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水曜日, 12月 7, 2022

【未来予測】オープンイノベーションは3つの段階で変化し、最終的には個人単位へ

消費者ニーズの多様化によるビジネスモデルの短命化等により、既存ビジネスだけでは立ち行かなくなってきた大企業と、技術力はあるもののリソースが少ないためにグロースできないでいるスタートアップ。その両社が協業して新規事業を検証するオープンイノベーションが加速している。一時期は、オープンイノベーション“ごっこ”と揶揄されながらも、目的を見失わなかったプロジェクトに一定の成果が出始めた。しかし、他社との協業は大企業とスタートアップに限る話ではない。「これからオープンイノベーションは3つの段階で変化していく」と語るCreww代表の伊地知天が、オープンイノベーションの未来予測を語る。

複数企業や大学、行政などが協業するコンソーシアム型

日本でオープンイノベーションというと、大企業とスタートアップの協業、いわゆる2社間での課題解決をイメージする方が多いと思います。しかしCrewwでは、これからオープンイノベーションの形や考え方は3つの段階で変化していくと考えています。

まず必要性が顕在化されていくのは、社会的影響の大きな(Social Impact)コンソーシアム型の取り組みです。これは、複数の企業や大学、行政、団体などが集まって、1社では解決できない業界の大きな課題を解決する手法のこと。すでに一部のIT系大企業ではコンソーシアム型のプロジェクトが始まっており、今後は医療や建築、土木の領域にも広まっていくと考えています。

コンソーシアム型は日本企業に馴染みがなく、よく「オープンイノベーションの進化型だ」と思われがちなのですが、実は以前から存在していた概念です。

オープンイノベーションには、2社間で行う「コーポレート型」と、州ごとなどに行う「地域型」、そして、モビリティやスポーツなどのテーマごとに複数社が集まる「コンソーシアム型」の3種類があり、アメリカでは目的や課題に応じて使い分けられてきました。

日本でまだコンソーシアム型の馴染みがあまりないのは、コンソーシアム型はコーポレート型に比べて難易度が高いという点にあります。例えば、モビリティがテーマであれば、自動車メーカーなどが集まり、それぞれの手の内を明かし、さらに利害を調整しながら進めていく必要があります。最近では、アクセラレータープログラムなどの実施をされ共創における経験が豊富な企業さんが多く出てきた事で、この難易度の高い方法にもチャレンジする企業さんが増えてきました。それらを行う際にはまず協調領域をしっかりと作って行かない限り利害のバッティングで思うような成果が得られないというのが一般的です。コンソーシアム型はまだ発展途上で今後はさらに大きな役割に担っていくものと思われます。

プロセスが仕組み化されると、オープンイノベーションは一般に普及

そうしてコンソーシアム型のプロジェクトが増えていくと、複数の企業や大学、行政との協業に対するノウハウが蓄積し、成功事例・失敗事例が生まれます。すると、プロセスが可視化されて仕組み化され、オープンイノベーションは一般へと普及(Spread)し始めます。

これは、最初は手作りで高価だから富裕層しか入手できなかった商品が、機械で大量生産できるようになると一気に低価格になって一般に広まるのと同じ原理です。潤沢な資金のある大企業しか挑戦できなかった他社との協業が、プロセスが仕組み化されることで、中小・中堅企業も簡単に挑戦できるほど低価格になっていく。

実際にCrewwでも、これまでのアクセラレータープログラムのノウハウを仕組み化し、従来の価格の10分の1で簡単に協業プロジェクトを始められる「Steams」というクラウドサービスを2019年末にリリースしました。低価格だから、部署や子会社、プロジェクト単位で小さく簡単に始められることが特徴です。

https://steams.in/

プロジェクト単位が普及すると、最後は個人単位へ

こうして、オープンイノベーションが中小・中堅企業にまで普及すると、最後は法人単位ではなく、個人が集まってサービスを生み出す活動(informal)が増えていきます。

実際、アメリカのハリウッドでは、トム・クルーズやブラッド・ピットがプロデューサーとして映画を企画し、その都度集まった俳優やスタッフと映画を製作して配給会社に売る手法が取られています。この、個人が集まって仕事をする仕方をハリウッドにちなんで「スタジオ型」と

呼ぶのですが、映画製作の現場に限らずアメリカではこの手法で仕事をするのが一般化しているんですね。

いずれ日本も、企業が人を正社員として雇用して、社内で新規事業を作ろうとする考えから、個人が集まってサービスを生み出すことが当たり前の考えに変わっていくはず。Crewwでは、そうした未来を見越して、個人が集まってゼロイチで新規事業を創出し、事業会社への譲渡を目指す「STARTUP STUDIO」というサービスも開始しました。

https://studio.creww.me/

「STARTUP STUDIO」が法人化ではなく事業譲渡をゴールにしている理由は、どんなにいいサービスを作っても、組織の問題で会社が潰れてしまうケースもあれば、モノを作る才能に長けていても、経営に興味がないケースもあるからです。だから、サービスづくりと会社経営を分離しました。

誰もが挑戦できる、挑戦することが当たり前の社会に

2020年は、新型コロナウイルスの影響により、突然リモートワークを余儀なくされた方がたくさんいると思います。リモートワークができない業態の方も含めて、あらためて会社に属する意味や仕事のあり方、働き方に対する考え方が、変わりつつあるのではないでしょうか。

こうした価値観の変化によって、新しいサービスを作るのは企業ありきではなくなり、共感した個人が集まって挑戦しようとする動きが出始めるはず。そうなると、企業は今までのように自前でどうにかしようとするのではなく、リソースを解放して複数社や個人と協業する道を選択しないと、生き残ることが難しくなるかもしれません。

私たちが理想とする日本の未来は、誰もが挑戦できる、むしろ挑戦することが当たり前の世の中です。今回の未来予測が現実になったとき、Crewwが挑戦する人にとって必要不可欠なコミュニティであり続けるために、先行投資で一歩先ゆくサービス開発やサービスのブラッシュアップをし続けたいと考えています。

インタビューイー
 伊地知 天(いじち そらと)  Creww株式会社 代表取締役

高校、大学を米国で過ごす。カリフォルニア州立大学在学中に起業したことをきっかけに、これまで国内外で合計4社の企業を設立した実績を有す。現在は連続起業家として4社目となるCreww(クルー)に目下専念中!

【加盟組織・プロジェクト】
・ (社)新経済連盟 幹事
・ (社)情報社会デザイン協会 理事
・ J-Startup 推薦委員(経産省 x JETRO x NEDO)

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田村 朋美
2000年雪印乳業に入社。その後、広告代理店、個人事業主を経て、2012年ビズリーチに入社。コンテンツ制作に従事。2016年にNewsPicksに入社し、BrandDesignチームの編集者を経て、現在はフリーランスのライター・編集として活動中。

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