大企業とスタートアップによる協業「両社の上手な付き合い方とは?」

Innovation
大企業とスタートアップの共創を成功させるためにどのようなことが必要か、実務者の経験・知見を共有するために品川区が主催で11月12日に開催された「オープンイノベーションフォーラム」。その中、Creww(クルー)株式会社の森 浩一が基調講演をした「大企業とスタートアップによる協業〜両社の上手な付き合い方とは?〜」
について、ダイジェストをお届けします。

日本は人口減少やスマートフォン、インターネットの普及などによるテクノロジーの進歩によって大きく変わってきています。そんな中、「これまでの勝ちパターンでは通用しにくくなっている」と、漠然に感じている方は少なくないでしょう。グローバルに負けないため、挑戦やイノベーションが必要とされているにも関わらず、まだまだ挑戦に対してネガティブな側面が日本にはあります。

ご存知の通り、日本の起業率は先進国に比べ低く、Creww(クルー)はそんな挑戦後進国の日本を変えたい、挑戦しやすい環境を創りたい、という思いから2012年に設立されたスタートアップであり、「大挑戦時代をつくる」ことをミッションに掲げています。

資金調達額は右肩上がり

新しいビジネスアイデアやテクノロジーを活用することによって、ゼロから市場を創ろうとしているスタートアップがほとんどです。そんなスタートアップですが、日本では資金調達額から見ると、最近非常に注目されてきていることがわかります。資金調達額で見ると2012〜2018の間で6倍もの右肩上がり。また資金調達社数でみても同様に右肩上がりです。社数だけで見ると昨年に関しては下がっていますが、資金調達額が上がっていることから、1社あたりの調達額が大きくなってきてる、ということが言えます。

このように日本においてもスタートアップへの注目が上がってきているのが現状です。

大手企業がスタートアップと共創する理由とは

なぜ大手企業がスタートアップと組む必要があるのでしょうか。一般的に企業はR&Dで商品開発をしてマーケティングをし、流通して広告をするというフローでユーザーにアプローチをすると思うのですが、テクノロジーの普及によってユーザー側の嗜好も大きく変化してきています。企業からのアプローチを待つのではなく、自分から情報を取りに行く時代になっている。そのため、今、必要とされているのはユーザー視点での考え方です。スタートアップのビジネスモデルはユーザー視点を起点にサービスをつくっている。当然、企業側の視点は重要です。この企業側の視点とユーザー視点を起点としたスタートアップの手法を掛け合わせることで、世の中にあったサービスをより創りやすくなるわけです。

グルーバルでは当たり前にオープンイノベーションが行われている。国内でもさまざまな業界、行政でも進められています。

大手企業がスタートアップとアクセラレータープログラムを行う狙いなんですが、大きく3つのメリットがあります。一つ目は「効率の良い新規事業の創出」です。自社だけで新規事業を創ると、期待するアイデアが出てこないケースなどがありますが、短期間で社外のスタートアップと組むことによって、社内では思いも寄らないような新規事業の種を生み出すことができます。2つ目は「人材育成」です。スタートアップと共に協業を進めることで、社内の人材がイノベーター人材として成長するというメリットです。最後が「企業風土の変革」です。役員に対してプレゼンテーションをする場があるのですが、そこで、新しいアイデアが入り込むことで役員自体の考え方が変わることもありますし、挑戦に対して厭わない風土になってきたという企業さんもあります。

プログラムを通じ利害関係が一致することが、アクセラレータープログラムの特徴です。特に我々が提供するオープンイノベーションプラットフォーム「creww accele(クルーアクセラ)」は、「スタートアップは下請け業者ではなく共創パートナーである。両社が相互のアセットを活用して共に成長している。」ということが特徴です。

大企業とスタートアップが上手に協業するための3つのポイント

人と人との関係性

大手企業の担当者、スタートアップの担当者が一緒になって協業案を作って行く中、両社は「興味」「共感」「情熱」を持って進めていくことがポイントです。特に大手企業担当者としてはスタートアップのサービスに興味関心をもち、共感し、情熱を注いで、社内にコンセンサスをとりにいくところ。スタートアップは大手企業と一緒に自社のサービスを広げていきたいかと思えるか。この相互の関係性が一番重要なのかな、と考えます。

協業案が創る未来

2つ目のポイントは「協業案が創る未来」です。ゴールイメージを共有しましょうということです。両社でプロジェクトを進めて行く中、目の前の採択や実証実験といったものに集中しすぎてしまう結果、そもそも何を目指していたのか、という視点が抜けてしまうケースがあります。ここで大事なのが、ゴールイメージを共有し合うことです。

両社の進むスピードを合わせる

3つ目のポイントは「スケジュール期日をオープンにする」ことです。大手企業からは、スタートアップと接していると「進行スピードが早い」という声がよくあがってきます。スタートアップにとって「時間は命」であり、スタートアップの半年は大手企業の5年に相当すると言われています。そんな中、大手企業の担当者はなるべくスタートアップのスピード感に合わせることが大事です。どうしても時間がかかる場合には、期日を決めてスタートアップに伝えていくことも大切なポイントです。

以上の3つのポイントがスタートアップと大手企業が上手に協業するためのポイントとなります。

登壇者
森 浩一  Creww株式会社
Accelerator Team/Manager

慶應大学卒業後、株式会社ユニクロに入社。店舗の課題解決、顧客満足度向上など店長業務を従事。その後、アビームコンサルティング株式会社に転職し、メーカー、商社、金融など様々な分野の大企業の課題解決を経て、2018年9月にCreww株式会社に入社。大企業とスタートアップ企業によるオープンイノベーションプログラムの企画立案から運営を最前線で実行している。

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