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木曜日, 3月 23, 2023

【協業アイデア募集】セブン‐イレブン・ジャパンと一緒に社会課題を解決し、未来の生活インフラを共創しませんか

日常生活には欠かせない「近くて便利」なセブン‐イレブン・ジャパン。社会環境が大きく変化し、人々の価値観や生活が多様化した今、セブン‐イレブン・ジャパンが果たすべき役割も多様化している。そこで、国内約2万1000店舗、海外を含めると7万店舗以上ある生活インフラ等を活用し、社会課題を解決できる新しいサービス創出を目指して、『セブン‐イレブン・ジャパン アクセラレーター2022』がスタートした。スタートアップとのオープンイノベーション(※1)に期待することや、活用できるアセット等について、株式会社セブン-イレブン・ジャパン 企画本部 経営企画部の副統括マネジャー深藏真之氏と、同部マネジャーの白井尚登氏に話を伺った。

スタートアップとのオープンイノベーションで社会課題を解決するための「3つのテーマ」

アクセラレータープログラムの開催背景とは

深蔵 セブン-イレブン・ジャパンは、社会やお客様ニーズの変化に先手を取って応えるべく、さまざまなイノベーションを生み出してきた歴史があります。

1974年に日本初のフランチャイズ方式によるコンビニエンスストアのチェーン展開をスタートして以降、日本初の複数メーカーが共同配送する仕組みや、公共料金などの収納代行サービス、オリジナル商品の開発など、常に新しい挑戦をして新たな価値を提供してきました。

ただ、それらのほとんどは、お付き合いのある企業とのクローズドな協業で生み出したもの。社会が大きく変化し、人々の価値観も多様化した今は、関係のある企業間で閉じるのではなく、新しい視点を持つ企業・お付き合いのない企業との協業が必要になりました。

そこで、オープンイノベーションで新たな価値を創出し、より良い社会を作るべく、今回初めてアクセラレータープログラムを開催することとなりました。

これまでのセブン‐イレブン・ジャパンの取組みはこちら

※1 オープンイノベーションとは:自社の有する経営資源や技術に頼るだけでなく、社外と連携することにより、革新的なビジネスやサービスを共創していく仕組み

今回のプログラムでスタートアップと共に実現させたいこととは

白井 地域社会を豊かにし、社会課題を解決していくために3つのテーマを掲げました。

1つ目は「地域に寄り添う街づくり」です。今までセブン-イレブン・ジャパンは、豊富な品揃えや便利なサービスなどで、地域に寄り添った街づくりに貢献してきました。でも、我々のアセットを活用すれば、もっと地域社会を豊かにできるはずです。

たとえば、地域内のコミュニティ創造や一次産業の支援、高齢者の支援、格差是正など、地方創生につながる取り組みを実現したいと考えています。

2つ目は「持続可能な社会の実現」です。これまで我々は、すべてのステークホルダーと環境問題をはじめとした社会課題の解決に貢献してきました。しかし、より良い社会を実現するためには、まだまだ取り組むべき問題が山積みです。

フードロス問題や温室効果ガスの削減、資源の再利用、代替可能エネルギーへの取り組みなど、サステナブルな社会をつくるためのアイデアやテクノロジーを求めています。

3つ目は「より良い社会の実現」です。今まで「近くて便利」をテーマに、お客さまの買い物を中心に価値を提供してきました。しかし、便利さを追求するだけでは、より良い社会を実現にはつながりません。

子育て支援や教育支援、生活支援、ヘルスケアなど、買い物だけでなく人生のさまざまなシーンでの課題を解決ができるようなアイデアを求めています。

小売業界トップクラスの店舗網と顧客基盤

スタートアップが活用できるセブン-イレブン・ジャパンのリソース

白井 リソースは大きく6つあります。1つ目は、国内約2万店、海外を含めると7万店以上あるリアルの拠点です。この拠点はコンテンツを発信するプラットフォームやメディアとも捉えられるので、活用アイデアは広がると考えています。

2つ目は、小売業界トップクラスの店舗網と顧客基盤です。1日あたり国内は約2100万人のお客様にご利用いただいており、その購買データが活用できます。

3つ目は、高品質な商品の提案力と開発力です。これまで、さまざまなお取引先とのコラボで、お客様ニーズに応える商品やサービスを提供してきました。このノウハウや開発力、全国の生産工場を活用いただけます。

4つ目は、セブン&アイ・ホールディングスのグループシナジーです。コンビニエンス事業だけでなく、そごう・西武、ロフトなどの百貨店・専門店事業や、イトーヨーカ堂などのスーパーマーケット事業、セブン銀行などの金融関連事業があるため、それらのグループリソースも活用可能です。

5つ目は、全国を網羅している物流網・ネットワークです。我々は単にモノを運ぶのではなく、効率良く運ぶための仕組みを世界で初めて導入し、それまでの小売業では考えられなかったような商流を作ってきました。

全国の加盟店の発注・販売データや在庫データをメーカーと共有して生産計画を作り、商品ごとに最適な温度帯に分けて店舗に一括で配送する、この物流の仕組みもご活用いただけます。

6つ目は、セブン-イレブン・ジャパンを支える人です。実は、私や深蔵を含めて、約9000人いる社員のほとんどが、社内のキャリアを店舗勤務からスタートしているんですね。現場経験を持ち、お客様に寄り添った考え方のできる約9000人の社員もアセットとしてご活用いただけます。

地域の困りごと、社会課題を解決したい

どんなスタートアップに応募してもらいたい?

深蔵 地域で暮らす人たちのお困りごとや、社会課題を解決したいスタートアップと協業したいと考えています。

白井 アセットを生かせるなら、コンビニエンス事業に限らず、その周辺領域での協業も可能。さまざまな領域のスタートアップからご応募いただきたいです。

スタートアップがセブン-イレブンと組むメリットとは

深蔵 小売業という特性上、一人ひとりのお客様と向き合う「ダイレクトマーケティング」ができるのは大きなメリットだと思います。いろんな地域のいろんな店舗、いろんなお客様に合わせた実証実験が可能です。もちろん、店舗は10店舗や100店舗など小さな単位でも活用できるので、さまざまな組み方ができると思います。

白井 スケールメリットはあると思います。実際、シェアサイクリング事業を展開する黎明期のスタートアップが、我々との協業によってスケールしました。

協業をスタートしたのは2016年で、今のように自転車をシェアするサービスはメジャーではなく、認知度もありませんでした。でも我々と協業して店舗にシェアサイクルを設置し、様々な取組みを通じて少しずつ認知度が上がったんです。

―それはスタートアップからの持ち込みで協業につながったのでしょうか?

深蔵 いえ、自転車のシェアリングサービスとセブン-イレブンとの掛け合わせに将来性や可能性を感じ、私からお声がけをしました。

カーシェアリングは駐車場を専用に作る必要があるため、セブン-イレブンを利用するお客様にとっては、マイナスの要素にもなります。

でも、自転車なら店舗の敷地に合わせて“ステーション”を設置できるため、駐車場を潰す必要もありません。協業は現在も続いており、セブン-イレブンで借りて返す自転車シェアリングサービスとして、順次エリアを拡大中です。

スタートアップと共に創り、共に学びたい

―応募を検討しているスタートアップへのメッセージをお願いします。

深蔵 今回のプログラムから新しい事業を創出したいのはもちろんですが、スタートアップの皆さんと触れ合うこと自体が、我々にとっては非常に大事なことだと考えています。

今回のアクセラレータープログラムで主体となって動く事務局は我々を含めた9名ですが、実はサブコーディネーターとしてスタートアップと共創したいと手を挙げてくれた社員が他に30名いるんですね。

事務局やサブコーディネーターが、スタートアップと一緒に新しいことに取り組むことで、社内に挑戦する風土も醸成したい。一緒に何ができるかを考えながら、我々も学びたいと思っています。

白井 私もスタートアップと共に創り、共に学びたいと思っています。今回のアクセラではシードやアーリーで、まだサービスを世に出していない、ビジネスモデルが固まっていない状態のスタートアップも大歓迎です。一緒にビジネスを作り上げながら、一緒に学べたら嬉しいですね。

スタートアップとの協業で大事にしたいこと

深蔵 対等な立場で、お互いを尊重し合うのはもちろん、マーケットインの視点を大事にしたいと思っています。誰に向けてのサービスなのか、素晴らしい技術やアイデアはどんな社会課題を解決するのか。この視点を大切にすることが、結果的にお互いの成功につながると思っています。

白井 新しいサービスや商品のヒントや答えは現場にあるので、現場、現物、現実の三現主義の考え方を大切にしたいですね。

深蔵 とはいえ、現場のお客様ばかりを見ていると潜在ニーズは拾えません。だから俯瞰した視点からのご指摘もいただけると嬉しいです。それは、我々自身やお付き合いのあるお取引先との会話からは見えない部分。

新しいサービスは今まで見えていなかったことからも生まれると思うので、いろんなアイデアや提案、俯瞰した視点からのさまざまなご指摘に期待しています。

インタビュイー
深藏 真之氏  株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
企画本部 経営企画部 副統括マネジャー

1998年、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン入社。店舗勤務、店舗経営相談員を経て、2002年販売促進部に異動。様々な店頭プロモーションによる売上・集客向上の推進に従事。2016年戦略企画部、2018年よりイノベーション開発部(現在は経営企画部)にて、新規ビジネスの創出業務を総括。

インタビュイー
白井 尚登氏  株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
企画本部 経営企画部 マネジャー

2004年、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン入社。店舗勤務、店舗経営相談員、エリアマネジャー、新規店舗開発を歴任。2019年よりイノベーション開発部(現在は経営企画部)にて新規事業企画、推進に従事。

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田村 朋美
2000年雪印乳業に入社。その後、広告代理店、個人事業主を経て、2012年ビズリーチに入社。コンテンツ制作に従事。2016年にNewsPicksに入社し、BrandDesignチームの編集者を経て、現在はフリーランスのライター・編集として活動中。
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