12.8 C
Japan
土曜日, 10月 23, 2021

【新規事業開発インタビューvol.1】Freeat_食品ロス削減の仕組みを創る(前編)

“本業を退職せず”事業創出を実現できるインキュベーションプログラム「STARTUP STUDIO by Creww」にてプロジェクトを推進するファウンダーインタビュー連載。第一弾は、食品ロス削減の仕組みを創る「Freeat」の小嶋 亮 氏にお話を伺いました。スタートアップスタジオで本業を続けながら事業開発をするメリットや、ぶっちゃけ大変なこと、失敗談などなど…ここでしか聞けない生の声を赤裸々に語っていただきました。

前編では、プロジェクトの発足背景、仲間集めのポイント、プロジェクトを推進する上で行った事を伺いました。

食品ロス削減の仕組みを創る『Freeat』とは? 

https://freeat2020.wixsite.com/freeat

~広告で価値ある余剰食品を無料に~

サービス上で企業が広告出稿することで、広告を視聴した消費者が小売店などで発生する廃棄期限間近の商品を無料で得ることができるサービスで、食品ロス削減にも寄与します。
本プロジェクトでは店舗側の売上減・損失の課題も解決する3サイドプラットフォームの創出の実証実験を行います。

ー今回、スタートアップスタジオに応募しようと思ったのはなぜですか?

古嶋氏:『食品ロス』というテーマにかねてから課題感を持っており、食品ロスに関する社会課題の解決に挑戦したいと思っていました。

以前から食品ロスに関して、ずっとモヤモヤと種火みたいなものがあった中で、割とここ数年以内にSDGsやエシカル消費といった「地球に優しい」、「環境に配慮した」などのキーワードを耳にするようになりましたよね。2030年までに持続可能な開発目標、ゴールを目指すといったこの風潮の意識が世の中に高まっているな、と肌で感じているところがありました。

また、STARTUP STUDIO by Creww運営の永野さんとも旧来の知人だったという事もあり、今回のスタートアップスタジオでは本業を続けながら新規事業開発ができる話を聞いて、アイデアを考えていたところがあったので挑戦するなら今だなと思い、今回応募しました。

ーどうしてそんなに「食品ロス」に興味を持ったのでしょうか?

古嶋氏:一番最初の原体験としては、学生時代にファミリーレストランでアルバイトをしていた時に、毎日大量の食べ物が捨てられている状況に直面した事です。

これを「どうにかできないか」とずっと思っていたのですが、当時は新規事業の経験もなく、どうやって解決するのか、どういう風に解決の方向にもっていくのか、といった問題に対し答えを導き出す事ができず、モヤモヤを抱えたまま過ごしていました。

その後、社会人になって芸能事務所のマネジメントとして働くことになるのですが、そこでも撮影の現場や収録の現場で、大量にお弁当を発注して、大量に捨てるというような現場に直面する機会がありました。

どこに行っても行く先々で食品が捨てられているという状況で、環境が変わっても自分の周りに食品ロスという課題があり、それをどうにか解決したいなという想いが学生時代の頃から継続して自分の中にあり続けたのが大きな理由です。

ー「食品ロス」に関して強い課題意識を持っていますが、本業ではその方面にいかなかったのですか?

古嶋氏:自分の中で食品ロスの問題を解決したいと思った時に、どんな形でやるのが一番いいのか、自分だけでは全く分かりませんでした。

例えば、自分がどこかの食品ロス関連の事業を展開している会社に就職して、その一端を担い課題にコミットしていくのか、それとも自分が会社を立ち上げて何か新しい仕組みを作っていくのか、はたまたこういうスタートアップスタジオのような新規事業開発の側面から関わっていくのか、、たくさんの選択肢がある中で、どういう道を選べば自分が食品ロス削減にコミットしていけるか前提から分からなかったんですよね。

そんな中で今回のスタートアップスタジオを紹介してもらい、そもそものインキュベーションの概念から教えてもらったり、本業を続けながらビジネスアイデアの種を少しずつ具現化していく取り組みがあるのを知りました。なのでそのような食品ロス関連事業を展開している会社に転職という選択肢はすぐには選ばずに、まずは自分の本業の仕事を続けながら、サイドプロジェクトとして挑戦してみる判断をしました。

仲間集めのポイントはビジョンと熱量

ープロジェクトを推進する上で、仲間集めは非常に大切なポイントですが、どういう観点でチーム創りをしましたか?

古嶋氏:今回ありがたいことに、色んな職種の方に応募頂き、年齢も上は60歳ぐらいの方から、若い方だと20歳ぐらいの大学生まで幅広く応募頂きました。30名程度の方から応募頂いたのですが、全員面接を設けお話を聞いて、最終的にメンバー3名、サポーター15名ほどに絞りました。

年代や育った環境、自分が身を置いてる本業など、環境は全くバラバラなんですけど、共通して「食品ロス」に対し何とかならないかと課題意識を強く持っている人が多かったです。

チーム創りに関しては、様々な方からアドバイスを頂きながら組成していきましたが、やっぱり自分たちの会社としてやっているのではなく、皆さん本業をもっている上でこのようなサイドプロジェクトに挑戦して一緒に開発していくことになるので、最終的には核となる社会課題、「食品ロスを解決していきたい」といったビジョンや想いを持った、自分と熱量の近い人を意識して選びました。

「食品ロス」と一口で言っても、色んなジャンルがありますので、今回自分が起案したモデルや仕組みに対してより共感してくれたり、もっとこうした方がいいんじゃないですかとアドバイスをくれるなど自分事として考えてくれる方をメンバーとして選ばせて頂きました。

ーこういった仲間集めは初めてかと思いますが、0から人事的な動きをしてみて、率直な感想を教えてください。

古嶋氏:本業では、会社から言われた通りのチームが既に組成されているので、完全な0からのチームビルディングをやるのは初めてでした。

今回、面談から全て行い、どうして自分の起案したものに共感してくれて、本業がありながらも参画してくれるのかという点に関して、直で聞ける点が自分の中では非常に大きかったです。直接お話をし、それぞれの得意分野を知った上で質問や指示ができたり、協力を要請しやすい点がありました。

本業だと、「この人の本当のモチベーションって、どこにあるんだ?」「本当は何をやりたくて、どういう働き方をしたいのか?」といったことが意外とわかっていないことがありますが、それに比べてゼロからやるのは大変ではありますが、完全に同じ方向を向いてる人同士であるので、その点は大きなと思います。

ゼロイチ仲間集めの注意点とは?

オンラインピッチの一コマ

ーありがとうございます。逆に仲間集めでの失敗談や注意点はありますか?

古嶋氏:そうですね、個人的には新規事業開発に関して全くノウハウがない中、お話だけ伺うと一見とても優秀そうで「ああしましょう、こうしましょう」と言ってくれる、いわゆる“意識高い系”のような方もいたと思います。

そういった方は、話を進めていく中で、「本当は食品ロスはどうでもいいけど、こういう経験を今しておきたいからとりあえず応募してきた」というような、モチベーションとしている部分が少し自分とずれていました。ただ実績だけが欲しい方もいれば、売却益を目的としている方もいたり。その方々が悪いといったわけではないのですが、上辺だけで行動をすると途中で折れてしまったり、脱落や離脱してしまったりするので、ゴールまでの道のりは色々な方法があったとしても、最終的なゴールの「食品ロス削減」に関しては同じ視座やモチベーションがあるメンバーを選んだほうがいいと思います。

ゼロから新規事業を立ち上げる工夫とは?

ー新規事業に関してノウハウが全くないとのことでしたが、進めていく中で工夫したことや、どのように補ってきたのか教えてください。

古嶋氏:この記事を読んでくれている、僕と同じように経験のない人に向けて言える事としては、知識ゼロでもここまで来れてますよということはアピールしたいですね(笑)

それは何故かと言うと、ニーズの仮説立てから、課題検証、結果を見て軌道修正といった新規事業に関するPDCAの流れは、スタートアップスタジオで用意されているプログラムに則って進めていけば、0から1までの流れは大枠体験でき、大きく道をそれずに進めることができます

メンバーに関して、全員が全員、まったくの知識ゼロでもできなくはないと思いますが、Freeatの場合はメンバーの方に事業立ち上げ経験がある方がいたので、「こんな時、僕ならこうしました」といったナレッジが非常に心強かったです。

また、個人的にファウンダーとして行った事とすれば、最低限webを読み漁ったりと勉強はもちろんしましたが、とにかく周りの新規事業をやっている方の話を聞きました

これは割とびっくりしたのですが、同じ新規事業をやっている方たちが非常に優しく話を聞いて下さったのが印象的でした。

知らない事に対して、マウント取られたりするのかなって勝手に思ったりしたのですが(笑)、新規事業やスタートアップ経験者というのは、同じ壁にぶち当たった経験や、その課題に対して前に進めていく方法の共有など、経験者同士の助け合いやコミュニティというのが色濃くあるんだと思いました。その中で恥ずかしがらずに、教えを乞うというのはひとつ大事かなと思います。

これから挑戦する方に伝えたい事としては、ファウンダーとして自分が起案者になるには、新規事業のノウハウや最低限の情報、推進する力がゴリゴリにあった方がいいんじゃないかという心配があるかもしれませんが、全然そんな事ないと思います。

僕も始める前はその一人でしたが、スタートアップスタジオでのプログラムに沿って進めていけば、何とかカタチになっていくというのと、後はどんどん周りの人を巻き込んでいくことです。スタートアップ界隈は、自分がぶち当たっている壁に対してアドバイスをくれる人たちが本当に多いと肌で感じました。先ほども話しましたが、恥ずかしがらずに周りの人にどんどん聞いて教えてもらうことが大切です。

ノウハウなどがない事に対しては心配せず、自分が何か実現したいアイデアや提案したいものがあれば、是非挑戦してほしいなと思いますね。

ー古嶋さん、貴重なお話をありがとうございます!まだまだお話を伺いところですが、続きは後編でまとめておりますので是非ご覧くださ。

〜小売り・飲食店の方〜
実証実験に伴い、ご協力頂ける小売・飲食店様を現在絶賛募集中です!食品ロスがでて困っている、少しでも売り上げを回収したい!という飲食・小売店様は、ぜひお問い合わせください。

学生向けオンラインイベントのご案内

10月29日(木)18:15より、東洋大学を拠点にSDGsとダイバーシティに取り組む学生団体・TIPSさんと、「フードロス削減」をテーマに、学生向けオンラインイベントを開催します。ご興味のある学生の方はぜひコチラのTIPS公式ページをご覧ください。

後編では、スタートアップスタジオで活動する上でのメリットや、大変なこと、プロジェクトの状況や今後の予定をまとめております。

【新規事業開発インタビューvol.1】Freeat_食品ロス削減の仕組みを創る(後編)

2020年11月4日
記事:Remi Terada/STARTUP STUDIO by Creww運営担当
https://studio.creww.me/
Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

Featured

「カナエ」が見据える未来|パッケージ業界にイノベーションを起こしたい

【オープンイノベーションインタビュー】昭和31年創業。軟包装材料の加工・販売事業からスタートし、現在は「パッケージ」を核に、医薬品・化粧品・食品・トイレタリー&ケミカル・メディカルの5分野を主体として事業展開を進める株式会社カナエが、既存事業に対する新しい発想を求めて、オープンイノベーションを決意。スタートアップとの共創にかける思いを、代表取締役社長 中澤 孝氏に伺いました。 #アクセラレータープログラム #オープンイノベーション #スタートアップ #カナエ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

世界初! 辛さの単位を作った「辛メーター」。伊藤忠商事のアクセラレータープログラムでアイデアが形に

【スタートアップの流儀/インタビュー】定期的に食べたくなる辛い料理。しかし、辛さの基準は店によって違うため、残念な気持ちを味わった人は少なくないだろう。この体験に終止符を打つべく、辛さの単位を作ったのが辛メーター株式会社だ。映画監督・江口カン氏の「辛さの単位を作りたい」というアイデアに賛同した作家の元木哲三氏、そして周りに集まったプロフェッショナル達の高い熱量を、伊藤忠商事のアクセラレータープログラムが強力に後押し。どんな経緯で辛メーターは作られ、これからどのような展開を目論んでいるのか。元木氏に話を聞いた。 #伊藤忠商事 #辛メーター #アクセラレータープログラム #スタートアップ #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

【事業創出パートナー募集】社長と二人三脚で「明日の街を楽しく」する事業を生み出しませんか|店舗流通ネット オープンイノベーション

【オープンイノベーションインタビュー】 「飲食店の業務委託型ビジネス」を創ったパイオニア、店舗流通ネット株式会社。初期投資を抑えた出店サービスという唯一無二のビジネスモデルを確立させ、そこで培ったノウハウやネットワークをもとに、「店舗」を軸とした不動産・人材・プロモーション・工事など多角的なビジネス展開を続けている。新たに100の事業創出を目指して、2021年度よりアクセラレータープログラムを導入。すでに2回を開催し、実績が出始めている。そして今回、9月からスタートする3回目の開催に向けて、代表取締役社長の戸所岳大氏に話を伺った。 #募集 #店舗流通ネット #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

日本のライフラインを支える渡辺パイプと、持続可能な地域社会に貢献し、ボトムアップで日本を元気にしませんか

【オープンイノベーションインタビュー】 水・住まい・農業。水道などの管材や電設資材、住宅設備機器、建材を取り扱う商社であり、農業の温室などを提供する農業メーカーでもある渡辺パイプ。日本全国の生活インフラを支えるリーディングカンパニーだ。これまでに培った潤沢なリソースを活用して、日本の国力をボトムアップで高めるべく、アクセラレータープログラムを実施する。スタートアップとの協業によって、小規模事業者の経営課題も解決できるようなサービス創出や、地域貢献を目指すという。プロジェクトを統括する副社長の渡辺圭祐氏に、具体的に活用できるリソースや描く未来について話を伺った。 #募集 #渡辺パイプ #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww
Facebook コメント