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木曜日, 5月 26, 2022

【実態調査】21世紀型社会に求められるインタープレナー(越境人材)にとっての障害とは?

100個の新産業の共創を目指す「新産業アクセラレーター」SUNDRED株式会社は、21世紀型社会に求められるインタープレナー(越境人材)について、初の実態調査を行いました。その結果、約6割が「所属組織のルール・制度」がインタープレナーとして活動する上での障害と回答するなど、社会起点の目的を優先して行動するインタープレナーが活躍する環境を整備していく上での課題が明らかになりました。

調査の背景

SUNDREDは経済産業省関東経産局と共同で「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」を推進しています。

事業においては実際に新産業共創プロジェクトを組成し、ソリューションの実証・社会実装を進めていくとともに、インタープレナー(越境人材)の役割・機能を明らかにし、インタープレナーが新産業共創の主役として活躍していく社会環境を整備するための政策提言を行っていきます。

その一環として、インタープレナー(越境人材)の実態を調査するため、2021年9月に開催したカンファレンス「Industry Up Week」の参加者やSUNDREDが運営するインタープレナーコミュニティメンバーを対象に、「越境人材サーベイ」を行いました。

調査概要

目的:インタープレナーが理想の姿・行動を実現するにあたっての障害を明らかにする
対象者:SUNDREDが経済産業省関東経済産業局と共同で2021年9月10日から19日に開催したカンファレンス「Industry Up Week」の参加者、SUNDREDのインタープレナーコミュニティのメンバー、他
調査方法:WEBフォームによるアンケート調査
実施期間:2021年9月7日~2021年9月19日
回答者数:104人

インタープレナー(越境人材)の理想の姿・行動とは

インタープレナーとは、組織や所属の壁を越えて対話を行い、社会起点の目的を特定し、自らが動かせるアセットを動かしながら共創を通じて価値創造を行っていく、新しいタイプの自律した「社会人」のことです。SUNDREDでは実際の新産業共創プロジェクトを通じて、インタープレナーの理想の姿・行動を下記の通り定義しています。

  1. 様々な社会の単位において、多様なメンバーとの対話を通じて社会起点の目的・課題を特定する。
  2. 特定した目的や課題を実現・解決するための仕組みを構想する。
  3. 課題解決や目的の実現のために、共感で繋がって一緒に動いていくチームを組成する。
  4. 所属する組織など自分が動かせるアセットを自在に動かす。
  5. 目的の実現・課題の解決をやり切って、それに応じた適切なインセンティブ、報酬を獲得する。
  6. 学びや繋がり、新たな興味・関心をベースに、次の目的・課題に取り組み、自由に社会と価値交換して生きていく。

調査結果のサマリー

サーベイではインタープレナーの役割や、理想の姿・行動についての仮説を示した上で、「インタープレナーとして活躍していきたいと思うか」また、「インタープレナーして活躍していくために障害となっていること」などについて質問を行いました。その結果、下記の実態が判明しました。

  1. 自分自身のことをインタープレナーだと思う人の割合は85%、インタープレナーになりたい人(すでにインタープレナーである人を含む)は95%にのぼる。
  2. 78%の人が【定義1】多様なメンバーと社会起点の目的共創のための対話を行っている、63%の人が【定義2】課題解決のための仕組みを構想していて、【定義3】共感で繋がって一緒に動くチームを組成していると回答した。一方で、【定義4】所属している企業や組織など、自ら動かせるアセットを動かして、プロジェクトを進めていくことが出来ていると回答した人は46%とまだ少ない。
  3. インタープレナーとして活躍していく上での障害としてなっているものは、①所属組織(関係する組織)のルール・制度(59%)②インセンティブ・報酬(37%)③共創プロセスの確立・共有、個社(個別の組織)の動き方・考え方(33%)など。

調査結果の詳細

◎サマリー1について
『ご自身が「インタープレナー」であると思いますか?』という質問に対し、「全くそう思う」「そう思う」「まあそう思う」と回答した人の割合は85%でした。また『「インタープレナー」になりたいと思いますか?』という質問に対し「全くそう思う」「そう思う」「まあそう思う」と回答した人の割合は95%でした。

カンファレンスの参加者やインタープレナーコミュニティのメンバーを対象としたサーベイであり、偏りがあることはもともと想定の上でしたが、「インタープレナー」として活躍していきたいと考えている人材が相当数いることが改めてわかりました。

◎サマリー2について
次に、インタープレナーの理想の姿である6つの項目に対して実現度合いを質問したところ、78%の人が「【定義1】様々な社会の単位において、多様なメンバーとの対話を通じて社会起点の目的・課題を特定する」を、63%の人が「【定義2】特定した目的や課題を実現・解決するための仕組みを構想する」や、「【定義3】課題解決や目的の実現のために、共感で繋がって一緒に動いていくチームを組成する」について、既に何らかの形で実現していると回答しました。

その一方で、「【定義4】所属する組織など自分が動かせるアセットを自在に動かす」については46%、「【定義5】目的の実現・課題の解決をやり切って、それに応じた適切なインセンティブ、報酬を獲得する」については34%の人しか実現できていないという回答でした。

既に「インタープレナー」である、もしくは「インタープレナー」になりたいと考えている人がほとんどの集団においても、所属する組織を動かしたり、目的の実現をやり切って適切なインセンティブを獲得する、というところまでは大半の人は至っていない、何かしら障害が存在している、ということがわかりました。

◎サマリー3について
『総合的にみて、あたなが「インタープレナー」として理想の姿を実現するにあたり、次のどの領域の障害大きいと思いますか?障害が大きいと思う領域を3つ選択してください。』という質問(13の所定の領域を記載。更に自由回答欄を選択し自由回答の記述も可)に対しては、「所属組織(関係する組織)のルール・制度」(59%)、「インセンティブ、報酬」(37%)、「共創プロセスの確立・共有、個社(個別の組織)の動き方・考え方」(33%)が上位3つの回答となりました。

「コミュニティ、出会いの機会」(27%)、「適切なファイナンス」(25%)、「各セクターの分断、分断した政策・施策」(25%)がそれに続きました。

また、同質問について経営層・役員クラス(全回答者数104名のうち19名)の回答のみを抽出してみると、「適切なファイナンス」(58%)、「コミュニティ、出会いの機会」(53%)、「共創プロセスの確立・共有、個社(個別の組織)の動き方・考え方」(47%)、「インセンティブ、報酬」(47%)が上位3つ(3位は同率)の回答となっており、「所属組織(関係する組織)のルール・制度」(37%)は第5位でした。

多くのインタープレナーおよびその予備軍が所属組織(関係する組織)との関係性に悩んでいること、また、経営者・役員クラスと実践者の課題認識についてはギャップが存在するということが明確になりました

サーベイの結果を受けて

このサーベイの結果を受けて、SUNDREDと経済産業省関東経産局では、第3回目となる「越境人材ミートアップ」を2022年1月21日に開催し、各分野の有識者や当事者であるインタープレナーたちと、具体的な障害についての内容や、役職者と当事者との認識の相違の背景等について対話を通じて明らかにし、新産業共創の主役となるインタープレナー(越境人材)が社会において更に活躍していくために行うべき環境整備について詳細検討・とりまとめを行います。

また、2022年2月24日に行われるイベント「Industry-Up Day 2022 Spring」において政策提言の骨子について発表を行うことを予定しています。

これらの活動を通じて、全てのセクターに顕在・潜在しているインタープレナー(越境人材)が自律した社会人として覚醒し、オープンかつフラットな対話を通じて共感する「目的」を共創し、自ら「ナラティブ」を語り働きかけていくことで、それぞれが動かせるアセットを動かして目的を達成していく、そして所属する組織や地域において継続的に新たな成長軸を創出していく新しいパラダイムにおける価値創造の仕組みの環境整備・社会実装を進めていきます。

2022年1月21日開催
第3回 越境人材ミートアップ

URL: https://www.interpreneur.jp/20220121meetup/

2022年2月24日開催
国内最大級の新産業共創のための交流の場・越境人材の祭典 「Industry-Up Day 2022 Spring」

URL: https://sundred.co.jp/event/Industry-Up_Day_Spring2022/

SUNDREDの新産業共創プロジェクト

SUNDREDでは2019年7月の新産業共創スタジオのローンチ以来、「ユビキタスヘルスケア産業」「フィッシュファーム産業」「ハピネスキャピタル産業」等の約12個の新産業プロジェクトを推進中です。

その最大の特徴は個社単独での新規事業の開発ではなく、社会起点での新産業の共創を推進していくことで結果として各社の事業機会・投資機会の創出を進めていくというコンセプトにあります。

社会起点の目的を多様な社会人との対話の中から共創し、駆動目標となるエコシステム仮説に落とし込み、エコシステム構築の中核となる事業(トリガー事業)を創出し成長を加速していくことで、エコシステム構築を進めていきます。

アカデミアの知見とプロジェクトの実践を融合させた「新産業共創プロセス」、目的志向で行動する社会人「インタープレナー」のネットワーク、各所で推進されているイノベーション活動を集約して社会実装を進める「リビングラボ」の開発・運営を通じて、新しいパラダイムに求められる新産業の創出・社会実装を加速しています。

これからの社会を牽引する「インタープレナー」について

SUNDREDはこれからの社会を牽引する人材として「インタープレナー」の開発に取り組んでいます。

インタープレナーとは、組織の枠を超えて社会起点で発想し、オープンでフラットな対話を通じて目的を共創し、仲間とリソースを集めてプロジェクトを進め、目的を達成していく「社会人」のことです。

全てのセクターに顕在・潜在している「インタープレナー」達が、新しい時代の価値創造の仕組みを理解し、自らの生き方について考え、動き出していくことによって新産業の共創が加速されると考えています。

SUNDREDのインタープレナーコミュニテイーは、大企業、中小企業、スタートアップ、政府系公務員、自治体職員、大学研究者、医療者、教育者、プロフェッショナル、学生など各セクターから集まったインタープレナー約1,000人が参集・参画し、新産業のテーマや「実現すべき未来」について継続的に対話を行っています。本年度は経済産業省関東経済産業局と共同で「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」を推進し、「インタープレナー(越境人材)」の育成を益々加速させていきます。

インタープレナー
URL: https://www.interpreneur.jp/

「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」について

イノベーションの推進は地域経済において、そしてその集合体である日本にとって重要な課題です。一方で、地域資源の活用だけを目的とした施策や、インバウンド、域外からの誘致一辺倒の政策など、既存の地域活性化策だけでイノベーションを起こすのは不十分であるということもわかってきています。

イノベーションの社会実装のためには、地域内外の多様なプレーヤーが連携して目的そのものから共創し、実現のための新たなエコシステムの構築を行うことが必要です。

「令和3年度 越境人材を中核とした新産業共創エコシステム構築事業」では、SUNDREDと経済産業省関東経済産業局が共同で、「インタープレナー」を軸に実証地域を特定した上で具体的な新産業の創出を進めるとともに、新産業共創のエコシステム創りに取り組んでいます。

事業においては、インタープレナー(越境人材)を中核に据えて、社会起点で新しい価値を創造する取り組み(新産業)におけるプロトタイプ開発や実証実験を実施し、新産業の共創モデルを構築するとともに、目的志向のインタープレナー(越境人材)コミュニティを拡充し、インタープレナーの役割・機能の見える化を行っています。

また、インタープレナー、参画企業、専門的知見を持つ人材等からヒアリングを行い、個社を超えた新産業の共創にあたっての課題を整理し、「越境人材の活躍を通じた新産業共創エコシステム構築に向けた環境整備」について提言をまとめていきます。

経済産業省関東経済産業局の関連サイト
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/open_innovation/ecosystem.html

会社紹介

企業名:SUNDRED株式会社
設立:2017年3月 ※「新産業共創スタジオ」は2019年7月1日より正式稼働
代表者:留目 真伸
本社:東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー
オフィス :東京都港区北青山3-6-7 青山パラシオタワー11階
概要:100個の新産業の共創を目指す「新産業アクセラレーター」。「新産業共創スタジオ」を運営し、エコシステムのデザインを起点に成長領域にリソースを集約し、新産業を共創していく 。
URL:https://sundred.co.jp

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