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土曜日, 10月 23, 2021

環境イノベーションのためにスタートアップを活用。脱炭素へ加速する日本

地球温暖化の原因とされている、温室効果ガスの排出ゼロを目指す脱炭素。世界は脱炭素へ大きく転換しつつあり、その例にもれず日本でも環境イノベーションが進められています。この脱炭素は国だけの力では実現することはできません。
そのためスタートアップをはじめとする民間の力を活用しようとする国による施策があり、クリーンエネルギーに関連する事業はかつてない活況を見せています。
この記事では脱炭素に向けた世界と日本の動向と、スタートアップを活用する日本の戦略について説明していきます。
目次
・脱炭素に向けた世界の動向
・脱炭素に向けた日本の動向
・国が目指す脱炭素後のエネルギー
・脱炭素がスタンダードに

脱炭素に向けた世界の動向

国連はSDGsを主要目標に掲げ、世界に対して温室効果ガスを排出する化石エネルギーからクリーンエネルギーへの転換を促しています。それは1950年以降、地球が過去に経験したことのない二酸化炭素濃度にあることや、温室効果ガスに起因するとされる温暖化により、気候変動が世界各地にもたらされているためです。

このまま何も手を打たなければ、地球の平均気温は2100年には2000年に比べ4.8度上昇するという試算もあります。このような背景をもとに、世界は脱炭素に向けて大きく転換しつつあります

SDGsとパリ協定

世界が脱炭素に動いた大きな出来事として、国連気候変動枠組条約締約国会議で2015年に採択されたパリ協定と、同年に国連サミットによって掲げられた目標であるSDGsがあります。パリ協定では、世界の共通の長期目標として、産業革命以前に比べて気温上昇を最大2度に抑えること、1.5度に抑える努力をすること、21世紀後半までに人為的な温室効果ガスの排出と吸収を等しくすること、環境イノベーションを重視することなどが採択されました。

また、SDGsの17の目標の一つとして「気候変動とその影響を軽減するための緊急対策を講じる」ことが掲げられました。

企業のサステナビリティ活動と投資との関連

脱炭素への転換は企業や投資家にとってはビジネスチャンスとなりました。実際、サステナビリティに関連する技術を持つ企業の株価は上昇しやすいという傾向がみられています。

アメリカの電気自動車大手テスラモーターズ社の時価総額は自動車業界第一位に、また再生エネルギーを取り扱うネクステラエナジー社の時価総額が石油大手エクソンモービル社を抜いてエネルギー業界第一位になるなど、脱炭素を象徴するような出来事が起きています。

脱炭素に向けた日本の動向

世界に追随するように日本も脱炭素に向けて動き出しました。2020年菅首相の所信表明演説では2050年までに脱炭素社会を目指すことを宣言しています。また、パリ協定で採択された世界の目標にコミットメントするための日本の戦略の一つとして、革新的環境イノベーション戦略を掲げました。

2050年「カーボンニュートラル」

カーボンニュートラルとは人為的に排出される温室効果ガスと人為的に吸収される温室効果ガスを同量にすることを指し、実質的には温室効果ガスの排出をゼロにすることを意味します。

日本政府はこの2050年「カーボンニュートラル」に向けた成長戦略として「グリーン成長戦略」を掲げました。国が規制改革を行うことで、環境に配慮した経済活動への投資「グリーン投資」を促し、経済と環境を両立した産業構造に切り替えていくことを目的としています。

革新的環境イノベーション戦略

革新的環境イノベーション戦略とは、世界の「カーボンニュートラル」を実現するために、日本の技術をさらに革新させ確立するためのアクションとシナリオを定めたものです。この戦略の中で革新的な技術を後押しするための大きな取り組みの一つとして、民間からの環境イノベーションへの投資をより大きくしていくための政策を盛り込んでいます。

その中には「ゼロエミッションベンチャー支援」という施策も含まれています。ゼロエミッションとは資源循環型の社会を指します。

スタートアップを活用した脱炭素イノベーション

革新的環境イノベーション戦略のひとつ「ゼロエミッションベンチャー支援」は、研究開発型のスタートアップへのベンチャーキャピタルの投資を拡大させることを目的とした施策です。

具体的には、研究開発に強みを持つスタートアップが、事業化に強みを持つベンチャーキャピタルの協力を得るという条件をもとに、エネルギーマネジメントや蓄電池などのゼロエミッションに関する事業を行う企業からも協力を得られるような仕組みを作り、これによりベンチャーキャピタルによる投資を拡大させるという戦略です。

脱炭素に関連する事業は多額な設備投資と長期的な研究開発が必要で参入ハードルが高く、マーケットが成長しづらいという課題がありました。これらの課題を解消すべく、技術のタネを持つスタートアップと事業化のノウハウを持つベンチャーキャピタル、投資家による脱炭素のためのオープンイノベーションを国をあげて後押しするということです。

国が目指す脱炭素後のエネルギー

革新的環境イノベーション戦略では、再生可能なクリーンエネルギーや水素などを脱炭素後のエネルギーとして挙げています。またそのエネルギーを安定して安全に供給するための技術開発にも力を入れることとしています。

再生可能エネルギーを主力電源に

再生可能エネルギーを主電源とするために、新たな素材や構造を開発することにより太陽光発電をより効率的に行うことを計画しています。また超臨界地熱発電と呼ばれる火山地帯の超高熱・高圧の水を活用した発電方法や、洋上に風車を浮かせて発電する浮体式洋上風車技術を確立していくことも計画されています。

また、このようにクリーンに発電された電力を蓄える蓄電池設備や、送電にかかるコストを削減するデジタル技術の活用も合わせて検討されています。

モビリティへの水素活用

自動車、飛行機、船舶の燃料も石油燃料からの転換を進めることとしており、そのひとつが水素の活用です。水素の輸送や貯蔵の技術開発、水素ステーションの確立により、水素をモビリティの動力に活用していくことを計画しています。これらの分野も国が力を入れて成長を促していくマーケットになりうるでしょう。

脱炭素がスタンダードに

ここまで脱炭素に向けた世界と日本の動向と、スタートアップを活用する日本の戦略について紹介しました。世界は脱炭素に向けて産業構造を大きく転換しつつあります。そこには多くの新たなビジネスの種が存在します。起業家やスタートアップ、投資家にとっては大きなビジネスチャンスとなりうるでしょう。

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