自社でもアクセラレータープログラムの検討段階に入っているという方も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では2020年に実施されたアクセラレータープログラムを業界別にまとめました。
類似業種の企業を参考に、自社が開催する際のイメージを膨らませてみてください。
・サービス・デジタル部門
・公共・自治体部門
・各業界に広がるアクセラレータープログラム
メーカー・インフラ関連

まずはメーカー、交通、通信・輸送と日常に欠かせない分野での取り組みを紹介します。
メーカー事例2選
co-necto(凸版印刷)
村田製作所やふくおかフィナンシャルグループなどパートナー企業も交えた3者で実証、共同事業化を検討するプログラムです。過去には福岡のスタートアップと連携し、観光イベントや地域情報を多言語で発信できるデジタルコンテンツサービスを販売した実績があります。
▶︎https://toppan-conecto.com/
Sony Startup Acceleration Program(Sony)
スタートアップの創出や事業運営の支援を目的として、2018年から世界的企業であるSonyが社外向けに始めたプログラムです。プログラムを通じて自宅で乳がんチェックができるMAMMOECHOをはじめとして、人や社会のためになる製品が次々と発表されています。
▶︎https://sony-startup-acceleration-program.com/
交通事例2選
京急アクセラレータープログラム(京急電鉄)
採択企業とともに京急グループの事業基盤を活かしたPoC(概念実証)を実行し、本格的な事業提携を狙うプログラムです。2020年の第3期では、withコロナやafterコロナを見据えたMaaSに関連する企業が採択されました。
▶︎https://openinnovation.keikyu.co.jp/program/
TAP(東急)
「スタートアップと共に、ワクワクする街づくりを」をスローガンに2015年度より始まったプログラムです。交通・物流・不動産に限らず、デジタルマーケティングやスポーツ、ヘルスケアなど幅広い領域が対象となっています。
▶︎https://tokyu-ap.com/
通信・輸送事例2選
POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM 2020(日本郵便)
EC市場拡大による物量増加、少子高齢化に伴う労働人口減少による郵便・物流課題を解決するために開催しているプログラムです。ロボティクスによる荷物の積み下ろし自動化の実証実験のように、画期的な共創事例がいくつもあります。
▶︎https://eiicon.net/about/jp-ip2020/
KDDI ∞ Labo(KDDI)
通信事業者としておなじみのKDDIは事業共創プラットフォームKDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)を立ち上げており、2020年度に2つのプログラムを実施しています。そのうちのひとつ、「ムゲンノツバサ」はJリーグチームの名古屋グランパスと新たなスポーツ観戦体験創出やmixiとのコミュニケーション体験創出などがテーマです。
▶︎https://www.kddi.com/open-innovation-program/mugenlabo/
サービス・デジタル部門

続いて、サービスやデジタルの事例を紹介します。
サービス業事例2選
SBメディアホールディングスグループ アクセラレータープログラム(SDメディアホールディングス)
ソフトバンクの子会社であるSBメディアホールディングスはインターネットメディア、デジタルサイネージ、人材事業やモビリティ、VR事業を展開する10社を傘下に持つメディア・コンテンツグループです。当プログラムは情報革命の推進を目的にしており、テキスト解析エンジン「Cohaku」を開発するAIREVに対して事業立ち上げを支援するなどの実績があります。
▶︎https://ap.sbmm-holdings.co.jp/
B-SKET(ベーシック、クロス・マーケティンググループ、ファインドスターグループ)
メンタリングや事業開発サポートにより、スタートアップの価値を最大化するプログラムです。Society5.0時代にますます重要性が増すSaaS領域に特化しています。
▶︎https://b-sket.jp/
デジタル事例2選
Rakuten Social Accelerator(楽天)
楽天の社員がアドバイスにとどまらず、具体的な成果を生み出すことまでを目指すプログラムです。第3期となる2020年はオンライン協働で進められ、2020年4月開始のサービス「ヒダスケ!」のプロモーション施策などがおこなわれました。
▶︎https://corp.rakuten.co.jp/sustainability/social-accelerator/
FUJITSU ACCELERATOR(富士通)
スタートアップの技術・製品と富士通グループの製品・ソリューション・サービスを組み合せて新たな価値を提供することが目的です。これまでに、機械翻訳サービスを提供・開発している「株式会社みらい翻訳」との共創事例などがあります。
▶︎https://www.fujitsu.com/jp/innovation/venture/
公共・自治体部門

公共分野でもさまざまなアクセラレータープログラム事例があります。
国や首都圏事例3選
起業家甲子園・起業家万博(総務省)
起業を志す学生や有望な若手起業家を全国から発掘するために実施する取り組みです。開催されるDEMO DAYは学生対象の「起業家甲子園」と若手起業家対象の起業家万博に分けられます。▶︎https://www.nict.go.jp/press/2020/07/08-1.html
Wide Ecosystem Accelerator広域連携アクセラレーター2020(関東経済産業局)
地域のスタートアップとスタートアップを支える支援機関の成長を目的としたプログラムです。2020年度は応募総数88件から13社のスタートアップを採択しています。▶︎https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/venture/2020_koikirenkei_accelerator.html
アクセラレーションプログラムシード特化コース(東京都)
創業後3年未満の都内本店登記の中小企業などの条件を設け、都内の立ち上げ段階の企業に特化したプログラムです。参加することで大企業やメディアとのネットワークの構築や資金調達に関するアドバイスを得ることができます。
▶︎https://acceleration.tokyo.jp/program.php
その他エリア2選
YAP 湯けむりアクセラレーションプログラム(大分県)
県内でチャレンジする企業に対して定期的なメンタリングや助成金支援をおこなうプログラムです。これまでに資金調達額350百万円、事業提携数23件の実績があります。
▶︎https://yap.oita.jp/
TGA(仙台市)
東北の地域経済を牽引する新規事業を作り出すことを目的に、選抜されたスタートアップや個人に対してレクチャーやメンタリングなどのサポートをするプログラムです。資金調達を目指すスタートアップ向けの「TGA Growth コース」と事業開始を目指す若手起業家や家業を持つイントレプレナー向けの「TGA Studio コース」があります。
▶︎https://tohoku-growth-ap.jp/
各業界に広がるアクセラレータープログラム

今回は2020年のアクセラレータープログラムを合計15事例紹介しました。しかし、まだまだそのほかにも多くの事例があるのでここでは取り上げきれません。
現在、大企業を中心に開催されているアクセラレータープログラムですが、今後はさらに多くの企業がプログラムを開催に踏み切るでしょう。目まぐるしい技術革新が進む現代において、DX推進は優先課題です。DX推進や新規事業創出を担当されている方は、自社でのアクセラレータープログラム開催もぜひ検討してみてください。
