神戸市では、地元関西の優良企業とスタートアップ企業の連携による新規事業創出を促進するため、2016年8月に「神戸市オープンイノベーション促進補助金」を設立し、神戸市を基盤とした地元の企業とスタートアップ企業の連携を目指す取り組みとして、「KOBE OPEN ACCELERATOR」を2017年1月23日より開始しました。地元企業として、株式会社ケイ・オプティコム、生活協同組合コープこうべ、中西金属工業株式会社、都商事ホールディングス、株式会社りそな銀行の5社が今回の取り組みに参加し、パートナーに選定されたスタートアップ企業と約半年間の協議を重ね、ついに協業プロジェクトの概要が決定しました。
1924年の創業以来、社会の著しい変化に柔軟に対応しながら産業の発展のため地道な生産活動を続けており、ベアリング・リテーナーをはじめ、自動車生産ラインをはじめとする各種生産ラインのシステムに対応するコンベア、住環境をより快適にするサッシ等住宅部品の3事業部を核にメカトロ化を推進して展開している中西金属工業株式会社の担当者と、この度パートナーに選定された、株式会社エフマイナー、株式会社Secualの声をご紹介します。
中西金属工業株式会社
—オープンイノベーションに取組もうと思ったきっかけはなんですか?
企業としての今後の成長性を考えた際に、既存事業だけではなく、新たな分野を開拓して行くことが重要だと考えていました。KOBE OPEN ACCELERATORを通じて、私たちにない視点や技術力を持ち合わせるスタートアップ企業と新規ビジネスを共創することで事業の拡大を進めていこうと考え今回のプログラムに参加しました。
—今回のKOBE OPEN ACCELERATORを通して、オープンイノベーションに対する考え方、スタートアップに対する理解など、御社内で変わった点はありますか?
スタートアップ企業の方々と協議していく中で、私たちが持ち合わせない視点に新たな発見を覚えると共に、スピード感を持ってビジネスを展開されている姿勢がとてもよい刺激となりました。
—KOBE OPEN ACCELERATORを進行する上で、良かった点、大変だった点があれば教えてください。
弊社においては、代表がオープンイノベーションによる新規ビジネスの創出を推進しているため、スムーズに今回のプログラムに参加することができました。
一方で、社内に対しては、新たな分野での初めての取り組みとなるため、趣旨を理解してもらうのには少々時間がかかりました。また、弊社にエントリー頂いたスタートアップ企業の中で、弊社の提供できるアセットにリーチ可能な企業を見つけることは大変でしたが、協業する工程の中で、現在弊社事業部で抱えている課題点のヒアリングにより、課題を解決できる可能性のある協業案が固まったことについては非常によかったと感じています。
WINNERに選出された、株式会社エフマイナー

—KOBE OPEN ACCELERATORに応募しようと思った決め手を教えてください。
以前より、地方自治体と何か取り組みをしたいと考えていたため、今回の神戸市を中心としたKOBE OPEN ACCELERATORにとても魅力を感じました。
—今回のKOBE OPEN ACCELERATORを通して実現したかったことは?
現段階においては、まだもう少し協業内容に関する具体案の検討が固まっていないため、少し不安に感じる点もありますが、今後協議を重ねることで、双方にとって魅力的な新規事業の共創が出来れば、と考えています。私たち、スタートアップ企業としては開催企業のアセットとして必要なものが何か、というよりも、最も重要なことは開催企業側のコミットメントや熱意だと思っています!
私たちと一緒に新規ビジネスを創出したい!と強く感じていただけていることが、crewwコラボを通じてとてもよく分かり、うれしくもありましたが、エントリーする前にもっとわかることが出来れば、大手企業様の保有されている資金や顧客基盤など、どのようなアセットも、私たちスタートアップ企業にとって、もっと魅力的に映るのではないかな、と今回の協業を実際に体験して感じました。
—大手企業とオープンイノベーションプログラムを進行する上で、良かった点、大変だった点があれば教えてください。
良かった点は、crewwに開催企業との間に入ってもらうことでどんどん前に進むようファシリテートしていただいた点です。一方で、大変だと感じた点は、まったく違う2社が協業を前提に取り組んでいくので、仕事の進め方の違いや、企業文化の違いを感じたことでしょうか。

WINNERに選出された、株式会社Secual

—KOBE OPEN ACCELERATORに応募しようと思った決め手を教えてください。
大手企業とのコラボレーションはもちろんですが、スタートアップ支援に積極的な神戸市が中心のプログラムであった点に魅力を感じ応募しました。
—今回のKOBE OPEN ACCELERATORを通して実現したかったことは?
自社サービスで活用しているコア技術(センシング、センシングデータ解析、リアルタイム通知機能等)を防犯・防災・見守り領域の様々な商材に応用し、自分たちではアプローチしきれない領域に対して大手企業様の持つ、営業/販売チャネルの活用、要素技術の活用、資金面でサポートいただくことにより、事業の幅を広げることです。
—大手企業とオープンイノベーションプログラムを進行する上で、良かった点、大変だった点があれば教えてください。
良い点は、大手企業様も本プログラムに参加するにあたり、皆様の感じていらっしゃる課題に対して、本気で「変えたい」という思いを持って熱心に取り組まれていることが分かった点です。逆に大変だと感じた点は、これまでにないビジネスを協力して1から作り上げるプログラムのため、仕方ない部分はありますが、ノーアイデアからスタートするケースが見受けられたり、目指す方向性が定まっていないなどのケースがあるので、思ったよりも実現内容に落とし込むまでに時間がかかる点が大変でした。
