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土曜日, 10月 23, 2021

「スタートアップと数十億規模の事業を」 国際航業がデモデイを開催

空間情報コンサルティングを事業の柱に据える国際航業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:土方聡)は、2015年11月に初めて実施した第一回国際航業crewwコラボの現状を報告と、次年度の概要について説明する「crewwコラボ2015 デモデイ&2016オリエンテーション」を東京・渋谷のイベント&コミュニティスペース「dots.」で7月21日夜に初めて開催。スタートアップや大手企業の担当者ら100人以上が参加し、リアルの場でコミュニケーションをはかる絶好の機会となりました。

初コラボに予想を上回る数の会社・団体が応募

グリーン・コミュニティの実現を目指す日本アジアグループ傘下の国際航業は、空間情報コンサルティング事業を展開する1947年(昭和22)創業の老舗企業。まちづくりに携わる人々に高い知名度を誇り、多数の官公庁や民間企業を顧客に持っています。

いわゆる「BtoB」「BtoG(官公庁)」として知られる企業ですが、2015年11月に新たな事業展開を目指し、crewwを利用したオープンイノベーションを実施。多彩なスタートアップからの応募を得て、このうち8社とコラボを進めているところです。

イベントでは、国際航業の土方聡社長が「2020年の先に向かって、スタートアップの方々と数十億規模の事業を一緒に作っていきたい」と意気込みを熱く語りました。続いて、Creww株式会社の代表取締役である伊地知天(いじちそらと)は「大企業とスタートアップの利害が一致するマッチングを成功させるためにcrewwが間に立ち、両者の成長を加速させていく」とあいさつ。

その後、2015年のオープンイノベーションに参加後に国際航業とのコラボを進めているスタートアップ8社・団体が現在の事業やコラボの進捗状況を発表しました。

高齢者の「未病」対策にアプリを活用

最初に登壇したのは、行動情報を可視化する「SilentLog Analytics(サイレントログ・アナリティクス)」を展開するレイ・フロンティア株式会社(東京都江戸川区)です。人工知能などを活用してリアルタイムで人々の行動を分析が可能で、大地震などの有事の際に意思決定にも役立つといいます。国際航業のコラボでは、アプリを立ち上げているだけで行動が自動で記録される「SilentLogアプリ」を活用し、高齢者の未病対策に取り組んだ例が報告されました。

「最初はすぐに止めてしまうなどの問題はあったが、アプリを使った高齢者の6割が歩数増につながった。人気のゲームアプリ『ポケモンGO』と似ていて、外へ出て歩くので健康につながる」と澤田典宏取締役COOは話します。

国際航業新規事業開発本部の藤原康史さんは「当社ではこれまで災害に強いまちづくりや低炭素社会づくりに取り組んできましたが、近年は超高齢化社会に対応するため、高齢者が地域において健康で活動的に暮らせる新しいまちづくりを検討していたところにレイ・フロンティアさんから応募があった。まさに我が意を得たり、だった」とコラボにいたった経緯を紹介しました。

地方自治体のWi-Fiをアプリでつなぐ

続いて壇上に上がったのは、街中の無料Wi-Fiに自動接続してくれるアプリ「タウンWiFi」が人気を集めている株式会社タウンWiFi(東京都港区)です。

わずか2カ月間で90万ダウンロードを突破するなど支持が広がっており、荻田剛大社長は「Wi-Fi利用の比率を上げることで通信容量の制限から解放される。巷では“神アプリ”と呼ばれています」と紹介しました。

一方、地方自治体が各地で提供するWi-Fiサービスとの連携が次の課題となっており、官公庁に強い国際航業とのコラボにより、さらなる発展が期待されています。「現在、自治体との間に立っていただいており、感謝するばかりです」と荻田社長は言います。

国際航業の藤原さんは「タウンWiFiはユーザに便利であることはもちろん、管理者側にも有用なサービスが多く、各地での観光振興やまちづくりに活用してもらうために全国を一緒にまわっているところ」と話しました。

訪日観光客の行動分析が可能に

株式会社ナイトレイはソーシャルメディア解析によって訪日外国人の観光行動を分析できる「inbound insight(インバウンドインサイト)」を展開しています。TwitterなどのSNS上に公開されている投稿内容をリアルタイムで解析。行動場所やクチコミ、国籍、性別、移動経路などを独自にデータベース化し、インバウンドマーケティングに必要となる裏付けデータを提供するサービスです。

国際航業とのコラボでも、データを軸に共同で商品開発などを行う予定だといいます。石川豊社長は「現在社内外を含めてニーズのヒアリングを進めながら、提案活動をしている」と話します。具体的には、自治体などに対する調査やコンサルティング業務をはじめ、国際航業が持つGIS(地理情報システム)データと連携して訪日外国人対策支援や共同レポート等のサービス開発を行っていく考えです。

国際航業の藤原さんは「まさにナイトレイさんはインバウンド観光によって地域活性化を進めている組織が求めているデータを持っている」とコラボにいたった理由を紹介しました。

可愛い支援ロボット「unibo」に期待

ユニロボット株式会社(東京都渋谷区)は、家族間の交流促進や生活を支援するとのコンセプトで生まれた人工知能を使った生活支援ロボット「unibo(ユニボ)」を展開しています。酒井拓社長は「まさに『ドラえもん』の世界観を実現しようという次世代型のソーシャルロボット」といい、2017年3月冬の発売に向けて開発が進展中です。

国際航業とのコラボでは、高齢者などに向けて、uniboを活用したセルフケアを支援するサービスを進めており、日常生活のリマインダーや、健康と食事の管理、日常会話や見守りなどを行う計画です。今後、国際航業と金沢大学、ユニロボットの3社による実証実験を行うことを検討していくといいます。

国際航業新規事業開発本部の長谷川浩司さんは「uniboは、とにかく可愛いと評判になっている。ユーザーに好まれることは、支援を目的とするツールにとって最も重要なポイント。」と、今後の開発への大きな期待を示しました。

競合も含めた貴重な購買データを収集

全自動の家計簿アプリ「Dr.Wallet(ドクターウォレット)」が話題を集める株式会社BearTail(ベアテイル、東京都千代田区)は、スマートフォンのカメラで撮影されたレシート類を約2000名のオペレーターが手入力することで、高い精度の読み取り率を誇ります。これまで120万超のダウンロード数にいたったといいます。

利用ユーザごとにさまざまな実購買データを得られるのが特徴で、「たとえば、『Tポイント』だと加盟店内におけるデータしか収集できないが、Dr.Walletはコンビニなど世の中にあまり出回らないデータも集められる」と黒﨑賢一社長は話します。

国際航業とのコラボでは、同社が展開する電気料金プラン最適化サービス「エネがえる」との連携をはじめ、同社が持つ空間情報データと連携し、商圏分析サービスなどを展開していく考えです。

国際航業の長谷川さんは「BearTailさんのデータを見た弊社の役員が『これはすごい』と驚いていた。競合のデータも取れるのは貴重だ」と話しました。

話題の音声認識を使って観光地振興に

スマートフォンに向かって特定のキーワードをしゃべるとクーポンが提供されるサービス「しゃべってクーポン」が話題を集める株式会社アイコトバ(東京都渋谷区)。「グーグルの検索でも2割が音声によるものとなっており、これからは音声認識の時代。次に来るキーテクノロジーだ」と田中謙二社長は話します。

クーポンを発行するコストがほとんどかからず、なおかつユーザ自身が商品名などを“喋る”ことで認知度が向上する可能性が高くなります。安価で効果の高い集客サービスとして今後の浸透が期待されています。

国際航業とのコラボでは、自治体向けの観光PRにアイコトバの仕組みを活用していく予定だといい、たとえば、観光地でクイズ形式の質問などをスマートフォンに通知。それに答えるスタンプラリー形式で、特産品やグッズなどがもらえる形のサービスを考案中です。

国際航業の長谷川さんは「観光インバウンドやDMO(観光施策)などのコンサルティング調査業務などにも展開していきたい」と話しました。

ビジネス向けビデオチャット基盤を活用

続いて、ビデオチャットのプラットフォーム「FaceHub(フェイスハブ)」を展開するFacePeer株式会社(フェイスピア、東京都港区)から真鍋憲士取締役が登壇しました。

WebRTC(Web Real-Time Communication)という技術を活用することで、Skypeやgoogleハングアウトとは異なり、インストールやアカウント登録をせずにブラウザ上で手軽に使える点を説明。「ビジネス現場向けに使いやすくなるよう、『1対複数人』や『複数人対複数人』の通信を可能とするなど、さまざまな機能を追加して開発した」とFaceHubの特徴を紹介します。

国際航業とのコラボでは、自治体への営業支援や、導入済みソフトのカスタマーサポート、国際航業が展開するメガソーラーのメンテナンスにFaceHubを活用することが検討されています。

国際航業の長谷川さんは「FacePeerの多田英彦社長からとにかく熱いプレゼンテーションをいただいた」とコラボ時の様子を振り返っていました。

新たな形の防災を考える取り組み

最後に登壇した一般社団法人防災ガール(東京都渋谷区)は、東日本大震災を機に若い世代への防災の必要性を伝えることの重要性を痛感。「防災をもっとオシャレにわかりやすく」とのコンセプトで全国の20~30代の女性中心として立ち上がった団体です。

これまで、渋谷区と共同で拡張現実技術を利用した位置情報ゲーム「Ingress(イングレス)」を活用した若者向けの避難訓練を企画するなど、これまでなかった視点から防災対策につながる活動を展開してきました。

防災・減災対策やまちづくりを得意とする国際航業との相性も良好で、「国際航業が持つ空間情報データを活用して、女性や若者に地図を好きになってほしい」とリクエストを受け新しいプロダクトを提案。「自分自身もIngressを使った避難訓練に参加したが、新しい形の防災を感じた」(国際航業・長谷川さん)とコラボが決定しました。

その第一弾として、3Dハザードマップを使ったトートバックを作成。国際航業とともにクラウドファンディングの「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でプロジェクトを実施しました。

2016年コラボのテーマは社会課題の解決

8社・団体からの報告後、スタートアップとの窓口になってきた国際航業の長谷川さんと藤原さんが登壇し、2016年のcrewwコラボの詳細が発表されました。

今年は「社会課題の解決につながるビジネス」というテーマで、安全・安心や環境、気候変動、エネルギー、健康・福祉、まちづくり、技術基盤形成、食料、教育といった幅広い分野での課題に取り組むコラボを実現したいと紹介。

「社会に必要な事業にこそ、大きなビジネスチャンスがある。みなさん(スタートアップ)のパートナーとなる新規事業開発部のチームも新しいメンバーを加えて増強し、オフィスも新たに丸の内の国際ビルに構えた。(コラボに関する)予算もしっかりとったので、より大きな事業を一緒に作っていきましょう」(長谷川さん)と宣言しました。

crewwの担当者である李東徹は「2016年のコラボは事業化の可能性が高いテーマになっています。大きな構想を描いたうえで、ビジネスにつながる提案をお待ちしています」と会場の参加者に訴えました。

その後、会場では交流の場が設けられ、来場者が熱く語り合う様子も見られました。

執筆
INNOVATIVE PORT編集部 
「INNOVATIVE PORT」はCreww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

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