そこで今回は、アクセラレータープログラムの概要や、2020年上半期に実施しているプログラムについて紹介していきます。実際にどんな方法や内容でアクセラレータープログラムを展開しているかを知ることで、自社で導入するイメージをつかんでいきましょう。
アクセラレータープログラムとは?

まずは、オープンイノベーションを推進するプログラムであるアクセラレータープログラムの概要について紹介していきましょう。
オープンイノベーションを進めるための手法
アクセラレータープログラムとは「プログラム参加者の成長加速を促す」ための手法の一つです。既に取り組むべきテーマやアイデアがある状態で、応募者がテーマやアイデアを実現するためのプランを提示し、そのプランを実現させるためのプロセスを意味しています。
プログラムを用意し、参画者を募集する
アクセラレータープログラムを実施するためには、まずプログラムの用意から始めましょう。募集企業は、自社のニーズやアクセラレータープログラムの目的、提供できるリソースを提示し、オープンイノベーションプラットフォームに掲載します。
プログラムの応募者は公開されているアクセラレータープログラムの中から興味のあるプログラムに応募。マッチングに進みます。
アクセラレータープログラムを開催するメリット

アクセラレータープログラムを開催することにはどんなメリットがあるでしょうか。ここで紹介していきましょう。
「対等な場」でイノベーションを創出できる
アクセラレータープログラムの前提は「募集企業と応募企業が対等の立場である」ということです。業務委託や資本提携と根本的に異なる点といっても良いでしょう。上下関係があると上の立場にある企業の意向が強くなりますが、アクセラレータープログラムは対等な場でプロジェクトを進めるため、ビジネスシーンにありがちな上下関係が原因によるプロジェクトの遅延や頓挫のリスクがありません。対等な立場だからこそ、これまでの常識にとらわれないイノベーションを創出することが期待できます。
プログラム運営企業の「伴走型支援」を受けられる
アクセラレータープログラムは、主にオープンイノベーションプラットフォームの運営企業が「伴走型支援」を実施します。これは、アクセラレータープログラムの経験がない企業に対して、プロジェクトの立ち上げから提携企業の募集、プログラムの実施までの一連のフローを支援するプログラムです。初めてオープンイノベーションに取り組む場合でも、的確なサポートのもとでアクセラレータープログラムを開催できます。
2020年上半期のアクセラレータープログラム

実際に開催されているアクセラレータープログラムの内容はどのようなものでしょうか。ここで、2020年上半期に実施されているプログラムの内容を紹介していきましょう。
SMBCスタートアップ支援プログラム
SMBCスタートアップ支援プログラムは三井住友銀行が様々な社会課題を解決できるサービスを持つスタートアップのプロモーション支援、資金調達等をサポートするアクセラレータープログラムです。募集している事業領域は「医療・ヘルスケア」「リモートワーク・テレワーク等の勤務環境変化」「外出自粛要請への対応」「新型コロナウイルス抗体検査キットの開発及び普及に繋がる事業」の4つの領域。採択された事業はSMBCグループで導入され、資金調達やプロモーションなど、SMBCが持つリソースを活用しながら実用化を目指していきます。
ドウシシャ アクセラレーター2020
このプログラムはインテリア大手のドウシシャの提供するプログラムです。「新たな『モノ・コト・体験』の創出」や「新しい顧客価値の創造」といったテーマで提携先を募集中です。提携後には仕入れネットワークの活用や共同での企画や戦略の立案、ドウシシャが持っている有名キャラクターや人気ブランドのライセンスを活用したコラボレーションなど、様々なリソースを活用。生活様式が変化した社会の中での新たなライフスタイルの創出を目指します。
愛媛アクセラレーター2020
愛媛アクセラレーター2020は愛媛銀行とCrewwの共催で、愛媛県下にある有望な企業との提携を目的としたアクセラレータープログラムです。3社の参画企業はそれぞれが持つリソースやインフラの提供を行いながら、ビジネスの新領域の開拓や新サービスの創出を目指していきます。
アネスト岩田アクセラレーター2020
このプログラムは空気圧縮機・塗装機器の老舗であるアネスト岩田と提携するアクセラレータープログラムです。アネスト岩田は「新たな市場へのチャレンジ」「既存技術を活用した新商品の開発」の2つのテーマで提携先を探しています。提携すると国内外の販売ネットワークや実証実験の設備や会場の提供だけでなく、自社の持つ技術提供や資金も提供。アクセラレータープログラムにより新市場への進出を目指しています。
富士古河E&Cアクセラレーター2020
富士古河E&Cアクセラレーター2020は総合電機メーカーである富士古河E&Cのアクセラレータープログラムです。協業を狙う領域としては「次世代の省力化施工の実現」「新サービスの実現」「持続可能な未来実現に貢献するサービスの開発」が挙げられます。提携が実現した場合、富士古河E&Cの持つ技術やエンジニア、実証実験の環境、グループ会社のネットワークや知的財産・資金面でのサポートなど、様々なリソースを提供。次世代の社会に必要な様々なインフラサービスの開発を目指します。
国分グループアクセラレーター2020
国分グループアクセラレーターは、創業300年を超える食品卸大手の国分グループが提供するプログラムです。国分グループは「地方の課題解決」「社会課題解決」「サプライチェーン改革」をプログラムの目的とし、具体的にプロジェクトを進められる企業を募集。連携後には1万社の取引メーカーや3万5千社との繋がりや国内外に広がるネットワーク、国内外に40以上ある子会社や関連会社のリソースを活用できます。
アクセラレータープログラムでオープンイノベーションを成功させよう

アクセラレータープログラムは、オープンイノベーションを行うための具体的な手法の1つです。企業の抱えるニーズやプログラムの目的、提供できるリソースを明示し、提携先を募集します。
初めてアクセラレータープログラムに取り組む場合や、提携先を見つけることが困難な場合には、オープンイノベーションプラットフォームの運営会社が伴走型支援によりプロジェクトの立ち上げからマッチング、事業のスタートまでをサポートします。
オープンイノベーションに取り組む場合には、アクセラレータープログラムを活用し、企業の成長を加速させていきましょう。
