12.8 C
Japan
日曜日, 7月 3, 2022

2千円で買えるVRマシン「Milbox」がつくりだす未来のエンタメ

2015年7月、タッチインターフェース搭載型ダンボール製VR(バーチャルリアリティ)ゴーグル「MilboxTouch(みるボックスタッチ)」を発表した株式会社WHITE。2016年2月には、懐かしのゲーム「パックマン」のVR版ゲーム「MilboxTouch ver. VR PAC-MAN」の開発資金をクラウドファンディングのMakuakeで募り、MilboxTouchと「MilboxTouch ver. VR PAC-MAN」を4月上旬ごろ正式販売開始すると発表した。ダンボール製ゴーグルにアプリをインストールしたスマートフォンをセットするだけで、簡単にVR(バーチャルリアリティ:仮想現実)やVRゲームを体験できるサービスをリリースしたこの会社は資本金3000万円を株式会社スパイスボックスが出資し、2015年4月15日に設立。5月に営業をスタートしたばかり。にわかに活気付くIoTや、VRマーケティング市場で、広告マーケティング領域における深い知見やノウハウを生かしつつ、新しいテクノロジーを開発し、「面白い」に留まらない新しいテクノロジーへの希望を膨らませるコミュニケーションを実現している。
※この記事は、2016年3月14日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。 

はじまりは広告代理店のなかに立ち上げられたR&D組織

株式会社WHITEの前身となる最先端デジタルテクノロジー研究所「プロトタイピングラボWHITE」はデジタルエージェンシー(デジタル広告代理店)であるスパイスボックス内に立ち上げられたR&D組織であった。その名前は、「デジタルの白(RGBの白)はすべての色彩を混ぜた色、強い色」ということからきている。現在の株式会社WHITEのURL http://255255255.com の数字はRGBを表している。

「プロトタイピングラボWHITE」の発表したものでは、2015年の3月に発表されたダンボール製ゴーグル「Milbox(みるボックス)」をご存知の方も少なくないだろう。手持ちのスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、組み立て型のダンボール製ゴーグルに設置することで、バーチャルリアリティ世界を体験できる。これにより、斬新ではあったが、ハイスペックで生活に落としこむには遠かったVR技術が一気に身近になった。

デジタル技術が開発され、これまでにない体験が次々と可能になるなかで、技術を形にして、企業が使えるかたちにするプロトタイピングが自分たちの仕事です。自社のHPでテックトレンドニュースを出していたので、論文やハッカソンはよく追っていました。そうすると、テクノロジーがどう活用されるようになるのかが見えてくるんです。論文数が増えている領域は、投資が顕在化しはじめ、研究からビジネスになっていきます。

そういった領域のなかから、IoTとVRに絞りました。googleやfacebookも踏み込んでいるような分野に、異業種スタートアップとして自分たちが勝てるのは何かということで、元々はテクノロジーをテーマにした広告代理店ということを活かし、テクノロジーをコミュニケーションツールに落とし込んでいくビジネスモデルを立ち上げました。

親会社からの独立。デジタルという見えない世界を可視化し、かたちにしていく

起業するときに、スパイスボックス内でも議論はありました。そもそも、IoTとVRが本当に来るのか確信を持てるようなデジタルネイティブが弊社を含めて、取引先などの経営層にいません。また、博報堂から子会社が独立していくという流れはありますが、その多くは親会社の事業を踏襲したクリエイティブ系で、弊社の場合、広告マーケティングというものと事業シナジーが違い、それこそ定款から違うので、完全別事業をやっているようなものなんです。

そこにどうやって理解を求めていったのだろうか? テクノロジーは説明しても伝わりづらいということで、簡易版の「Milbox(ミルボックス)」をリリースした。これは、2015年7月に発表したタッチインターフェース搭載型ダンボール製VRゴーグル「MilboxTouch(みるボックスタッチ)」のプロトタイプに繋がる。

「MilboxTouch」は、WHITEと明治大学 宮下研究室、サンメッセ株式会社との共同研究となっている。Milboxの筐体側面に導電性インクが印刷されたシートが挟まれており、そのパターンを触ることで、ゴーグル内のスマートフォンを操作することができる。このパターンの触り方を変えることで、タップやスクロール、スワイプといったスマートフォンならではの入力操作が可能になっている。特徴的なのは、ダンボールに導電性インクを印刷するというごくシンプルな方法でタッチ入力インターフェースを実現していること。これにより、タッチ機能付きVRゴーグルを安価に大量生産し、タッチ入力を活かしたVRコンテンツを提供することが可能となった。

WHITEのメンバーは、職人とテクノロジストで構成されている。そこに外部コラボレーションパートナーとして国際的に活躍するメディアアーティストの千房けん輔を迎えている。

千房のようなメディアアーティストは新しいテクノロジーを使って、新しい体験価値をつくる先行プレーヤーと捉え、重要なポジションに入れています。千房が所属しているNYのニューインクで、インキュベート事業をはじめていて、そこと考え方が近いのですが、この点は大事にしていきたいポイントです。

また、テクノロジーを用いた広告は「面白さ」「目新しさ」の一発で終わるものが多いのですが、そうではなく、サービスに汎用性を持たせ、スケーラビリティを持たせることを意識しています。VRはいかに興味深いコンテンツがつくれるかが肝だと思っています。発明であり、商業として成立するサービスを実現していくために、持続可能性という視点で考えています。

取材先:株式会社 WHITE http://255255255.com

執筆
PORT編集部 
「PORT」はCreww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

Featured

【募集】浜松市で実証実験&事業化を目指しませんか。全国からスタートアップを募集

【オープンイノベーションインタビュー】国土縮図型都市である静岡県浜松市では、本日より「令和4年度実証実験サポート事業」のプロジェクト募集を開始!全国のスタートアップに対して1年間、市内実証実験フィールドの提供や広報活動、最大200万円の助成、法制度に関するアドバイスを実施。さらに「トライアル発注制度」を新設して実験後の出口支援も強化するという。具体的にどのようなスタートアップを募集するのか。浜松市産業部スタートアップ推進課主幹の新村仁氏に話を伺った。 #募集 #浜松市 #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【公募】循環炭素社会を目指し、スタートアップや起業家予備軍を含む研究者らを助成!

【オープンイノベーションインタビュー】循環炭素社会の構築を目的として誕生した一般社団法人カーボンリサイクルファンドは、民間からの寄付金を原資にシード/アーリーステージのスタートアップにとって必要な見返りを求めない“GAPファンド”として、循環炭素社会の実現に向けてイノベーションを起こそうとする大学・企業等の研究者(研究チーム)に助成金を交付している。そんな同団体が開催する助成活動について、イノベーション部/部長代理 鹿島淳氏に話を伺った。 #募集 #カーボンリサイクルファンド #アクセラレータープログラム #インタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【Creww ×メリービズ】管理部門の働き方を先進的にする、スマートバックオフィス

さまざまなスタートアップから次々と誕生している、バックオフィス業務のSaaSサービス。Crewwは、それらのサービスを複数導入することで、管理部門における新しい働き方とキャリアを創出し、社会に広めていくための「スマートバックオフィス化」を進めています。そこで、Crewwが導入している「バーチャル経理アシスタント」を提供する、メリービズの長谷龍一氏と、Creww取締役の高橋彗に、バックオフィスをデジタル化することの価値について話を伺いました。

スタートアップと地域企業が共創で挑む食品ロス課題解決〜hakkenの乾燥野菜によるイノベーション

【スタートアップインタビュー】 世界には、今この時も食べ物を求め飢えに直面している人々がいます。一方で、日本の食糧廃棄量は深刻です。食品を焼却処理する際に排出されるCO2は地球温暖化の原因ともなっています。大量の食糧が廃棄される現実は、誰もが知っている矛盾であり、誰も解決できなかった難題でもあります。株式会社hakkenは、驚きの発想で廃棄させずに野菜をリメイクし、扱いやすい乾燥野菜を使ったサービスを展開、フードロス解消にアプローチしているスタートアップです。可能性に満ちた乾燥ロス野菜が創るイノベーションは注目を集め、NAGANO-OIC 2021では、2社から採択されました。果たしてその協業内容とはどんなものなのか。地域に根ざした小規模生産を活かすhakkenのビジョンとはー。穏やかに淡々と語る言葉に秘められた熱い胸の内について、代表の竹井氏にお話を伺いました。 #hakken #SDGs #食品ロス #食糧廃棄 #乾燥野菜 #イノベーション #NAGANO_OIC_2021 #スタートアップ #地域創生 #共創 #Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント