神戸市では、地元関西の優良企業とスタートアップ企業の連携による新規事業創出を促進するため、2016年8月に「神戸市オープンイノベーション促進補助金」を設立し、神戸市を基盤とした地元の企業とスタートアップ企業の連携を目指す取り組みとして、「KOBE OPEN ACCELERATOR」を2017年1月23日より開始しました。地元企業として、株式会社ケイ・オプティコム、生活協同組合コープこうべ、中西金属工業株式会社、都商事ホールディングス、株式会社りそな銀行の5社が今回の取り組みに参加し、パートナーに選定されたスタートアップ企業と約半年間の協議を重ね、ついに協業プロジェクトの概要が決定しました。
神戸市役所
—オープンイノベーションに取組もうと思ったきっかけはなんですか?またその中でcrewwコラボを採用したのはなぜですか?
神戸にイノベーションのエコシステムを形成するために、神戸市ではスタートアップ企業の集積、育成を支援する様々な取り組みを進めています。その中でも会社・組織を超え、地元企業とスタートアップ企業の連携によるオープンイノベーションの取り組みが重要であると考え、2016年8月に「神戸市オープンイノベーション促進補助金」を創設しました。
今回はcrewwの通常のコラボとは異なり、神戸を中心とした地元企業複数社とスタートアップ企業のコラボという、地元への波及効果が期待できる大変魅力的なプロジェクトを、本制度を活用する形でcreww様にご提案いただけたので、KOBE OPEN ACCELERATORの実施にいたりました。

—KOBE OPEN ACCELERATORを進行する上で、良かった点、大変だった点があれば教えてください。
企業、スタートアップ企業、ともに積極的にプログラムに取り組んでいただき、相乗効果を期待させるプロジェクトが多く生まれたこと、また、ある企業からはもう一度プログラムを実施したいという声もあったことから、一定の成果が生まれたと考えています。一方で、最終発表会までたどり着けなかった企業が生まれてしまった点については、今後継続してこのような取り組みを行うためにも、振り返りを行う必要があると思っています。また、最終発表に至ったプロジェクトの中では、業務として連携していないケースも散見されたため、もう少し議論のスピードを進めたり、シナジーが生まれるようなサポートが必要だと感じました。
—今後、オープンイノベーション、スタートアップ支援、オープンイノベーションプログラムに対してどのような取り組みをしていきたいですか?
すでに実施している500startupsのアクセラレーションプログラム「500 Kobe Accelerator」や、神戸スタートアップオフィスでのアクセラレーションプログラムを継続して進めていくとともに、神戸にイノベーションのエコシステムを創出したいと考えています。そのためには、直接的なスタートアップ企業支援の取り組みだけでなく、今回のスタートアップ企業と地元企業の連携によるオープンイノベーションの取り組みや、行政とスタートアップ企業の連携によるオープンガバナンスの取り組みなどに積極的にチャレンジしていきたいと考えています。
りそな銀行
—オープンイノベーションに取組もうと思ったきっかけはなんですか?
新規ビジネスの創出に向けて、スタートアップ企業を始めとした他社との連携の必要性を強く感じておりました。加えて、本プログラムは神戸市が牽引するものであり、地方創生の観点からも弊社との親和性の高いプログラムだと判断し、参加に至ったものです。
—今回のKOBE OPEN ACCELERATORを通して、オープンイノベーションに対する考え方、スタートアップに対する理解など、御社内で変わった点はありますか?
他社の知見を最大限に生かした新規ビジネスの創出に向けて、社内体制の構築に踏み出せたと考えております。また、スタートアップ企業と貪欲に接点を持っていこうとする姿勢が、一部ではありますが社内に浸透し始めているとも感じております。
—KOBE OPEN ACCELERATORを進行する上で、良かった点、大変だった点があれば教えてください。
新規ビジネスの創出に向けた協議を進めるなかで、社内にはない斬新な発想に触れることができ、そのうえで、新規ビジネス創出に向けては、「イコール・パートナーシップ」で臨むことが何よりも重要であるとの認識を社内で共有することができました。一方、各企業固有の文化や、社内決定プロセスの違い等に戸惑うことも多く、当初は意思疎通の難しさを実感するところとなりました。


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