当記事では地域のイノベーション支援の必要性について解説し、実際に地域経済団体が行っている支援内容について紹介します。地域発展への貢献を目指す方はぜひ参考にしてください。
・経済団体によるオープンイノベーションへの支援
・地域経済はイノベーションの支援によって促進する
地域のイノベーションには支援が必要

各地域には、他にはない独自の技術やノウハウなど、イノベーションするに十分なリソースが揃っている場合が多いです。しかし地域を活性化するための戦略や事業を始めるだけの資金がないといった問題があります。
またアイデアはあっても、事業化するだけのネットワークが存在せず、提携企業が見つけられないという場合もあるでしょう。地域でイノベーションを起こしていくには、資金確保や企業との連携を促進するための支援が不可欠です。
経済団体によるオープンイノベーションへの支援

全国にある経済団体において、オープンイノベーションへの支援が行われています。イノベーションセミナーやワークショップ、地場企業のイノベーションを促進するサポートなど、団体ごとに異なります。
経済団体は全国に様々ありますが、ここでは7つの経済団体の支援について紹介します。それぞれの特徴についてみていきましょう。
大阪商工会議所
まずは大阪商工会議所のイノベーション支援についてです。大阪商工会議所ではオープンイノベーション促進プロジェクトという形で支援を行っており、代表的な支援内容には3つあります。
1つ目は「技術探索型のオープンイノベーション支援」です。この支援では企業や大学などがチームを組み、技術やノウハウなどを総合的に結びつけることで新技術やビジネス創出を目指しています。
この取り組みを「MoTTo OSAKA オープンイノベーションフォーラム」といい、技術ニーズのマッチングを行っているのです。他にも「オープンイノベーション・リンク」や「町工場ネットワーク」といった支援も行っています。
2つ目が「大学や研究機関等と連携した新規事業の創出支援」です。この支援では異業種交流を促進させるために、都市型のオープンイノベーション拠点として「Xport」を立ち上げました。
また「ものづくりに関する法令・制度などの情報提供」や「産学官技術相談窓口」などの取り組みを行っています。
3つ目の取り組みとして「スタートアップ支援事業の推進」も今後行う予定です。
関東経済産業局
関東経済産業局では中小企業基盤整備機構関東本部と連携し、「オープンイノベーション・マッチングスクエア」と呼ばれる取り組みを行っています。この取り組みでは企業間の連携をさらに創出することで、新しい付加価値を生み出し、稼ぐ力を高めることを目的としています。
京都商工会議所
京都商工会議は京都の企業が継承し発展させた京都ブランドの確立を推進しています。ブランド確立のため「知恵産業」と「知恵ビジネス」の2つについて支援しているのです。
また企業マッチングを目的としてプレゼンテーション機会も設けています。過去には資金調達や事業のマッチングなどの促進を目的とした「知恵産業オープンイノベーションピッチ」を開催しました。
福岡商工会議所
2018年度よりイノベーション支援の一環として様々な取り組みをおこなっているのが福岡商工会議所です。イノベーションの意識を育てるセミナーやアイデアを生み出すワークシップ、専門家を招いた個別の事業支援などを実施。これらの支援によって地元企業のイノベーションを促進し、福岡県産の商品やサービス事業化などを目指しています。
松江商工会議所
松江商工会議所は2020年10月に東京大学との共同研究の契約を締結しました。東京大学の国際イノベーション機構と連携することで、一次産業の次世代の在り方を模索していく狙いがあります。
今後はさらなる持続的に発展可能な一次産業の仕組みを構築し、新規事業の創出や開発テーマの複数設定を行っていくようです。
那覇商工会議所
那覇商工会議所では2020年に沖縄のオープンイノベーション創出促進事業として「ITスタートアップ補助」の公募を行いました。この取り組みの大きな目的は事業化するまでのスタートアップ支援です。
市場トライアルなどの費用補助をはじめ、専門家によるメンタリングやセミナーなど、対象者は事業化に向けた様々な内容について学べます。
鯖江商工会議所
福井県鯖江市の鯖江商工会議所は地域マーケティングの拠点として、商工会議所の1階に「サバエ クリエイティブ コミュニティ」をオープンさせました。鯖江のマーケティングのサポートと強化が目的です。
鯖江には眼鏡などの特産品が豊富にあり、「モノづくり」を国内や海外に発信することで新たなイノベーションの創出を目指しています。
地域経済はイノベーションの支援によって促進する

ここまで地域のイノベーションに支援が必要な理由と全国の経済団体の支援について紹介しました。同じイノベーションの支援でも地域の特徴などで支援内容は大きく異なります。
少子高齢化や過疎化が進んでいる日本において、地域経済の活性化につながるイノベーション支援は欠かせません。地域経済の活性化を検討している方は今回紹介した事例を参考に、地域のイノベーション支援に活用してみてはいかがでしょうか。
