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土曜日, 1月 29, 2022

企業成長を加速させるイノベーター人材の発掘と活用~イノベーション戦略の新攻略法~その1

11月13日、都内で開催された大手事業会社のイノベーション活動に従事されている方を対象にした本イベントのテーマは、企業成長を加速させるイノベーター人材の発掘と活用~イノベーション戦略の新攻略法~だ。
第1回目となる本編では、印刷という事業枠を超え、生活産業部門、情報コミュニケーション部門、エレクトロニクス部門をはじめ様々な取り組みにチャレンジしているDNPこと大日本印刷株式会社より新規事業を牽引する松嶋 亮平氏にお話してもらった。2018年10月には、デジタル・ディスラプションや厳しい事業環境などの逆境を乗り越え、既存の視点に捉われず、価値の設計、儲けのデザインをする部署として、ビジネスデザイン本部が設立された。イノベーションに関わるビジネスを担う新しい組織だ。

イベント企画背景

大企業が社外と行なうオープンイノベーションは、時間が経過した事で一巡し、一般的な手法となりつつあります。

ビジネスマッチングやアクセラレーションプログラムで、オープンイノベーションを実施した企業の中には「思ったような成果が出なかった」「持続的に行なわれず頓挫した」「マッチングは成立したが結果的に離散した」という声や、現行続けつつも手段が目的化しているようなケースが多々あります。

課題を分解すると以下のような理由が挙げられます。

・新規事業創造が業務化してしまい、イノベーションになっていない。
・ゴール設定及び、認識が社内外で統一されていない。
・社外と組むべき領域や自社のリソースが整理されていない。
・オープンイノベーションの進め方が体系立てられていない。
・etc…

また根底には【オープンイノベーションや新規事業を推進できる人材がいない】 という課題も挙げられます。一方【社内にはいる可能性があるが発掘できていない】というケースもあると考えられます。

そこで、オープンイノベーション手法のひとつであるアクセラレーター支援でこれまで120社の新規事業創造に携わってきた「Creww(クルー)」と、1億件を超える世界中のイノベーションDBを収集・保有し、未来市場の予測や、未来課題の定義化を行ないイノベーション支援を行なう「アスタミューゼ」の2社が、持続的にオープンイノベーションをする為にも「イノベーション」という大きな枠組みから始めるプログラムを実施することになり、本セミナーが企画されました。

ゼロから始めるオープンイノベーション

DNPこと大日本印刷株式会社にて、2018年10月に立ち上がったビジネスデザイン本部は、事業ポートフォリオを変えていくという意味で、新しい視点であり、新しい取組であり、新しい形、いわゆるイノベーションを起こしていくことを専門的にやる組織です。

活動基盤は2つあり、オープンイノベーションにおける活動のスピードを加速させるため「Weworkへの入居」と、共創パートナーの募集とスタートアップの成長支援のためのオープンイノベーション専用のサイトINNOVATION PORT」を立上げました。こういう仕組みも我々が自由に発想させてもらったものです。この2つをもってしても活動基盤としてはまだまだ足りないため、我々としての最大スピードで活動を起こして行くためのイノベーション基盤を現在準備しています。

未来に挑戦する

体制や枠組みを創っていくことも大切ですが、メンバー全員が異動してきており、専門的な知識のあるメンバーで構成されているわけではありません。そんな中、どうやって評価していくか、という点でマインドセットを行なっています。Fail fast, Fail forwardをスローガンに、早期に行動、決断、失敗・成功を繰り返すことで前進すること。そして、メンバー一人一人の意志と情熱を非常に大切にしています。会社という視点ではなく、メンバー一人一人が生活者という視点に立ち、社会にとって何ができるか、何を実現したいのかを最も大切にしているんです。

自分たちが何をやりたいのかが明確にならないと、イノベーションは起こしにくく、また本当の共創のパートナーシップは生まれません。自分たちの事業開発プロジェクトをどんどんオープンにすることによって、そこに色々な企業様にジョインしてもらう、というコンセプトで進めています。

また、DNPだけが世の中に良いものを提供できるわけではありません。スタートアップや事業会社の新規事業部門に対してDNPとしてできるアセットの提供は何かないのだろうか、ということからの2つの軸でサイト運営をしています。社会課題、ソーシャルイノベーションにフォーカスし、ビジネスとしてしていきたい。その一方で、スタートアップの支援もしています。DNPのアセットを使ってのテストマーケティングを泥臭くやっているなどが一例です。

立ち上げから1年が過ぎた現在、ビジネスデザイン本部は10名で活動しております。専門的な知識があるわけではなく、全員が社内からの異動。この10年で1000社以上の企業さまと接触しました。接触企業数などの苦労がないとイノベーションは起こせない。数パーセント以下の奇跡を本当に追い求め続けるのかという質問がありますが、そういうことをやっていかないと新規事業は見えてきません。

経営側からは「事業ポートフォリオの転換だ」「100億円の新規事業を創出せよ」「3年単黒、5年で累計損失を一掃」「新たな儲けをつくりなさい」「会社の強みを活かせ、やる意義は?」「自由にやっていいから、、、」などの声がどの企業でもあがってくるかと思いますが、我々は以下のような準備をしてきました。

・アセットの棚卸し
・アイディアソンでアイディア募集
・ルールの抜本的な見直し
・技術人材の早期確保
・出資・投資の枠組み構築

ですが、これらはあくまでの手段でしかありません。自分たちが何をやりたいのかが明確になっていないと手段のままで終わってしまいます。なので、ぼくらは人にフォーカスをしていきたい。どれくらい意志がみれるのか、というところが非常に重要なのではないかと思います。

要は、ビジョンがないとイノベーションは起こせない。かつそれを持続的にやっていかねばならない。これは慈善事業であってはならなく、会社としても社会に対しても責任をもって、必ずビジネスとして、お金の回る仕組みで課題を解決していく必要があります。ビジネスでなければ担当の意志がなくなった時に霧散してしまいますから。そういったことからも、新規事業へ取り組む際は、会社ではなく「私が主語であるべき」だと思っています。

自分たち自身が何をしていきたいのかを明確にしていくこと。新規事業を進める上で、会社がどうあるべきはもちろん重要ですし、これに加え一人一人が社会に何を提供できるかが、イノベーションをやっていく上でも、これからの時代に立ち向かっていく人としても必要なスキルはそこなのではないでしょうか。

登壇者
松嶋 亮平 氏 大日本印刷株式会社
ビジネスデザイン本部
マーケティンググループリーダー
■ 2004年 入社。ICカード設計や関連システム/機器の企画開発及びビジネス推進を担当。IDカードを軸とした統合管理システムの企画立案・PMを担当。
■ 2016年 事業企画本部に異動。中期経営計画・施策立案、M&A、経営再建支援等に従事。
■ 2018年10月 新設された同本部にて、オープンイノベーションの戦略構築及び実行。 
WeWorkの入居実行。 ALL DNPで、既成概念に捉われず新規事業開発を推進するために
共創サイト「DNP INNOVATION PORT」を設計。本サイト責任者を務める。

ベンチャーキャピタル出向者によるオープンイノベーション戦略の新攻略法

2019年11月20日
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PORT編集部https://port.creww.me/
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