そんな伝統と最先端技術が融合する都市、京都では、オープンイノベーションが盛んに行われています。今回は京都でのオープンイノベーション状況とおすすめの拠点、実際の成功事例をご紹介していきましょう。

京都のオープンイノベーションの状況

現在の京都でのオープンイノベーションは、どのような状況なのでしょうか。見てみましょう。
オープンイノベーションの拠点は多い
京都にはオープンイノベーションの拠点が多く、盛んに行われていることがわかります。京都で主要なオープンイノベーションの拠点をご紹介しましょう。
オープンイノベーションカフェ「KOIN」
京都市下京区の京都経済センター内にある「KOIN」は「Kyoto Open Innovation Network」の略であり、オープンイノベーションのマッチング相手を探す企業や団体が集まります。
KOINではスタッフに事業内容や希望するマッチング相手を伝えることで、多様なネットワークから最適な相手を紹介してもらうことが可能です。オープンイノベーションを希望しているけれど、肝心の相手企業探しがはかどらないという場合は、KOINを訪れてみてはいかがでしょうか。
けいはんなオープンイノベーションセンター
「けいはんなオープンイノベーションセンター」は、公益財団法人京都産業21が京都府と連携し、医療や農業、文化など様々な分野での研究開発を推進するための拠点です。
広大な敷地内には20もの入居企業があります。貸研究スペースや、貸会議室・ホールがあるので、他企業と協力して研究したり、大々的な説明会を開いたりすることが可能です。
また、けいはんなロボット技術センターでは、次世代ロボットの開発・実証を目的として、中小企業などが共同で利用することができ、様々な企業が技術を持ち寄り共同で開発することで開発を進められます。
京都大学オープンイノベーション機構
「京都大学オープンイノベーション機構」は、その名の通り京都大学が運営するオープンイノベーション拠点です。全学の研究テーマをベースに、組織と組織の本格的な大型共同研究の企画・実施をします。
また、同じく京都大学の学際融合教育研究推進センターは、内閣府が主催した「第1回日本オープンイノベーション大賞」で、センターの取り組みである「京大100分野ワークショップ」が「選考委員会選定優良事例」に選ばれました。
このことからも京都大学がオープンイノベーションに力を入れていることがわかります。
京都でのオープンイノベーションの事例

京都で実際に行われたオープンイノベーションの事例をご紹介します。
KYOTO OPEN ACCELERATOR
株式会社日本政策投資銀行とCreww株式会社が合同で開催した「KYOTO OPEN ACCELERATOR」。
京都の老舗ブランドが、斬新なアイデアを持つ全国のスタートアップ企業と協業することで、京都・日本の経経済の活性化を目指しました。
その結果としては、多数の応募の中から6社のスタートアップ企業が選ばれ、新たなサービスや製品開発に至っています。
京銀・東証イノベーションピッチ
「京銀・東証イノベーションピッチ」は、京都大学と関係のある研究開発、技術系のスタートアップ企業8社が、ビジネスパートナーを求めて開催したイベントで、2020年の開催を皮切りに、2021年にも開催されました。
このイベントは京都銀行が広くスタートアップ企業を募ったことで話題となりました。
パナソニック×京都の伝統
西陣織や朝日焼、中川木工芸など、京都に伝わる様々な伝統工芸と、パナソニックがオープンイノベーションにより手を組み目指したのが、使い込むほどに味わいが出る「心に響く家電」です。
伝統工芸は日本の美しさを伝える重要な物ですが、需要の減少や後継者不足の問題を抱えています。今回パナソニックは、そんな伝統工芸を家電デザインに取り入れ、直接ビジネスにつながる位置に置くことで活性化させる試みに出たのです。
その結果、完成した家電は国内でも大きな反響を得た上に、2017年には家具の国際見本市「ミラノサローネ」で「ベストストリーテリング賞」に輝きました。
京都は伝統とのオープンイノベーションが盛ん

京都には、古き良き日本を感じさせる古い街並みや伝統工芸と、最先端の技術で最新の製品を生み出す大企業の両方があります。
京都では伝統の良さを活かしながら、京都の増々の発展を目標とするオープンイノベーションが盛んです。伝統工芸と家電など、一見意外な組み合わせでも新たな可能性が生まれています。
京都で起業を考えていたり、京都の既存のビジネスを発展させたいと考えていたりするのであれば、オープンイノベーションを活用してみてはいかがでしょうか。
