海外では外部の人材を効率的に参加させた新しい事例も増えており、日本企業も柔軟に活用しなければなりません。当記事では世界におけるオープンイノベーション事例を7つ紹介します。
・世界における7つのオープンイノベーション事例を紹介
・日本の導入企業は今後増えていくと予想
世界企業のイノベーションから学ぶべきことは?

イノベーションとは外部の企業や機関と提携することでそれぞれが保有するアイデアやノウハウや技術をかけ合わせて共同で商品やサービスを開発するビジネス手法です。しかし海外では単に企業同士が連携するのではなく社外の人材を効率的に参加させながら自社のアイデアやノウハウを活用していく新しいオープンイノベーションをはじめています。
高い技術力を持つ日本企業が世界企業のイノベーションから学べば、画期的なオープンイノベーションを生み出すきっかけとなり、新たなビジネスの創出にもつながるでしょう。
世界における7つのオープンイノベーション事例を紹介

ここでは世界のオープンイノベーション事例として「LEGO」「スターバックス」「SAP」「ローカルモーターズ」「Samsung」「P&G」「IDEO」の7つを紹介します。
オープンイノベーションを検討している企業は、それぞれの事例から自社にどう活かせるかを考察し、ぜひ活用してみてください。
1.LEGO
LEGOはデンマークで1934年に設立された企業です。LEGOは社外からアイデアを募集するための「LEGO Ideas Site」というWebサイトを開設しました。
ファンと共創するという新たな仕組みをWebサイトで構築した後に、LEGOは業績を回復させています。今ではオープンイノベーションによって新規ビジネスモデルを構築した企業の代表例として注目されています。
2.スターバックス
スターバックスのオープンイノベーションは、顧客とともにブランドを創ることをコンセプトに「My Starbucks Idea」というWebサイトを開設しました。そのWebサイトを活用し、顧客からドリンクや店内インテリアなどのさまざまアイデアを募集しています。
採用されたアイデアはすべてWebサイトに公開されるのです。形式は多少異なるものの、LEGOのオープンイノベーションと似た好事例といえるでしょう。
3.SAP
SPAは創業50年を迎えるソフトウェアとしては老舗企業です。オープンイノベーションを活用して2011年から2018年の売上総額を約2倍にするなど、今なお成長しています。
SPAは外部からデザインのアイデアを募集し、試作品に市場の声を取り入れながら製品化を進めていくという手法を取っています。日本ではSPAジャパンが三菱地所と提携してオープンイノベーションのコラボスペースも開設しました。
4.ローカルモーターズ
ローカルモーターズではオープンプラットフォームである「FirstBuild」をWebで開設しています。「FirstBuild」は自動車開発に関するあらゆる情報を共有することで、企画~販売までの全工程を共有できるサービスです。
個人や企業問わず参加できる他、エンジニアやデザイナー、学生、製造業関係者、自動車ファンなど、あらゆる人材をプラットフォームに招いて共同開発しています。その画期的な手法や生み出される製品は高い評価を得ており、オープンイノベーションを活用した好事例といえるでしょう。
5.Samsung
Samsungは製品開発においてオープンイノベーションを積極的に活用し、高い評価を得ています。
特に2015年にリリースした炭酸水の出る冷蔵庫は大手のソーダメーカーである「SodaStream」とのオープンイノベーションによって開発された製品です。自社の技術と他社のノウハウをかけ合わせた参考すべき事例といえます。
6.P&G
P&Gにおけるオープンイノベーションの成功事例が「プリングルズ プリントチップス」です。チップスにキャラデザインを印刷するアイデアが以前からありました。
しかし印刷ノウハウがなかったことから外部の食用インクジェット技術と提携し、無事製品化させたのです。自社のアイデアと外部技術を活用し、効率的に製品開発したオープンイノベーション事例です。
7.IDEO
IDEOは2010年に社会問題解決に向けた「Open IDEO」と呼ばれるオンラインプラットフォームを開設・運営しています。「Open IDEO」では個人や企業の問題だけでなく、インドの水や衛生状況の改善方法を募集など、高度な社会問題を取り上げていることでも有名です。
「Open IDEO」ではオープンイノベーションを活用で世界中からアイデアを募集し、世界全体の利益向上を目指しています。
日本の導入企業は今後増えていくと予想
オープンイノベーションはアメリカやヨーロッパなど海外では主流のビジネス手法です。近年ではトヨタやソフトバンクなど大手企業を中心に、オープンイノベーションを実施する企業は増えており、今後も導入企業は増えることが予想されます。
問題解決に向けたオープンイノベーションの形がわからないといった場合には、世界企業の事例を参考にしながら進めていくとよいでしょう。自社の問題に近似する事例を真似ることで、効率的なオープンイノベーションの実現につながります。
