12.8 C
Japan
土曜日, 1月 29, 2022

仕事の「時間」と「質」が生産性向上のカギ。クリエイターの働き方を変える株式会社MUGENUP

「クリエイターの働き方」と言われると、華やかさや楽しそうな印象と同時に、厳しいスケジュールや残業などのイメージも思い浮かびます。しかし、イラストをはじめとするクリエイティブの受託制作というビジネスモデルながら、「輝くテレワーク賞」や「WORK STORY AWARD」などを受賞し、そんなイメージをくつがえすような働き方を実践している会社があります。その会社というのが今回取材させて頂いた株式会社MUGENUPです。どんな働き方を実践し、どのように実現したのでしょうか。代表の伊藤さんにお話を伺ってきました。

クリエイターに新しい働き方を提供するイラスト制作事業

まずは、御社のメインサービスとなるイラスト制作事業について教えてください。

伊藤 勝悟(以下、伊藤):弊社のイラスト制作事業は、イラスト制作に特化したクリエイターさん向けのお仕事紹介サービスです。現在の日本では、クリエイティブな仕事で食べていこうと思っても難しいのが正直なところですし、特にこれからプロのクリエイターになろうという人にとっては、そもそもどのようにお仕事を受けていくのかもわかりづらいのが現状です。その入り口となるのが弊社の「MUGENUP STATION」です。

弊社のクライアント様から依頼頂いたイラスト制作を社内でディレクションし、「MUGENUP STATION」の登録クリエイターさんの中で案件にマッチングする方にお仕事として依頼しています。

▲MUGENUP社が手掛ける「MUGENUP STATION」。まずはこのサイトに登録するところからはじまる。


▲MUGENUP社が手掛ける「MUGENUP STATION」。まずはこのサイトに登録するところからはじまる。

特徴としては2つ。まず一つは、クリエイティブ制作における作業を分業化している点です。色塗りが得意な人には色塗りを依頼しますし、線画が好きな人には線画の部分を依頼するので、得意な作業や好きな作業を仕事にすることができます。もう一つは、弊社内スケジュールやクオリティなどをディレクションすることで、クリエイターさんは制作に集中していただき、クライアント様に対してはMUGENUPがお仕事としての責任を担保しているところです。この仕組みを通して、クリエイターさんは、どこにいても、好きな場所で好きな時間に仕事ができるようにしています。

MUGENUPでは全国各地のクリエイターさんにお仕事を依頼していますが、現在登録クリエイター数は海外も含めて約39,000人。フリーランスの方をはじめとして、学生さんや、副業として登録いただいている方も数多くいらっしゃいますね。

クリエイターさん達に、創る場と生きる場を提供しているんですね。

伊藤:そうですね。弊社は「創ることで生きる人を増やす」を理念に掲げているのですが、「生きる」という部分には特に強い思い入れがあります。というのも、好きなことに熱中するのはすごくいいことですし素晴らしいことだと思うのですが、それでご飯が食べられない状態はよくないと思うんです。

好きなことで楽しみながら仕事をして、ちゃんと生活をする。自分たちが充実した生活をするためには、お金を稼げているということも大事なことだと思うのです。そういった意味では、クリエイターさんが制作したクリエイティブを市場で売れるようにすることも、私たち企業の重要な役割だと思っています。

生産性高く働くための「時間」と「クオリティ」への意識

続いて、社内体制について聞かせてください。制作業務、さらには受託制作というだけで長時間労働というイメージが湧いてしまうのですが、そこに対して御社はどのような取り組みをされているのでしょうか?

伊藤:弊社ではとにかく、『時間』と『クオリティ』この2点を意識できるようにしています。

「時間」という点では、一人ひとりの単位時間あたりのコストを案件ごとに算出、共有し、利益について意識する環境を整えています。

具体的には、自社システムを構築し、売上や外部のクリエイターさんに依頼することで要したお金と社内の時間などを、そのシステム上で全て管理しています。そのため、全プロジェクトにおいて、その案件はどのくらいの売上があるのか、それに対してどれくらいの利益があるのかということが、システムで常に見れる状態にあります。

それは嫌でも意識せざるを得ないですね(笑)

伊藤:そうですね(笑)ここまで数字について厳しく言うのは、クリエイティブの受託制作をしているからこそです。自分たちがオリジナルで好きなものを、いいものを作るというビジネスモデルとは全く違います。我々はそうではなく、受託の制作会社ですから。

ちょうど今、時間効率をもっと上げるためにプロジェクトを動かしているところで、そこでは、具体的にどの作業にどのくらいの時間が掛かったのかを細かいレベルで計測しています。コミュニケーションに時間がかかっているのか、それともディレクションに時間がかかっているかなどを算出し、そのデータを元にさらなる改善をしていく予定です。

すごいですね、徹底した時間意識!
2つ目の「クオリティ」というのは、好き嫌いや技術レベルなど、個人の主観によって差が生まれそうですが、どのようにコントロールしているのでしょうか?

伊藤:そうですね。だから「クオリティとは何を指すのか」がとても重要になってきます。そこを弊社では「クライアントに求められている質」としていて、制作に入る前にしっかりと求められていることを理解し共有することを重視しています。「クライアントに求められている質」こそが基準ですので、自分たちの主観だけでクオリティを判断して作品を制作してしまうことはありません。

また、弊社ではノウハウ共有会や勉強会を社内で開催したり、情報共有サービスでプロジェクトの知見を記録したり、「いちあっぷ」というイラストの描き方やすぐ使えるコツを画像付きでご紹介するノウハウサイトを運営するなど、多くの共有する場を設けています。そうやって、業務においてもスキルにおいても共有する文化をつくっていますね。

「仕事の定義を明確にすること」と「仕組みに落とし込むこと」がリモートワーク成功のカギ

そして、弊社には、アートディレクターという職種があるのですが、彼らがサービスの基幹を担っています。

アートディレクターさんは具体的にどのようなことをされるのですか?

伊藤:弊社におけるアートディレクターとは、クリエイティブ制作のディレクションや監修、マネジメントを行う管理職になるのですが、在宅勤務者や登録クリエイターに対して、このアートディレクターを中心に、仕事の定義を明確にし、仕組みに落とし込んでいきます。

これはリモートワークを運用する上でも大事なポイントです。

仕事の定義は、担当する案件において何を達成するのが重要なのかということを明確にすることです。例えば、お客様によって、クオリティの中でも世界観の統一や細部のこだわりなど重きを置く部分が違うときに、その状況を理解し共有し、認識を同じにして仕事を進められるようにしています。

そして、オフィス勤務者と在宅勤務者と、場所を別にしたメンバーがスムーズに仕事をするために、どういった情報や資料があればいいのかを、営業担当者も含めて全員がノウハウを共有しています。

仕事が明確になっていて、迷わずに作業に取り組める状態なんですね。

伊藤:そうです。だからリモートワークもしっかりと機能していると思っています。

また、クリエイティブ業務管理ができる自社ツール「SavePoint」がある事も大きな強みですね。実際に弊社がクリエイティブの制作業務をする中で、非効率に感じていた部分や問題点を解決するために制作したツールです。これによって多くの時間が生み出され、全員がクリエイティブに集中できる環境を整えています。

イラスト制作に特化したクリエイターさん向けお仕事紹介サイト「MUGENUP STATION

イラスト・3DCG・動画の制作管理ツール「SavePoint

執筆
地方創生メディア「Fledge」編集部 
~地方と都市の架け橋になる~
地方で働く素敵な人、企業、自治体の取り組みを発信して、大都市で働く人に「地方移住」の選択肢を提供します。

Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

Featured

【インタビュー】IoT×サンゴで生態系課題に挑戦!東大発スタートアップ「イノカ」

Crewwが注目のスタートアップを掘り下げて紹介する『大挑戦時代を生きるスタートアップ特集』。 今回は、東大発のスタートアップである #イノカ に注目してみました。 東京都神谷町に構えた施設の水槽には、サンゴ礁の生態系がそのまま切り取られ再現。AIの世界から一転、サンゴの魅力を原点に環境移送技術をもって起業したイノカ代表の高倉葉太氏が、社会に広めたい想いーその熱い胸の内をお話くださっています!

東芝が取り組む、“本気”のオープンイノベーションとは

【オープンイノベーションインタビュー】1875年に創業し、エネルギーや社会インフラ、ICTなど、人と地球の明日を支える「社会の基盤となる事業」に取り組む東芝。そんな東芝が “本気” のオープンイノベーションで新規事業創出に取り組んでいる。すでに法人化したプロジェクトもあるというが、具体的に何をしているのか。グループ全社で新規事業創出の旗振り役をしているCPSxデザイン部 CPS戦略室の相澤宏行氏と岩本晴彦氏に話を伺った。 #募集 #東芝 #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【募集】古野電気の社内ベンチャーと一緒に、「建設DX」を実現するパートナーを求む!

【オープンイノベーションインタビュー】センシング、情報処理、情報通信の3つをコアテクノロジーに、魚群探知機等の船舶電子機器や、社会・産業に貢献するさまざまなソリューションをグローバルで提供している古野電気。その技術力を活用して、全く新たな領域に挑戦しているのが建設業界のデジタル化だ。社内ベンチャープロジェクトを立ち上げて、建設業界のデジタル化・遠隔施工の実現のため、現場環境に適した通信やセンサー機器を積極的に展開している。ただ、多様な建設業界の課題を解決する“建設DX”を1社で実現するのは困難なため、「FURUNO 建設DXアクセラレーター」を実施。具体的にどのような共創を目指しているのか、社内ベンチャー 建設DX事業責任者の石野祥太郎氏に話を伺った。 #募集 #古野電気 #インタビュー #アクセラレータープログラム #アクセラレーター #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【入山章栄×佐々木紀彦】30歳は動くとき。「大企業1社」キャリアからの脱却

【インタビュー】「入社すれば一生安泰」という“神話”を信じ、手にした大企業の切符。しかし、年功序列と終身雇用は既に崩壊している──。 転職や複業前提で働く「Z世代」とは違い、大企業神話を信じて1社で働き続けている30代、40代のビジネスパーソンは、このまま変わらない日々を送り続けても大丈夫なのか。 早稲田大学ビジネススクール教授で経営学者の入山章栄氏と、42歳で起業し新著『起業のすすめ さよなら、サラリーマン』を出版した佐々木紀彦氏に、1社経験しかない30代40代がこれからすべきこと、ミドル世代のキャリア論を聞いた。 #複業 #転職 #Z世代 #Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント