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金曜日, 3月 24, 2023

【インタビュー】本業を辞めずに挑戦!報酬を得ながら複業としてゼロイチフェーズに参画するニューノーマルな働き方

スタートアップでは、都度生じる課題をスピーディーに解決し、企業成長を促すためにも、必要なフェーズにタイムリーに対応できる幹部人材を必要としている。一方の現実は、「採用にかかる費用は抑えたい」「フルタイムで依頼をするには業務内容が少ない」など幹部クラスの人材確保にジレンマを抱える場合も多い。また、たとえスタートアップに関心があったとしても、一定数のリスクが伴う以上、転職には踏み切れずに大手企業に留まる優秀な人材が多いことは、非常に勿体ないことであると言える。果たして双方にとって突破口となる様なソリューションはないのだろうかー。
大手企業からスタートアップ企業への転職経験を持つ方々に、転職する際の葛藤や、スタートアップ企業に勤める今の実際について、率直なお気持ちを伺いました。

登壇者紹介

■加藤 匠 氏:東京メトロ → 株式会社オマツリジャパン 営業部
■小原 昂大 氏:伊藤忠商事 → 株式会社ZEALS 自動車事業部 カスタマーサクセス リーダー
■福本 大悟 氏:製薬会社 → 海外スタートアップ日本法人 Senior analytics
■星野 珠枝 氏:NECグループ会社 → プロノイア・グループ株式会社 COO/シニアコンサルタント

<目次>

1.  なぜ!? 大手企業からスタートアップへ転職した理由
2.  実際のところどうなの?!スタートアップで広がるキャリア
3.  将来の展望は?大手企業に戻る選択肢はある?!
4.  羨ましい!パラレルや複業に挑戦できる環境について

なぜ!? 大手企業からスタートアップへ転職した理由

ーなぜ、大手企業からスタートアップに転職しようと思ったのですか?

加藤:東京メトロ主催のアクセラレータープログラムを担当した際、スタートアップと協業した経験から、“チャレンジする面白さ”を感じました。一方で、一生勤め上げる覚悟で就職した会社を辞める…“安定を捨てるリスク”には、やはりとても悩みましたね。

ーチャレンジとリスク。気持ちのバランスとはどう向き合ったのでしょうか?

加藤:そうですね、克服の方法としましては、社外の人に沢山相談しました。スタートアップで実際に働く方と話をすることで、ポジティブな自分を想像することができました。

ー星野さんはいかがですか。転職したきっかけは、何かあるのでしょうか?

星野:転職を考えるようになったきっかけは、今の会社の社長と一緒に登壇したのがきっかけでした。「Who are you?」ーこう聞かれて気付きがありました。
“あなたのミッションは何ですか”
“何を大事にしていて、あなたが世界にもたらすものは何ですか”
そこで自分に問いかけたんです。チャレンジするなら、年齢的にもラストだと思いました。

ー小原さんはリスクを考えましたか?転職する勇気はどうやって生まれたのですか?

小原:リスクに関しては、相当考えました。考えましたが、結局最後は、今の社長に出会って、どれだけワクワクできたかで決まったんです。

ーワクワクするというのは、一番強い原動力ですよね。

スタートアップで広がるキャリア

ー実際にスタートアップに勤めてどうでしたか?

小原:気持ちの上で一番大きく変わったのは、「仕事で悩むのが楽しくなった」という事です。これまでは、悩まないで済むように、リスクを事前に察知して回避することを考えていましたが、「どうやったら悩みを解決できるのか」と考えるようになりました。
「リスクを承知の上で、さらにその先にある何かを掴みにいくぞ」というのがスタートアップの勝負のしどころだと思っています。

星野:スタートアップの会社に転職して、まず「会社のシステムがこんなにも整っていないんだ」ということに気付かされましたね。財務・経理・人事…見様見真似で全部やるという感じでした。転職してから、いい意味で色々なことを本気でやらせてもらいました。

大手企業では、組織と役割が紐付いているので、やり方を間違えたら怒られるのは当然だと思っています。一方のスタートアップでは、一発で正解を出すのではなく、自分で試行錯誤をして、チューニングをして、実験して、必要に迫られる中で選択肢が増えていきましたね。

ースタートアップの面白さであると言えますね。

星野:はい。「正解がない世界を面白がれるかどうか」ということだと思っています。探求する機会を与えてもらえるのが楽しいです。

将来の展望は?大手企業に戻る選択肢はある?!

ーここで皆さんにお聞きしたいのですが、キャリアを考える上で、将来また大手企業に戻りたいというお気持ちはありますか?

福本:
そうですね。「あり」かもしれないです。大手企業の方が当然資本力はあると思うので、自分のやってみたい事と、機会がマッチすれば、あり得るのかなと思います。

加藤:僕は…もう戻れない体になってしまっているかもしれませんね笑。スタートアップならではの刺激やワクワクが、自分の肌に合っているのかもしれないです。

羨ましい!パラレルや複業に挑戦できる環境について

ー今年の7月から、経済産業省がスタートアップへの挑戦を積極支援しており、大手企業等に勤める人材の(x)をスタートアップエコシステムにSHIFTしていく「SHIFT(x)」というこの経済産業省事業に、Crewwも採択されました。大手企業の方が、仕事を辞めずに「複業として、スタートアップの課題解決に向けた経営に挑戦できる」仕組『CXO Launchpad』というサービスを提供しているのですが、皆さんは、複業として挑戦できる環境についてどう思われますか?

小原:あったら利用していたと思います。思い切った勝負が出来るのではないかと感じます。

星野:断然ありです!ただ、「戻れる場所がある」ということが担保になって大胆なチャレンジを阻害しない様に、本当にやり切る覚悟を持ってCXO体験をすることが大事なのではないかと思いますね。

ー例えば半年間のCXO体験を終えたとして、持ち帰って企業に貢献できるものはあると思いますか?

星野:あると思います。やはり、スタートアップはスピード感もあると思いますし、意思決定の権限も与えられるので、大手企業がプロセスを踏襲していくのとはまた違った仕事の進め方を体験できると思うんです。持ち帰れるものは、たくさんあると思います。

福本:僕も、リスクをあまり取らずに挑戦できる環境というのは、ありがたいと思いますね。

加藤:この制度は、本当に羨ましいと思います。僕も絶対に使っていたと思います。
新しいことに挑戦したいと感じたり、悩んでモヤモヤしたものを抱えていたとしても、転職はハードルが高いですからね。その点この制度は、体験を終えた後にスタートアップに転職してもいいですし、大手企業に残ったとしても、本人と企業双方にとってプラスになると思います。

ー確かにそうですね。大手企業に在籍しながらも、ポストの数が限られるが故に力を持て余している優秀な方はたくさんいらっしゃいますよね。経営に近い場所で力を発揮できる機会というのは貴重ですね。

https://studio.creww.me/campaigns/cxo-launchpad/

潜在的イノベーターの挑戦と覚醒を促す“パートタイム”という選択肢

2021年7月8日
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ai taniuchi
2020年からPORT by Creww にてフリーランスライターとして活動中。
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