12.8 C
Japan
木曜日, 5月 26, 2022

スタートアップスタジオって何?

スタートアップスタジオという言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
スタートアップスタジオとは、いま日本でも徐々に広がりつつある新規事業立ち上げのための投資形態のひとつです。普通の投資ではなく、より踏み込んだ支援を行います。
今回の記事では、スタートアップスタジオとは何かについて解説します。スタートアップスタジオに興味がある人は、ぜひ参考にしてくださいね。
※本記事は、2021年12月27日 noteに公開されたものを転載しています。

スタートアップとは

そもそも、スタートアップの定義とは何なのでしょうか。

スタートアップとは、革新的なビジネスモデルで急成長を目指す会社・組織のことです。会社そのものだけでなく、既存の会社のイノベーティブな事業のことを指して言う場合もあります。

最終的なゴールはイグジット※1。「社会に新しい価値を提供する」ことが目的であるため、事業の維持・拡大は違ったフェーズで行われます。

また、似ている言葉として「ベンチャー企業」がありますが、ベンチャー企業は着実な成長で中長期的に社会の課題を解決するのが目的です。

基本的には既存のビジネスモデルによって規模拡大と堅実な収益増を狙います。「スモールビジネス全般」とほぼ同義だと考えてもいいでしょう。

スタートアップ曲線を拡大表示

そのため、スタートアップとベンチャー企業の成長曲線の描き方には上記のような違いが出ます。

※1:イグジットとは、株式を売却して利益を得ること。主な方法としてIPO(株式公開)やバイアウト(第三者への株式売却)がある。

スタートアップスタジオとは

スタートアップスタジオとは、スタートアップの立ち上げ支援を行う組織のことです。

スタートアップは急角度の成長曲線を描くが故に、資金や人材が慢性的に不足しています。ノウハウも十分でないことがほとんど。成功率は1割以下とも言われている厳しい世界です。

社会にポジティブなインパクトを与えうる革新的なアイデアが、リソース不足で実現されないのはもったいないですよね。

スタートアップスタジオは、そんなアイデアは持っているものの、基盤が不安定な起業家に対して、リソースを惜しみなく提供する場所です。し、立ち上げ段階からともに事業を作り、成功の確率を上げます。

スタジオには、資金調達を手伝うための準備や、事業を成功に導くためのノウハウがそろっています。また、同時に多数の起業家の支援を行うことも特徴です。

VCやエンジェルとの違い

スタートアップスタジオと似た業態のものとして、VCやエンジェル投資家が挙げられます。

VC(ベンチャーキャピタル)・・・ベンチャー企業やスタートアップに対して出資を行う投資会社のこと。

エンジェル(投資家)・・・立ち上がったばかりの企業やビジネスに対して出資する個人投資家のこと。VCで扱うことが少ない小〜中規模の出資も行う。

VC・エンジェルとスタートアップスタジオの最も大きな違いは、スタートアップとの関わり方にあります。

VC・エンジェルは主に起業家が求める資金などの必要資源を支援する形をとっているのに対し、スタートアップスタジオは起業家と一緒に事業を立ち上げます。

スタートアップスタジオは、スタジオ内部に蓄積されたノウハウを提供し、人的リソースの提供なども行います。起業経験が浅い人や基盤がない人に向いている支援形態といえます。

スタジオ出身のスタートアップ例

では、実際にスタジオ発で成功しているスタートアップにはどんな企業があるのでしょうか。

ここではスタジオ出身で実際にイグジットまでたどり着いた国内外の事例を紹介します。

1. Photosynth(フォトシンス)

アケルンを拡大表示

2021年11月にマザーズ上場したPhotosynth※2は、立ち上げ期にスタートアップスタジオGaiaxから支援と出資を受けています。

Photosynthは世界初の後付型スマートロックロボット「Akerun」を提供するIoT企業で2。

なんと現在では都内で7.4%※3、大手企業を含む5000社以上で導入されており、急速な拡大を見せています。

※2:Photosynth『東京証券取引所マザーズ市場への上場に関するお知らせ』
※3:Gaiax『スマートロックAkerunのフォトシンス代表 河瀬航大氏の活躍を知る動画/記事5選』

2. bit.ly

画像3を拡大表示

海外での有名な事例としては、 URL短縮サービスの​​bit.lyが挙げられます。利用したことがある人も多いでしょう。

bit.lyは、Twitterでは140文字以内のツイートしかできないことに着目。長いURLを短縮して投稿や文面をスッキリさせることができるクラウドサービスを立ち上げました。

​​bit.lyはニューヨークに拠点を持つスタートアップスタジオ、Betaworks(ベータワークス)出身の企業です※4。

Betaworksは2008年設立でスタジオの草分け的存在で、bit.ly以外にも GIF画像をストック&シェアできるGIPHYや、ブログフォローができるbloglovin’に対する出資も行っています。

※4:betaworks公式サイト Build

まとめ

今回は、スタートアップスタジオとは何かについてご紹介しました。

まだまだ国内ではポピュラーとは言い難いスタートアップスタジオですが、現在大企業や自治体が運営するスタジオが次々と立ち上がっており、今後より注目される存在になっていくことは間違いないでしょう。

本記事がスタジオの役割や仕組みについての理解を進める一助になれば幸いです。

Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
Vianote
- Advertisment -

Featured

【公募】循環炭素社会を目指し、スタートアップや起業家予備軍を含む研究者らを助成!

【オープンイノベーションインタビュー】循環炭素社会の構築を目的として誕生した一般社団法人カーボンリサイクルファンドは、民間からの寄付金を原資にシード/アーリーステージのスタートアップにとって必要な見返りを求めない“GAPファンド”として、循環炭素社会の実現に向けてイノベーションを起こそうとする大学・企業等の研究者(研究チーム)に助成金を交付している。そんな同団体が開催する助成活動について、イノベーション部/部長代理 鹿島淳氏に話を伺った。 #募集 #カーボンリサイクルファンド #アクセラレータープログラム #インタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【Creww ×メリービズ】管理部門の働き方を先進的にする、スマートバックオフィス

さまざまなスタートアップから次々と誕生している、バックオフィス業務のSaaSサービス。Crewwは、それらのサービスを複数導入することで、管理部門における新しい働き方とキャリアを創出し、社会に広めていくための「スマートバックオフィス化」を進めています。そこで、Crewwが導入している「バーチャル経理アシスタント」を提供する、メリービズの長谷龍一氏と、Creww取締役の高橋彗に、バックオフィスをデジタル化することの価値について話を伺いました。

スタートアップと地域企業が共創で挑む食品ロス課題解決〜hakkenの乾燥野菜によるイノベーション

【スタートアップインタビュー】 世界には、今この時も食べ物を求め飢えに直面している人々がいます。一方で、日本の食糧廃棄量は深刻です。食品を焼却処理する際に排出されるCO2は地球温暖化の原因ともなっています。大量の食糧が廃棄される現実は、誰もが知っている矛盾であり、誰も解決できなかった難題でもあります。株式会社hakkenは、驚きの発想で廃棄させずに野菜をリメイクし、扱いやすい乾燥野菜を使ったサービスを展開、フードロス解消にアプローチしているスタートアップです。可能性に満ちた乾燥ロス野菜が創るイノベーションは注目を集め、NAGANO-OIC 2021では、2社から採択されました。果たしてその協業内容とはどんなものなのか。地域に根ざした小規模生産を活かすhakkenのビジョンとはー。穏やかに淡々と語る言葉に秘められた熱い胸の内について、代表の竹井氏にお話を伺いました。 #hakken #SDGs #食品ロス #食糧廃棄 #乾燥野菜 #イノベーション #NAGANO_OIC_2021 #スタートアップ #地域創生 #共創 #Creww #大挑戦時代をつくる

蚕を使った「シルクフード」を次世代の代替タンパク質へ!フードテックのスタートアップ「エリー」

【スタートアップインタビュー】 Crewwが注目のスタートアップを掘り下げて紹介する『大挑戦時代を生きるスタートアップ特集』。今回は、蚕を使った代替タンパク質「シルクフード」を開発するフードテックのスタートアップ「エリー株式会社」へ伺いました。 サステナブルな次世代食品「シルクフード」は一体どのようなものなのでしょうか。また、昆虫食のなかでも、蚕に着目したのはなぜなのでしょうか。その社会実装の推進やマネタイズの面を含めた現在、さらには環境問題の解決を見据え、エリーが目指す展開とはー。 食品メーカー勤務の経験を生かし、新しい代替タンパク質の開発に向けて起業したエリー株式会社代表の梶栗 隆弘氏が、社会に広めたい想いーその熱い胸の内をお話くださいました。 #スタートアップ #インタビュー #FoodTech #シルクフード #エリー #昆虫食 #代替タンパク質 #大挑戦時代をつくる #Creww
Facebook コメント