この記事では県が進める施策や交通に関する新たなオープンイノベーションを紹介します。静岡での新たなビジネスを模索している方はぜひ参考にしてください。

今オープンイノベーションが活発化する静岡

静岡のオープンイノベーションを取り巻く現状を把握するため、まず自治体が締結している連携協定や民間レベルのオープンイノベーション事例を紹介します。
県内自治体で様々な連携協定を締結
静岡県内の自治体は、地域活性化を見据えて様々な民間団体と連携協定を締結しており、その一例が静岡県東京事務所、伊豆急行株式会社、東急株式会社の3社連携協定です。
静岡県は人口減少などの課題を解決するため次世代の産業創出が不可欠になっています。3社の連携協定により、静岡県東伊豆エリアの産業振興や人材育成研修やプラットフォーム事業を共同で進めるとのことです。
同様に、静岡市でも人口減少問題に対応するためにソフトバンク株式会社と包括連携協定を締結しています。
地元3社によるしずおか未来共創プログラムStartingⅪ
静岡県に本社を構える静岡鉄道株式会社、静岡ガス株式会社、株式会社テレビ静岡の3社が共同で実施しているオープンイノベーションが、しずおか未来共創プログラム「StartingⅪ」です。
ICT・先進技術の活用、地域資源の活用、グローバル化への対応によって経済活性化、観光活性化、地域課題解決を目指す提案を募集し、地域密着型お買い物代行サービスを提案した企業が最優秀賞を受賞しました。
静岡のアクセラレータープログラム事例
静岡では大手企業がスタートアップに出資を目的とするイベントを開催するアクセラレータープログラムもいくつか始まっています。静岡経済同友会と一般社団法人INSPIREが協力して立ち上げた静岡創生アクセラレータ「テイクオフ静岡」もそのひとつです。
浜松アクセラレーター2021
地方自治体が関連したアクセラレータープログラムには、浜松市とCreww株式会社共催の浜松アクセラレーター2021があります。浜松市内のものづくり企業と全国のスタートアップ企業との協業によるイノベーションのモデル事例を創出し、浜松市の産業の活性化に繋げることを目的としています。2020年に続き、本プログラムでは、浜松市内のものづくり企業(6社)の優れた技術や製品などの経営資源と全国のスタートアップ企業の革新的な技術やアイデアの融合により、参加企業の新事業/サービスの創出や自社課題の解決を目指します。
事例1 県が進める施策や機構の設立

では、静岡県庁としては具体的にどのようなオープンイノベーションを進めているのでしょうか。ここで県が進める施策や機構を紹介します。
県の中核政策オープンイノベーション静岡
静岡県で官民が一体となり策定した産業成長戦略の施策のひとつとして、オープンイノベーション静岡が組成されました。このセンターは静岡県副知事がセンター長を務め、静岡県の有力企業や産業支援機関の代表者が支援企業に有益なアドバイスを提供しています。
マリンオープンイノベーションにも注目
駿河湾に接する静岡県は魅力的な海洋資源でも知られる存在です。そこで、マリンバイオテクノロジーをはじめとした「BlueTech(海洋先端技術)」によるイノベーションを推進し、多彩な産業創出を目指すプロジェクトが、マリンオープンイノベーションプロジェクト(MaOIプロジェクト)。委員会メンバーは産学官金と多岐に渡っています。
事例2 新たな移動サービスしずおかMaaS

交通分野でも静岡県ではオープンイノベーションが進んでいます。その代表例が静岡型MaaS基幹実証プロジェクト、しずおかMaaSです。
MaaSとは
まず、MaaSはICTを活用して複数の交通手段をひとつにつなぐという概念のこと。MaaSには他産業とのつながりが欠かせないため、オープンイノベーションとの相性が良い分野ともいえます。
しずおかMaaSの取り組み
しずおかMaaSは人口減少や高齢化が進む中、誰もが利用しやすい新たな移動サービスの提供や持続可能なまちづくりを目指して誕生した地域密着型官民連携のコンソーシアムです。すでにAI配車によるオンデマンド相乗りタクシーの実証実験やMaaSの事業採算性についての検証などの取り組みがおこなわれています。
今後の可能性
しずおかMaaSの構想実現には様々な団体が垣根を越えて協力する必要があることから、現在も技術会員を募集中です。他分野とのマッチングやMaaSの実験フィールドが提供されることから、今後さらに他業種の企業が集うのではないでしょうか。
静岡では海洋産業や交通政策が鍵

近年世界各国でSDGs(持続可能な開発目標)が注目を集めており、静岡も例外ではありません。ここで紹介したように、静岡では持続可能なまちづくりのために海洋産業や交通政策に力を入れ始めているのではないでしょうか。
今後、静岡でのビジネスやオープンイノベーション参画を目指している方は、この2つのキーワードに注目してみてください。
