12.8 C
Japan
月曜日, 1月 24, 2022

浮世絵レンタルのサブスクサービス「ukio(ウキオ)」で伝統技術を100年先へと引き継ぐスタートアップ|カサネの挑戦

「大挑戦時代をつくる。」をビジョンに掲げるCreww(クルー)では、毎月オンラインネットワーキングにて、事業会社・スタートアップ・個人起業家などの挑戦者をリコメンドしています。カスタマーサクセスチームとして、Creww会員スタートアップのサポートをメインに担当する内海 敦子が今回ご紹介するスタートアップは株式会社カサネです。
ゲスト
中山 卓亮氏 株式会社カサネ 代表取締役

Crewwおすすめスタートアップ「株式会社カサネ」の推しポイント

内海:今日は浮世絵レンタルのサブスクサービスをご紹介します。最初は、「浮世絵の需要って世の中にそんなにあるのかな」と思ったのですが、「株式会社カサネ」の中山さんから直接お話を伺ったら、その奥深さと熱い想いに感動したので、ぜひ皆さんに知っていただきたいと思いお呼びしました!

木版画技術を駆使してつくられる浮世絵

中山:ukio(ウキオ)」という、浮世絵レンタルのサブスクサービスをやっています。皆さん一度は浮世絵を見たことがあると思うのですが、それがどうやって作られているのかは、意外とご存じないのではないでしょうか。

大まかに言うとこれらの浮世絵は木版画で作られています。皆さん小学校の頃に図工の授業で体験された方もいると思うのですが、あれと同じ技法で作られています。その時に作った木版画は白黒だったと思いますが、北斎などの浮世絵には鮮やかな色が付いています。

これはどうやって作っているのかと言いますと、イメージとしては青の版、赤の版、黄色の版というように色別に彫られた木の板(版木:はんぎ)があり、そこに和紙を重ね、摺ることによって作品が作られます。

まず、最初に摺った和紙に表現される輪郭線は白と黒だけです。これに舟の色を付ける版木に乗せて摺ると少し色がつきます。次に空の色を摺り、波のしぶきに色を摺り、最後に深い青を摺ることによって、作品が完成するというイメージです。

今ご説明したように、浮世絵は「木版画技術」によってつくられるため、アーティスト(絵師)と職人(彫師・摺師)の合わせ技で完成します。「絵師」と呼ばれるのが、皆さんご存じの、葛飾北斎や東洲斎写楽、歌川広重など、つまりアーティストですね。そのアーティストが描いた絵を、彫師という職人が版木に彫ります。そして、最後に摺師が紙に摺ります。摺師は色の調合なども手がけたりするので、非常に専門性の高い技術を持った職人です。

約100年前に、「アダチ版画研究所」設立

中山:これは200~300年前の技術なので、当たり前ですが、職人のなり手は当時と比べ減少しています。彫師と摺師は100年前の時点でもだいぶ少なくなっていたようです。1回技術が途切れてしまうと、復活するのはなかなか難しいと思うんです。例えば、「ピラミッドを見ながら、もう一度作ってみて」と言われても、同じものを再現するのは困難ですよね。

昭和の初め「安達 豊久」という人物がこの問題に対して危機感を感じていました。江戸時代から続く日本独自の伝統木版画技術が途切れてしまうことへの危機感です。そこで豊久は、各地に点在していた職人たちを自分の元に集め(木版画技術を集結させる)、新たに浮世絵の仕事を創り出すことに尽力しました(復刻版浮世絵)。これが「アダチ版画研究所」の始まりです。昭和3年のことですので、現在設立から94年前になります。

私、苗字は「中山」ですけれど、先ほどの豊久は大伯父にあたります。私自身はもともとテック系ベンチャーでプロデューサとして働いていたのですが、ある時の親族会で「アダチのECサイト含めたWebまわりを手伝ってよ」と声を掛けていただきました。そこから15年位、今でもアダチさんとお付き合いしつつ、公益財団(公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団)にも携わらせてもらっているような状態です。

軽やかな活動をするために「カサネ」を設立

中山:アダチさんがやらないようなもうちょっとライトな活動をフットワーク軽く行うために、私の方で「カサネ」という会社を別に立ち上げました。木版画という日本独自の伝統技術を今後100年先、次世代にもちゃんと引き継げるようなことをやっていきたいなと思っています。

浮世絵って、美術館や博物館などに行かないと、なかなか近くで見られないと思うのですが、もっとライトなユーザーの手の触れられる距離に、こちらから持っていくことができれば、浮世絵を見るという体験・接点が生まれると思うんです。それでちょっとでも浮世絵に興味を持つ人が増えたり、ファンになる1つのきっかけになったらいいなと思って、いくつかのブランドを立ち上げて展開しようと思っています。

法人向けのサブスクリプションの浮世絵レンタルサービス「ukio」

中山:「株式会社カサネ」としてやらせていただいているうちのひとつが、「ukio(ウキオ)」という法人向けのサブスクリプション型の浮世絵レンタルサービスです。

オンラインのサービスなので、オンライン上ですべて手続きが完了します。お客様は、好きな浮世絵を選ぶだけ。あとは待っているだけで浮世絵が届いて、交換もできます。もちろん保証もついているので、まちがって壊しちゃったり、カビをはやしちゃったということがあっても、特に責任を負うようなことはありません。

プランは3種類あって、月額のお払い額が9,800円~19,800円となっています。プランの違いは、借りられる枚数の違いですね(年間でのレンタル枚数上限)。ライトプランだけ、特に高価な浮世絵を一部省かせていただいていますが、ほとんどの浮世絵がすべてのプランにおいて借りられます。年間一括払いをしてもらえれば、さらに2ヶ月分ほどお安くなります。

現在いろいろと営業中なのですが、ターゲットイメージとしては、「オフィス・コワーキング」「病院・クリニック」「料亭・レストラン」「ホテル・旅館」「デイサービス・デイケア」「マンション」「学校」などを考えていますが、「どこに売るか」「誰に営業を頼むか」など、試行錯誤しています。

例えば、地銀さんや信金さん、保険会社さん、商社さんなど、すでに企業さんとの口座をもっているところとパートナーを組むなどしてお手伝いいただくことができれば、加速して行くのではないか、と感じています。何か売り込みの方法やネタ、ターゲットのアイディアがあれば、ぜひぜひアドバイスお待ちしています。

社名株式会社カサネ
設立2020年1月
住所東京都中央区日本橋兜町17-2 兜町第6葉山ビル4F
代表者中山 卓亮
事業概要1)サブスク(レンタル)事業
・オフィスや病院、店舗などへ浮世絵をレンタル
2)D to C 事業
・浮世絵をReデザインしたオリジナルアイテムの展開
・観光客へのお土産として空港や主要駅、デパートなどにも展開
3)Webメディア 事業
・Webメディアの企画・制作・開発・運営
・Webプランニング・コンサルティング
URL【ukio】https://ukio.jp/
Facebook コメント
石神 美実子
広告代理店、広告制作事務所を経て、現在フリーランスのコピーライター・ライターとして活動中。キャッチフレーズやネーミング、プレスリリース等の制作から、WEBメディアの執筆まで幅広く従事。とりわけ、円滑なコミュニケーションを必要とする人物インタビューが得意。
- Advertisment -

Featured

東芝が取り組む、“本気”のオープンイノベーションとは

【オープンイノベーションインタビュー】1875年に創業し、エネルギーや社会インフラ、ICTなど、人と地球の明日を支える「社会の基盤となる事業」に取り組む東芝。そんな東芝が “本気” のオープンイノベーションで新規事業創出に取り組んでいる。すでに法人化したプロジェクトもあるというが、具体的に何をしているのか。グループ全社で新規事業創出の旗振り役をしているCPSxデザイン部 CPS戦略室の相澤宏行氏と岩本晴彦氏に話を伺った。 #募集 #東芝 #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【募集】古野電気の社内ベンチャーと一緒に、「建設DX」を実現するパートナーを求む!

【オープンイノベーションインタビュー】センシング、情報処理、情報通信の3つをコアテクノロジーに、魚群探知機等の船舶電子機器や、社会・産業に貢献するさまざまなソリューションをグローバルで提供している古野電気。その技術力を活用して、全く新たな領域に挑戦しているのが建設業界のデジタル化だ。社内ベンチャープロジェクトを立ち上げて、建設業界のデジタル化・遠隔施工の実現のため、現場環境に適した通信やセンサー機器を積極的に展開している。ただ、多様な建設業界の課題を解決する“建設DX”を1社で実現するのは困難なため、「FURUNO 建設DXアクセラレーター」を実施。具体的にどのような共創を目指しているのか、社内ベンチャー 建設DX事業責任者の石野祥太郎氏に話を伺った。 #募集 #古野電気 #インタビュー #アクセラレータープログラム #アクセラレーター #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【入山章栄×佐々木紀彦】30歳は動くとき。「大企業1社」キャリアからの脱却

【インタビュー】「入社すれば一生安泰」という“神話”を信じ、手にした大企業の切符。しかし、年功序列と終身雇用は既に崩壊している──。 転職や複業前提で働く「Z世代」とは違い、大企業神話を信じて1社で働き続けている30代、40代のビジネスパーソンは、このまま変わらない日々を送り続けても大丈夫なのか。 早稲田大学ビジネススクール教授で経営学者の入山章栄氏と、42歳で起業し新著『起業のすすめ さよなら、サラリーマン』を出版した佐々木紀彦氏に、1社経験しかない30代40代がこれからすべきこと、ミドル世代のキャリア論を聞いた。 #複業 #転職 #Z世代 #Creww #大挑戦時代をつくる

【提言】転職だけがすべてじゃない。会社を辞めずに外に出よう

【インタビュー】転職、複業、兼業、起業──。 日本型雇用が崩壊し、自分らしく働く選択肢は増えたとはいえ、これらはまだ一部の人しか経験したことがないのが日本の現状だ。 国際社会と比較しても、日本は圧倒的に人材流動性が低い。超少子高齢化社会で労働力人口も減り続ける日本で、このまま人材の流動性が低いままでいるとどうなってしまうのか。 キャリアデザインの専門家である法政大学教授の田中研之輔氏と、新規事業や社会課題解決に挑戦したい個人・スタートアップ・事業会社をプラットフォームでサポートするCreww株式会社 代表取締役CEOの伊地知天氏に話を聞いた。 #複業 #ゼロイチ #インキュベーション#Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント