12.8 C
Japan
火曜日, 11月 29, 2022

オープンイノベーション促進税制の概要は?スタートアップにもたらすメリットを解説

令和2年度の税制改正で、スタートアップへの出資が一定割合で所得控除される「オープンイノベーション税制」が創設されました。この制度はスタートアップにとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

制度の目的や出資するスタートアップの要件とともに、オープンイノベーション促進税制がスタートアップにもたらすメリットについて紹介します。

オープンイノベーション促進税制の概要について

オープンイノベーション促進税制とは、スタートアップ企業の新規発行株式を一定額以上取得した場合に、その株式の取得価額の25%が所得控除されるという制度です。まずは制度の概要を見ていきましょう。

経済産業省が創設した時限立法

オープンイノベーション促進税制は経済産業省が創設した時限立法で、令和2年4月1日から令和4年3月31日までの2年間に行われる出資が対象です。

この期間内には大企業などのスタートアップへの出資が加速される可能性があるため、スタートアップにとって資金調達のチャンスであり、企業にもイノベーションを実現するまたとない機会になります。

参照:経済産業省「オープンイノベーション促進税制」https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/open_innovation/open_innovation_zei.html

制度の目的

制度の目的はその名の通り、オープンイノベーションの促進です。オープンイノベーションとは、社内の資源や技術だけでなく異分野、異業種の技術やアイデアを取り入れて革新的な製品やサービスを生み出すこと。

日本の企業は従来自前主義にあります。経済産業省によるデータでは、オープンイノベーションを実施している欧米企業は78%と多いのに対し、日本企業は47%という数字にとどまっている状況です。スタートアップへの投資は不十分な状況にあり、今日のビジネスモデルの変化に合わせて企業の競争力を強化することが求められています。自前主義から脱却してオープンイノベーションを促すため、促進税制の制度が創設されました。

このような制度の目的から、ただ株式を取得するのではなく、スタートアップと企業がオープンイノベーションを行うことが必須事項です。

スタートアップの要件

オープンイノベーション促進税制の適用を受けるためにスタートアップはいくつかの要件を満たす必要があります。
設立10年未満の株式会社
会社登記上の設立日を起算日として、現金を払い込む出資日までの年数が10年未満の株式会社であることが必要です。また、未上場、未登録の会社でなければなりません。
事業を開始していること
新規設立の会社は含まれず、事業を始めている必要があります。また、出資する企業とのオープンイノベーションをすでに行っているか、これから行う予定であることが必要です。
すでに多くの出資を受けている場合は対象外
株式構成では次の要件が必要になります。

  • 1つの法人グループが株式の過半数を有していないこと
  • 民法上の組合や個人など法人以外の者が1/3以上の株式を有していること

これらの要件が設けられたのは、制度の趣旨が出資をあまり受けていないスタートアップの支援にあるからです。すでに多くの出資を受けている会社への投資は趣旨から外れ、対象になりません。
海外スタートアップも対象になる
風俗営業または性風俗関連特殊営業を営む会社や、暴力団員等が役員または事業を支配する会社は対象外です。

すべての要件を満たせば、国内だけでなく海外のスタートアップも対象になります。

促進税制でスタートアップに期待できるメリット

オープンイノベーション促進税制のスタートアップにとってのメリットは、次の3つです。

資金調達の機会が増える

企業が自社の新規発行株式を購入することで、資金調達の機会が増えます。大企業であれば1件あたり1億円以上の出資になるため、スタートアップにとって大きなサポートになるでしょう。

大企業のブランドネームを活用し、市場を拡大できる

大企業とのオープンイノベーションでは、ブランドネームを活用できるのが大きなメリットです。そのPR効果は非常に高く、自社の技術やアイデアを広く世間にアピールすることができます。

市場を一気に拡大するチャンスになるでしょう。

中小企業のベンチャー投資が増え、企業成長の可能性が高まる

オープンイノベーション促進税制は大企業だけでなく、中小企業が利用できるのが特徴です。出資額が1,000万円以上と低く設定されているため、多くの中小企業が新しい技術や革新的アイデアを求めて出資する可能性があります。

オープンイノベーションのチャンスが広がり、企業成長の可能性が高まるでしょう。

促進税制で活性化するオープンイノベーションを自社の発展につなげよう 

オープンイノベーション促進税制の創設によるオープンイノベーションの活性化は、事業拡大のチャンスです。大企業とのオープンイノベーションであれば、急速な成長も期待できるでしょう。2年間と限られた期間ですが、この機会をぜひ自社の発展につなげてみてください。

Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
- Advertisment -

Featured

【募集】関東近郊2万坪の土地 × スタートアップで、今までにない斬新な “場” を作りたい|Gulliverが挑む!

【オープンイノベーションインタビュー】中古車売買でお馴染みの「Gulliver」を運営する株式会社IDOMが、2022年10月24日から「Gulliver アクセラレータープログラム2022」を実施。新しい購買体験の提供と、生活を彩るクルマの価値を創造する新しいコンセプト店舗の開発をテーマに、関東近郊に2万坪の土地を用意し、スタートアップの皆さんと一緒に新しい場づくりに取り組みたいという。具体的に、どのような構想を描いているのか。株式会社IDOMの経営戦略室チームリーダー、三樹教生氏に話を伺った。 #Gulliver #IDOM #スタートアップ #アクセラレータープログラム #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

スタートアップ募集!【豊富な開発技術力 × デミング賞大賞の社内風土】モノづくりメーカーのOTICSに、今求めるパートナーを聞く

【オープンイノベーションインタビュー】高出力・低燃費・低エミッション化などの要求に対し、積極的な技術提案と高精度な品質で応えるOTICS(オティックス)の自動車部品は、多くの車種で採用されています。一方で、120以上の国と地域が目標に掲げる「2050年カーボンニュートラル」に向け「脱炭素化」の企業経営に取り組むOTICSは、初めてのアクセラレータープログラムを開催。豊富な開発経験と生産技術力を活かせる協業案、自然環境保全や社会・地域に貢献できるアイデア等をスタートアップから広く募集します。デミング賞大賞も受賞したOTICSの社風、アクセラレータープログラムの開催に至った背景や、募集ページだけでは伝わらない魅力、プログラムに関わる方々の想いを、株式会社オティックス 経営管理本部TQM経営戦略室 係長 奥村守氏に話を伺いました。 #OTICS #自動車 #カーボンニュートラル #アクセラレータープログラム #協業 #スタートアップ #デミング賞 #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

OPA × somete の挑戦|「まちクロッ」でファッションロス問題の解決を目指す!

【Creww Growth活用協業事例インタビュー】金沢フォーラス、キャナルシティオーパ、横浜ビブレなど、OPA・VIVRE・FORUSの3ブランドを主軸に、都市型商業施設の開発運営を行う株式会社OPA。そんな同社は2021年、「OPAアクセラレータプログラム2021」を実施し、地域と連携したファッションロス削減に取り組むsometeとの協業をスタートさせた。OPAとsometeは具体的にどのような実証実験を重ねているのか。株式会社OPA 事業創造部 新業態開発チームの安達有美氏と、someteを運営する株式会社Play Blue代表の青野祐治氏に話を伺った。 #OPA #somete #オープンイノベーション #活用協業事例インタビュー #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

【空間ID × スタートアップの着想】デジタルツイン社会実装への挑戦

【オープンイノベーションインタビュー】現実世界をデジタル空間に複製する絶対的な技術を持つダイナミックマップ基盤株式会社は、「cm」級の高精度3次元データを有し、モビリティの自動走行において要となる同社のプロダクトは、既にグローバルに展開されています。今般、デジタル庁の肝煎り案件となるアクセラレータープログラムを開催。リアル/サイバー両空間を組み合わせたユースケースの創出に向け、「空間ID」を活用した共創案を募集します。ダイナミックマップ基盤株式会社 第二事業部 事業開発2課 課長 兼 空間IDプロジェクトPMOの望月洋二氏に話を伺った。 #ダイナミックマップ基盤 #デジタルツイン #空間ID #デジタル庁 #ミラーワールド #アクセラレータープログラム #共創 #Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント