。Rubyを利用する企業を誘致することで、地元での就職率促進を目指しています。
前述のとおり「松江オープンソース活用ビジネスプランコンテスト」は「Ruby City MATSUEプロジェクト」の一環として行われている取り組みの1つです。
島根県はオープンイノベーションを牽引する

島根県の新規事業の多くはオープンイノベーションによって誕生しています。ITを基盤として発展する島根県は、オープンイノベーションを牽引する地域といっても過言ではありません。
Rubyを軸に展開する「Ruby City MATSUEプロジェクト」やプログラミングのソースコードを公開することで、世界中の技術者との連携が図られています。
また連携が強化されれば、その結果としIT企業の誘致につながり、人口減少を抑えることも可能です。島根県で実施されるオープンイノベーションは他地域の参考となるでしょう。
