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Japan
日曜日, 5月 31, 2020

【松竹×DIVE JAPAN】松竹アクセラレータープログラムの実証実験結果が発表!

演劇や映像をはじめ、様々なエンターテイメントを製作・提供してきた松竹。その松竹が新たなる挑戦として2019年にアクセラレータープログラムをCrewwと合同で実施し、スタートアップ企業とのオープイノベーションによる、新規事業創出に挑んだ。そして開催から7ヶ月。84社のエントリースタートアップの中から選出された5社と共に、松竹は実証実験を経て、事業化に向けた最終審議のためのプレゼンを松竹本社で行った。本連載では、最終審議のためのプレゼンで語られたスタートアップや松竹担当者の言葉を軸に、5つのプロジェクトそれぞれの概要を追っていく。第1回は「旅先に飛び込むような旅をしよう」をコンセプトにDIVE JAPANという1分動画によるトラベルガイドを展開するスタートアップ、レアリスタ。

「松竹と協業したいと思ってくださる企業はどのくらいいるのだろう…?」そんな松竹担当者の不安に反して、予想を上回る84社ものスタートアップからエントリーが集まった。その中から書類選考、一次選考を経て、10社が松竹の担当メンバーと共にプレゼンデーション選考に進んだ。そして松竹の執行役員による2次セレクションにおいて、5社が選ばれ、実証実験を経て、最終審議を迎えた。

世の中を驚かす新しいコンテンツと体験価値を生み続けるために。松竹の挑戦。

2020年1月6日

1分動画によるトラベルガイドDIVE JAPANとは?

和田ダイスケ氏/株式会社レアリスタ 代表

和田:これから観光立国として成長を遂げていくといった、いわば国策的に伸びていく市場で僕らは戦っております。たくさんの外国人旅行者が来日する中、彼らが 行き先の検討段階で何を見て情報収集をしているのかといったのがこのアンケート結果です。

*2017年国土交通省観光庁による「訪日訪日外国人消費動向調査」より引用

1番多いのが、個人ブログ。インターネットを介して情報を集めていることがわかります。続いて Facebook や YouTube 、Instagram など様々な SNS を活用して情報を収集されています。ブログにせよ、SNSにせよ、ガイドブックにせよ、ずっとテキストで情報が収集されてきた経緯が旅行の領域にはあります。そこに疑問を持ったのがDIVE JAPANが生まれたきっかけです。

レシピ、美容、ファッションなど様々な領域が情報配信をテキストから動画に転換しています。我々は旅行の領域も今後は動画に転換していくだろうと予測しました。

動画による情報収集に転換されている背景が、1分の動画が持つ情報量です。テキストで置き換えると180万文字ぐらいに相当すると言われています。動画が持つ魅力の1つとして圧倒的な情報量、そして情報密度があります。そこがいろんな情報を欲しがる旅行者にとってすごく親和性が高いんじゃないかと仮説を立てました。

そして「 Let’s dive to your destination/ 旅先に飛び込むような旅をしよう」というコンセプトを作り、DIVE JAPANといったサービスを立ち上げました。 コンテンツは訪日外国人旅行者が日本で楽しめるための情報を制作し、動画で配信しています。

コンピューターのスクリーンショット
自動的に生成された説明
https://dive-japan.com/

1~2分程度の短い尺で、情報をダイジェストに要約するスタイルがDIVE JAPANの特徴です。取り上げるジャンルは観光スポット、飲食、ナイトライフ、アクティビティ、宿泊、文化、マナー。そういったものをインバウンドユーザーの多い、東京、京都、大阪といったエリアを中心にしてコンテンツを作っております。 言語的には英語、中国語の繁体字と簡体字、ハングルと日本語の5言語で展開しています。

一例として見て頂きたいんですが思い出横丁という場所が新宿にありまして、非常に多くの外国人旅行者の方々が足を運んでおります。

圧倒的なエンゲージメント、これが我々の 1番のストロングポイントです。SNS を中心にこの動画が拡散されグローバルで視聴されています。思い出横丁をテーマとした動画は20万回以上の再生。 ONE PIECE のイベントに関しては100万回ぐらい再生され、非常に多くの方々に視聴頂きました。そのほかにも、アジア、アメリカを始めASEANなどからの閲覧が多く、また、男女比で言うと3対2で女性が多いところが特徴です。

実証実験結果

平岩 英佑 氏/ 松竹株式会社 秘書室

実証実験はどのような内容だったのでしょうか?本プロジェクトのブラッシュアップメンバーとしてお話いただけますでしょうか。

松竹担当者 平岩英佑(以下、平岩):今回の取り組みでは、松竹としては、歌舞伎を中心とした日本文化のコンテンツの海外への発信、また、レアリスタ 側としては、DIVE JAPANのユーザー数やコンテンツ数の拡大を目指します。今回の実証実験では、松竹コンテンツがインバウンドに需要があるのかどうかと、松竹グループの映像センターが作る高品質な動画が受けるのかどうか、という2点を確認するべく4つの動画を作りました。

最初の2つ、南座と歌舞伎座の紹介動画は場所とアクセスを分かりやすく紹介するというDIVE JAPAN従来の形で作り、他の既存の動画と広がり方を比較しました。あとの2つは、従来の形と異なる方向性を模索しました。

Case 01 南座の紹介 https://dive-japan.com/kyoto/minamiza/
Case 02 歌舞伎座の紹介 https://dive-japan.com/tokyo/kabukiza/

「歌舞伎の見方」動画は、場所の紹介だけでなく、コンテンツの中身にも深く触れるというコンセプトで、歌舞伎俳優が楽屋で準備をする様子や、実際の上演風景をお見せしています。「鎌倉市のスポット紹介」動画は、市内の様々なスポットを一日で巡り楽しむには?というコンセプトで、北鎌倉・江の島・大船をご紹介しています。

Case 03 歌舞伎の見方紹介 https://dive-japan.com/tokyo/world-of-kabuki/
人, 写真, 女性, 屋外 が含まれている画像
自動的に生成された説明
Case 04 鎌倉スポット紹介 https://dive-japan.com/other/kamakura/

以上の実証実験から、コンテンツの訴求力や DIVE JAPAN 、松竹映像センターの相乗効果などにおいて、両者にメリットがある親和性がある協業ということもよくわかりました。また、関係部署からも「また是非一緒したい」と言う高評価をもらいました。社内外含めて良い評価を頂いています。

スタートアップ企業とのオープンイノベーションにおいて苦労されたことはありましたか?また、その壁をどのように克服されたのでしょうか?

平岩:レアリスタさんとは、こういう事業を一緒にやりたいという具体的な案があったわけではなく、とても魅力的なサービスに惹かれてご一緒したいと思い、何が出来るか話し合うところから始めました。そのため、互いの課題が解決できる協業スキームを見出すために、どのような検証をすべきか、実証実験の内容検討に時間がかかりました。

前述のとおり、実証実験では互いのリソースを出し合い、異なる形の動画を3パターン制作しました。実際に様々な形で一緒に作り始めることで、マーケットに合う動画の発掘や、制作しやすい撮影クルーも組むことができ、今後の方向性も見えてきました。普段の業務では中々出来ないことですが、事業を実際に走らせることで、現場でしか分からない新たな課題に対応しながら、協業案のブラッシュアップを行い、より強固な体制を築く事ができました。

今後は、まずDIVE JAPAN のサービス拡大を松竹として後押ししていくことが必要になります。そして、この共創サービスが成長してきた後は、それを興行に還元し、グローバルを目指していきたいです。

社長秘書をしながら、3つの新規プロジェクトを牽引。松竹を変える起爆剤へ

2020年4月22日
社名株式会社レアリスタ
設立2018年04月01日
所在地愛知県名古屋市中区栄2-9-30
代表者和田 ダイスケ
事業概要訪日外国人旅行者に役立つ旅情報の動画配信
URLhttps://www.realista.co.jp/
社名松竹株式会社
所在地〒104-8422 東京都中央区築地4丁目1番1号 東劇ビル
創業・設立創業:1895年(明治28年) 設立:1920年(大正9年)
資本金33,018,656,000円(平成31年2月28日現在)
代表者代表取締役社長 迫本 淳一
URLhttps://www.shochiku.co.jp/company/
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
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コラボに挑むスタートアップに期待する「媚びない」姿勢

※この記事は、2016年2月8日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。

タテからヨコへ変わりゆく世界

以前、「会社はコミュニティ化し、仕事はプロジェクト化する」という記事をエントリーしました。あれから1年。2020年という、世界と日本にとって節目となるであろうこのタイミングで、急激に変わりゆく世界を私なりに考察し、「タテからヨコへ変わりゆく世界」という概念でまとめてみました。昭和〜平成を「タテの世界」。令和を起点とする未来を「ヨコの世界」と定義しています。 タテの世界 タテの世界とは、際限なくタテに伸びていく階層構造(ヒエラルキー)です。上と下の概念は、主従関係や強制力と相性が良く、約70年前の世界大戦時においては「国家(軍隊)」、60年前の高度経済成長期は「会社」が代表的な組織構造でした。 上から下へ働く重力は中央集権と金融資本主義を加速させ、誰かや何かとの比較を肥大化させるエンジンとなります。仕事はニュートンのリンゴのように上から落ちてきます。集団の中で、リンゴをキャッチする最も”課題解決”が上手な人間が上へ上へと駆け登り、管理がしにくい個性と美意識は同調同質の圧力に潰されていきます。 タテ型経営の行き過ぎによってビジネスパーソンは会社の歯車と化し、コンプライアンスの徹底によって決められたことしかできない、やらない思考停止状態に陥ります。地球においては資源の奪い合いと温暖化が加速化し、富と機会の二極化は国家の右傾化を招きます。これらは全て、際限なくタテに「伸び切ってしまった」社会のひずみだと感じるのです。タテを否定しているわけではありません。ただし、上と下の距離感はもはや限界に近づいているのではないでしょうか。