
共創の取り組みの背景と商品概要
これまでニチレイフーズでは食育や環境活動、社会貢献など、全社員が自分たちの担当領域を越えて自発的に活動する社内活性化プロジェクト「ハミダス活動」の一環として、様々な社会課題の解決に取り組んできました。
現在、フードロス削減が社会課題のひとつとなっています。ニチレイフーズはこれまでも、こども食堂やフードバンクへの寄付を通じてフードロス削減に挑戦してきました。また、工場の生産過程でどうしても出てしまう食品残渣は、すべてを肥料や飼料にリサイクルしています。しかし、食を支える企業として、食品残渣に「社会的価値」を付加しアップサイクルすることで、これまで以上に豊かな社会を実現したいという想いがありました。
この度、そのアップサイクルの取り組み第一弾として、食品・飲料の製造過程で出る規格外品・副産物や農産物の規格外品等をアップサイクルし、発酵アルコール(エタノール)とするファーメンステーション独自の発酵技術が共創先として選ばれ、ニチレイフーズのロングセラー商品である「焼おにぎり10個入」の規格外ごはんを除菌ウエットティッシュへ生まれ変わらせ、提供します。また、発酵・蒸留時に発生する副産物である発酵粕もゴミとせず、ニワトリの飼料として余すことなく活用します。

「焼おにぎり10個入」の生産に際しては、ライン上からこぼれてしまうごはんや、かたちが崩れた規格外のおにぎりがどうしても発生します。これらの「規格外ごはん」は、添加物等が少なくシンプルで均一であり、発酵に適するお米本来の良さを生かすことが可能であり、今回のアップサイクルが実現しました。

【商品概要】

〈商品名〉
「焼おにぎり」除菌ウエットティッシュ
〈商品特徴〉
・「焼おにぎり10個入」の規格外ごはんを、発酵、蒸留させて作ったエタノール、チャ葉エキス、グレープフルーツ種子エキスを配合した、99%天然由来(残り1%は除菌成分)のウエットティッシュです。
・ フラップに再生PETラベル、不織布に植物由来の生分解性セルロース素材を採用し、環境に配慮しています。
・無香料で、手指消毒だけでなく様々なシーンで利用できます。
・ 除菌性能テスト済です(一般社団法人日本衛生材料工業連合会の制定した、除菌を標榜するウエットワイパー類の基準によるテストを実施)
〈展開予定〉
・ニチレイレディスにて1万個無料配布(2022年6月17日(金)~19日(日)の3日間)
・今後順次小売店等を通じて販売予定
ファーメンステーションの未利用資源 再生・循環パートナーシップ
ファーメンステーションは「Fermenting a Renewable Society(発酵で楽しい社会を!)」をパーパスに、未利用資源を再生・循環させる社会を構築する研究開発型スタートアップです。
未利用資源の活用において、食品・飲料工場の製造過程等で出る副産物・食品残さなどの様々な未利用資源を再生することで、新たな高付加価値の商品を生み出す事業開発に取り組んでいます。
未利用資源 再生・循環パートナーシップ事業として、これまでも、アサヒグループとJR東日本グループが製造するりんごのお酒「シードル」の醸造工程から発生する副産物であるりんごの搾り残さや、ANAグループが取り扱う流通過程で汚れや傷みなどにより規格外となり販売できないバナナ、象印マホービンが炊飯ジャーの商品開発において炊飯した際の試食で食べきれないごはん、カンロの飴の製造過程で出る規格外の飴等を活用し、それら未利用資源を発酵・蒸留、精製した「エタノール」を用いたアロマ製品や除菌ウエットティッシュなどを製造・販売するパートナーシップに取り組んでいます。
ファーメンステーションでは、今後も未利用資源の再生・循環パートナーシップの取り組みを拡大し、貴重な未利用資源を有する企業(食品・飲料メーカー等)や、そのアップサイクルした原料や商品を展開可能な企業(化粧品・生活雑貨メーカー、小売り等)との連携を推進します。
▼未利用資源 再生・循環パートナーシップの事例紹介ページ
https://fermenstation.co.jp/collabo/
株式会社ニチレイフーズについて
社名 | 株式会社ニチレイフーズ |
所在地 | 東京都中央区築地6丁目19番20号 ニチレイ東銀座ビル |
代表者 | 竹永 雅彦 |
事業概要 | 冷凍食品・レトルト食品・缶詰・包装氷等の製造・加工並びにこれらの製品の販売 |
URL | https://www.nichireifoods.co.jp/ 本取り組み紹介ページ: https://www.nichireifoods.co.jp/corporate/sustainability/upcycling.html |
株式会社ファーメンステーションについて
ファーメンステーションは「Fermenting a Renewable Society」をパーパスに、未利用資源を再生・循環させる社会を構築する研究開発型スタートアップです。
岩手県奥州市に研究開発拠点兼自社工場(奥州ラボ)を持ち、独自の発酵・蒸留技術でエタノールやサステナブルな化粧品原料などを開発・製造しています。これらのサステナブル原料を化粧品・ライフスタイル製品の原料として化粧品メーカー・原料卸に販売する原料事業のほか、自社ブランドによるオーガニック化粧品事業、原料提案から製品開発まで一貫して引き受けられる化粧品・ライフスタイル製品等のODM/OEM事業を行っています。
また、食品・飲料工場の製造過程等で出る副産物・食品残さなどの様々な未利用資源を活用しアップサイクルすることで、新たな高付加価値の商品を生み出す事業開発を大企業との共創を通じて取り組んでいます。エタノールの製造過程で生成される発酵粕は、化粧品原料や地域の鶏や牛の飼料として利用し、さらに鶏糞は水田や畑の肥料にするなど、廃棄物ゼロの循環型モデルを構築し、地域循環型社会の形成にも取り組んでいます。
社名 | 株式会社ファーメンステーション |
設立 | 2009年7月7日 |
所在地 | 〒130-0003 東京都墨田区横川1-16-3 センターオブガレージ Room04 |
代表者 | 酒井 里奈 |
事業概要 | アルコール等の化粧品・雑貨・食品向け原料提供/開発、化粧品・雑貨OEM/ODM、未利用資源を活用した事業共創、自社オーガニックブランド事業 |
URL | https://fermenstation.co.jp/ オンラインショップ: http://www.fermenstation.jp/ 共同開発商品紹介 : https://fermenstation.co.jp/collabo/#products OEM/ODMご案内 : https://fermenstation.co.jp/oem/ |
(※)アップサイクルとは
リユース(再利用)、リサイクル(再循環)と異なり、廃棄物や副産物など、従来、不要と考えられたり有効活用されていないものを、様々なアイデアや手法でさらに価値の高いプロダクトに転換すること。
