12.8 C
Japan
月曜日, 6月 21, 2021

地方のDX課題の解決方法とは?地方都市での取り組み事例も紹介

2020年7月に内閣府地方創生推進事務局が発表した「まち・ひと・しごと創生基本方針2020」には、地方創生政策方向のひとつとして地方におけるDXを強力に支援することが述べられています。しかし、地方ならではのDX課題が存在するため、推進は決して簡単ではありません。
この記事では、地方都市に存在するDX課題を整理した上で、いくつかの解決方法を提示します。実際に地方都市でDXを進めた事例も紹介するため、地方企業で会社を経営している方、DX導入を検討しているご担当者はぜひ参考にしてください。
目次
・地方都市にはDX課題が存在
・課題を解決する方法
・地方都市でのDX事例
・オープンイノベーションでDX課題を解決

地方都市にはDX課題が存在

地方都市のDX課題として、「人材不足」や「変化をためらう」ということが挙げられます。

人材不足

DXを推進する上で、ITエンジニア人材が欠かせません。しかし、経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2018年時点ですでにIT人材は22万人不足しており、2030年にはその数が45万人にも達するかもしれないとしています。

大手企業では、この事態に対応するために初任給を引き上げるなど大卒人材を囲みこむ動きを見せていることから、地方企業はIT人材の確保がますます難しい状況です。

変化をためらう

中小企業庁が発表している「2020年版中小企業白書」によると、中小企業経営者の「70代以上」の占める割合が年々増加する一方、「40代以下」の構成比が減少傾向にあり、中小企業経営者の高齢化が深刻です。

本来、地方の中小企業こそ新しい技術を取り入れて過疎化などの問題に対応していかなくてはなりません。しかし、トップがITやDXなどの大きな変化をためらう状況だと、DX推進は難しいのではないでしょうか。

課題を解決する方法

上述した地方のDX課題を解決するため、以下3つの方法を紹介します。

自治体と連携して人材確保

北海道庁や各県庁では、地域への居住をうながすためにUターン・Iターン相談会を定期的に開催しています。そこで、各自治体と連携して人材確保に乗り出すというのもひとつの方法です。

また、宮崎県の地域商社は地域おこし協力隊制度も活用しながら、IT人材の地域産業・行政におけるDXを推進しています。「地域おこし協力隊」とは、1年〜3年の任期で「地域協力活動」をおこないつつその地域への定住・定着を図る取り組みです。

このように、自治体と連携し、各制度を活用することでDX推進に関わる人材確保にもつながるのではないでしょうか。

システム刷新の必要性を社内で共有

地方の中小企業では、DX推進以前にデジタイゼーションやデジタライゼーションすら進んでいないケースも多いです。これは、課題でも取り上げたように、経営者や従業員が変化をためらう傾向や変化に対応しきれていないことが主な理由ではないでしょうか。

最新テクノロジーの恩恵を受けることができない状態(システムのレガシー化)が続くと、高額な保守コスト、サポート切れによる運用リスク、ユーザーからの要望への対応遅延などのデメリットにつながります。システムを刷新しないことにさまざまなデメリットがあることを社内に浸透させ、危機感を持つことからDX推進の第一歩を踏み出してみましょう。

オープンイノベーションを活用

DXを推進するにあたって、企業の閉鎖的な体質や人材確保がハードルになります。そこで、地方におけるDX推進に役立つのが、高いIT技術を持つスタートアップやIT企業から新しい知識や技術提供を受け、新たなイノベーションを共に創出する「オープンイノベーション」という手法です。

地方都市でのDX事例

実際に地方都市ではDX推進をいかに進めているのか、民間企業と地方自治体の事例を紹介します。

民間企業の取り組み事例

地方の金融機関であるふくおかフィナンシャルグループは「第6次中期経営計画」で基本戦略の中にDXの推進を掲げています。その一環として、ITを含む総合コンサルティング業を営むアクセンチュアと金融エコシステム「iBank」を立ち上げました。

独自のモバイルアプリ「Wallet+」を開発することができたのも、異業種であるアクセンチュアのモバイルアップスタジオを活用することができたからこそでしょう。

地方自治体の取り組み状況

東洋大学の沼尾 波子教授は各地方自治体でのオンライン化がなかなか進まない要因として、”書類への押印が必要であることや、書類の記入方法が分からず、申請に当たり対面による相談窓口でやり取りしながら文書作成を行う必要があること、さらにシステム化に要する人員と財源の確保が難しいことなど”を挙げています(出典:自治調査会ニュース・レター vol.023)。つまり、民間企業と同様、自治体もDX推進には人材確保が課題です。

愛媛県では、自治体DX推進のためにデジタルプラットフォーム「デジラボえひめ(仮称)」を立ち上げることを発表し、首都圏企業・人材の取り込みや官民共創を目指しています。オープンイノベーションに近い形といえるのではないでしょうか。

オープンイノベーションでDX課題を解決

観光の恩恵を受けていた地方経済は、新型コロナウイルスの流行で大きなダメージを受けました。その一方、大都市に過剰集中することのリスクも露呈したため、今後人々の大都市志向が変わる可能性があります。

DXが進めば、大都市と地方都市の快適さに違いはなくなるはずです。つまり、地方都市こそ早くにDXを推進しなければなりません。

DXを進める上で、生じる課題を解決する手段のひとつがオープンイノベーションの活用です。地方でのDX推進にあたり、技術や人材確保に悩んでいる方はオープンイノベーションを検討してください。

Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

Featured

【募集】日野自動車「本気のDX」。デジタルがブルーオーシャンの物流業界を変革し、日本に活力を

【アクセラレーターインタビュー】 1942年の設立以来、社会にとって必要不可欠なトラック・バスづくりを担い、日本の物流を支えてきた日野自動車。しかし、技術革新やライフスタイルの多様化に伴い、人や物の移動を取り巻く環境は急速に変化。さらに、ドライバー不足やCO2排出量の削減、持続可能な交通網の維持など、解決すべき社会課題は多岐にわたっています。 そこで、自社でのソリューション開発・提供だけでなく、他社との協業による社会課題解決を目指し、「HINO ACCELERATOR 2021 -HINO DE SAFARI-」を実施。スタートアップの技術やアイデアに日野のアセットを掛け合わせることで、物流業界や社会の課題を解決し、新たな価値提供を目指しています。具体的にどのような思いで取り組んでいるのか、日野自動車CDO(Chief Digital Officer)デジタル領域長の小佐野豪績氏に話を伺いました。

「呼べば5分で届く世界」セイノーHDとエアロネクストがオープンイノベーションで描く空の革命

【アクセラレーターインタビュー】 既存物流とドローン物流を連結・融合させた新スマート物流サービスを確立すべく、2021年1月にセイノーHDとエアロネクストが業務提携を締結。現在、山梨県小菅村にて、無在庫化と無人化を特徴とする、スマートサプライチェーン「SkyHubTM」の実証と実装にむけたプロジェクトを展開中です。 今回は、セイノーHDの河合 秀治氏とエアロネクスト田路 圭輔氏にご登壇いただき、「 SkyHubTM」についての詳細や協業に至った経緯、今後のビジョンなどについてお話しいただきました。 #オープンイノベーション #業務提携 #アクセラレーターインタビュー #セイノーホールディングス #エアロネクスト #SkyHubTM #スカイハブ #小菅村 #実証実験 #ドローン物流 #大挑戦時代をつくる #Creww

物流ソリューションの未来を切り開く為、これまでの常識にとらわれない「次の物流」の開発に、スタートアップの皆さまとチャレンジさせていただきたい。

【アクセラレーターインタビュー】 物流業界大手の佐川急便が、2021年度もアクセラレータープログラムを実施します。2014年からオープンイノベーションに積極的に取り組んできた同社は、スタートアップとのアライアンス活動の要となる新たな基地として、昨年「HIKYAKU LABO」を新設。物流を取り巻く環境や顧客ニーズが激変する中、スタートアップとの協業によって持続可能な社会を作るべく、社会課題の解決に取り組んでいます。「アクセラの審査には通過しなかったとしても、応募いただいたスタートアップとは何かしらの協業を模索したい」と語る執行役員・藤野博氏に、佐川急便がオープンイノベーションに取り組む背景やスタートアップと狙いたい領域などを伺いました!

世界シェアNo. 1の日本金銭機械が、スタートアップとあらゆる社会課題の解決を目指す

【アクセラレーターインタビュー】 カジノ業界での金銭処理のパイオニアとして世界シェアNo. 1を誇る、日本金銭機械株式会社(Japan Cash Machine co.,ltd.)。世界中で貨幣の法的秩序を保ち、貨幣に対する信頼や社会の治安維持に貢献してきた同社は、既存のビジネス領域にとらわれない、新たな社会課題解決を目指して、アクセラレータープログラムを実施する。具体的に、どのようなスタートアップと協業し、どんな領域で新規ビジネスを創出したいと考えているのか。新規ビジネス開拓部の小林崇亮 氏にお話を伺った。 ※応募の締め切りは2021年4月30日(金)17時です。
Facebook コメント