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月曜日, 6月 1, 2020

生き方や働き方の多様性を実現するための器としての会社 ポーラスタァで実現する「子育てしながら働く」ということ

現代社会における女性の働き方を模索し、web会議やクラウドの活用で働き方の多様性を実現している株式会社ポーラスタァ。メンバーは現在7名。全員がママで、子どもの数は合計16人。全員が子持ちのメンバーのため、デュアルライフや移住の可能性の追求、副業推進、子どもの夏休みにあわせた長期休暇取得などを実施している。理想とも言える働き方の作り上げ方は?
※この記事は、2016年10月25日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。 

―スタートアップといえば、急成長して、M&Aないし上場してイグジット、という絵を描くものですが、株式会社ポーラスタァの場合、サービス開発や従業員の環境作理に向かっていますよね。それを崩すような買収の話を断ったという話も伺いました。

何が本当の成長で、その時期のイグジットなのか、考えて答えを出している結果、今の会社の姿があります。

―莫大な利益を上げたり、媒体の数字を積み重ねたりするだけが、会社の社会的貢献ではないということですよね。

「ポーラスタァ」は北極星という意味なんです。航海のときに、たとえ地図がなくても”北極星”の位置がわかれば、目的地へ行くことも、家に帰ることもできます。わたしたちは、情報の海の中で「北極星はここだよ」と発信し続けることをミッションにしてきたのですが、それは経営の姿勢としても現れてきているのかもしれません。

例えば、私たちが10年前に会社を立ち上げ、8年前に媒体をスタートさせた当時と違い、現在は働くお母さんというもの自体が一般化しつつあります。だけど、まだ時間いっぱいオフィスにいて働くことが評価されるという事実もあると思うんです。それだと、子育てをしながら働く人には非常に不利なんですよね。

現在の子育ての、ボトルネックになっていることのひとつは「仕事」。正確に言えば、「仕事」そのものではなく、「働き方」だと考えていました。「こどもと本当はこんな風に過ごしてみたい」「本当はこんなママでいたい」というような想いを邪魔してしまうのも、残念ながら働き方が原因になることがありますよね。

会社だからといって、全員が同じ働き方をする必要はないし、制度で縛らなくてもいい。自分の状況やお子さんの状態によって働き方を変えられて、やるべきことをしていれば評価されるという会社があってもいいのではないかと考え、半期毎の面談により目標と働き方を決めています。大体週2~5日勤務ですが、時間や曜日は確定していませんし、テレワーク(リモートワーク)も取り入れてます。

―他社からの理解はどのように得ていますか?

クライアントには契約前から事情を伝え、納期には少し融通を利かせてもらえるようにしています。それで取れなかった仕事ももちろんありますが、当社を理解し、仕事を継続している会社は考え方が合う会社なので、より濃密な関係を築けています。

―それが実現できたのは、高沖さんご自身の体験が大きいのでしょうか? 昨年は、ヨーロッパや長野に家を建てていましたよね

はい。2015年、私が実家のある長野県伊那市に家を建てて、デュアルライフがスタート。東京の家を解約して、長野に移住するまでの間、1ヶ月ほど家族でヨーロッパを周りました。ヨーロッパに出かけたことがなかったので、フィンランド(ヘルシンキ)・エストニア(タリン)・イタリア(ローマ・トスカーナ・ヴェネツィア)・スペイン(バルセロナ)にステイをすることに。実際の暮らしのなかで文化や習慣を体感してみたかったので、ホテルではなくAirbnbを活用し、現地のアパートメントを借りて生活しました。

今回のインタビューでは語りつくせませんが、「自分の国の言葉」「違う国の言葉(しかも種類がある)」を認識し、違いを認めて、善悪ではなく相手と話したい一心で相手に通じる言葉で語ろうとする様子に人が本来持つ力のようなものを感じたり、私自身、現地の多様な間取りやインテリアを暮らしの中で体験できたり、実り多いものでした。

それに至るまでも2年ほどかけて、日本国中を旅行していました。きっかけは仕事がなにかと忙しく、つい家と保育園(会社)の往復になりがちだったので、まずは動いてみました。日本の中にも山がある場所、海がある場所、ビルが多い場所、雪が降る場所、年中暖かい場所、お年寄りばかりの場所など、いろんな場所があると、実体験を持って伝えられて良かったですよ。

子連れ旅行に関しては、「こととりっぷ」http://www.kototrip.com/という個人ブログにまとめています。

―夢のような働き方が実現されていますが、サービスの方も次々と展開されていますよね。

働くお母さんのための情報誌である「ニンプス」を定期購読誌を妊娠月数別に臨月まで毎月発刊していました。この冊子を作る1年前からゼロスタートでWebを制作して、現在の月間のWeb訪問者は30万人程度まで伸びました。第1子だと国内では月間50万人が限界値なので、現状のこの数字が限界に近い状況です。「ニンプス」という認知は無いにしても、妊婦さんは妊娠中に1度はご覧になられていると考えていいのではないでしょうか。

特にWebは人をあおって動かす傾向があるので、その様な書き方は一切しないと決め、ネガティブではなく明るくポジティブな内容にし、未来に対して明るく前向きになれるように作っています。

―そこにも数字至上に陥らない想いがあるんですね。そこから、幾つかのサービスをリリースし、2015年2月にフォトアプリ「Baby365」をリリースされましたよね。

Baby365は、 いくつもの印刷所から「難しすぎる」「うちではムリ」と断わられていたんです。アプリの制作はどんどん進んでいるのにフォトブックの見通しが立たないなど、困難はありましたが形にすることができました。今後はたくさんの方の工夫や想いが詰まったこのサービスを展開していきたいと思っています。


photo by 平林直己

PORT編集部https://port.creww.me/
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※この記事は、2016年2月8日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。

タテからヨコへ変わりゆく世界

以前、「会社はコミュニティ化し、仕事はプロジェクト化する」という記事をエントリーしました。あれから1年。2020年という、世界と日本にとって節目となるであろうこのタイミングで、急激に変わりゆく世界を私なりに考察し、「タテからヨコへ変わりゆく世界」という概念でまとめてみました。昭和〜平成を「タテの世界」。令和を起点とする未来を「ヨコの世界」と定義しています。 タテの世界 タテの世界とは、際限なくタテに伸びていく階層構造(ヒエラルキー)です。上と下の概念は、主従関係や強制力と相性が良く、約70年前の世界大戦時においては「国家(軍隊)」、60年前の高度経済成長期は「会社」が代表的な組織構造でした。 上から下へ働く重力は中央集権と金融資本主義を加速させ、誰かや何かとの比較を肥大化させるエンジンとなります。仕事はニュートンのリンゴのように上から落ちてきます。集団の中で、リンゴをキャッチする最も”課題解決”が上手な人間が上へ上へと駆け登り、管理がしにくい個性と美意識は同調同質の圧力に潰されていきます。 タテ型経営の行き過ぎによってビジネスパーソンは会社の歯車と化し、コンプライアンスの徹底によって決められたことしかできない、やらない思考停止状態に陥ります。地球においては資源の奪い合いと温暖化が加速化し、富と機会の二極化は国家の右傾化を招きます。これらは全て、際限なくタテに「伸び切ってしまった」社会のひずみだと感じるのです。タテを否定しているわけではありません。ただし、上と下の距離感はもはや限界に近づいているのではないでしょうか。