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土曜日, 1月 29, 2022

「浜松アクセラレーター2020」成果報告(前編)

浜松市とCreww(クルー)株式会社が、新規事業の創出を目的とした「浜松アクセラレーター2020」の成果報告会(オンライン)を2021年3月12日に開催しました。
成果報告会で発表された、浜松市が地域オープンイノベーションに力を入れる理由や本アクセラレータープログラムの選考プロセス、浜松市内のものづくり企業3社が採択に至ったスタートアップ企業との協業案の紹介、これから開始する実証実験・事業化への展望について、前編と後編の2回に分けてレポートいたします。

Creww(クルー)は、浜松市のイノベーション創出を目的とし、浜松市内の企業と全国のスタートアップのマッチングをして、協業案を策定し、実証実験までのサポートをするアクセラレータープログラムを昨年10月より約半年間推進してきました。半年という短い期間であるため、本格的な協業はこれからになりますが、年度末を1つの節目として、成果報告会という形で各社の取り組みを発表していただく場を設けました。

なぜ、浜松市が地域オープンイノベーションに力を入れるのか?

スピーカー:浜松市産業部産業振興課 杉浦氏

⚫︎浜松市について

杉浦:浜松市は、人口80万人の政令指定都市で、面積は岐阜県高山市に次ぐ全国2位と、かなり広大です。四方を海・山・川・湖に囲まれており、都市と自然が共存しているところから、日本をきゅっとまとめたような、国土縮図型とも言うべき都市です。

歴史的に、輸送用機器・楽器・繊維を基幹産業とする、「ものづくりのまち」として発展してきました。YAMAHA、SUZUKI、HONDA、KAWAIなど、世界に名だたるグローバル企業を輩出しており、そのようなグローバル企業を支える、高度なものづくりを強みとする製造業の事業者様も多く集積している地域です。

⚫︎浜松市の課題

浜松市の製造品の出荷額等の割合ですが、4割を輸送用機器製造業が占めており、自動車やバイク産業などに依存しているような産業構造となっています。製造品出荷額等は、平成19年以降頭打ちになっており、リーマンショック以前の水準を取り戻せていない状況です。

先ほど申し上げた、基幹産業である輸送用機器関連がCaaSやMaaSに代表されるような、大変革期を迎えており、特に、電動化によって部品点数の大幅な削減も予想されます。浜松市は、ガソリン車のエンジン周りの金属部品の加工を得意とする企業集積が特徴であるということもあり、輸送用機器関連産業に大きな影響があるということが懸念されています。

大変革期の輸送機器関連産業の課題に立ち向かう「浜松バレー構想」とは

杉浦:以上のような背景から、シリコンバレーの浜松版となる「浜松バレー構想」に取り組んでおります。地域内のベンチャーの育成、また地域外からベンチャーを誘致することを施策の柱に掲げてヒト・モノ・カネ・情報を浜松市に集めるために各種施策を打ち出しています。

浜松バレーの構築を目指す上で重要なのは、浜松地域の特徴である、ものづくり企業の高い技術なのではないかと考えております。ここに、ベンチャーやスタートアップの革新的なアイディアや技術が加わることによって、輸送用機器関連産業に次ぐ、新たな産業のタネが次々と生まれ出していくようなエコシステムの構築を目指しています。

浜松市は、「スタートアップ・エコシステム グローバル拠点都市」にも認定されております。高度な技術力を持つ企業やスタートアップの集積、また大学、金融機関とのネットワークなど、エコシステムとしてのポテンシャルが国に認められておりまして、全国4拠点のうちの1つに、連携している愛知県・名古屋市とともに認定されております。

来年からは、イスラエルのスタートアップとのオープンイノベーションのための施策も検討しているところです。

今回行った浜松アクセラレーター、正式名称「【ものづくり×ベンチャー】によるイノベーション創出促進事業」は、まさに浜松バレー構想の目的に合致する事業であると認識しております。

スタートアップと地域企業のオープンイノベーションを支える施策

杉浦:スタートアップとマッチングして事業をスタートするなかで、活用できる施策を一部ご紹介します。

【新産業創出事業費補助金】
市内のベンチャー企業、中小企業を対象に、研究開発費を補助する制度です。製品開発に対しては補助率1/2で上限1000万円、研究開発に対しては補助率1/2で上限500万円となっています。

また来年度は、新産業創出事業費補助金が対象とするフェーズの前段階、1次試作やコンセプト設計などのフェーズにおいてサポートできるような補助金の新設を予定しています。

【ファンドサポート事業】
認定ベンチャーキャピタルから調達した資金と同額を、ベンチャー企業やスタートアップに交付する制度です。健康医療分野で7,000万円、それ以外の分野で5,000万円とかなり大きな額を用意しています。

こちらの制度を実施しているのは自治体では浜松市のみで、オンリーワンの事業となっています。認定ベンチャーキャピタルは現在23社となっていますが、こちらも順次増やしていく予定です。

市内企業とのマッチングを機に、本市に腰を据えて研究開発を進めるスタートアップに対して、成長資金をサポートできる施策となっています。

【浜松市新規進出ものづくりベンチャー成長加速化補助金】
浜松市に新たに進出するスタートアップを対象にした補助金です。製品やサービスに必要なデバイスの設計・施策・量産のさまざまなフェーズで、スタートアップから市内企業に発注する際の費用を支援します。補助率1/2で上限は300万円です。

その他、スタートアップの方が、浜松市内に拠点を移す際の賃料補助など、さまざまなサポートメニューもご用意しています。

詳細は、浜松市の公式ウェブサイト「HAMACT!!」をご覧ください。

「浜松アクセラレーター2020」とは

スピーカー:Creww株式会社 Open Innovation Dept. CS Team Manager 田中 健策

⚫︎「浜松アクセラレーター2020」の概要  

田中:「浜松アクセラレーター2020」は、浜松市内のものづくり企業と全国のスタートアップとの協業によるイノベーションのモデル事例を創出し、浜松市の産業の活性化に繋げることを目的とした、浜松市とCrewwの主催の地域オープンイノベーションプログラムです。

今回は、株式会社エヌエスティー、株式会社エフ・シー・シー、SHODA株式会社、テイボー株式会社の4社の企業が参加しました。

Crewwのプラットフォームを活用して、参加企業の経営リソースと、弊社に登録しているスタートアップ5200社のアイディアやサービスを結びつけることで事業共創を目指します。

⚫︎アクセラレータープログラムの流れ

本プログラムは、マッチングフェーズと実証実験フェーズに分かれているのですが、現在はマッチングフェーズが終了し、各社実証実験のフェーズの方に移行している状態です。

マッチングフェーズでは、参加企業が募集ページを設計し、スタートアップからエントリーを募ります。今回は4社に対し、合計80件のエントリーが集まりました。

エントリーから書類選考を経て、ブラッシュアップへ進みます。ブラッシュアップまで進んだのが、42件。一次選考が行われ、通過したスタートアップと協業アイディアをさらに具体化し、参加企業の経営層やキーマンをお呼びして、プレゼン・ディスカッションを実施します。今回、最終選考に通過したのは3件でした。

今回は最終選考に通過した3社により、成果発表をしていただきました。どの協業案も、両者の強みを生かした素晴らしいものとなっています。

最終選考以降は、まず実証実験をやっていただき、その次のフェーズに進めるかどうかの判断をすることになります。プログラムの全体の流れは以上です。このたびは、実証実験の途中という段階での成果報告会となりました。

>エントリー 80件
>ブラッシュアップ 42件
>最終選考通過 3件

▶︎後編へ続く

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石神 美実子
広告代理店、広告制作事務所を経て、現在フリーランスのコピーライター・ライターとして活動中。キャッチフレーズやネーミング、プレスリリース等の制作から、WEBメディアの執筆まで幅広く従事。とりわけ、円滑なコミュニケーションを必要とする人物インタビューが得意。

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