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月曜日, 8月 15, 2022

コラボ先へのメリット提示が重要 IR情報も活用して課題を見つける

株式会社Warrantee(ワランティ) 代表取締役 庄野裕介

電化製品などの保証書をスマホのカメラで撮影すると電子化され、保証期間などの管理ができるサービス「Warrantee」を2014年3月に開始した株式会社Warrantee(大阪市中央区)は、Crewwへの参加後、大手企業とのコラボレーションを相次いで決めている注目のスタートアップ。他に例を見ないユニークなビジネスモデルと、コラボを成功させるためのポイントを庄野裕介氏に聞いた。
※この記事は、2015年12月15日、Crewwmagazineにて公開された記事を転載しています。

保証書の電子化・管理サービスが持つ広がりと有望性

― 庄野社長は京都大学で理系の学部から経済学部に転部し、卒業後にすぐ起業するというめずらしい経歴をお持ちです

元々は研究者を目指して入学したのですが、「自分には研究職は向いていない」と感じ、4年生の時に経済学部へ移っています。結局、大学へは計6年間行ったことになりますね……。

経済学部で出会ったゼミの先生がセブン・イレブンチェーンのPOSシステム開発に深く関わっていて、ここでITの重要性を認識させられることになりました。卒業後は大手のシステムインテグレーター(SIer=エスアイアー=企業システムの構築・運用会社)に内定をいただいたので、そこへ就職してITエンジニアの修行をするつもりでした。

― ところが起業に踏み切ってしまう

大学卒業の間際に大阪市が主催する米国シリコンバレーツアーがあり、ここに参加したことがきっかけです。グーグルなどの名だたるIT企業を見学できただけでなく、現地では短時間のプレゼンも行えたのですが、ここで保証証を電子化するビジネスを提案したところ、出資が決まりました。内定していた大手SIerさんには申し訳ない気持ちでしたが、起業を決断し、現在にいたっています。

― そして、大学卒業後の2013年4月に大阪で起業することになります

出身は東京なのですが、大阪市内のほうがエンジニアを採用しやすいとの思いがあり、現在は関西一の金融街である北浜にオフィスを置いています。ただ、今はどうしても首都圏へ出張する機会が多いですね。

― 事業の柱である「Warrantee」はどのようなサービスですか

無料アプリをダウンロードし、スマホのカメラで保証書や購入時のレシートなどを撮影すると電子化され、各製品の保証期間などを容易に管理ができるようになるサービスです。紙の保証書ですと、いつの間にか紛失するなどして必要な時に見つからず、保証を受けられないことがあります。電子化しておくことで、保管の手間を大幅に減らすことができます。

また、登録した製品の説明書が閲覧できたり、アプリ上から簡単にメーカーへ修理依頼することも可能です。サポートセンターへ電話をかけたり、購入店へ持ち込む必要がなくなります。

将来的には電化製品の売却サポートや、家電の処分時に回収の申し込みができるようなサービスも予定しています。

―  Warranteeのビジネスモデルを教えてください

ユーザからお金をいただくことはありませんので、電化製品メーカーやIT関連サービスを行っている企業とのビジネスが中心となります。電化製品の保証書を通じ、ユーザの購入履歴や嗜好が分かりますし、メーカーの正規修理へ繋げることもできます。買い替え時期になると、メーカーから適切な案内を行うということも考えられます。

Warranteeでは、保証書だけでなく、契約書の電子化と管理できますので、たとえば携帯電話契約の更新月に、MVNO(格安スマホ)を案内する、といったことも可能です。単に保証書や契約書を電子化するだけではなく、製品の「アフターサポートにおけるプラットフォーム」を目指していますので、さまざまな形のビジネスに発展させていけると考えています。企業の方々にはCRMツールとして使っていただく、というイメージです。

― そうした高い可能性が評価され、Crewwでは次々とコラボを成立させていますね

以前、大阪市で開かれたあるピッチに参加したところ、Crewwの伊地知天(いじちそらと)さんが審査員をつとめており、それがきっかけで登録しました。大変ありがたいことに、これまで5社のコラボに応募しましたが、このうち3〜4社から引き合いをいただいています。CRMという部分で評価されているのかもしれません。

― すごい確率です。大手企業に採択されやすくするコツか何かがあるのですか?

コツというわけではないのですが、コラボ先の大手企業に利益をもたらせそうにない場合は応募をしていません。必ず先方のメリットを提示できるように努力しました。

とはいえ、まだまだ小さな組織ですので、できることには限りがあります。背伸びして先方に迷惑をかけることがないようには心がけています。先方企業が抱えている課題は調べる方法としては、上場企業の場合は、IR(インベスター・リレーションズ=投資家向け)情報に掲載されているケースが多くありますので、必ず読むようにしています。特に決算説明資料には大きなヒントが隠されているんです。

― これまでコラボに応募してきたなかで、感じたことはありましたか

やはり組織が大きい企業の場合は、少し動きが遅いと感じることもありましたが、今は慣れたこともあり、「当たり前」と理解できるようになりました。それよりも、先方企業内で明確な目標設定や課題意識が共有されていない場合は、どうやって提案すればいいのか迷うことがありますので、方向性を示していただけるとありがたいです。

ただ、Crewwに参加しておられる大手企業のほぼすべてが、スタートアップのサービスを導入したいとの姿勢が強いので、非常にやりやすいと感じています。また、最初のやり取りはチャットやメールが中心ですので、大阪にいても苦労することがないのはいいですね。その後、実際に先方企業とお会いできると、議論がふくらみますので、新しいことが生まれやすくなります。

― Crewwに参加しているスタートアップのみなさんにアドバイスをお願いいたします

我々はクックパッドから投資を受けていますが、「料理レシピ」と「保証書の電子化」とは一見すると関係が薄いように思えます。しかし、料理には家電が必要だ、と考えれば関連性が見えてきます。近い業界よりも、遠い業界との組み合わせの方が、意外性のあるコラボが可能となり、かえって
上手くいくのではないかと思っています。

― ありがとうございました

取材先 : 株式会社 Warrantee   http://www.warrantee.jp

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