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木曜日, 8月 5, 2021

国内のアクセラレーターの特徴とシーン別活用法、今後の展望について

日本国内に初めてアクセラレーターが登場したのは2012年のことでした。それ以降、年々アクセラレーターは増加傾向にあります。オープンイノベーションにおいて重要な役割を担っているアクセラレーターの現状はどうなっているのでしょうか?その特徴、シーン別の活用方法、今後の展望など、多角的に解説していきます。

国内のアクセラレーターの現状

増加傾向にある日本国内のアクセラレーター。その現状がどうなっているのか、くわしく見ていきましょう。

アクセラレーターとはなんなのか?

アクセラレーターとはシード段階をすぎたスタートアップに対して、一定の期間、投資、リソース支援、経営ノウハウの指導などを行うことによって、成長を促進していく組織です。その支援プログラムのことをアクセラレータープログラムと呼びます。

国内のアクセラレーターはIT、通信、金融、交通、サービス業から製造業まで、さまざまな分野から参入。ITではIBM BlueHub、通信ではKDDI∞Labo、金融では三井住友トラスト・アセットマネジメントアクセラレーター、日本生命アクセラレーター、交通ではTokyo Metro ACCELERATOR、さらにバンダイナムコアクセラレーター、ビックカメラアクセラレータ、旭化成ホームプロダクツアクセラレーターなどが挙げられます。

国内のアクセラレーターの現状と特徴

海外のアクセラレーターが投資目的のものが多いのに対して、国内のアクセラレーターは協業を目的としたものがほとんどです。日本国内では企業とスタートアップとのコラボレーションを実施する意味合いが強く、大企業の活性化、共創による新規事業の創出がおもな目的となっています。

近年、地方自治体と地元企業と運営会社がタッグを組んで行うケースも増加。地域でのエコシステムの構築、地方の課題の解消など、大きな視野に立ったアクセラレータープログラムが注目を集めるようになってきました。

アクセラレータープログラムの種類

スタートアップの成長を促進するアクセラレーターにはいくつかの種類があります。アクセラレーターと混同されがちな組織との違いも含めて、解説していきましょう。

シードアクセラレーターとスケーラレーター

アクセラレーターは大きく2つに分類することができます。スタートアップを支援する段階によって、呼び方も違い、シードアクセラレーターとスケーラレーターに分けられるのです。スタートアップの初期段階において支援していくのがシードアクセラレーター、規模を拡大する段階において支援するのがスケーラレーターということになります。日本国内ではおおよそ3割がシードアクセラレーター、7割がスケーラレーターであり、スケーラレーターの運営主体の多くは大企業です。

インキュベーター、VC、CVCとの違い

インキュベーターとは「生まれたばかりの乳児を育てる保育器」といった意味を持つ言葉で、スタートアップやベンチャー企業を支援プログラムによって育てる組織です。アクセラレーターと大きく違うのはその目的がビジネスの拡大ではなく、イノベーションの実現であるという点です。そのため、インキュベータによるスタートアップへの支援期間はアクセラレーターの設定する支援期間より長くなる傾向があります。

VC(Venture Capital)はスタートアップやベンチャー企業に投資し、その企業が成長した後に株を売却して利益を得ている組織と定義することができます。CVC(Corporate Venture Capital)とは事業会社が投資を行うことを目的として設立したVCのことです。VCもCVCもベンチャー企業やスタートアップを支援するという点ではアクセラレーターと共通するところもありますが、最終的な目的が投資して、利益を得るというところが大きな違いとなっています。

アクセラレータープログラムの活用シーン

アクセラレータープログラムはどんな場面で使われているのか、目的別に見ていきましょう。

公共・地方自治体主導のもと地域で活用

近年、増加傾向にあるのが、地方自治体が主導のもとで行われているアクセラレータープログラムです。コロナ禍となって以降、その傾向はさらに顕著になっています。
課題解決を目的として行われている代表的な例は神戸市がシリコンバレーの投資ファンド500 Startupsと組んで行っている「500 KOBE ACCELERATOR」です。コロナ禍のさまざまな課題がテーマとなっています。

もうひとつ目立つのは地域活性化を目的として行われるアクセラレータープログラムです。広島県の「HIROSHIMA OPEN ACCELERATOR」、愛媛県の「愛媛アクセラレーター」などもそうした例のひとつ。地方自治体、地方の企業、運営会社が一体となって、地域性のあるテーマ、地域独自の課題にフォーカスして、スタートアップを支援しているところが特徴的です。

大企業主導のもと各業種で活用

大企業が主導して進めていくアクセラレータープログラムは産業、業種で特化したものが多いという特徴があります。新規の事業の創出とともに、主導する企業自体の活性化を目的としてものが多いため、その企業が手掛けている事業と融和性の高いスタートアップが選ばれる傾向があるからでしょう。業種として多いのはIT・デジタルですが、製造業、健康産業、旅行・交通、食品など、多岐に亘っています。業種を限定しない支援も増加しているのが現状です。

アクセラレータープログラムのステップ

アクセラレータープログラムのステップはそれぞれ細かな違いはありますが、おおまかな流れは共通しているといっていいでしょう。一般的な流れを説明していきます。

一般的なプロセス

大きく分けると、次の8つです。

  1. プログラムの作成
  2. 運営組織の設置
  3. パートナー企業の募集
  4. 企業の選考
  5. 出資
  6. 一定期間の支援(インキュベーション)
  7. 成果の発表(デモデイ)
  8. 協業のスタート

アクセラレータープログラムのゴールは?

スタートアップにとって大きな区切りになるのは支援プログラム期間の成果を発表するデモデイです。しかしここでプレゼンテーションに成功したとしても、あくまでもプログラムの区切りであって、ゴールではありません。新たな事業の立ち上げが最終目的ではなくて、その事業によって達成すべきことが本当の意味でのゴールという認識を持つことが重要です。

アクセラレーターの課題と展望

年々、アクセラレータープログラムの数は増加しています。新たな産業を創出したり、企業を活性化したりする上で、オープンイノベーションの成長を促進させるアクセラレーターの重要性に対する認知も広まりつつあると言っていいでしょう。

ただしアクセラレーターは万能ではありません。あくまでもスタートアップの成長を促進するものであることを認識する必要があります。

プログラムに関わっている人々や組織が目的意識を共有すること、明確なゴールを設定することが重要です。数が増えているということは独自性もポイントになってくるでしょう。今後、さらにアクセラレーターの担う役割が大きくなってくることが予想されます。

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