12.8 C
Japan
水曜日, 9月 28, 2022

オープンイノベーションの成否を握るイノベーション人材の育成と活用

オープンイノベーションを成功に導くための大きな要因となっているのは新たな産業の創出に貢献できるイノベーション人材です。しかし日本の社会において、オープンイノベーションの担い手が恒常的に不足している現状があります。そもそもイノベーション人材とはどんな能力を持った人間のことなのでしょうか。ここではその定義、育成方法、活用方法を解説していきます。

オープンイノベーションで活用されるイノベーション人材とは

イノベーション人材の定義とイノベーション人材が注目されるようになった背景を解説します。

イノベーション人材の定義

イノベーション人材とは新たな産業や事業の創出に貢献することのできる人材を表す言葉です。これまでには存在しなかった新たなイノベーションを生み出すことは簡単ではありません。過去の経験や技術の蓄積、既存の方法論では創出することができないからです。つまり既存の組織内で能力を発揮している人材とはまた別に、イノベーション人材の発掘、育成などの作業が必要になることを意味します。

イノベーション人材が注目される背景

イノベーション人材が注目されている背景にはいくつかの要因が考えられます。既存の産業や事業の多くが飽和状態を迎えつつあり、行き詰まってきたこと、ポストコロナの時代となり産業構造やライフスタイルが激変し、新たな産業や価値の創出が求められていることなどです。

イノベーション人材に求められる能力

イノベーション人材の求められる能力については、多様な視点からのさまざまな言及があります。ここでは3つのポイントに絞って説明しましょう。

①課題設定力と解決力と実行力

近年のオープンイノベーションの特色として、社会の課題解決がテーマに設定された公募の増加があげられます。イノベーション人材に求められる能力の中でもポイントとなるのは課題設定力でしょう。課題設定力とは現状では顕在化していない課題を見出す能力です。

解決力は新たに見出した課題を解消するアイデアや方法を生み出す能力ということになります。

課題を設定し、解消する方法を見出したのちに、行動に移して課題の解決を実現するのが実行力です。

②知的好奇心と挑戦心

イノベーションが形になるまでには多くの場合、長い期間が必要となるため、いかに意欲を持続できるかがひとつのポイントになります。つまりモチベーションを持ち続けることが大切なのです。知的好奇心と挑戦心はモチベーションという言葉に置き換えることもできるでしょう。

挑戦心、すなわち現状を維持しようとする守りの姿勢ではなくて、攻めの姿勢を持つことが必要です。挑戦することによって自らを変革していけることがイノベーション人材に求められる重要な能力といえます。

③企業内のイノベーション人材に求められる調整能力

企業内部のイノベーション人材は外部の人材とは違う能力が求められる場合があります。組織の内部と外部の調整する能力、イノベーション人材同士をうまく組み合わせていく能力が必要となるのです。

イノベーション人材育成の取り組み


日本国内においてイノベーション人材育成の取り組みがどのように行われているのか、具体的な事例を紹介します。

文科省の次世代アントレプレナー育成事業

文部科学省によるアントレプレナー育成促進事業はアントレプレナー育成とベンチャー・エコシステムの構築を目的としたプロジェクトです。

アントレプレナーは起業家と訳され、アントレプレナー教育は起業家を育てるための教育ということになります。アントレプレナー教育はイノベーション人材の育成との共通点が多く、このプログラムへの参加がイノベーション人材としての成長にもつながると期待されているのです。

STARTUP STUDIO by CrewwとCreww Growth

イノベーション人材を育成する動きはプラットフォームにおいても活発化しています。Creww株式会社による「STARTUP STUDIO by Creww」は本業を継続しながら、新規事業を生み出していこうとしている企業内の個人に向けたインキュベーションプログラムです。プロダクト開発や市場検証など、実際に新しい事業を作っていく経験はイノベーション人材としての成長にもつながるでしょう。

同じくCreww株式会社による「Creww Growth」はスタートアップと事業企業との共創の場を提供するプラットフォームです。新たな事業の開発のみならず、実践によるイノベーション人材の育成という役割を果たすものといえます。

神戸大学のCreative School

神戸大学はイノベーション教育に力を入れている大学です。「未来社会を創造するための教育・人材育成」というテーマを全学部で掲げて、工学研究科に「未来社会創造研究会(未来道場)」を設立するなど、積極的なアプローチを行っています。

全学部で行われている「Creative School」と名付けられた教育プログラムの「オープンイノベーションコース」もそうしたアプローチの一環です。企業や自治体による問題の提示、学生によるアイデア創出、問題解決、プレゼンテーションの実施、学外有識者による評価と、実践的な教育に特化しています。

オープンイノベーションを推進する人材活用

さまざまな教育プログラム、インキュベーションプログラムなどによって、イノベーション人材の育成が行われています。しかしイノベーション人材不足という問題を解消するには、育成だけでは十分ではありません。育成した人材を適所に配置すること、異なった能力を持ったイノベーション人材を有機的に組み合わせることが必要になります。イノベーション人材の育成とともに、イノベーション人材を有効に活用できる人材の配置とイノベーション人材が能力を発揮できる環境の整備も求められているのです。

Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
- Advertisment -
- Advertisment -

Featured

OPA × somete の挑戦|「まちクロッ」でファッションロス問題の解決を目指す!

【Creww Growth活用協業事例インタビュー】金沢フォーラス、キャナルシティオーパ、横浜ビブレなど、OPA・VIVRE・FORUSの3ブランドを主軸に、都市型商業施設の開発運営を行う株式会社OPA。そんな同社は2021年、「OPAアクセラレータプログラム2021」を実施し、地域と連携したファッションロス削減に取り組むsometeとの協業をスタートさせた。OPAとsometeは具体的にどのような実証実験を重ねているのか。株式会社OPA 事業創造部 新業態開発チームの安達有美氏と、someteを運営する株式会社Play Blue代表の青野祐治氏に話を伺った。 #OPA #somete #オープンイノベーション #活用協業事例インタビュー #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

【空間ID × スタートアップの着想】デジタルツイン社会実装への挑戦

【オープンイノベーションインタビュー】現実世界をデジタル空間に複製する絶対的な技術を持つダイナミックマップ基盤株式会社は、「cm」級の高精度3次元データを有し、モビリティの自動走行において要となる同社のプロダクトは、既にグローバルに展開されています。今般、デジタル庁の肝煎り案件となるアクセラレータープログラムを開催。リアル/サイバー両空間を組み合わせたユースケースの創出に向け、「空間ID」を活用した共創案を募集します。ダイナミックマップ基盤株式会社 第二事業部 事業開発2課 課長 兼 空間IDプロジェクトPMOの望月洋二氏に話を伺った。 #ダイナミックマップ基盤 #デジタルツイン #空間ID #デジタル庁 #ミラーワールド #アクセラレータープログラム #共創 #Creww #大挑戦時代をつくる

【スタートアップ募集】第一三共ヘルスケアと一緒に、「ヘルスケア」領域に新しい価値を創出しませんか

【オープンイノベーションインタビュー】「Fit for You 健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」をコーポレートスローガンに掲げ、鎮痛薬「ロキソニン」をはじめ、かぜ薬「ルル」、キズ薬「マキロン」など、生活に身近な市販薬ブランドを多数展開する第一三共ヘルスケア。他にも、敏感肌向けスキンケアブランド「ミノン」やオーラルケアなど、さまざまな製品を展開している。そんな同社は、もっと幅広くヘルスケアや生活改善に貢献すべく、製薬会社だけでは発想できないアイデアや技術を求めて、アクセラレータープログラムの実施を決定した。具体的に、どんなスタートアップとの協業に期待しているのか。同社・経営企画部の松尾健氏と製品企画室の古市亜美氏に話を伺った。 #第一三共ヘルスケア #アクセラレータープログラム #インタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

使い捨て傘ゼロへの挑戦 100年続く雨の日のインフラを築く「アイカサ」

【スタートアップインタビュー】ビニール傘の利用が、日本を「世界一位の傘消費国」にしています。これまで私たち日本人が他に選択肢を持たずにビニール傘を躊躇なく購入していたのは、そのビニール傘が欲しかったからではなく、濡れない体験が欲しかっただけ。株式会社Nature Innovation Group代表の丸川 照司氏は、「傘をシェアする」という発想のなかった日本に、「アイカサ」という傘のシェアリングサービスを提供。デザイン性の高いお洒落な傘を前に「雨の日に少しでもハッピーになってもらえたら嬉しい」と語ってくれました。使い捨て傘ゼロのサスティナブルな社会へ向け挑戦を加速する「アイカサ」のサービスとは?今や30万人が登録するまでとなった事業展開のコツやマネタイズのポイントについてもお話を伺いました。 #NatureInnovationGroup #アイカサ #傘 #シェアリング #サスティナブル #SDGs #スタートアップ #Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント