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土曜日, 1月 29, 2022

ベンチャーキャピタル出向者によるオープンイノベーション戦略の新攻略法

11月13日、都内で開催された大手事業会社のイノベーション活動に従事されている方を対象にした本イベントのテーマは、企業成長を加速させるイノベーター人材の発掘と活用~イノベーション戦略の新攻略法~だ。
第2回目となる本編では、株式会社デンソーより、事業企画に従事し、オープンイノベーションを推進しながらベンチャーキャピタルへ出向している堀川 健一郎 氏にお話をしてもらった。

イベント企画背景

大企業が社外と行なうオープンイノベーションは、時間が経過した事で一巡し、一般的な手法となりつつあります。

ビジネスマッチングやアクセラレーションプログラムで、オープンイノベーションを実施した企業の中には「思ったような成果が出なかった」「持続的に行なわれず頓挫した」「マッチングは成立したが結果的に離散した」という声や、現行続けつつも手段が目的化しているようなケースが多々あります。

課題を分解すると以下のような理由が挙げられます。

・新規事業創造が業務化してしまい、イノベーションになっていない。
・ゴール設定及び、認識が社内外で統一されていない。
・社外と組むべき領域や自社のリソースが整理されていない。
・オープンイノベーションの進め方が体系立てられていない。
・etc…

また根底には【オープンイノベーションや新規事業を推進できる人材がいない】 という課題も挙げられます。一方【社内にはいる可能性があるが発掘できていない】というケースもあると考えられます。

そこで、オープンイノベーション手法のひとつであるアクセラレーター支援でこれまで120社の新規事業創造に携わってきた「Creww(クルー)」と、1億件を超える世界中のイノベーションDBを収集・保有し、未来市場の予測や、未来課題の定義化を行ないイノベーション支援を行なう「アスタミューゼ」の2社が、持続的にオープンイノベーションをする為にも「イノベーション」という大きな枠組みから始めるプログラムを実施することになり、本セミナーが企画されました。

オープンイノベーションの難しさ

デンソーは設立約70年ほどの企業です。デンソー規模の会社ですと、新規事業と言いながらも2000億規模になってくるので、何かやると「100億の売り上げは見込めるのか?」と問われることになります。売り上げや利益という話になると構造上、新規事業では難しいですね。大企業ならばどこでも同様な壁にぶつかることがあるかと思いますが、このような数値議論は新規事業の構造上、現実的に結構難しいです。

社内の力学では、既存事業やオペレーションをやっている部門がやはり強いです。そのため、既存事業の管理がオペレーション部門に及ぶと、「売り上げがたっていないから3年でそろそろ終了だよね」と言われ、終了に追い込まれてしまうんです。新規事業をやっているオープンイノベーション部隊は既存事業とは全く逆のことをやっているので、数値での管理やKPIの話をされると、もはや真逆すぎて管理できないんです。

ビジネス概念の違いのため、事業のキーマンが既存事業と新規事業とでは異なります。既存事業ではマネージャー(管理者)がキーマンですが、新規事業ではリーダ、つまり経営者視点を持つ者がキーマンとなります。新規事業の立ち上げは、自ら意思決定をしていくことが重要になります。リーダー育成には経営の実践経験が必須ですが、社内ではなかなか機会がありません。

オープンイノベーション戦略の新攻略法

お客様が要求書を出してきて、これに対し良いものを追求していく形の既存事業と、BtoBのモノづくり企業の新規事業とでは事業環境が異なります。後者は、自社の技術・アセットはあるものの、お客様がわからないし、売るマーケットも手探りなので非常に難しい。では、どう攻略していくのか。それが「ベンチャーキャピタルへの出向」です。

ベンチャーキャピタル出向は、若手に経営スキルを習得する機会を与えることができます。

オープンイノベーションは自社の事業領域以外でチャンスがあります。独立系のにベンチャーキャピタルにいると、宇宙をはじめ、様々な自社領域以外の情報が入ってくる。これが結構重要だと思っています。

VC出向により得られる機会
・ベンチャー経営者との対峙機会
・元所属先の職位を超えた役割
・縦割りではない横断的な業務経験
  1. 資金調達などでベンチャーの経営者との対峙機会は会社の命運を左右する決断の場であり、そのような経験は大手企業のサラリーマンのままでは経験ができないもの。
  2. 裁量がある人に対し、プレゼンをする機会は事業部の一部署にいたら経験ができないこと。この点、出向はすごく良い経験ができる。
  3. 技術評価から財務まで、全てを一人で見ることは、やはり縦割りの事業部にいては経験のできないこと。

リーダー育成とベンチャー活用の継続がオープンイノベーションを加速させる

「大企業からベンチャーに出向=成長」という構図は早合点とも言えます。ベンチャーキャピタルへの出向をはさむことで、投資家としての視点を身に着けることが出来、そこで学んだものを次にベンチャーで生かす。投資家視点と事業者視点の双方を身につけることは、企業に戻った際にオープンイノベーションを加速させることに繋がります。大手企業→VC出向→ベンチャー→大手企業 のスキームが理想ですね。
さらに、常にベンチャーキャピタルに出向者をおいて情報を取れる状況にしておくことは、継続的に新しいマーケット情報を入手できるため、オープンイノベーションにとって結構重要なのではないでしょうか。

登壇者
堀川健一郎 氏 株式会社デンソー 
東京支社東京企画室技術企画課
1999年デンソー入社。2001年にデンソー短大情報技術科を卒業しボデー事業部に配属。超音波センサのシステム設計を10年担当した後、社内人材公募を活用し、2012年に新事業推進室へ異動。以降は非自動の事業企画に従事し、オープンイノベーション業務を担当。18年6月から東工大と連携協定を結ぶベンチャーキャピタル(みらい創造機構)に出向し、ベンチャー投資業務と東工大のシーズ探索の業務を遂行しながら、デンソーにベンチャー及び大学シーズをつなぎオープンイノベーションを推進中。

企業成長を加速させるイノベーター人材の発掘と活用~イノベーション戦略の新攻略法~その1

2019年11月19日
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