12.8 C
Japan
月曜日, 12月 11, 2023

5社共同実証実験!AI活用し商品外装ダンボール破損レベル判定を統一化|食品ロス削減および物流課題を改善

キリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリー食品インターナショナル、セブン-イレブン・ジャパン、富士通の5社は、富士通が開発したAIシステムを活用し、商品外装ダンボールの破損レベル判定の統一化に向けた共同実証実験を2023年6月21日より本格的に開始します!

製造・流通で協業し食品ロス削減および物流課題の改善に貢献

現在、清涼飲料業界や流通業界では、商品の輸送・保管中に、輸送資材であるダンボールに軽微な擦れやしわ、膨れ等が見られた場合、中身品質に関わらず、ダンボールの外観状態で納品可否の判断を各社の倉庫毎に目視で行っています。この納品可否の判断は、飲料メーカー・流通業ともに共通の基準が無いため、判断にばらつきが生じています。これにより、中身品質に問題のない商品の返品・廃棄が発生し、食品ロスが課題となっています。

今回の共同実証実験では、これまでばらつきが生じていた納品可否の判断を、「飲料配送研究会※」の基準を使用した富士通のAIシステムにより客観的に判定する仕組みを飲料メーカー・流通業が共有し、製造・配送・販売を担う各社で破損レベル判定の統一化を目指します。

これにより、軽微な外装破損商品を流通させることで、商品廃棄を抑制し、食品ロスを削減するとともに、荷受時の検品時間や倉庫での返品作業を軽減することで、清涼飲料業界や流通業界が抱える物流課題の改善にも貢献していきます。

※国税庁、農林水産省、経済産業省、中小企業庁及び国土交通省と飲料配送の関係者や法律の専門家等を構成員として飲料配送に係る商品の毀損範囲の決定や毀損した商品の廃棄の費用負担等について議論を行っている研究会。研究会の取りまとめでは「商品である中身が毀損していなければ包装資材に傷や汚れがあっても、輸送・保管等に支障をきたす場合等を除いて、そのままの荷姿で販売することは許容されるべき(農林水産省HP:『飲料配送研究会』より引用)」とされています。

本共同実証実験の概要

今回実証に参加する飲料メーカー・流通業・富士通が共同でAI判定の仕組みを使い、外装ダンボールの破損判定の統一化・判定基準の共有化に向け共同で実証実験を行い、その結果について定期的に検証・協議を実施します。詳細は≪補足資料≫を参照ください。

□対象商品:清涼飲料水

□実施期間:2023年6月21日から2024年9月末まで(予定)

□実施範囲:各社複数倉庫で実施

今回、第1ステップとして5社で実証実験を開始しますが、今後多くの製造・配送・販売に関わる企業に本取組への参画を呼び掛け、実証実験の範囲を拡大していくことで、AI精度の向上と判定基準の業界標準化を実現し、食品ロスの削減および物流課題の改善を目指します。

農林水産省・経済産業省・国土交通省からのコメント

【農林水産省】
トラックドライバーの担い手不足への対応が喫緊の課題となっている中で、今回のAI活用による外装ダンボール破損レベル判定の統一化の実証実験の本格化の取組は、業界の垣根を超えた物流課題解決の取組としても意義ある取組ですし、また、食品ロスの削減の観点からも重要な取組です。この取組の環が拡がっていくことを期待しております。持続可能な物流の確保のために共に一つ一つ取組を積み重ねてまいりましょう。

【経済産業省】
物流における人手不足等が課題となっている中で、外装ダンボールの汚れ等に伴う返品については商品に影響しない不要な返品や長時間の作業につながっている場合もあり、今回の取組により基準が明確化・標準化されていくことで、生産性向上につながっていくと期待します。また、今回の取組を尊重した運用が広がっていくことで、従前の商慣習の改善が進むと同時に消費者の廃棄物削減や食品ロス削減への意識が高まることを期待します。

【国土交通省】
ドライバー不足が大きな課題となっているトラック運送業において、特に飲料物流では非効率な検品作業やそれに伴う長時間の荷待ちが発生している場合があり、トラックドライバーの大きな負担となっています。商品外装ダンボールの破損レベル判定が統一化されることで、検品作業時間の減少、品質に問題のない商品の返品の抑制等、労働環境の改善や物流への負荷軽減が一層進むことを期待しております。

商標について

記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

《補足資料》
各社の役割

キリンビバレッジ:自社倉庫での運用と判断基準統一化推進
コカ・コーラ ボトラーズジャパン:自社倉庫での運用と判断基準統一化推進
サントリー :自社倉庫での運用と判断基準統一化推進
セブン-イレブン :流通倉庫との連携と判断基準統一化推進
富士通 :AIシステムの構築と運用

富士通のAIシステムを用いた実証実験の実施フロー

1.商品の入荷検品時または出荷前や保管時に倉庫担当者がスマートフォンで破損箇所を撮影
2.撮影した画像をデータベースと照合
3.AIが判定・推奨した入荷・出荷可否に基づき、倉庫担当者が入荷・出荷の可否を判断

図1:システム構成イメージ

5社共同の実証実験開始に至るまでの各社の主な取組

2019年9月 サントリー、富士通主導でプロジェクト発足
以降、デスク上での実験およびサントリーの自社倉庫で検証

2020年7月 経済産業省のサプライチェーンイノベーション大賞2020にて、
「AI画面解析による製品ダンボール破損判断導入(PoC段階)」優秀賞受賞

2021年3月 キリンビバレッジおよびキリングループロジスティックス株式会社(代表取締役社長 安藤弘之)との共同現場実証実験を開始

2021年9月 セブン-イレブン共配センター向け千葉デポでの実証実験を開始

2022年5月 セブン-イレブン店舗向けの配送を行っている常温共配水戸センターでの実証実験を開始

2023年5月 コカ・コーラ ボトラーズジャパンとの共同現場実証実験を開始

(今後の取組)
2023年6月  5社による実証実験の開始
2023年7月~ 他の飲料メーカー・食品企業・流通業への取組紹介と拡大

【本件に関するお問い合わせ先】
富士通コンタクトライン (総合窓口)電話:0120-933-200
受付時間:9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・富士通指定の休業日を除く)
お問い合わせフォーム:

https://contactline.jp.fujitsu.com/customform/csque04802/873532/

プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。

(補足:掲載先メディアや閲覧環境の仕様によっては、代表取締役社長 時田 隆仁「隆」の文字が正しく表示されない場合があります。正しくは、「隆」の「生」の上に「一」が入ります。)

     

Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
- Advertisment -
- Advertisment -

Featured

【安藤ハザマ × Cube Earth】日米特許技術で世界の都市OSにイノベーションを起こす

【Creww Growth活用協業事例インタビュー】安藤ハザマは、2022年度のアクセラレータープログラム「安藤ハザマ 新規事業共創プログラム2022」で、米国と日本で特許を取得している地理情報システムのプラットフォーム「Cube Earth」を活用し、自治体へ「スマート防災システム」を提供しているスタートアップ企業 「Cube Earth」を採択。自治体危機管理のDX化の一環として、防災システムやスマートシティ、ドローン、デジタルツインのシステムなど、次世代の社会インフラ基盤を開発するスタートアップだ。具体的にどのような取り組みを進めているのか。安藤ハザマ 経営戦略本部イノベーション部副部長の堀井浩之氏と、Cube Earth代表取締役会長の阿藻成彦氏、代表取締役社長の武田全史氏に話を伺った。

【三機工業 × スタートアップ】選ばれ続ける会社になる|スタートアップとの共創に挑む新しい歩み

【Creww Growth活用協業事例インタビュー】2025年に創立100周年を迎える三機工業株式会社は、2050年ビジョンに掲げた「選ばれ続ける」企業になるため、コア事業の強化や三機ブランドの向上に努めると同時に、会社の「信頼」を高める新施策も積極的に推進しています。 そこで、新たな取り組みの1つとして、「SANKI オープンイノベーションプログラム2023」に挑戦。初めてのアクセラレータープログラムに挑むファシリティシステム事業部 佐々木 宏之氏、経営企画室 経営企画部 石綿 央氏、 徳田 直也氏に、それぞれの立場から率直な想いを伺いました。

【安藤ハザマ × エアデジタル × 久喜市】デジタルスポーツで健康寿命の延伸に挑む!

【Creww Growth活用協業事例インタビュー】オープンイノベーションによる新規事業創出を推進している総合建設会社の安藤ハザマは、2022年度のアクセラレータープログラム「安藤ハザマ 新規事業共創プログラム2022」でデジタルスポーツ空間開発やデジタルスポーツフィールドの運営を手掛けるエアデジタル株式会社を採択した。 その後、安藤ハザマ、エアデジタル、埼玉県久喜市の3者で連携協定を締結し、久喜市内のショッピングモール施設「アリオ鷲宮」に出店している国内最大級のデジタルスポーツクラブ「スポーツ60&スマート」で協業を進めている。具体的にどのような取り組みを行なっているのか。 安藤ハザマの本社経営戦略本部イノベーション部担当課長・榊原翼氏と、エアデジタル代表取締役・前田相伯氏、久喜市役所 健康スポーツ部スポーツ振興課所属・金澤剛史氏に話を伺った。

【スタートアップ募集】地域の健康をケア|新規事業で地域に根差した未来のアイセイ薬局へ

【スタートアップ募集】アイセイ薬局は、全国に400店舗を超える調剤薬局を展開しています。まもなく創業40周年を迎える今、次なる事業の柱を求めてアクセラレータープログラムに挑戦!地域の人々に必要とされる薬局を目指し、新規事業創出の可能性を模索します。本インタビューでは、アイセイ薬局がなぜ今スタートアップとのオープンイノベーションに挑むのか、株式会社アイセイ薬局 事業企画部部長の堀浩之氏に話を伺いました。
Facebook コメント
jaJA