12.8 C
Japan
日曜日, 5月 16, 2021

「ライフワーク」を通じて得た強い使命感。ロボット製作で“2030年問題”に終止符を!

“2030年問題”解決のためロボット製作を手掛けるユニロボット。代表取締役の酒井 拓氏にお話を伺い、人生の分岐点において華麗な経歴を捨て「起業」という挑戦を選択したその想いに迫る。
※この記事は、2019年2月13日、STARTUPismにて公開された記事を転載しています。

ユニロボット代表取締役、酒井 拓が選択した「起業」という挑戦

昨今、政府による「働き方」改革の推進によって多様な働き方を選択することが可能な時代が到来しつつあり、終身雇用が当たり前であった日本においても「起業」を取り巻く環境の変化から安定した大手企業を退社し、人生の折り返し地点でもある40代前後でリスクを取って新たなビジネスに挑戦する人が増えている。

元々、大手総合商社に勤務し、駐在員として海外赴任するなど、いわゆるエリート街道を進むサラリーマンだったユニロボットの酒井代表も、華麗な経歴を捨て「起業」を選んだ一人である。人生の分岐点において「起業」を選択した理由に迫りたい。

彼は、人生において約9年間をアメリカで過ごした。1度目は学生時代、2度目は商社マン時代の海外赴任によるものだ。アメリカでは、「慈善活動」は社会構造体の一部と言えるほど盛んであり、日本とはその規模も団体の数も大きく異なっている。彼は、目の当たりにした「慈善活動」における日米の「文化」の差に強い衝撃と感銘を受け、自身でも何かできることがあるのではないかと、2007年にボランティア活動を開始し、「ポイ捨てゴミ」の課題を解決するためマンハッタンを起点としたロックフェラーセンターの冬のシンボルでもあるクリスマスツリーの周辺の清掃活動に取り組んだという。

活動を通じて街が徐々に美化されたことはもちろんのこと、口コミによる賛同者や支援者の増加も相まって、ついには地元メディアに取り上げられるまでの活動規模に達した。初めて自身で手掛けたソーシャルアクションを通じて、活動の輪の広がりによる多くの人との出会い、喜び、充実感、達成感などを経験したことで自身の「ライフワーク」を見つけることとなったのだ。

帰国後も商社で働く傍らいくつかの活動を続けていたが、特に「2030年問題」に関して強い課題意識を持っていたという。このまま日本における人口が減少の一途をたどり超高齢社会へ突入すると、労働力人口の減少→経済活動の鈍化→GDP(国内総生産)の低下→経済成長率の鈍化→国際競争力の低下→税収の低下に伴う社会保障費の不足など、さまざまな問題が発生することが予測される。

そこで、酒井代表は、高齢社会の課題を解決するために介護ロボットならぬ「パートナーロボット」の製作をひらめいたのだという。しかし、ひらめき自体はよかったものの、“ディープラーニング”という言葉も世の中に浸透しておらず、業界にも精通していない・・など、畑違いの彼にとっては苦労の連続だったと、笑いながら当時を振り返った。

商社を退職し、かれこれ数年ロボット製作に時間を費やしてきたわけであるが、成功に向けて舵を切ることができた一番の理由を、“ソーシャルアクションを通じて得た人脈”だと明かした。彼の取り組むソーシャルアクションにおけるメンバーの職業や業界はさまざまであるが、「社会課題の解決」という同じ「信念」を持った仲間だからこそ、彼の挑戦に対して自然と協力体制が構築されたのだろう。

そして、各々が得意分野を生かした人脈による出資を含めた支援者や技術者等の紹介を買ってでたことによってロボット製作は一気に前進することとなった。まさに、彼らの「信念」が実を結んだ瞬間だったのではないだろうか。

「人生は選択の連続である」という言葉は有名だが、それは、成功と失敗の繰り返しでもある。経験値や常識にとらわれるあまり、人は年齢を重ねるにつれ、だんだん選択をすることに対して臆病になっていく。

人もうらやむ安定を惜しげもなく捨て、失敗を恐れることなく「起業」という道を選択した酒井代表は紛れもなく挑戦者である。彼の行動力には感服するばかりであるが、同時に彼の手掛けるロボットが『2030年問題』解決の一助となる日を心待ちにしている。

資金調達額9億円のユニロボットのファウンダーが語る「日々立ちはだかる失敗の壁との向き合うコツ」

2020年7月1日
社名ユニロボット株式会社
所在地〒151-0073
東京都渋谷区笹塚3-2-15 第Ⅱベルプラザ5F
代表者酒井拓
事業概要次世代型ソーシャルロボットの開発、製造、販売(ユニボストア)
上記に付帯する組み込みソフトウェア全般の開発
パーソナルAI(自然言語処理・感情解析・レコメンド等のコミュニケーション)に関する研究、開発上記を活用したクラウド・サービス(unirobot cloud)
受賞歴2015年10月:アジア最大級のオープンイノベーションの式典「ILS」で500社のベンチャー企業の中から、グローバルイノベーションの分野でTOP10企業に選出
2016年3月:富士通アクセラレータプログラムのピッチ大会で最優秀賞を受賞
2016年10月&2017年10月:アジア最大級のオープンイノベーションの式典「ILS」で、人気TOP100企業に選出
2016年11月:Wantedly Award 2016で、 Hacker賞を受賞
2017年4月:AGING2.0 TOKYO GLOBAL STARTUP SEARCHで、 INNOVATION FOR WELLBEING賞とオーディエンス賞をダブル受賞
2017年10月:Startup World Cupで、 日本予選のファイナリストに選出
URLhttps://www.unirobot.com/
Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

Featured

世界シェアNo. 1の日本金銭機械が、スタートアップとあらゆる社会課題の解決を目指す

【アクセラレーターインタビュー】 カジノ業界での金銭処理のパイオニアとして世界シェアNo. 1を誇る、日本金銭機械株式会社(Japan Cash Machine co.,ltd.)。世界中で貨幣の法的秩序を保ち、貨幣に対する信頼や社会の治安維持に貢献してきた同社は、既存のビジネス領域にとらわれない、新たな社会課題解決を目指して、アクセラレータープログラムを実施する。具体的に、どのようなスタートアップと協業し、どんな領域で新規ビジネスを創出したいと考えているのか。新規ビジネス開拓部の小林崇亮 氏にお話を伺った。 ※応募の締め切りは2021年4月30日(金)17時です。

日本生命とシェアダインによるオープンイノベーション!生活習慣病や働く子育て世帯、美容・健康に気遣う人に新たな価値を創出

【オープンイノベーション インタビュー】 「100年先も、大切な人の想いをいちばん近くで支える」をキャッチコピーに、人生100年時代を支える事業共創パートナーを募集した、日本生命アクセラレーター2018。スタートアップとの協業は初めてだったが、採択された出張シェフによる作り置きサービス「シェアダイン」とは、2019年の実証実験を経て2020年には資本提携を結び、コラボレーションを実現させている。具体的に、どのような課題を解決するためにアクセラを導入したのか、またシェアダインとはどのような取り組みを実施しているのか、日本生命保険相互会社 総合企画部イノベーション開発室の関 正之 氏と、本店法人営業第二部 法人部長(2018年当時)の大野 光明 氏に話を伺いました。 #日本生命 #オープンイノベーション #アクセラレーター #シェアダイン #協業事例 #大挑戦時代をつくる #Creww

「人の森」の挑戦ーオープンイノベーションでワクワクするような未来をつくりたい

【オープンイノベーションインタビュー】昭和15年創業、昭和40年代には日本最大の砂利会社となり、国土開発に貢献してきた「相模興業株式会社」が、2013年に「人の森株式会社」へと社名を変更。会社としての使命を、繁栄・発展から社会への貢献・人の幸せづくりへと大きく舵きりしました。事業領域を広げる中で、今回「ウェルネス・水・農業」の3部門において、アクセラレータープログラムによるオープンイノベーションを決意。スタートアップとの協業にかける思いを、人の森株式会社 代表取締役 加藤 政徳氏に伺いました。 #オープンイノベーション #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #スタートアップ #人の森 #大挑戦時代をつくる #Creww

まだ世の中にない新たな体験価値を創出する、「香り噴霧器」の製品化を目指す|アネスト岩田のオープンイノベーション

自動販売機から美味しそうなコーヒーの香りが漂ってきたら、新しい購入体験にならないだろうか――。スタートアップとの協業により、既存技術を生かした“飛び地”の新規事業創出に取り組んでいる、アネスト岩田。 そんな同社が2020年から導入したアクセラレータープログラムで、香り空間演出・プロデュース事業を展開するスタートアップ「SceneryScent」との協業を進めているのは、発電システムチームの和泉孝明氏です。具体的に、どのような挑戦をしているのかを伺いました。 #アネスト岩田 #オープンイノベーション #アクセラレータープログラム #Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント