ではなぜ茨城県はオープンイノベーションの最先端として、早くから取り組めたのでしょうか。当記事では茨城県が取り組みオープンイノベーションやスタートアップ支援に力を入れる理由などを紹介します。

目次
茨城県は国内最大のサイエンスシティ

茨城県は国内最大級のサイエンスシティです。特につくば市は筑波大学やJAXA(宇宙航空研究開発機構)など、有名大学や国の研究教育機関が集まっており、民間の研究機関などを含めるとその数は300にも及びます。
茨城県ではサイエンスシティの特徴を最大限活かし、世界にも挑戦する力を持つ都市といえるでしょう。
茨城県がスタートアップ支援に力を入れる理由

茨城県がスタートアップ支援に力を入れる理由は、全国でも屈指のスタートアップ都市であると認識しているからです。前述のとおり、つくば市には多くの研究機関が存在し、世界に影響を与えるアイデアが日々生まれています。
投資家からの評価だけでなく学生起業も盛んで、筑波大学のベンチャー企業の創業数は全国で3番目です。イノベーションを起こせるだけのアイデアと創業意識がある都市だからこそ、県を挙げてスタートアップ支援に力を入れているのです。
茨城県が取り組むオープンイノベーション

茨城県が取り組むオープンイノベーションにはどのようなものがあるのでしょうか。様々な取り組みのなかでも、代表的なものを3つ紹介します。
「つくばスタートアップ・エコシステム・コンソーシアム」の設立
まずは「つくばスタートアップ・エコシステム・コンソーシアム」の設立です。つくば市がスタートアップ支援を行うにあたり、一番の課題は人材の確保と資金調達でした。
その課題を解決するために茨城県と大学、研究機関などが協力して設立したのが「つくばスタートアップ・エコシステム・コンソーシアム」なのです。このコンソーシアムによって茨城県は持続した経済発展を目指しています。また他都市の拠点とも関係を構築するべく、人材確保に向けた市外との連携も盛んです。
「Society 5.0」の実現
茨城県が取り組むイノベーションの1つに「Society 5.0」の実現があります。「Society 5.0」とは仮想と現実空間を融合させて経済発展と社会問題解決に取り組み、新しい価値や産業を生み出すための概念です。
内閣府が推進するプロジェクトで、つくば市では仮想通貨で用いられるブロックチェーン技術を使用した投票システムを開発しました。2018年には実証実験としてマイナンバーカードを用いたインターネット投票が実施されています。
「Venture Café Tokyo」との連携
3つ目は「Venture Café Tokyo」との連携です。「Venture Café Tokyo」とは起業家や投資家などが集まったコミュニティで、イノベーションの創出を目的としています。
ボストンで設立した「Venture Café」が始まりで、「Venture Café Tokyo」は初のアジア拠点です。現在は東京の他、茨城県つくば市と愛知県名古屋市に拠点があります。
オープンイノベーションの推進拠点

茨城県にあるオープンイノベーションの代表的な推進拠点は4つです。それぞれの特徴について見ていきましょう。
つくば創業プラザ Start Up Office
つくば駅から徒歩8分の場所にあるのが「つくば創業プラザ Start Up Office」です。施設の入居にあたっては条件があるものの、入居できれば常駐する経験豊富なマネージャーが創業に対する相談に乗ってくれます。
つくばスタートアップパーク
つくば市内の新規中小企業者の支援と育成を目的に設立された拠点が「つくばスタートアップパーク」です。スタートアップを目指す人が多く集まっており、様々な交流ができます。
起業相談やセミナーなども随時開催しているため、起業に不安のある方は参加してみてはいかがでしょうか。
つくば未来センター
「つくば未来センター」は企業や外部研究機関が連携しながら課題解決を導くオープンイノベーションセンターです。研修や展示などが行えるオープンホールに加え、オフィススペースとして活用できる執務スペースなども人気があります。
国立大学法人東北大学
東北大学もオープンイノベーション拠点の運営に参画しています。東北大学が強みとしている半導体分野を中心とし、研究環境の整備や人材交流の促進を行っています。今後は人材育成事業などの協力も検討しているようです。
茨城県はオープンイノベーションの最先端

ここまで茨城県のオープンイノベーションの実態や取り組みなどについて紹介しました。研究拠点が多くスタートアップ支援に力を入れる茨城県はオープンイノベーションの最先端といえる県です。
技術進歩が著しい現代では、オープンイノベーションや最新のテクノロジーを活用した課題解決の重要性がさらに増していくと予想されます。茨城県の取り組みを参考にすることで、人口減少などの多くの問題を抱える自治体や地域の問題解決の糸口となるでしょう。
