カンファレンスの中では、2012年から約10年間に渡り国内のオープンイノベーション支援を続けてきたCrewwが「イノベーションアワード」を主催。直近の実績を基に、優れたオープンイノベーションの事例、スタートアップ企業、グローバル事例に対する表彰も行われました!

目次
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国境を越えるCrewwの共創プログラム
オープニング:Creww株式会社 CEO 伊地知 天

まずは、本カンファレンスの開催にあたり、多くの方々にご協力いただきましたことに、厚く御礼申し上げます。お忙しい中ご快諾くださったスピーカーの方々、ご支援いただいたスポンサー企業の皆さま、ご来場の皆さま、本日は誠にありがとうございます。
本日は、6年前に開催して以来、コロナ禍を経て、久しぶりの大型カンファレンスとなります。そこで、本日のテーマでもある「グローバル」という文脈におけるCrewwの近年の活動状況について、はじめにお話させていただきます。
Crewwは、ここ1、2年で、クロスボーダーのプログラムを数多く実施しています。
昨年、パートナーに採択していただいたGoogle for Startupsとは、サステナビリティを推進する日本のスタートアップが世界中の社会課題解決を目指すプログラムである『Global Sustainability Accelerator powered by Creww | Google for Startups』を開催しております。
また、世界屈指の科学研究機構の一つである台湾の工業技術研究院(ITRI)とは、『日台アクセラレータープログラム2022』を実施し、台湾と日本を繋ぐ共創を推進中です。
さらに、韓国最大の公共アクセラレータープログラムを推進するソウル市政策実行専門機関でありますソウル経済振興院が運営する「ソウル創業ハブM⁺」とは、『ソウルスタートアップオープンイノベーションプログラム』が始まったところです。
テーマを「グローバル」にしたワケは
現在、日本のスタートアップの資金調達額は、1兆円に手が届く程に上昇しました。これは、10年で14倍という驚異的な飛躍であると言えます。ところが、グローバルな規模で見ると、まだまだこの数字は小さいのです。日本のエコシステムは、世界のエコシステムの1/70に過ぎません。
言い換えれば、日本のスタートアップにとっては、世界に出ると 70倍規模のエコシステムが存在し、70倍のチャンスがあるということでもあります。
つまり、グローバルに進出すること自体が、日本のスタートアップには非常に大きな可能性となるのです。
実際に、グローバルなビジネスが増える中で、私は、肌でそれを感じています。
日本のスタートアップと組みたいという声は、海外の企業から非常に多く聞かれると同時に、日本の事業会社と一緒にやりたい世界のスタートアップもたくさん存在しています。
世界のニーズを感じたことが、今回のテーマを「グローバル」に設定した理由です。
グローバルな展開に語学は必須?
本日のコンテンツは、ほとんどが日本語で行われます。参加者の皆さまも、ほとんどが日本の方です。「グローバル」をテーマに開催されるカンファレンスが、本当にこれで良いのでしょうか?
私は、これが、最適であると思っています。
なぜならば、グローバルにビジネスを推進するのに、一番重要なのは、語学力ではないからです。
私は、一番重要なものは、マインドセットだと思います。マインドセットを醸成することを目的としたカンファレンスであるならば、英語である必要はそもそもありません。
先日、ヨーロッパの有名なスポーツクラブチームと、日本のスタートアップ向けにプログラムを開催することで合意いたしました。やはり日本のスタートアップにはニーズがあるのです。
では、何故このようなプログラムが、これまで日本向けに組まれて来なかったのでしょうか。
私は、本気でプログラムを提案した日本の企業がなかったからだと考えています。
日本の企業は自らを過小評価しているのかもしれませんが、
世界に出れば、もっともっと評価してくれる方が、たくさんいます。
マインドセット1つで、どの企業とも仕事ができる時代は、もうすぐ目の前まで来ているのです。
語学の壁は、さほど関係ありません。
完璧な英語を話す必要は、そもそもありません。
必要ならば、話せる人をチームに招けば良いのです。
本日お集りの皆さまは、海外に興味をお持ちの方だと思います。
共に海外に挑戦できるパートナー企業を見つけるのも、本カンファレンスの趣旨であると考えています。本カンファレンスが、皆さまの背中を押す会になることを、祈念しております。
「VUCAの時代に対応していくためのイノベーションには、なにが必要なのか?~グローバルスタンダードへの挑戦~」
株式会社ウィズグループ 代表取締役 奥田浩美様

~プロフィール~
屋久島の田舎で育ち、進学先のインドで初めて世界に触れますが、「自分がここにいても世界は変えられない」と感じ、帰国後は一転、インターネットの普及に尽力。格差のないフラットな世界を目指し、IT企業のカンファレンスをプロデュースする仕事を起業しました。その後は、地域で社会課題を見出し、自治体とともに、日本では初めてのグローバルなアクセラレーションを実現。さらに、女性エコシステムの構築に力を注ぎました。自らもエンジェル投資家となり、かつては自身に限界を感じたインドの地でもファンドを設立。その利益をインドのNPOに寄付することで、女子の就学支援を実現しました。現在も、45もの肩書を持ちながら、自身の志を大事に歩みを進めています。
VUCAの時代には、感情を大事にしてほしい
私は、人生を歩む時、片足ずつしか着かないと決めています。ワクワクする場所に足を置いた後、もう片方の足を上げる際には、姿勢がグラグラするでしょう。けれど、そのグラグラは、自分と対峙している証拠であると、信じるしかありません。確実なものが存在しないVUCAの時代では、ワクワクとグラグラが未来を創るのです。
「その時代にいるべき場所にいること」が、私の人生の全てを創ってきました。過去に出来なかったことも、複雑に変化する VUCAの現代だから実現できる可能性があることを、ずっと心に留めておいてほしいと思います。今の自分の価値を、VUCAの時代にこそ活かしてください。
また、VUCAの時代では、感情が重要であると考えています。会社はチームです。チーム内の価値観が多様であること、それらが組み合わさることこそが、会社の価値を大きくします。グローバルに仕事を展開するには、それぞれの感情を認め、調和を拡大し、大きな輪を広げて、大きなイノベーションを起こすことが大切です。
決して前向きな感情ばかりが、資源になるわけではありません。
ネガティブな感情を含めて「喜怒哀楽を差別しない」ことが、使命を生み、活動の源になります。
「あなたが見たいと思う世界の変化に、あなた自身がなりなさい」
ガンジーの言葉です。自分は何の変化を創れるのか。会社の中で、社会の中で、地球の中で、自分自身は何の変化になれるのか、そう考えれば、まだまだやれることはあるはずです。
INNOVATION AWARD 2023 の受賞企業とは!?

国内のオープンイノベーションの支援を続けてきたCrewwが主催する「イノベーションアワード」
ーー2012年から約10年間、国内のオープンイノベーションの支援を続けてきたCrewwが主催する「イノベーションアワード」では、直近の実績を基に、優れたオープンイノベーションの事例、スタートアップ企業、グローバル事例に対して表彰を行います。ノミネートされたプロジェクトや企業にぜひご注目ください。
ファーストチャレンジ賞
ーーファーストチャレンジ賞は、イノベーションのパイオニアである企業を讃えるための賞です。直近2〜3年にわたり初めてオープンイノベーションプログラムを開催し、スタートアップと共創しながら新しい事業の創出を推進している企業に贈られます。
この賞は、積極的なイノベーションへの取り組みと協業の成果をたたえ、ビジネスの領域を拡大するリーダー企業を称えます。ファーストチャレンジ賞は、挑戦を恐れず、未知の領域で活躍する企業の努力と成果を称賛し、新たなビジネス創出の模範となる企業を表彰します。
【株式会社熊平製作所】

会社概要:株式会社熊平製作所は入退室管理システム、セキュリティゲート、録画監視システム、鍵管理システムなどのセキュリティシステムから、金融機関向けの大規模な金庫室設備や貸金庫設備にいたるまで、幅広いセキュリティ製品を手がける総合セキュリティ企業です。
当社は1898年(明治31年)に創業者である熊平源蔵が金庫の販売・修理を目的に熊平商店(広島市天神町)を設立したことを起点とし、創業126年目の現在もお客様の大切なものを守り続けています。
ノミネート理由:全国各地でオープンイノベーションプログラムが開催されているなかで、広島銀行を主催とした「広島オープンアクセラレーター2021」に初めてご参加いただきました。創業125年の歴史を持つ企業が「未来社会」を見据え、スタートアップ連携に意欲的にお取り組み頂きました。本プログラムでは地理的なハードルもあったとのことでしたが無事にMAMORIO社との連携も具体化されました。
受賞コメント:弊社は、1898年に創業した会社です。100年を越える歴史の中で、ピボットを繰り返しながら、会社を存続して参りました。私のミッションは、次のピボットをさせることだと思っております。今後も、この賞に恥じない様に、様々なチャレンジを行っていきたいと思います。
【三井物産株式会社】

会社概要:金属資源、エネルギー、プロジェクト、モビリティ、化学品、鉄鋼製品、食料、流通事業、ウェルネス事業、ICT事業、コーポレートディベロップメントの各分野において、全世界に広がる営業拠点とネットワーク、情報力などを活かし、多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開しています。
ノミネート理由:初回のアクセラで4社の採択が生まれました。総合商社の強みを活かした協業内容(グローバル展開)が印象的です。また、一次選考通過率が脅威の92%と可能性探索のアグレッシブなスタンスも魅力的でした。
受賞コメント:アクセラレータープログラムを活用させていただいた背景についてお話させていただきます。弊社は、総合商社であります。海外での事業開発に力を入れている中、改めて、日本のスタートアップを見直すことに端を発し、今回のチャレンジをさせていただくことになりました。
50社以上からご応募いただき、約 50社をそのまま審査に通すという挑戦をした結果、非常に大変ではございましたが、1社1社と丁寧にお話をさせていただき、色々な事業の可能性を見出しながらプログラムを推進できたと思っております。協業の機会がありましたら、ぜひ、お声がけ下さい。
【株式会社常陽銀行】

会社概要:茨城県水戸市に本店を構える常陽銀行は「地域とともにあゆむ価値創造グループ」を長期ビジョンに掲げ、持続可能な地域社会の実現に貢献し、地域に必要とされるグループであり続けることを目指しています。その実現に向け、様々な地域課題の解決に向けた新事業の創出・事業領域の拡大に取組んでいます。
ノミネート理由:プログラム開始時点からの熱量が非常に高く、自行の営業部隊、広報部隊、関係各所を上手に巻き込みつつ、プログラムを推進されました。
特にプレゼンテーション時は、頭取はじめ役員陣が十数名参加する中、終始和やかなムードで質問が飛び交うような、良い場の運営ができていた様に思います。また、最終的に無事に3社の採択を実現できている点も評価されました。
受賞コメント:銀行と言いますと、保守的で固いイメージを抱かれる方もいらっしゃるかと思いますが、規制も緩和され、我々が出来る範囲もどんどん広がっております。これからも、皆さまと様々な挑戦に取り組んで参りたいと思いますので、どうぞ温かい応援をよろしくお願いいたします。
グローバルチャレンジ賞
ーーグローバルチャレンジ賞は、成長著しく、世界での活躍が期待されるスタートアップをたたえる賞として与えられます。この賞は、革新的なビジネスモデルや市場での競争力を持つことが期待されるスタートアップ企業に焦点を当て、彼らに国際的な注目とビジネス成果の拡大を支援します。
【TOMUSHI】
https://creww.me/ja/startup/2utdvw6ss

ノミネート理由:「昆虫の力でゴミを資源化し、世界の資源不足を解消する」というミッションにチャレンジしている東北発のスタートアップです。農業廃棄物としての、さまざまな有機廃棄物を集め、それらを特殊加工し、国立大学との共同研究によってエサ化しました。
TOMUSHIはこれらの廃棄物処理に特化した昆虫、とりわけカブトムシを繁殖させ、廃棄物を処理するための技術を開発しました。この昆虫を昆虫商品として販売し、さらには昆虫由来のたんぱく質を抽出して代替肉の生産に取り組んでいます。
Crewwのオープンイノベーションプログラムを活用しながら、東北を飛び出して共創実績を着実に積み上げてきています。持続可能な社会をカブトムシから作り上げていく世界観は今後に注目で、世界展開に期待が集まります。
受賞コメント:TOMUSHIという社名は、「株式会社」と合わせると「カブトムシ」と呼べるようにできております。我々は、双子で会社を起業しました。2人ともカブトムシが大好きで、カブトムシを育てて売る内に、カブトムシがゴミを食べられるのだということを知りました。
そこから、秋田県で事業を始め、少しずつ地方自治体の方とも連携を進めて参りました。
現在では国内に35 箇所の工場を展開し、来年には、海外にも拠点を構える予定でおります。また、兄は、地元で市議会議員にもなりましたので、地方や行政ともコラボを進めながら事業を進めております。まだまだ協業も増やしていきたいと思っておりますので、今後とも、どうぞよろしくお願いします。
【Sportip】
https://creww.me/ja/startup/sportip

ノミネート理由:野球少年として活躍したCEOの高久氏自身が、怪我によって競技生活を断念したという原体験から生まれたプロダクトがSportip。デバイスで写真撮影した人間の立ち姿勢をAIで解析し、身体の歪みなど矯正箇所に対して最適な運動をレコメンドします。これにより怪我の予防、怪我から復帰の際のリハビリなど、個人個人に合わせた最適なトレーニングを見つけることができます。
サービス当初はスポーツコンディショニングに強みを持つプロダクトでしたが、現在ではスポーツに捉われずに、高齢者の運動促進など多様なシーンで活用されています。
高齢化社会や子どもの運動能力低下が社会課題となる現在において、Crewwにおいては地域型アクセラレーションプログラムでの共創実績が生み出されています。
CEOの高久氏はForbes 30 Under 30 Asia 2023にも選出されるなど、世界が注目する起業家です。
受賞コメント:我々は、筑波大学発のベンチャー企業です。筑波大学の持っているデータとサイエンスを使いながら、研究を行い、ヘルスケア業界に対して、サービスを提供する会社です。
現在は、BtoBSaaSという形で、ジム・接骨院・介護施設にて800施設に導入をしていただいております。今後は、海外やスポーツ業界などへも展開をしていく方針でおります。我々AIの技術や大学から生まれたサイエンスに興味を持っていただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ連携させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
【Location Mind】
https://creww.me/ja/startup/locationmind

ノミネート理由:空間情報工学の分野で第一線の研究を行ってきた東京大学柴崎亮介研究室発の技術ベンチャーです。
位置情報にまつわるアセットに高い技術力があり、Crewwのアクセラレーションプログラムでは交通事業者やメーカーとの共創実績が積み重なっています。
現在は国際チームを組成し、日本以外の6か国で分析事業の実績も作っています。海外で事業展開を検討されている国内事業会社向けに、現地の人流データの提供や、IoT計測ソリューション、お客様がお持ちのデータの評価や分析を提供しています。
受賞コメント:この度は、この様な賞をいただき、ありがとうございます。我々の会社は、設立4年目になるAIベンチャーです。位置情報については、耳にされたことがあるかもしれません。こういったデータは、どこの国にもあるものですが、大体は、使われていないので、我々は、この便利なデータを世界中に流通させ、人のために還元していきたいと考えています。現在は、海外10か国にて、分析事業の実績を持っております。日本から海外に通用するような生成AIを提供していこうと考えておりますので、ぜひ引き続き、ご支援を、よろしくお願いいたします。

社名 | Creww株式会社 |
設立 | 2012年8月13日 |
資本金 | 8億2,955万円(資本準備金含む) |
代表者 | 伊地知 天(いじち そらと) |
URL | https://creww.in/ |
事業概要 | Creww株式会社は「大挑戦時代をつくる。」をビジョンに掲げ 、スタートアップ、起業家、事業会社、個人を問わず、挑戦したいすべての人のトータルサポート企業として、国内最大級のオープンイノベーションプラットフォームを運営をしています。 2012年の創業以来、企業とスタートアップによる新規事業創出を目的としたオープンイノベーションプログラムを350社以上と実施し、これまで約1000件の協業を実現しています。現在、Crewwが運営するオープンイノベーションプラットフォームには約7000のスタートアップが登録しています。 ■クラウド型オープンイノベーション支援サービス 「Creww Growth」 ■地域のオープンイノベーションプログラム「47(よんなな)クルーズプロジェクト」 ■イノベーションコミュニティ ■挑戦者のためのオープンイノベーションメディア「PORT」 ■挑戦する個人のためのインキュベーションプログラム『STARTUP STUDIO by Creww』 |
