12.8 C
Japan
水曜日, 7月 28, 2021

2千円で買えるVRマシン「Milbox」がつくりだす未来のエンタメ

2015年7月、タッチインターフェース搭載型ダンボール製VR(バーチャルリアリティ)ゴーグル「MilboxTouch(みるボックスタッチ)」を発表した株式会社WHITE。2016年2月には、懐かしのゲーム「パックマン」のVR版ゲーム「MilboxTouch ver. VR PAC-MAN」の開発資金をクラウドファンディングのMakuakeで募り、MilboxTouchと「MilboxTouch ver. VR PAC-MAN」を4月上旬ごろ正式販売開始すると発表した。ダンボール製ゴーグルにアプリをインストールしたスマートフォンをセットするだけで、簡単にVR(バーチャルリアリティ:仮想現実)やVRゲームを体験できるサービスをリリースしたこの会社は資本金3000万円を株式会社スパイスボックスが出資し、2015年4月15日に設立。5月に営業をスタートしたばかり。にわかに活気付くIoTや、VRマーケティング市場で、広告マーケティング領域における深い知見やノウハウを生かしつつ、新しいテクノロジーを開発し、「面白い」に留まらない新しいテクノロジーへの希望を膨らませるコミュニケーションを実現している。
※この記事は、2016年3月14日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。 

はじまりは広告代理店のなかに立ち上げられたR&D組織

株式会社WHITEの前身となる最先端デジタルテクノロジー研究所「プロトタイピングラボWHITE」はデジタルエージェンシー(デジタル広告代理店)であるスパイスボックス内に立ち上げられたR&D組織であった。その名前は、「デジタルの白(RGBの白)はすべての色彩を混ぜた色、強い色」ということからきている。現在の株式会社WHITEのURL http://255255255.com の数字はRGBを表している。

「プロトタイピングラボWHITE」の発表したものでは、2015年の3月に発表されたダンボール製ゴーグル「Milbox(みるボックス)」をご存知の方も少なくないだろう。手持ちのスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、組み立て型のダンボール製ゴーグルに設置することで、バーチャルリアリティ世界を体験できる。これにより、斬新ではあったが、ハイスペックで生活に落としこむには遠かったVR技術が一気に身近になった。

デジタル技術が開発され、これまでにない体験が次々と可能になるなかで、技術を形にして、企業が使えるかたちにするプロトタイピングが自分たちの仕事です。自社のHPでテックトレンドニュースを出していたので、論文やハッカソンはよく追っていました。そうすると、テクノロジーがどう活用されるようになるのかが見えてくるんです。論文数が増えている領域は、投資が顕在化しはじめ、研究からビジネスになっていきます。

そういった領域のなかから、IoTとVRに絞りました。googleやfacebookも踏み込んでいるような分野に、異業種スタートアップとして自分たちが勝てるのは何かということで、元々はテクノロジーをテーマにした広告代理店ということを活かし、テクノロジーをコミュニケーションツールに落とし込んでいくビジネスモデルを立ち上げました。

親会社からの独立。デジタルという見えない世界を可視化し、かたちにしていく

起業するときに、スパイスボックス内でも議論はありました。そもそも、IoTとVRが本当に来るのか確信を持てるようなデジタルネイティブが弊社を含めて、取引先などの経営層にいません。また、博報堂から子会社が独立していくという流れはありますが、その多くは親会社の事業を踏襲したクリエイティブ系で、弊社の場合、広告マーケティングというものと事業シナジーが違い、それこそ定款から違うので、完全別事業をやっているようなものなんです。

そこにどうやって理解を求めていったのだろうか? テクノロジーは説明しても伝わりづらいということで、簡易版の「Milbox(ミルボックス)」をリリースした。これは、2015年7月に発表したタッチインターフェース搭載型ダンボール製VRゴーグル「MilboxTouch(みるボックスタッチ)」のプロトタイプに繋がる。

「MilboxTouch」は、WHITEと明治大学 宮下研究室、サンメッセ株式会社との共同研究となっている。Milboxの筐体側面に導電性インクが印刷されたシートが挟まれており、そのパターンを触ることで、ゴーグル内のスマートフォンを操作することができる。このパターンの触り方を変えることで、タップやスクロール、スワイプといったスマートフォンならではの入力操作が可能になっている。特徴的なのは、ダンボールに導電性インクを印刷するというごくシンプルな方法でタッチ入力インターフェースを実現していること。これにより、タッチ機能付きVRゴーグルを安価に大量生産し、タッチ入力を活かしたVRコンテンツを提供することが可能となった。

WHITEのメンバーは、職人とテクノロジストで構成されている。そこに外部コラボレーションパートナーとして国際的に活躍するメディアアーティストの千房けん輔を迎えている。

千房のようなメディアアーティストは新しいテクノロジーを使って、新しい体験価値をつくる先行プレーヤーと捉え、重要なポジションに入れています。千房が所属しているNYのニューインクで、インキュベート事業をはじめていて、そこと考え方が近いのですが、この点は大事にしていきたいポイントです。

また、テクノロジーを用いた広告は「面白さ」「目新しさ」の一発で終わるものが多いのですが、そうではなく、サービスに汎用性を持たせ、スケーラビリティを持たせることを意識しています。VRはいかに興味深いコンテンツがつくれるかが肝だと思っています。発明であり、商業として成立するサービスを実現していくために、持続可能性という視点で考えています。

取材先:株式会社 WHITE http://255255255.com

執筆
PORT編集部 
「PORT」はCreww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

Featured

【募集】暮らしの未来を創造する次世代のプラットフォーマーへ | イオンモールがスタートアップと協業

【オープンイノベーションインタビュー】 「アジア50億人の心を動かす企業へ」をビジョンに掲げるイオンモールは、「Life Design Developer」として、人々のライフスタイルの向上と地域社会の発展に貢献することをミッションに、国内外の大型商業施設を開発から運営まで一気通貫で手掛けるディベロッパー企業です。 同社はこの度、ライフスタイルの変容や地域の社会課題に対して、商業施設の枠組みを越え、新たな「暮らしの未来」を創造する事業領域を拓くべく、Crewwのプラットフォーム「Creww Growth」を用いて、アクセラレータープログラムを開催します。イオンモール株式会社DX推進部 ビジネス開発担当部長 野口 耕司氏に、オープンイノベーションへ乗りだすに至った思いを伺いました。 #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #イオンモール #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

現代の社会課題である食品ロスを解決する「Freeat(フリート)」

【ファウンダーインタビュー】 「大挑戦時代をつくる。」をビジョンに掲げるCrewwでは、毎月オンラインネットワーキングにて、事業会社・スタートアップ・個人起業家などの挑戦者をリコメンドしています。CrewwのSTARTUP STUDIOプログラム運営をメインに担当する寺田 麗未が今回ご紹介するスタートアッププロジェクトは、Freeat(フリート)です。 #フードテック #SDGs #インキュベーションプログラム #スタートアップスタジオ #Freeat #フリート #大挑戦時代をつくる #Creww

潜在的イノベーターの挑戦と覚醒を促す“パートタイム”という選択肢

【新プロジェクトインタビュー】 “大挑戦時代をつくる。”をビジョンに掲げ、数々のオープンイノベーションを
支援してきたCreww社が、スタートアップへパートタイムで参画できるプロジェクトを開始します。
SHIFT(x)プロジェクトで実施する新たな取り組みについて、担当者にインタビューしました。 #スタートアップ #
SHIFT(x) #シフトエックス #STARTUPSTUDIO #スタートアップスタジオ #大挑戦時代をつくる #Creww

【募集】大阪メトロ アドエラがスタートアップ協業で目指す「ローカル経済を結びつけた大阪の活性化!」

【アクセラレーターインタビュー】 株式会社 大阪メトロ アドエラがスタートアップとのオープンイノベーションに乗り出した。人口減少による交通利用の影響に立ち向かうべく、2025年に向け新しい事業の柱を創っていくという大阪メトログループ全体のミッションがある中、各グループで新規事業創出に向けた準備が着々と進められていたが、新型コロナウィルスの影響がよりこの流れを加速させたと言う。 そんな中、大阪メトロアドエラではスタートアップの斬新なアイデアや先進的な技術を取り入れ、協業による新規事業を生み出すべくアクセラレータープログラムを開催する。大阪メトロアドエラの新規事業創出を担う事業創造本部の奈良大和氏に、オープンイノベーションに取り組む背景やスタートアップとの共創に向けた狙いや想いを伺った。 #大阪メトロアドエラ #オープンイノベーション #アクセラレータープログラム #Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント