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水曜日, 3月 3, 2021

フードテックのスタートアップ3社が語る!急成長のストーリーとは?

イノベーションの失敗例や成功例、把握しておくべきポイントなど、経験豊富なゲストから様々なノウハウを持ち帰ってもらうオンラインの場「Innovator`s Academy」。第2回目は「フードテックの急成長企業が語る!成功事例と今後の展望」をテーマに、現在注目されているフードテックの市場で、勢いのある3社のスタートアップにご登壇いただき、急成長を遂げた要因と成長のストーリー、協業における成功と失敗、今後の展望についてお話しいただいた。
目次
1.フードテックのスタートアップ3社の事業概要
2.急成長を遂げた要因と成長のストーリー
ースケールポイントはどこだったのか
ーどんな壁があって、どう乗り越えたのか
3.オープンイノベーションにおける成功と失敗、協業していきたい企業とは
4.フードテックの急成長企業3社の今後の展望

フードテックのスタートアップ3社の事業概要

登壇者
パネリスト①:株式会社RYM&CO.(リムアンドカンパニー) 谷合竜馬/代表取締役CEO 
パネリスト②:株式会社スナックミー 尾﨑敬祐/マーケティング担当
パネリスト③:株式会社ビビッドガーデン 松浦悠介/マーケティング統括
モデレーター:Creww株式会社 加藤直樹/マーケティング担当

POTLUCK/株式会社RYM&CO.

谷合:株式会社RYM&CO.(リムアンドカンパニー)の代表取締役の谷合と申します。
新卒でカラオケ店の店長を3年務めた経験から、店舗経営に関わるようなことで、何かしらサービスをやりたいなと思いつつ、いろんな会社を転々とした後、2017年の11月に会社を立ち上げました。
私たちが運営してるポットラックは、月々12,000円で、都内にある約500店舗からお昼か夜、1日1回レストランの料理をお持ち帰りすることができるサービスです。サービスの特徴としては3つありまして、1つ目が月額定額制ということ。毎日利用すると、通常1000円ぐらいの料理を1食400円ほどで食べることが可能です。2つ目は事前予約制のため、お店の混雑を避けられる上に待ち時間がありません。3つ目は飲食店さん側の話ですが、作業効率の向上により、一度に多くの料理を提供することが可能となっています。

スナックミー/株式会社スナックミー

尾崎:株式会社スナックミーでマーケティングとグロースを担当している尾崎と申します。WEB広告とかSNSの戦略策定とか、どういう風にブランドを成長させていくか、みたいなところをメインに活動してます。
スナックミー」はサブスク商材で、8個のおやつが入った「おやつボックス」を月に1回、もしくは2週間に1回ぐらいお送りするというものです。詰め合わせるおやつをお客さまの好き嫌いに合わせ、AIやシステムを使ってどんどんカスタマイズしていくことで、さらに良い商品を届け続けることが可能となっています。1箱1,980円です。

食べチョク/株式会社ビビッドガーデン

松浦:新卒で外資系のIT企業へ就職し、その後「ビビッドガーデン」に入社し、未経験で初めて1年でマーケティング責任者になりました。今は様々なチームを横断で見ています。
食べチョク」は、農家さんや漁師さんといった一次産業の生産者から直で商品を購入できるサービスです。目指すところとしては、一次産業の生産者さんがしっかり儲かって、後の世につないでいけるようにしたいという大きなビジョンがあります。市場や卸し、小売店を挟むことで、3割程度しかなかった生産者さんの取り分が、「食べチョク」を利用すれば8割まで引き上げることが可能です。
最初の2年間でぐんと業績を伸ばしてきたんですが、直近1年でさらにその68.2倍と、今ググッと伸びています。

急成長を遂げた要因と成長ストーリー

スケールポイントはどこだったのか

加藤:まずは各社様に、どこがスケールポイントだったのかをお伺いします。

谷合:去年からテイクアウトが軽減税率の対象になったり、サブスクが話題になったりして、私たちのサービスも徐々に伸びつつあったんですが、緊急事態宣言中は飲食店自体がほとんど休業になり、割とどん底みたいな感じだったんですね。でも一方でお店側からは全国的にすごくお問い合わせをいただきまして。
そこで、フードロス解消のテイクアウトサービス「TABETE」さんと、やはりテイクアウトのサービスの「PICKS」さんと3社合同でPR用のプレスリリースを出したところ、3社とも飲食店さんからのお問い合わせがかなり増えました。
ユーザー側では結構ピンチだったんですけど、お店側に関しては、ここでかなり接点を作ることができたのがひとつのポイントだったかなと思います。その結果、緊急事態宣言が開けてからユーザー数が徐々に伸び始めているという状況です。

尾崎:僕らは、小さいスケールポイントを毎月や四半期ごとにクリアして積み重ねることで、それが一年で見るとすごい成長になっているっていうパターンなんですよね。スナックミーは製造から発送まで全部自社でやってるので、ユーザーさんが一気に増えちゃうと製造や発送が追いつかなくなってしまうんです。
新規のお客さんを取れるだけ取るっていうよりは、今いるユーザーさんたちにいかに長く続けてもらうかというところを大事にした結果が、スケールポイントになったという感じです。
でも最近は、資金調達するなどして生産体制が整ってきたので、新規を一気にとるみたいなパターンも増えています。

松浦:毎月ずつはガツンと伸びているんですが、明確にこの瞬間爆伸びしましたっていうのはないですね。
この夏初めてテレビCMを放映したんですけれど、それはコロナの影響がすごく大きかったです。農家さんや漁師さん側は出荷先がどんどんなくなり、彼らをサポートしないといけない状況になったのと、ユーザー側は在宅が増えて、楽しみが減っていく中で、美味しくて楽しくて健康に良いものを届けるっていうのが大切になってきて。そういった市況的な背景にロジカルな数字の話も合わさって、テレビCMをやったり、がっつりマーケティングプロモーションをするといった意思決定がこの夏はできたかなと思います。

どんな壁があって、どう乗り越えたのか

加藤:過去にどんな壁があって、どう乗り越えたのかを教えてください。

尾崎:さっきの話と繋がりますが、製造や出荷のオペレーション部分と成長をどうやって折り合わせていくか、という壁があります。新規顧客を取れるんだけど、取りすぎるとサービスが悪くなっちゃうみたいな。だから、それをうまく調整できるような新規獲得体制を事前に整えるようにしています。
もう一つの壁は認知です。スナックミーは全国放送できるほどの生産体制がないので、ポイントを絞って、いかにお金を無駄にせずに、見た人を新規顧客として購買まで誘導するのかが課題です。それに対しては、認知施策に合わせてダイレクトの方もガチガチにやることで乗り越えています。

松浦:成長の壁は大きく2つありまして、1つ目は生産者側の話ですね。いきなり注文数が増えても、出品する方が足りなければ出せないので。
2つ目は組織の話です。先ほど60倍以上伸びたとお話ししましたが、人間は60倍にはならないので、何かしら組織改善していかなければなりません。この夏、社員が倍ぐらいに増えたんですけど、情報の共有や最適なチームの配置についての悩みもあるし、組織を増やすと、それに紐づいてコミュニケーションがすごく増えて大変です。それに関しては、マネージャー陣を固めて、そこから現場の方へ伝えていくといった方法をとっています。

谷合:始めて半年ぐらいで、キャンペーン的に「12,000円で昼夜食べれます」みたいなのをリリースしたら、メディアで取り上げていただき、ありがたいことに1〜2時間で数百名から購入が殺到してしまって。継続したいという人はめちゃくちゃ増えたんですけれど、ポットラックとしての収益構造がぐちゃぐちゃになりました。
会社のミッションとして、飲食店とお客さんの関係性を温かくしていきたいっていうのがあるので、飲食店さんにもしっかり儲けてもらわないといけない。テイクアウトにおける料理のジャンルや質、価格のバランスはどの辺りが最適なのかを把握するのは難しかったんですが、渋谷で2年ぐらいかけてやってきた成果が、ようやく次のエリア展開に繋がってきたのかなと思います。

オープンイノベーションにおける成功と失敗、またどんな企業と協業していきたいのか

加藤:事業成長の一貫として、企業と協業をするというオープンイノベーションの手法を活用するスタートアップは多いと思います。皆さんはそれぞれ企業との協業経験をお持ちだと伺っていますが、成功例や失敗例、また、今後はどんな企業と組んでいきたいかをお話しいただけますでしょうか。

松浦:成功事例として、佐賀県と一緒に行った生産者の出品サポートがあります。コロナの影響で納品先がなくなってしまったけれど、でもネット通販とかはできないっていう生産者がすごく多かったんですよね。そこで現地の食べチョク出品者に講師としてセミナーをしてもらったり、サイト上で佐賀県の農家や漁師の特集を組んだり。双方の目的とゴールが完全に一致していたので、急ピッチで進められました
失敗しがちなのは、最初の段階で双方のゴールを明確にしなかったり、温度感を確認できていない場合だと思います。その仕事は本丸なのか、それとも隙間時間でやるレベルのものなのか、どれだけリソースを投入するつもりがあるのか、といった辺りですね。
今後に関しては、物流関係や生産者側と繋がっている方たち、それからメインターゲットである主婦層に価値を提供できるような会社さんに興味があります。

谷合:もともとテイクアウトのみでやってたんですが、コロナの時に隙間バイトの「Timee」さんから、(緊急事態宣言の最中で飲食店の稼働が少ない為)働き先を探しているアルバイトの方が多いということで、「デリバリーをやりませんか」と声をかけてもらって。配送系を委託できる会社と3社で組ませてもらったので、配送スタッフさんの手配も必要なくて助かっています。結果的にコロナが落ち着いた後も伸びているので良かったなと。
今後はエリアを広げるために、飲食店さんとの繋がりがあるところと、あとこれからはグルメサイト的な立ち位置を取りたいと思っているので、居酒屋のような夜につなげたいお店に対してアプローチをしていきたいですね。それから法人向けの福利厚生プランもやっているので、オフィス系とも組ませてもらいたいと思っています。

尾崎:街のお菓子屋やOEMの製菓会社にスナックミーのおやつを作ってもらい、それをユーザーに評価してもらって、そのデータを改善に活かしてもらうといった協業の仕方をナウでやっています。
またこの夏は、宅飲み需要に合わせて、オリオンビールさんとのコラボでおつまみを出したところ、意外と評判が良かったですね。あとはコロナで売り上げが落ちた京都の老舗の製餡屋さんとコラボを組んで芋餡のスイートポテトを作ったりしました。
スナックミーは早いスピードでコラボボックスを出せるのが強みなので、今後も引き続き、お酒のおつまみやキャラクターものなど、いろいろな会社さまからのご提案をお待ちしている感じです(笑)。

フードテックの急成長企業3社の今後の展望

加藤:最後に今後の展望をお聞かせください。

谷合:現在、飲食店さんからのお問い合わせが増えてきているので、まずは都内、今後は主要都市へとエリアを広げていきたいと思っています。
あと飲食店はまだまだ厳しい時期なので、ポットラックのテイクアウトやデリバリーサービスをきっかけに、夜のコースや貸切営業へとつなげていけるような施策を今実験的にやり始めているので、それをもっと推進したいですね。

尾崎:引き続き、サブスクの「おやつボックス」の認知を広げていきたい。それから今は20〜40代の女性がメインターゲットなんですが、それ以外の層にもアプローチできるようなプロダクトやサービスをどんどん作って、もっといろんな人の生活のクオリティを上げたり、楽しみを提供できる会社になれればいいと思っています。

松浦:「ネットで食品を買う」という市場がすごく伸びているので、日常的に産直を利用できるようなサービスやプロダクトを強めていくことが、直近の課題かなと思っています。でも生産者さんの課題解決の会社としては、それ以外の部分にもどんどん入って行きたいなあと思ってます。

パネリスト①:株式会社RYM&CO.(リムアンドカンパニー) 谷合竜馬/代表取締役CEO 
1988年東京出身。中央大学理工学部卒業。株式会社鉄人化計画に入社しカラオケ店舗の支店長を務める。その後、雑誌出版社株式会社ミディアムにて販売プロモーション、フリーランスにて、NPO法人ETIC.やクラウドファンディングサービスCAMPFIREの業務委託を経て、2017年11月株式会社RYM&CO.(リムアンドカンパニー)を設立し、2018年9月より”サブスク”テイクアウトアプリ「POTLUCK(ポットラック)」を開始。

パネリスト②:株式会社スナックミー 尾﨑敬祐/マーケティング担当
スーツケースECの店長、離島メディアのディレクション、運用型広告代理店を経て株式会社スナックミーのマーケティング及びグロース担当。WEB広告やSNSの戦略策定、ブランディングや認知施策まで新規集客全体をメインに活動。社員20人のうち新規集客担当は1人。実家は創業70年の和菓子屋。

パネリスト③:株式会社ビビッドガーデン 松浦悠介/マーケティング統括
2018年、外資系IT企業に新卒入社。
ビビッドガーデンへ入社後、マーケティング統括として「食べチョク」のグロースを担当。
2020年よりビジネスサイド全体も管掌、社内初のテレビCM放映プロジェクトの全体統括。
全国の生産者さんから直接食材をお取り寄せできる「食べチョク」を運営。

モデレーター:Creww株式会社 加藤直樹/マーケティング担当
新卒でマクロミルに入社し、代理店から事業会社まで様々な領域の営業を担当。現在はクリエイティブカンパニーのNAKEDでtoC領域のマーケ担当として働きながら、複業としてスタートアップ数社とCrewwにてマーケティング業務に従事。

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石神 美実子
広告代理店、広告制作事務所を経て、現在フリーランスのコピーライター・ライターとして活動中。キャッチフレーズやネーミング、プレスリリース等の制作から、WEBメディアの執筆まで幅広く従事。とりわけ、円滑なコミュニケーションを必要とする人物インタビューが得意。
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