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金曜日, 7月 10, 2020

松竹とラディウス・ファイブが挑むAIによるデジタル化革新

「松竹アクセラレーター2019」の選出スタートアップの1つである「ラディウス・ファイブ」と松竹によるオープンイノベーション事例。それは、ラディウス・ファイブの3名と松竹のイノベーション推進部、秘書室メンバーの総勢5名で編成されたプロジェクト「AIによるデジタルリマスターを実現し、デジタル化に革新を起こす!」である。

ラディウス・ファイブとの協業事例について

古い映像作品を、最新機器を用いてノイズを消去したり、デジタル化する作業で知られる「リマスター」。古い作品を最新の技術で蘇らせるテクノロジーは映像を扱う業界では必須とも言える。リマスター作業には複数の工程がある。一般的に映像修復の部分においては手作業がかなり必要になっており、人材不足や、機材の不足の面から外部の協力がどうしても必要になってくる。

このような課題に対し、ラディウス・ファイブと松竹のブラッシュアップメンバーのチームは「AIソフトを開発することで人件費の大幅カットとして手作業を大きく減らす」というプロジェクトに挑んだ。

ラディウス・ファイブのAIテクノロジーとは?

漆原 大介 氏/株式会社ラディウス・ファイブ 代表取締役

ラディウス・ファイブはAIの開発を手がけるスタートアップ企業だ。AIの中でもクリエイティブ領域に踏み込んだAIを開発している。修復以外にもいろんなAIを活用したサービスがあり、今回はその中でAIを使ったデジタルリマスターによるプロジェクト事例が提案された。

社名である「ラディウス・ファイブ」は、半径5mを指している。「手の届く範囲+α の人たちを助けられる存在になる」という経営理念を掲げ事業展開するスタートアップ企業だ。

ラディウス・ファイブ代表取締役 漆原大介:単純作業をAIで置き換えることにより、人は自由な時間が増えてより創造的なことができるようになる、そういった社会がくるでしょう。私たちは、そういった社会を実現していきたいと考え、「人の創造性を最大化する」ということをビジョンにすえて事業をやっています。

事業では、AI、エンタメ、コンサルに関するサービス提供をしているが、今はAI事業に特化をしており、「cre8tiveAI」「OOH AI」「AnimeRefiner」という3つの事業サービスを展開しています。

※OOH AIは、屋外広告・交通広告に利用できる特大サイズの画像を、AIを利用することで高速に制作するサービスである。

まず、cre8tiveAI。これは、クリエイターの業務を効率化するAIツールのプラットフォームというものを展開しており、様々なAIをワンストップでご利用いただけるプラットフォームです。特にクリエイティブに関連するような様々なAIの研究開発をしています。

最初に開発をしたのが、イラストを生成することができるAI。0.1秒でこれまで世の中に存在していなかったイラストを1枚生み出すことができ、数百万種類、多様なイラストを生成することが可能です。なおかつ高精細なイラストの生成が可能です。既にweb上で展開をしているので、誰でも簡単にオンライン上で新しいイラストを手に入れることができるという様なサービスを展開しております。

次に開発をしたのが高解像度化AI。これは写真やイラストをアップロードするだけで、誰でも簡単に高解像度に変換することができるというAIです。美しさの基準で見ると、世界で最も美しく高解像度化することができるAIです。単純に高解像度にするだけではなくて、ノイズの除去等々、様々な画像に発生するような劣化要素というものをAIに学習させることによって、これまでの技術では実現できなかったレベルで美しく、高解像度化することができます。

こういった技術を用いて、松竹さんと一緒にデジタルリマスター版の制作においてご一緒したいと思っております。

実証実験の結果

平岩 英佑 氏/松竹株式会社 秘書室

― 実際にどのような実証実験を行ったのでしょうか?また、その中で、難しかった点などはありましたか?

松竹担当者 平岩英佑(以下、平岩)松竹にとってラディウス・ファイブとの実証実験は、松竹の課題解決ができる技術をラディウス・ファイブが持っていたため、実際にそれが実施できるのかを検証することとなりました。フィルムの修復作業を行う忙しい現場に、AIを導入する事で作業効率を上げるという内容です。

実際に松竹映像センターで修復している作業を見学し、作業工程を把握しました。次に対象となる傷の洗い出しを行いました。傷の修復には種類が多数あり、それぞれ修復工程も異なります。その中で今回の実証実験において着目したポイントは、「全ての作品に存在し、かつ多量に存在している傷」です。通常業務が忙しい現場の中で、どう実証実験を動かしていくかに苦労しました。

― 通常業務の忙しさを抱える現場との壁をどのように越えたのですか?

平岩: 実際に修復作業の現場見学などを実施しながら、スタートアップの方と現場が直接会話できる場を作り、その有用性を全員で共通の認識にすることで進めていきました。また、会社全体でもAI導入による効率化の必要性を説明し、現場が動きやすい環境を作ることで乗り越えました。

期間に定めのある「アクセラレータープログラム」の性質上、実証実験では状況把握と開発スケジュール、予算の整理までとのことだが、AIによるデジタルリマスターの実現は日本映画全体、世界中のフィルムを救うことに繋がるものであり、非常に興味深い実証実験であった。

社長秘書をしながら、3つの新規プロジェクトを牽引。松竹を変える起爆剤へ

2020年4月22日

世の中を驚かす新しいコンテンツと体験価値を生み続けるために。松竹の挑戦。

2020年1月6日
社名Creww株式会社
設立2012年8月13日
資本金4億6,455万円(資本準備金含む)
代表者伊地知 天(いじち そらと)
URLhttps://creww.in/
事業概要Creww株式会社は「大挑戦時代をつくる。」をビジョンに掲げ 、
国内最大級のオープンイノベーションプラットフォームを運営をしています。スタートアップ、起業家、事業会社、個人を問わず 、挑戦したいすべての人のトータルサポート企業として、それぞれ のニーズにマッチした様々なサービスを提供します。

■オープンイノベーション プラットフォーム 「creww accele(クルーアクセラ)
■オープンイノベーションクラウド 「Steams(スチームス)」
■新規事業創出のためのサポートサービス 「creww corporate membership
■挑戦のためのコミュニティ&コワーキングスペース 「docks
■挑戦者のためのオープンイノベーションメディア「INNOVATIVE PORT
■挑戦する個人のためのインキュベーションプログラム『STARTUP STUDIO by Creww

社名株式会社ラディウス・ファイブ
設立2015年9月29日
所在地東京都新宿区新宿7丁目26-7 ビクセル新宿1F
代表者漆原大介
事業概要社会を飛躍的に変革させる「Creative AI」の研究開発。イラストなどのコンテンツを生成する「彩ちゃん」の開発とデザイナーやクリエイターの仕事を飛躍的に改善する「cre8tive AI」の開発を行っている。
URL https://cre8tiveai.com/
社名松竹株式会社
所在地〒104-8422 東京都中央区築地4丁目1番1号 東劇ビル
創業・設立創業:1895年(明治28年) 設立:1920年(大正9年)
資本金33,018,656,000円(平成31年2月28日現在)
代表者代表取締役社長 迫本 淳一
URLhttps://www.shochiku.co.jp/company/
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
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