12.8 C
Japan
金曜日, 5月 27, 2022

動画から人間の動作パターンを即時推論する実証実験を実施

株式会社QuantumCore(クアンタムコア)は、株式会社電通国際情報サービスのオープンイノベーションラボ(以下イノラボ)と動画から人間の動作パターンをリアルタイムに推論(Real-time Motion Detection、以下「RMD」)を行う実証実験(以下PoC: Proof of Concept)を実施したことを発表。

従来、RMDには、モデルの作成に大量の動作パターンデータを与える必要があり、データ作成が課題であった。そこで、本PoCではISIDが提供する人間の動作や姿勢を抽出するソリューション「Act Sense(アクトセンス)」と、株式会社QuantumCore独自のリザーバコンピューティング技術Qore(コア、国際特許化中)による時系列処理技術を組み合わせることで、少ない学習データでのRMDが90%を超える高い精度で実現できることを確認した。

これにより、本技術が動画から得られた時系列の特徴量に対する解析に有効であり、少ない学習データでも高い精度で人間の動作パターンを推論ができ、予め大量の動作パターンの作成が困難な分野、例えば多種多様な動作パターンが登場するヘルスケア分野などへも導入が可能になる。また、あらかじめ学習したパターン以外の動作をした場合は異常行動として検出も可能なため、作業現場での危険行動検出など建設分野への応用も可能となる。

また動作パターン推定だけでなく、次に行う動作パターンも推論することで、歩行者の挙動予測など自動運転の安全システムなどへの適用が期待できる。

リザーバコンピューティングとは

リザーバコンピューティングとは、レーザーの波長や波動く水面など、ダイナミクス(ノイズソース)を持つさまざまな物質を利用したコンピューティングのことで、これを活用したリカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)が、最近新たな機械学習方式として注目されている。入力層、中間層(リザーバ層)、出力層(リードアウトニューロン層)の3層で構成される教師あり学習となる。
この方式では、ディープラーニングと違い、中間層を溜め池(Reservoir:リザーバ)にして計算を回すことで特徴抽出を行う。そのためディープラーニングで必要だった特徴抽出機能を学習により強化する必要がなく、学習時の中間層の重み更新が不要となる特徴を有しており、学習時の計算に必要なデータ量や計算力を著しく節約することができる。なお、溜め池にはダイナミクス(ノイズソース)を持つものであれば様々なものが利用でき、現在はロボットやタコの身体をノイズソースとして計算する仕組みが探求されている。このように狭い意味では人工の神経回路を使って様々なノイズソースを用意し、そこから適宜情報を取り出して加算し計算する新しい人工の脳型コンピュータである。

QuautumCoreのテクノロジーについて

リザーバコンピューティングの特長は上述の通りですが、ディープラーニングに比べて精度を出しにくいという課題を有していた。その技術的な課題を当社独自の技術(特許進行中)で解消することに成功、ディープラーニング(Long short-term memory:LSTM)の性能を圧倒的に超える精度、コスト、スピードを実現する多変量時系列処理(Recurrent Neural Network:RNN)ソリューションQore(コア)シリーズの開発に成功している。
Qoreの特長は「データ波形を効率的に捉えることで、少ないデータ量でLSTMを超える分類ができる」ことにあり、個体差、環境差、時間差等の影響が大きい領域(=ルールベースの推論モデルが通用しにくい領域)において、特に力を発揮。
例えば異常検知等においては、推論モデルを構築するためにデータを採取してみたものの、正常データこそ大量に得られるが異常データをほとんど得ることができず、LSTMではそこから有効な異常検知の推論モデルを確立することが難しいといった問題が考えられる。そのようなケースにおいてもQoreを活用することで少ない異常データから有効な推論モデルをリアルタイムに導くことが可能。しかも、従来ディープラーニングで問題であった複雑なパラメータチューニングもQoreでは不要。

そのQoreを誰でもオンライン上で使うことができるようにしたものがWebQore(ウェブコア)という専用APIである。
(WebQoreプロダクトURL: https://www.qcore.co.jp/#sec2

さらには、マイクロコンピュータのラズベリーパイ上で稼働するQore、その名もEdgeQore(エッヂコア)の開発にも成功。このEdgeQoreを用いることで、オンプレミスで、ディープラーニングでも実現不可能な「少量データによるリアルタイム解析」を、誰でも実現することができるようになった。例えば、プライバシー保護が重視される用途や、インターネットに接続できない環境下での利用、高いレイテンシ(応答速度)を求められる用途など、これまで実現することができなかった幅広いケースに役立てることができる。

Act Senseについて

ISIDが提供する、動画から人の特定の動作や姿勢を抽出するソリューションであり、米国カーネギーメロン大学(CMU)が開発した、人体の姿勢の特徴点をディープラーニングを用いて検知する技術「OpenPose」を映像解析のエンジンとして利用している。

株式会社QuantumCoreについて

株式会社QuantumCoreは、QoreをベースとしたAPIならびにエッジ機能の開発・提供を行っている。これまでディープラーニングでは活用しきれなかったデータや、実現できなかったニーズに対し、高精度・パラメータチューニング不要・リアルタイム学習・安価といった特長を備えたQoreを通じて、解決策を提示している。

会社名株式会社QuantumCore
ローンチ2018年 4 月
住所東京都品川区西五反田二丁目14番13号
代表取締役秋吉 信吾
会社HPhttps://www.qcore.co.jp/
プレスリリース発表元企業:株式会社QuantumCore
配信元:PR TIMES
執筆
INNOVATIVE PORT編集部 
「INNOVATIVE PORT」はCreww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

Featured

【公募】循環炭素社会を目指し、スタートアップや起業家予備軍を含む研究者らを助成!

【オープンイノベーションインタビュー】循環炭素社会の構築を目的として誕生した一般社団法人カーボンリサイクルファンドは、民間からの寄付金を原資にシード/アーリーステージのスタートアップにとって必要な見返りを求めない“GAPファンド”として、循環炭素社会の実現に向けてイノベーションを起こそうとする大学・企業等の研究者(研究チーム)に助成金を交付している。そんな同団体が開催する助成活動について、イノベーション部/部長代理 鹿島淳氏に話を伺った。 #募集 #カーボンリサイクルファンド #アクセラレータープログラム #インタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【Creww ×メリービズ】管理部門の働き方を先進的にする、スマートバックオフィス

さまざまなスタートアップから次々と誕生している、バックオフィス業務のSaaSサービス。Crewwは、それらのサービスを複数導入することで、管理部門における新しい働き方とキャリアを創出し、社会に広めていくための「スマートバックオフィス化」を進めています。そこで、Crewwが導入している「バーチャル経理アシスタント」を提供する、メリービズの長谷龍一氏と、Creww取締役の高橋彗に、バックオフィスをデジタル化することの価値について話を伺いました。

スタートアップと地域企業が共創で挑む食品ロス課題解決〜hakkenの乾燥野菜によるイノベーション

【スタートアップインタビュー】 世界には、今この時も食べ物を求め飢えに直面している人々がいます。一方で、日本の食糧廃棄量は深刻です。食品を焼却処理する際に排出されるCO2は地球温暖化の原因ともなっています。大量の食糧が廃棄される現実は、誰もが知っている矛盾であり、誰も解決できなかった難題でもあります。株式会社hakkenは、驚きの発想で廃棄させずに野菜をリメイクし、扱いやすい乾燥野菜を使ったサービスを展開、フードロス解消にアプローチしているスタートアップです。可能性に満ちた乾燥ロス野菜が創るイノベーションは注目を集め、NAGANO-OIC 2021では、2社から採択されました。果たしてその協業内容とはどんなものなのか。地域に根ざした小規模生産を活かすhakkenのビジョンとはー。穏やかに淡々と語る言葉に秘められた熱い胸の内について、代表の竹井氏にお話を伺いました。 #hakken #SDGs #食品ロス #食糧廃棄 #乾燥野菜 #イノベーション #NAGANO_OIC_2021 #スタートアップ #地域創生 #共創 #Creww #大挑戦時代をつくる

蚕を使った「シルクフード」を次世代の代替タンパク質へ!フードテックのスタートアップ「エリー」

【スタートアップインタビュー】 Crewwが注目のスタートアップを掘り下げて紹介する『大挑戦時代を生きるスタートアップ特集』。今回は、蚕を使った代替タンパク質「シルクフード」を開発するフードテックのスタートアップ「エリー株式会社」へ伺いました。 サステナブルな次世代食品「シルクフード」は一体どのようなものなのでしょうか。また、昆虫食のなかでも、蚕に着目したのはなぜなのでしょうか。その社会実装の推進やマネタイズの面を含めた現在、さらには環境問題の解決を見据え、エリーが目指す展開とはー。 食品メーカー勤務の経験を生かし、新しい代替タンパク質の開発に向けて起業したエリー株式会社代表の梶栗 隆弘氏が、社会に広めたい想いーその熱い胸の内をお話くださいました。 #スタートアップ #インタビュー #FoodTech #シルクフード #エリー #昆虫食 #代替タンパク質 #大挑戦時代をつくる #Creww
Facebook コメント