12.8 C
Japan
日曜日, 11月 27, 2022

【データグリッド×住友電工】製造現場での不良判定AIに関する共同技術を開発

データグリッドと住友電気工業は、製造現場での不良判定AIに関する共同技術開発を開始した。これは実在する不良データがごく僅かしかない状況でも熟練作業員並みの高度な判定基準を持つAIを実現させるために、住友電工が持つ不良判定技術とデータグリッドが持つ疑似不良生成技術を組合せ、苦手克服学習技術を付与した独自の不良判定AIを共同開発するものである。今回の共同技術開発により、両社は、現在は人手で行われている外観検査工程を自動化するなど、製造現場の幅広い工程を自動化する取り組みの加速・拡大を目指す。

疑似不良生成技術とは

GAN(Generative Adversarial Networks、敵対的生成ネットワーク)と呼ばれるAIを活用し、実在する不良データを学習することで不良データの特徴を捉え、実在する不良データそっくりの疑似不良データを生成する技術である。
この技術を使った疑似不良生成AIを用いて不良データを大量に生成することで、実在する不良データがごく僅かしかない状況でも不良の学習を可能にすべく、開発を進めている。

弱点トレーニング・ループとは

不良判定AIは、ごく僅かに実在する不良データを用いて学習を開始する。次にこの判定結果を分析し、不良判定AIが苦手とするパターンを予測。そして、予測したパターンの不良データを疑似不良生成AIが作り出し、そのデータを使って不良判定AIが再学習する。このループを繰り返すことで、不良判定AIの苦手パターンを克服させ、ごく僅かな学習データから熟練作業員に匹敵する不良判定AIの開発が可能になる。この一連の苦手を克服するための学習ループを、弱点トレーニング・ループと呼んでいる。今年度は、不良判定AIの中でも製造現場においてニーズの強い自動外観検査AIの開発を進め、学習用画像の収集に要する期間の大幅短縮を目指す。

共同開発着手に至った背景

データグリッドでは、デジタルヒューマンやAIトレーニングデータといった合成データ(シンセティックデータ:Synthetic Data)を生み出すシンセティックAIの技術開発を行い、通信、製造業、教育、アパレル、エンタメ、ゲームをはじめとする数多くの企業とのプロジェクトを実施してきた。近年、不良品が十分にない製造初期段階においても、外観検査工程を始めとする異常検査工程で使用可能な高精度な検知AIを構築したいという製造事業者様のニーズに応えるべく、疑似的な不良データを生成する“疑似不良生成AI”を開発してきた。

一方、住友電工では、IoT研究開発センターを中心に、製造現場でのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向け、IoT/AI技術を活用した生産性向上や安全性向上等に取り組んでいた。その1つとして、熟練作業員が外観検査で行っているような、多様な不良判定を自動化する不良判定AIの開発を行っていた。しかし、不良判定AIに熟練作業員の高度な判定基準を学習させるには、様々なパターンを網羅した大量の学習データを用意する必要がある。学習データの収集には多大な時間とコストがかかることから、住友電工はじめ製造業各社では不良判定AIの活用が十分に進んでいないのが実状であった。

そこで、関西経済連合会が主催する「アジアビジネス創出プラットフォーム*」を契機に、データグリッドが得意とする生成技術と住友電工が得意とする不良判定技術を組み合わせ、ごく僅かな学習データから不良判定AIを開発することを目指し、共同で技術開発を開始するに至っている。

データグリッドと住友電工は、今後もAI技術を活用し、様々な工程の自動化や生産性の向上に取り組んでいる。

両社のコメント​

データグリッド 代表取締役CEO 岡田 侑貴

この度は、住友電工と先進的な取り組みを開始でき、大変嬉しく思います。データグリッドでは、これまで多様なデジタルデータの生成技術に取り組んでまいりましたが、AIをトレーニングするためのデータ生成(トレーニングデータ生成)は、実際の産業におけるAI活用の制約となっていた、データ不足問題を解決する鍵になると考えています。住友電工とともに製造業務プロセスのAI化を推進し、ひいては産業界全体にとっての、AI活用の新たなスタンダードを生み出すべく、技術開発を進めてまいります。

住友電工 IoT研究開発センター長 高橋 覚

住友電工ではAI、IoTといった先進デジタル技術を活用したモノづくり力の強化に取り組み、多くの実用化実績を積み重ねてまいりました。この取り組みをもう一段加速するためには、AI技術の更なる進化が不可欠です。データグリッドの先進的な生成AI技術と、住友電工の製造現場へのAI適用技術の融合が、AI活用の新たな成果に繋がることを期待します。

アジアビジネス創出プラットフォームについて

略称はABCプラットフォーム。“アジア・日本におけるビジネスの創出、経済の活性化”を目的に、企業・団体間における人材、技術、サービス等の連携を促進し、ビジネス創出、経済活性化につなげる取り組みで、この中のスタートアップ部会において、住友電工とデータグリッドの交流があり、今回の技術開発開始に至った。
https://www.abc-pf.org/

 株式会社データグリッドについて

「すべてのデータに、命を与える。」をミッションに掲げ、AIにより合成・生成された動画像や音声といったデジタルデータ(=シンセティックデータ)の産業活用を進めている。デジタル社会におけるデータの量と質を高め、あらゆるものにAIを深く、自然に浸透させた未来社会の実現を目指している。

社名株式会社データグリッド
設立2017年07月
所在地京都府京都市左京区吉田本町36-1
京都大学国際科学イノベーション棟
代表者岡田 侑貴
URLhttps://datagrid.co.jp/

住友電気工業株式会社について

「住友事業精神」と「住友電工グループ経営理念」のもと、公正な事業活動を通じて、社会に貢献することを不変の基本方針としている。AIをはじめとする社会変革をもたらす⾰新技術へのチャレンジを通じて、地球環境に優しく、安全・安心かつ、快適で成長する社会の実現につながる価値を提供することにより、産業や人々の暮らしを支える存在であり続けたいと考えている。

社名住友電気工業株式会社
設立1897(明治30)年4月
所在地大阪市中央区北浜4-5-33(住友ビル)
創業
代表者井上 治
事業概要建設事業(土木事業・建築事業)及び開発事業
URLhttps://sumitomoelectric.com/jp/
Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
- Advertisment -
- Advertisment -

Featured

【募集】関東近郊2万坪の土地 × スタートアップで、今までにない斬新な “場” を作りたい|Gulliverが挑む!

【オープンイノベーションインタビュー】中古車売買でお馴染みの「Gulliver」を運営する株式会社IDOMが、2022年10月24日から「Gulliver アクセラレータープログラム2022」を実施。新しい購買体験の提供と、生活を彩るクルマの価値を創造する新しいコンセプト店舗の開発をテーマに、関東近郊に2万坪の土地を用意し、スタートアップの皆さんと一緒に新しい場づくりに取り組みたいという。具体的に、どのような構想を描いているのか。株式会社IDOMの経営戦略室チームリーダー、三樹教生氏に話を伺った。 #Gulliver #IDOM #スタートアップ #アクセラレータープログラム #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

スタートアップ募集!【豊富な開発技術力 × デミング賞大賞の社内風土】モノづくりメーカーのOTICSに、今求めるパートナーを聞く

【オープンイノベーションインタビュー】高出力・低燃費・低エミッション化などの要求に対し、積極的な技術提案と高精度な品質で応えるOTICS(オティックス)の自動車部品は、多くの車種で採用されています。一方で、120以上の国と地域が目標に掲げる「2050年カーボンニュートラル」に向け「脱炭素化」の企業経営に取り組むOTICSは、初めてのアクセラレータープログラムを開催。豊富な開発経験と生産技術力を活かせる協業案、自然環境保全や社会・地域に貢献できるアイデア等をスタートアップから広く募集します。デミング賞大賞も受賞したOTICSの社風、アクセラレータープログラムの開催に至った背景や、募集ページだけでは伝わらない魅力、プログラムに関わる方々の想いを、株式会社オティックス 経営管理本部TQM経営戦略室 係長 奥村守氏に話を伺いました。 #OTICS #自動車 #カーボンニュートラル #アクセラレータープログラム #協業 #スタートアップ #デミング賞 #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

OPA × somete の挑戦|「まちクロッ」でファッションロス問題の解決を目指す!

【Creww Growth活用協業事例インタビュー】金沢フォーラス、キャナルシティオーパ、横浜ビブレなど、OPA・VIVRE・FORUSの3ブランドを主軸に、都市型商業施設の開発運営を行う株式会社OPA。そんな同社は2021年、「OPAアクセラレータプログラム2021」を実施し、地域と連携したファッションロス削減に取り組むsometeとの協業をスタートさせた。OPAとsometeは具体的にどのような実証実験を重ねているのか。株式会社OPA 事業創造部 新業態開発チームの安達有美氏と、someteを運営する株式会社Play Blue代表の青野祐治氏に話を伺った。 #OPA #somete #オープンイノベーション #活用協業事例インタビュー #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

【空間ID × スタートアップの着想】デジタルツイン社会実装への挑戦

【オープンイノベーションインタビュー】現実世界をデジタル空間に複製する絶対的な技術を持つダイナミックマップ基盤株式会社は、「cm」級の高精度3次元データを有し、モビリティの自動走行において要となる同社のプロダクトは、既にグローバルに展開されています。今般、デジタル庁の肝煎り案件となるアクセラレータープログラムを開催。リアル/サイバー両空間を組み合わせたユースケースの創出に向け、「空間ID」を活用した共創案を募集します。ダイナミックマップ基盤株式会社 第二事業部 事業開発2課 課長 兼 空間IDプロジェクトPMOの望月洋二氏に話を伺った。 #ダイナミックマップ基盤 #デジタルツイン #空間ID #デジタル庁 #ミラーワールド #アクセラレータープログラム #共創 #Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント