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水曜日, 8月 10, 2022

社内に化学反応を起こすような 熱い情熱を持つ人々と出会える「オープンイノベーション」

株式会社オートバックスセブン(東京都江東区)は、カー用品専門店「オートバックス」を全国に約600店を展開する。「豊かで健全なクルマ社会の創造」を経営理念として、国内最大規模の店舗ネットワークを構築している一方、顧客に新たな価値感を提供できるサービスや新規事業の創出が社内課題として挙がっていた。そこで2015年7月からCreww(クルー)とのオープンイノベーションを開始し、現在はスタートアップ5社との取り組みを始めている。
同社で事業開発部門を率いる執行役員の佐久間進さんと、事業開発部の大木勝仁さん、内藤順子さんにコラボレーションの現状と展望について話を聞いた。
※この記事は、2015年12月14日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。

スタートアップに求めたテーマは「スマートなカーライフを提案」

― Creww(クルー)と出会ったのはどのようなきっかけでしたか

弊社社長が取引先の方から教えていただいたのがきっかけです。社内で新規事業やサービスの創出が課題となっていたなかで、社長から事業開発部門に紹介がありました。実際、事業開発部門ではこれまでもスタートアップの方々との接点を求め、ベンチャーイベントやマッチングパーティーなどに参加し、一緒に取り組める方を探していたところでした。そうしたこともあり、早速、Crewwの担当者の方とお会いしたのですが、最初はやはり「ん、若い社長で随分ラフな格好だな」という印象を持ちましたね(笑)

― オートバックスセブンは連結4,200人以上の社員が働く東証一部上場の大企業ですが、オープンイノベーションに踏み切った背景を教えて下さい

新規事業やサービスへの取り組みは、これまでも社内で行ってきたのですが、大きなイノベーションを起こすにはサラリーマンでは難しい面もあると感じました。スタートアップの方は何もないゼロの状態から、人生や財産を掛けて、人つの物事をやり遂げようとしておられます。そうした熱い情熱や志(こころざし)を持って取り組める人材は、社内ではなかなか見つからないものです。

また、比較的手の届く予算で始められることや、弊社の事業内容を理解したうえで適切な提案や、アクセラレータープログラム開催期間中のフォローをしていただけることも大きなポイントでした。

― オープンイノベーションに取り組む際、社内でどのような反応がありましたか

弊社は社外の方とコラボレーションする文化があまりなかったこともあり、「お金をかけてまでやるのか」との反応も出ましたが、最終的には「寄り切った」といいますか、何とか「Go」が出て、始められることになりました。そして、取り組みを始めた以上は「社内の最終プレゼンではスタートアップの話をしっかり聞いて判断してほしい」と役員をひとりづつ巻き込んでいくようにしました。

― 2015年8月から「スマートなカーライフを提案」とのテーマでアクセラレータープログラムを始めました

アクセラレータープログラムの詳細はこちら

かなり間口の広いテーマだったこともあり、46件もの応募をいただきました。

最初は私(大木氏)と内藤の2人で提案内容の精査やスタートアップの方との連絡役を担っていたのですが、手が足りなかったため、急遽、上司の佐久間(担当の執行役員)に増員を要請しました。結局、7人のメンバーしかいない部署のうち、5人が携わることになったのですが、それでも2週間はかかりました。

魅力的な提案内容が多かったこともありますし、多くの目で判断することで先入観をなくしたいとの思いがありました。何より、ご提案をいただいたスタートアップの皆さんへの感謝の気持ちを忘れることなく、真剣に判断させていただくうえで人手が必要でした。

― 46件の提案のなかからどのように絞り込んだのでしょうか

チャットなどで実際にやり取りしていくうちに、どうしても自分が担当したスタートアップを推したくなる傾向が出てきます。そのため、以下のような5つの視点を持つように心がけました。

(1)コンセプトは合っているか
(2)社会的なニーズはあるか
(3)どのような人(経営者)なのか
(4)実現可能性はどうか
(5)規模感や将来性はどうか

一方でスタートアップの方と共に成長を目指す試みですので、弊社事業とのシナジーという部分はあまり意識しないようにはしていました。

― そして最終的には5社に絞り込みます

今回、コラボレーションの取り組みを始めさせていただいたのは、体験型知育アプリのキッズスター(平田全広社長)をはじめ、IoT関連のCAMELORS(キャメローズ=田根靖之社長)、個人間カーシェアリングのライフシェアワークス(芝弘明社長)、保証書電子化サービスのWarrantee(ワランティ=庄野裕介社長)、動画チャットプラットフォームのFacePeer(フェイスピア=多田英彦社長)という5社です。

なかにはまだ開始時期などが決まっていない取り組みもありますが、これから徐々に具体化させていく予定です。これから先が大事なので、社内をもっと巻き込みながら進めていきたいと考えています。

― 今回、初めてのオープンイノベーションに取り組まれましたが、もっとも苦労したのはどの点でしたか

スタートアップの方や提案内容をどのように評価するか、という部分です。客観的な基準やノウハウが社内にまったくないなか、すべてが初めての取り組みでした。不安もありましたが、それを乗り越えられたので、今は自信になっています。

一方で課題や反省もあります。たとえば、プレゼンテーションの場では役員がずらりと一堂に並ぶような形で設定してしまいましたので、これではスタートアップの方も緊張しますよね。また、チャットやメールでスタートアップの方とやり取りするのも初めての経験ですので、「こんな形でいいのだろうか」と悩むこともありました。ぜひ、Crewwさんにはこうした部分でもアドバイスをいただければ有難いところです。

― これからオープンイノベーションを始めようと考えている企業の方へアドバイスをお願いいたします

アドバイスというほどでもないのですが、実は我々も最初は「ノウハウもない中、独自の判断基準だけではできないんじゃないか」と思っていたのですが、何とかなりました。やはり経験してみることが大事なのではないでしょうか。実際にやってみると、社内に“化学反応”が起こり、新しいビジネスへつながる可能性が一段と高まるはずです。

― ありがとうございました

執筆
PORT編集部 
「PORT」はCreww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
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