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金曜日, 6月 25, 2021

新しいスタートアップの在り方は出向起業!イノベーション事例を紹介

経済産業省が勧める「出向起業」が注目されています。これまで日本では当たり前としてきた働き方やスタートアップの方法を刷新する「出向起業」。
しかし、まだまだ出向起業が浸透するまでに至っていないのが事実です。2021年2月現在、公募は一旦終了となっているものの、相談やサポートは続いており、再度募集が開始する可能性は高いといえるでしょう。
本記事で紹介する出向起業の概要やメリット、イノベーション事例などを参考に、出向起業について理解を深めていきましょう。
目次
・出向起業とは?
・起業家が出向起業をするメリット
・出向起業によるイノベーション事例
・出向起業がスタートアップの在り方を変革する

出向起業とは?

そもそも「出向起業」とはどのような起業方法なのでしょうか。基礎部分から解説します。

会社を辞めることなく経営者として働く

出向起業とは正式には「出向起業等創出支援事業」のことで、経済産業省による事業の1つです。スタートアップを目指す個人と企業の双方をサポートし、起業家創出をバックアップしています。

会社を退職することなく出向という形で経営者になり、新事業を立ち上げるのです。この事業を利用するためには、次の条件を満たす必要があります。

  • 所属企業以外の資本が80%以上であること
  • 退職ではなく出向であり、経営者としてフルタイムで実務にあたること
  • 起業後に買い戻しなどによって所属企業に戻るようになっていること

これらの条件をクリアし、採択を受けることができれば最大500万円、補助率は2分の1~3分の1を経費として補助してもらえる事業です。

出向起業がスタートアップを創出

経済産業省が起業を支援する理由は、スタートアップの創出に危機感を持っているからです。特に大企業に勤務する方ほど、リスクを取らない傾向にあり、独立起業への意欲が乏しいといえます。

しかし、出向起業を利用することで個人と企業ともに安全性が高い状態でスタートアップを目指すことが可能です。スタートアップが成功すれば出向元は買収などによってスケールアップできる可能性もあり、もし失敗したとしても挑戦した社員の成長が望めます。

今後さらに出向起業が一般的なスタートアップ方法となれば、日本におけるスタートアップ創出の推進役となるかもしれません。

起業家が出向起業をするメリット

起業を目指す方にとって「出向起業」は多くのメリットを得ることができます。ここでは代表的な3つのメリットについて見ていきましょう。

起業のリスクを低減できる

出向起業は、起業する個人と出向元企業の双方のリスクを低減できます。これまでは起業するとなると勤務先には内緒で準備を行い、退職して独立するといった流れが一般的でした。

しかし出向起業は個人と会社それぞれに利益を目指すことができるため、内々に準備するが必要はありません。現在の日本には、海外企業のように起業後の復帰をサポートする体制が無いのが事実です。

起業願望はあってもリスクを考えると実行にまで移せないといったのが実情でしょう。ところが、出向起業は退職することなく自分でスタートアップした企業へ出向するため、個人側のリスクはほぼ皆無といえます。起業後の身の振り方を担保してもらえるのは大きなメリットといえるでしょう。

自由度が高い事業展開できる

出向起業は、自由度高く事業展開することができます。一般的な子会社とは全く異なる性質を持つのです。

出向起業によりスタートアップした会社は、出向元企業からの出資額を「20%未満」とするルールが設けられています。一方、子会社の場合は会社法によって会社がその総株主の議決権の過半数を保有することが決められています。

議決権を親会社が持つということは、子会社における経営判断は親会社が行うということです。よって、子会社には親会社の意向が強く影響します。

しかし、出向起業でスタートアップした会社には出向側の企業に議決権がありません。つまり子会社よりも裁量の範囲が広く、自由度の高い経営ができるということです。

経済産業省の評価が信用につながる

出向起業等創出支援事業によってスタートアップすることは社会的な「信用」にもつながります。出向起業等創出支援事業は経済産業省の事業の1つであり、厳正な審査や選考の結果、交付決定します。

つまり選考通過し、事業費補助金の交付を受けた事実は、経済産業省から高く評価された証ともいえるのです。日本全体に関わる大きな事業である「出向起業等創出支援事業」の交付はスタートアップ企業と出向側企業どちらにとっても大きな信用を掴むことになります。

出向起業によるイノベーション事例

スポーツ観戦の常識を変える「SpoLive」

SpoLiveとはスポーツ観戦の常識を変えるモバイルアプリです。大手通信会社のNTTコミュニケーションズから「出向起業」をした岩田裕平氏よって開発されました。

スポーツのリアルタイムな実況中継から、サポーターが応援コメントを寄せたり、応援する選手に「投げ銭」をしたりできるのがこのアプリの特徴です。出向企業の社内コンテストにおいてすでに高い評価を受けていたものの、実用化には至っておらず、そのアイデアを持って出向起業した好例といえます。

休日の過ごし方が変わる「休日ハック」

「休日ハック!」は利用者の情報や希望条件から100種類を超える体験コンテンツから休日予定を自動計画し、代理予約まで行う休日おまかせサービスです。このサービスを立ち上げた田中和貴氏は某日用品メーカーに入社後、様々なプロジェクトを経験し、2020年に出向起業として株式会社休日ハックを創業しました。

スマホ利用が当たり前になっている現代では、触れる情報量は多くなったものの、その中から「決断」することに疲れていることに田中氏は着目したのです。自分では到底選択しないだろう奇抜な計画をしてくれる「休日ハック!」は非日常的な体験ができると注目されています。

今後は東京エリアだけでなく、全国展開していく予定の「休日ハック!」は出向起業によりイノベーションの好例といえるでしょう。

出向起業がスタートアップの在り方を変革する

ここまで出向起業の概要やメリット、イノベーション事例などを参考に、出向起業について解説しました。中小企業庁によると、日本の「開業率」は年々低下しているとしています。

2020年に発生した新型コロナウイルスの影響からも、今後の日本においてスタートアップを目指す個人は減少することが予想されます。そんな中、個人と企業の起業リスクを回避できる「出向起業」は今後のスタートアップの主流となってもおかしくない仕組みではないでしょうか。

生活様式の変革に合わせたイノベーションを後押しするかもしれない「出向起業」に今後も注目です。

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