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水曜日, 12月 6, 2023

【スタートアップ募集】地域の健康をケア|新規事業で地域に根差した未来のアイセイ薬局へ

アイセイ薬局は、全国に400店舗を超える調剤薬局を展開しています。まもなく創業40周年を迎える今、次なる事業の柱を求めてアクセラレータープログラムに挑戦!地域の人々に必要とされる薬局を目指し、新規事業創出の可能性を模索します。本インタビューでは、アイセイ薬局がなぜ今スタートアップとのオープンイノベーションに挑むのか、株式会社アイセイ薬局 事業企画部部長の堀浩之氏に話を伺いました。

なぜ今、アクセラレータープログラムに挑戦するのか

ーー貴社の事業内容について教えてください。

アイセイ薬局は、調剤薬局を全国におよそ400店舗展開しています。来年で創業40周年を迎え、連結売上高は700億円を超える規模にまで成長しています。

主な出店形態は、診療科が異なるクリニックを1ヶ所に集めた「医療モール」です。都市部だけでなく地方も含めた「地域」に根差した場所で、お住まいの皆様に貢献できる薬局を目指しています。

ーーアクセラレータープログラムを開催する背景を教えてください。

超高齢社会を背景に、調剤報酬は年々厳しく改定されています。調剤薬局はその影響を大きく受ける業界です。

アイセイ薬局は、連結売上高の90%を調剤事業が占めているため、このままでは今後の大きな成長は見込みにくい状況になっています。

よって、既存の調剤事業頼みではなく、新たな事業の柱の創出に向けて動き出すことが必要不可欠です。

スタートアップとの協業に期待していること

ーー新規事業を作っていくにあたり、なぜ、スタートアップとのオープンイノベーションという手法を用いたのですか?

新規事業の創出手法はいくつかあると思います。たとえば、M&Aはその一つで、そこは常に検討しています。ですが、いわゆる“飛び道具”のような手法は、良い案件に出会えない限り成立しないため、主たる戦略に据えるのは非現実的だと考えています。

また、社員からアイデアを募っての事業創出に挑戦したこともありますが、内部のリソースだけでは、アイデア的にも体制的にも限界があり事業化までは至りませんでした。社内の課題に直面したことで、社外の力を借りる必要性を強く感じました。

ただ、社外との共創なら誰とでも良いのかというと、そうではありません。コンサルティング会社の協力を得て事業を作っていく手法も可能性として残してはいますが、スピード感に欠けるという懸念があります。本業への危機感を強く感じている分、スピード感は重要視しています。

その点において、スタートアップがすでに持ち合わせているテクノロジーやサービスと、我々の課題感とのマッチングの場を活用する手法は、結果まで含めて十分に期待できるのでは、と考えています。

ーーどのようなスタートアップと、どのような協業をしてみたいか、イメージがあれば教えてください。

我々は本業で「へルスケア」の事業を営んでいるので、その領域で新しい事業が展開できると、社内の理解が進みやすいと思っています。場合によっては、本業とのシナジー効果も見込めると考えています。

健康関連のテクノロジー、テック系などのスタートアップと出会えると面白いのかなと思っています。

アイセイ薬局とのオープンイノベーションだからできること

ーーどのようなテーマで今回のプログラムを開催するのでしょうか?

まず、「実現したいこと」の1つめ、「当社のリソースを利活用した事業」ではテーマ設定する予定です。

具体的なリソースとしては、医療従事者であり、薬学のプロフェッショナルである薬剤師が1,800人以上在籍しています。また、全国400店舗を超える調剤薬局というネットワークがあり、そこにお越しくださっている方も、年間150万から200万人程いらっしゃいます。

さらに、薬局はシニアの方が多く利用されています。ですので、「シニアの方にターゲットを絞ったビジネス展開」も、テーマとして掲げるつもりです。

一方で、地域に根差した薬局を目指しているので、既存リソースを活用したビジネスに限らず、地域の課題解決や地域経済活性化につながるような事業にも興味があります。

例えば、全国には、独居の高齢者あるいはご高齢の夫婦だけの世帯が多くいらっしゃいます。「健康に関する課題」だけではなく、「暮らしにおける課題」を広くサポートできれば、地域課題の解決に貢献することができ、その結果、健康のサポートにもつながります。

本業との連携も図れるので、大きめの社会課題に対してもアプローチしたいと考えています。

ーー今回のプログラムで一番解決したい社会課題を教えてください。

当社は「地域に根差した薬局」を標榜していますので、地域社会の課題解決に貢献したいと考えています。例えば、「未病」や「予防医療」の分野にも挑戦していきたいと思っています。

これまでのアイセイ薬局は、病気になってしまった後、投薬治療を行う段階でのお手伝いが中心でしたが、これからは、病気になる前から貢献していくべきだと考えています。

例えば、認知症は発症したらできることは非常に限られてしまいます。予防や早期発見に力を入れて、健康な状態を長く保つサポートができたら、我々の存在意義が今まで以上に高められるのではないか、と考えています。

ーーオープンイノベーションを推進するにあたり、アイセイ薬局の強みを教えてください。

冒頭に申し上げた通り「医療モール型」という形態での出店が多く、特徴として、複数のクリニックと薬局が1ヶ所に集まっていて、ドクターとの連携も密に取っています。そのため、薬局単体ではなくクリニックを含めて患者さまと関わっています。そこは我々の強みであり、特徴であると思っています。

アイセイ薬局が描く未来のビジョンとは

ーー風土の違うスタートアップと実際に協業をしていくことに、社内からはどんな反応がありましたか?

まだ、社内の大多数がイメージを持っていないというのが正直なところかもしれません。
担当として向き合っている我々としては、スタートアップのスピード感にどこまで付いていけるのか、多少の不安がありますが、なんとかくらいついていこうと思っています。会社に対してもそのスピードで動くように働きかけていくつもりです。

私自身はどちらかというとスピード感重視で働いてきたので、スタートアップの方々に巻き込まれながら、迅速に事業を展開していきたいと思っています!

ーースタートアップとともに成し遂げたい未来について最後に教えてください。

会社の次の「柱」となるような事業を作りたいと思っています。

初めてとなる今回のプログラム開催で、全てを成し遂げられるとは考えていませんが、オープンイノベーションを活用した新規事業の創出については本気で取り組んでいきますので、アイセイ薬局の「未来」を一緒に作っていける良いスタートアップと出会いたいと思っています。

将来的には、「『アイセイ薬局』とは言っても、もはや本業は薬局ではない」というような未来になっていたらと願っています。会社名を聞いたときに、世代によって思い浮かべる事業が違うくらいになりたいですね。

当然、薬局事業をやめるつもりはありませんが、成長性という意味では限界がある業界なので、今後の成長が見込める事業を、今回のプログラムをきっかけに作っていきたいと思っています。

ーースタートアップの方々に向けて、一言お願いします

初めての協業への挑戦で素人集団なので、ご迷惑をおかけすると思いますが、本気で取り組んでまいります。

積極的にいろいろなご提案をいただき、一緒に事業を作り上げていければと思います。
ご協力よろしくお願いいたします!

 

社名株式会社アイセイ薬局
設立1984年9月
所在地〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-2-2 丸の内三井ビルディング
代表者代表取締役社長 藤井江美
事業概要調剤薬局事業 医療モール開発事業 介護福祉事業 人材事業 不動産管理事業 インストアメディア事業 
URLhttps://www.aisei.co.jp/
インタビュイー
堀 浩之 氏 株式会社アイセイ薬局 事業企画部 部長
出版社勤務を経て広告会社の博報堂へ。AEとして、電機メーカーやハウスメーカー、デベロッパー等を担当。TV・新聞・ラジオ等のマス媒体からWEBまで、多岐にわたる領域の広告制作やメディアプランニング・バイイングに従事。
2016年にアイセイ薬局入社。インストアメディア事業責任者として事業立ち上げを行い、2022年からはノンコア事業の創出・売上拡大の部門責任者に。現在は、メディア事業・物販事業・PB事業・EC事業等を統括。
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ai taniuchi
2020年からPORT by Creww にてフリーランスライターとして活動中。
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