12.8 C
Japan
日曜日, 10月 2, 2022

[giftee]大手への貴重な提案機会は 社員モチベーションも向上

ちょっとした感謝の気持ちを形にする「eギフト」の分野を日本で切り拓いてきたのが2010年創業の株式会社ギフティ(東京都品川区)です。同名のサービス「giftee」は開始当初から注目を浴び、デジタルガレージの「Open Network Lab(オープンネットワークラボ)」やKDDIの「KDDI ∞ Labo(KDDIムゲンラボ)」といった著名インキュベーションプログラムの第1期生として相次ぎ採択され、現在では50万超の会員数を誇るまでに成長しています。代表取締役の太田睦(むつみ)さんにスタートアップ成長のあり方や事業の展望をうかがいました。
※この記事は、2016年8月23日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。

著名インキュベーションプログラムの1期生

―ITベンチャー界では初期の頃からかなり知られる存在だった「giftee(ギフティ)」ですが、太田社長がこの仕組みを考えたきっかけは何だったのですか?

Webで人とつながれる時代になり、SNSでさまざまなメッセージが送れるようにはなりましたが、もう一歩進んだ「感謝の気持ち」を表せないかと思ったのがきっかけです。実際に会うほどではないけど、コーヒー1杯でもいいので、相手に手触り感のあるぬくもりを届けたいと長い間思っていて、それを形にしたのがgifteeです。

gifteeでは、例えば送り側がカフェやコンビニなどで使える500円の商品券を相手に贈ると、贈られた側はその店で500円分の商品などと引き換えられるという仕組みです。リアルな紙の商品券ではなく、電子で贈りますので、住所が分からなくても問題ありません。

始めた当初は「数百円のプレゼントをもらって相手は嬉しいのだろうか」とのご意見もいただきましたが、確かに結婚記念日なんかで数百円のプレゼントでは、期待値が高いだけに夫婦の危機になりかねませんが、言葉だけで感謝を伝えて済むようなシーンで、期待値がないところでちょっとしたプレゼントが届く形になりますので、十分に喜ばれることがわかりました。

株式会社ギフティ 代表取締役 太田睦氏

―もともと、著名コンサルティング企業のアクセンチュアでエンジニアだったとのことですが、起業までの経緯を教えてください

SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)を卒業する際、未経験でもエンジニア採用を行っていたのがアクセンチュアでした。ただ、近いうちに起業したいとの思いはずっと持っていましたので、「3年以内に起業します」と正直に話したのですが、採用されました。

米に拠点を置いて活躍するIT企業経営コンサルタントの梅田望夫(もちお)さんが2006年に出版した「ウェブ進化論」(ちくま新書)などの書籍を学生時代に読んで影響を受けていおり、IT界やスタートアップには大きな関心を持っていたのです。

アクセンチュアで働き出した頃は、日本でもmixi、FacebookSNSの全盛期。SNSを通じてリアルな贈り物をするというアイデアは心の底に温めていたところ、韓国でこうしたサービスが「ギフティコンやギフティショー」と呼ばれて既に隆盛になっていると聞き、「これはいける」と思い、社内で仲間を探して起業に踏み切ったのです。2009年秋のことでした。

ギフティのコーポレートサイト、C向けの「giftee」だけでなく、B向けの仕組みも提供されている

―起業後、太田さんのアイデアはスタートアップ界でいち早く注目を浴びます

ちょうど翌年にデジタルガレージさんが起業家育成プログラムの「Open Network Lab(オープンネットワークラボ)」を始めたので、応募したところ1期生として採択いただきました。この時、デジタルガレージの共同創業者で、現在は米国マサチューセッツ工科大学のMITメディアラボで所長をつとめておられる伊藤穰一さんにプレゼンできる機会に恵まれました。伊藤さんからは、リアル店舗でギフトを手渡す際にPOS(販売時点情報管理)と連動できていない点を指摘され、後に私たちが苦労することになる課題をこの時点で知ることになりました。

翌年はKDDIさんがスタートアップ育成の「KDDI ∞ Labo(KDDIムゲンラボ)」を始めたので、こちらにも手を上げまして、1期生として選んでいただいています。

―そして2011年3月にgifteeをリリースします

最初はWeb版だけでしたが、2011年秋にはiOSとAndroidアプリに対応しました。当初はプレゼントを贈ったり、受け取れたりできるのは都内にある一部のカフェ店などに限られ、それほど多くはありませんでしたが、翌年にはファミリーマートさんの店舗で「スパイシーチキン」という商品を受け取れるクーポンを無料で贈れるキャンペーンを行ったこともあり、多くの人に知っていただく機会となりました。

―サービス開始当初からアプローチしていたのがスターバックスでした

プレゼントを贈る側にも、受け取る側にもスターバックスさんですと喜ばれますし、gifteeのようなサービスを利用する方と相性が抜群だと思っていました。すぐにトライアルの機会をいただき、実証実験を行ったのですが、ここでネックとなったのがPOSとの連携でした。ギフトで贈られたクーポンを持っていってもPOSで読めなかったので、オペレーション面で課題がありました。その後、3年がかりで解決し、2014年に念願の対応を果たしています。この時は嬉しかったですね。

現在、gifteeのギフトはスターバックスさんを含め、コンビニなど全国チェーンをあわせると、全国3万店近くの店舗で対応しています。ギフトを贈られた側は、引き換えられる店舗が近くにあるのではないでしょうか。

―gifteeの仕組みは「BtoB」で活用されるケースが増えています

たとえば「商品券を1万人にプレゼント」みたいな販促キャンペーンを行う場合、紙の商品券ですと送料だけでも莫大なお金がかかってしまいます。gifteeの仕組みを使えば電子で贈るだけですので、コストが大幅に削減できるわけです。

gifteeのシステムはクラウドサービスの「eGift System」「eTicket System」として、既に多くの企業にご利用いただいています。こちらも利用者数は右肩上がりで増えているところです。

―Creww(クルー)でも大手企業から注目を浴びていますね

Creww(クルー)は2年くらい前から、自分が自覚しないうちに登録をしていました。最初は誰かに誘われたのかもしれません。非常にありがたい仕組みで、既にCrewwを通じて著名な数社とお話が進んでいます。

大手企業に提案書を見ていただける貴重な機会ですので、私だけでなく、提案を担当する社員のモチベーションが自然と上がるのも社内的には良い効果でした。

―太田社長は自らが“営業マン”として、gifteeの対応店舗を次々と増やしてきましたが、大手企業とコラボレーションを成功させるうえでのアドバイスをお願いいたします

たとえ無理な要望であっても、できるということを見せ、結果を出すということが大事です。あと、自社のサービスを知らない方にも分かるように目線を合わせ、分かりやすく説明することも重要ではないでしょうか。

そして、スタートアップは、ユニークであること。自社にしかできない価値を出さないと採択されづらいように思います。

―ありがとうございました。

会社名株式会社ギフティ
ローンチ2011年03月01日
住所東京東五反田5-10-25 斎征池田山ビル5階
代表取締役太田 睦
スタートアップ情報https://creww.me/ja/startup/gifee.co
執筆
PORT編集部 
「PORT」はCreww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

Featured

OPA × somete の挑戦|「まちクロッ」でファッションロス問題の解決を目指す!

【Creww Growth活用協業事例インタビュー】金沢フォーラス、キャナルシティオーパ、横浜ビブレなど、OPA・VIVRE・FORUSの3ブランドを主軸に、都市型商業施設の開発運営を行う株式会社OPA。そんな同社は2021年、「OPAアクセラレータプログラム2021」を実施し、地域と連携したファッションロス削減に取り組むsometeとの協業をスタートさせた。OPAとsometeは具体的にどのような実証実験を重ねているのか。株式会社OPA 事業創造部 新業態開発チームの安達有美氏と、someteを運営する株式会社Play Blue代表の青野祐治氏に話を伺った。 #OPA #somete #オープンイノベーション #活用協業事例インタビュー #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

【空間ID × スタートアップの着想】デジタルツイン社会実装への挑戦

【オープンイノベーションインタビュー】現実世界をデジタル空間に複製する絶対的な技術を持つダイナミックマップ基盤株式会社は、「cm」級の高精度3次元データを有し、モビリティの自動走行において要となる同社のプロダクトは、既にグローバルに展開されています。今般、デジタル庁の肝煎り案件となるアクセラレータープログラムを開催。リアル/サイバー両空間を組み合わせたユースケースの創出に向け、「空間ID」を活用した共創案を募集します。ダイナミックマップ基盤株式会社 第二事業部 事業開発2課 課長 兼 空間IDプロジェクトPMOの望月洋二氏に話を伺った。 #ダイナミックマップ基盤 #デジタルツイン #空間ID #デジタル庁 #ミラーワールド #アクセラレータープログラム #共創 #Creww #大挑戦時代をつくる

【スタートアップ募集】第一三共ヘルスケアと一緒に、「ヘルスケア」領域に新しい価値を創出しませんか

【オープンイノベーションインタビュー】「Fit for You 健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」をコーポレートスローガンに掲げ、鎮痛薬「ロキソニン」をはじめ、かぜ薬「ルル」、キズ薬「マキロン」など、生活に身近な市販薬ブランドを多数展開する第一三共ヘルスケア。他にも、敏感肌向けスキンケアブランド「ミノン」やオーラルケアなど、さまざまな製品を展開している。そんな同社は、もっと幅広くヘルスケアや生活改善に貢献すべく、製薬会社だけでは発想できないアイデアや技術を求めて、アクセラレータープログラムの実施を決定した。具体的に、どんなスタートアップとの協業に期待しているのか。同社・経営企画部の松尾健氏と製品企画室の古市亜美氏に話を伺った。 #第一三共ヘルスケア #アクセラレータープログラム #インタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #Creww #大挑戦時代をつくる

使い捨て傘ゼロへの挑戦 100年続く雨の日のインフラを築く「アイカサ」

【スタートアップインタビュー】ビニール傘の利用が、日本を「世界一位の傘消費国」にしています。これまで私たち日本人が他に選択肢を持たずにビニール傘を躊躇なく購入していたのは、そのビニール傘が欲しかったからではなく、濡れない体験が欲しかっただけ。株式会社Nature Innovation Group代表の丸川 照司氏は、「傘をシェアする」という発想のなかった日本に、「アイカサ」という傘のシェアリングサービスを提供。デザイン性の高いお洒落な傘を前に「雨の日に少しでもハッピーになってもらえたら嬉しい」と語ってくれました。使い捨て傘ゼロのサスティナブルな社会へ向け挑戦を加速する「アイカサ」のサービスとは?今や30万人が登録するまでとなった事業展開のコツやマネタイズのポイントについてもお話を伺いました。 #NatureInnovationGroup #アイカサ #傘 #シェアリング #サスティナブル #SDGs #スタートアップ #Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント