日本の漁業にテクノロジーで革命を起こす『UUUO(ウーオ)』の実態に迫る!

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地方創生に舵を切り、最近では地方企業にも注目している『Fledge』。4月某日、Twitter上でなにやら興味深いアカウントを発見。

広島に本社がある漁業関係の企業のようだが、イケイケな会社ロゴや自由そうな社風が、何となく“漁業”と結びつかない。『ウーオ』とは一体どんな会社なのか?編集部が連絡を取ると、早速取材が実現!CEOの板倉さんとCOOの万力さんに、『UUUO(ウーオ)』誕生の秘話、また地元で働く魅力についてもたっぷりとお話を伺ってきました。

衰退していく漁業に、テクノロジーで介入!

川西:本日はよろしくお願いします!そもそも『UUUO(ウーオ)』とは一体どんなサービスなのですか?

板倉:水産業者間で日本各地の水産物の売買をインターネット上で行えるサービスです。水揚げ情報(売り情報)を毎朝どこよりも早く配信しており、直接市場に行かなくても、パソコンやスマホから水揚げ情報を見ることができます。

川西:サービスを利用することのメリットは何なのでしょう?

板倉:水産業には、地方卸売、地方仲卸、中央卸売、中央仲卸といったたくさんのプレーヤーが関わっています。これまで、漁師さんが水産物を水揚げをしてから消費者の手に届くまでには、このたくさんのプレイヤーの「商流」を経るのが戦後からの体制でした。しかし、その上流である中央仲卸業者が『UUUO』を利用すれば、水産物を比較的安価に買い付け、最短のルートで消費者へ届けることができるようになります。

川西:なるほど。その間が短縮できれば、より安くより新鮮な状態で魚が消費者へ届きますね!

板倉:それだけでなく、漁師さんの売上も上がります。“漁師ファースト”の実現も大きな目的のひとつですね。

川西:漁師ファースト、ですか?なぜそのような考えにいたったのでしょう。

板倉:元々、地元が鳥取ということもあり、漁師をやっている身内や知り合いも多く、港が身近な環境で育ったことが関係しています。就職し上京してから、鳥取に帰省する度に漁船の数が減り、明らかに港に活気がなくなっていきました。そんな中、同い年で船長をしている友人の「このままでは自分の子どもに漁業を継がせられない」という言葉などから、水産業の衰退を目の当たりにしました。

川西:なぜ、水産業はそこまで衰退してしまったのですか?

板倉:ひとつは、漁師さん一人あたりの漁獲量は減っているのに対し、コストは上がっている。という状況があります。そうなると魚の相場は上がっていかず、運営は難しくなります。僕たちは漁師さんがいないと魚が食べられないじゃないですか。なのに、漁師さんの立場が弱い。この現状を何とかしたかったんです。

川西:なるほど、魚を獲ってきてくれる漁師さんがいなければ、私たちは魚を食べることはできないですもんね。

板倉:流通経路が法律で限定されていたという事情もあるのですが、その法律も改定されて、少しづつ変わってきています。

川西:戦後からの流通経路を変えていくのは、なかなか大きな改革ですね。

板倉:法律が改定されたからといっても、「流通を改善するリソースがない、どうやっていいのかわからない」というのがこれまでの状態です。そこにテクノロジーを介入させるのが、僕らなりのアクションです。

川西:介入の余地は多いにありそうですね!

“新参者に厳しい世界”だからこそのやりがい

川西:漁業の改革に挑む上で、一番難しいと感じているのはどんなことでしょうか?

板倉:業界的に「情報を隠そうとする」ところがあるので、流通の観点からすると課題はそこにあるかなと思います。いくらで仕入れたかなどの情報はいわゆるブラックボックスになってしまっていて、まずはそこをオープンにしていく必要があります。

川西:古くからのやり方が継承されている世界でもあると思うので、なかなか障壁はありそうですね。

板倉:競りに参加するために必要な買参権は、各港に所属している8割の水産会社の承諾が必要であったりと、やはり保守的な雰囲気は業界にはありますね。新参者が入っていくのは難しい世界です。「新しい顔が何しに来たんだ」という空気感はもちろんありますが、ひるまずにいくというスタンスです。

川西:ひるまずに入り込んでいく“コツ”はありますか?

板倉:きちんと仮説を立てて、行き先を見据えた上でどういうトライをしていくのかが見えていることですね。それと「教えてもらう」という謙虚な姿勢は一番重要です。

川西:今後実現していきたいことはどんなことでしょう。

板倉:鳥取・広島以外にも拠点を持ち、新しいマーケットを作っていきたいです。ウーオのサービスが行き渡れば、流通のスピードが早くなるだけでなく、これまでになかったマーケットが作られていきます。既得権益の領域を突破していくのはたしかに障壁は大きいですが、その分、社会的な意義も大きいと実感しています。

“コスパ重視”の飲みコミュニケーション

川西:さて、ここからは社員の万力さんも交えてお話を伺っていきたいと思います。万力さんはなぜ『ウーオ』に興味を持ったのですか?

万力:前職は『LINE』、その前は『クックパッド』に務めていたのですが、いずれも誰かにとってなくてはならないサービスに関わる仕事でした。そんなサービスの上流の“作り上げる段階”に関わりたいと思っていて、『ウーオ』の存在を知ったとき、水産に関わる人にとってまさにその段階だったというのが大きいです。それと、出身が広島なので地元で働きたいという想いがあったからですね。

川西:元々、水産業に興味があったのですか?

万力:いえ、当時は水産業にまったく興味はなかったです。生きてる魚も触れないですし。食べるのは好きですけどね(笑)。なので、どちらかというと会社のビジョンに共感したという方が大きいですね。

川西:やはり社員の皆さんは、魚がお好きなんですね?

万力:魚が嫌いな人はいませんね。開発担当の土谷が魚を捌けるので、月に一度は広島本社のメンバーとインターン生で僕の家に集まって鳥取港から仕入れた魚で『ウオ会』をやっています。

川西:取れたての魚が食べられるんですね!うらやましい!そういった飲み会イベントも多いのですか?

万力:お酒が好きな人も多いのですが、いわゆる飲み会ではなくて、毎日30分サクッと飲んで帰るのが習慣です。社長が18時になったら立ち上がって「そろそろ一杯飲みますか」と言うんです。

川西:で、18時半には退社する。これはなかなかおもしろいですね!この風習には何か思いがあるんでしょうか?

板倉:必要最小限のコストでコミュニケーションが取れるじゃないですか(笑)。毎日30分くらい、ハイボールや缶ビールを飲みながらお互いの進み具合とか課題を共有するんです。もちろん強制ではないですが、そうすれば残りの時間を他のことに使えるし、効率的ですよね。

川西:徹底的にむだがない!且つ楽しそうです(笑)。

板倉:毎日のように外で2,3時間飲んでグダグダ話すのって楽しいかもしれないですが、たまにで良いと思うんです。だから月に一度、『ウオ会』を開催しています。

▲月一の『ウオ会』では鳥取港の新鮮な魚を自分たちで調理する

地元広島で圧倒的成長を感じられる会社

川西:お二人は、どういったところに仕事のやりがいを感じていますか?

万力:業界的には保守的な部分もあります、でもだからこそ変えて行く余地はかなりあるなと感じています。僕らががんばると漁師さんが儲かるし、消費者は安くて新鮮な魚が食べられる。水産業界にとって良いことばかりが起こるのでそこは大きなやりがいのひとつですね。

あと、テクノロジーが介入すべき世界なのに古い領域なので、今はまだ非効率が残りまくっています。今後サービスが充実していったらもっと業界に変化を起こせると感じています。

板倉:レガシーな業界なので、競合が入りにくいです。僕らにしかできないビジネスモデルを展開しているので、そこも他では感じられないやりがいかと思います。地方で自分の大きな成長を期待できる会社ってまだあまりないかもしれないですが、『ウーオ』はそういう会社にしていきたいですね。

万力:僕自身、「主体性を持って働ける会社」というと就活当時はまだ広島に見つけることができなくて、それでいったん東京で就職しています。

川西:東京と広島で働かれてみて、その違いはどんなところでしょうか。

万力:東京で仕事をしていた当時はせわしなかったですね。今は、仕事量は東京時代と変わらないのですが、穏やかです。徒歩通勤になって、緑や川沿いを歩くようになってリフレッシュの時間が勝手に増えました。電車に乗らなくていいだけでも全然違いますね。それに、大企業での知見をフルに活かせるのも魅力です。

川西:お二人は、今後どういった人といっしょに働きたいと思いますか?

万力:ぜひ広島の人に帰ってきて欲しいですね。広島出身者って広島が好きな人が多いんです。でも広島に帰ってこない理由って、「面白い仕事がしたいのに面白い会社がない」っていうところかもしれませんそう思っている人にとっては『ウーオ』はすごく合うと思います。あと、ノンストレスな環境で最大限のパフォーマンスを発揮したい人にとってもフィットする場所だと思っています。

板倉:地方都市では、「東京で当たり前だったことがまだ当たり前になっていない」ってことがたくさんあります。だから、東京でやっていた人にとっては、その知見は必ず発揮できるし、圧倒的に成長できると思います。ゼロからイチを作っている段階なので、基本的にトライ・アンド・エラーが多いです、でもその中で貪欲に挑戦していきたい!と思う人に、ぜひ来てほしいですね。

▲2019年3月、インターン生の壮行会も兼ねた『ウオ会』

取材を終えて

都会で暮らしていると遠く感じている「漁業」。実際には「食」という部分で、私たちの生活に欠かせないものです。板倉さん、万力さんの話聞いていると「職」という新たな切り口で漁業を密接に感じることとなり、とても新鮮な気持ちになりました。業界を変えていく、というのは険しさと同時に大きなやりがいがあり、今もしかするとそのチャンスは地方都市全体にあるのかもしれません。

執筆
地方創生メディア「Fledge」編集部 
~地方と都市の架け橋になる~
地方で働く素敵な人、企業、自治体の取り組みを発信して、大都市で働く人に「地方移住」の選択肢を提供します。

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