12.8 C
Japan
土曜日, 6月 25, 2022

「コワーキングオフィス」から紐解くスタートアップの成長戦略

日本のスタートアップ業界を牽引するBASE株式会社代表取締役CEO 鶴岡裕太氏と、株式会社BitStar 代表取締役 渡邉拓氏。両氏の創業秘話を振り返り、「コワーキングオフィス」という視点から、スタートアップの成長戦略に迫った。
※この記事は、2018年7月10日、creww magagineにて公開された記事を転載しています。

「スタートアップ」と言えば聞こえは良いが、メディアで取り上げられるような「光」ばかりではない。順調に成長していく企業が存在する一方で、多くの企業は苦戦し、「成功」と言われるステージにたどり着くのは至難である。

BASE株式会社 代表取締役CEO 鶴岡裕太氏、株式会社BitStar 代表取締役 渡邉拓氏の2名も「光」そして「影」も味わってきた経営者だ。今でこそスタートアップ界隈で名の知られる存在だが、創業期には相当な苦労を重ねたと振り返る。

イノベーションコミュニティスペース「docks」で行われたミートアップ「creww academy vol. 01 〜スタートアップの光と影〜」では、事業をスタートしてから現在に至るまでの道のりについて、普段はあまり語られない「影」の部分にも触れながら、軽妙なトークが繰り広げられた。

スタートアップ界のホープたちの起業秘話

セッションの初めに、まずは鶴岡氏と渡邉氏の創業秘話を振り返った。

BASE株式会社 代表取締役CEO 鶴岡裕太氏

鶴岡裕太(以下、鶴岡):僕は、起業よりもサービス作る方が早かったんです。もともとクラウドファンディングサービスを手がけるCAMPFIREでインターンをしていたのですが、サービス開発をしていたら、投資家の方に「起業しよう」と声をかけられて。

担当してくれた投資家さんは、銀行口座に3千万円を入金しておいてくれたんです。もう、やるしかないですよね(笑)。結局、登記の手続きなど、起業時に必要な業務は全て肩代わりしてくれました。

株式会社BitStar 代表取締役 渡邉拓氏

渡邉拓(以下、渡邉):僕は大学時代から事業を立ち上げていました。大学時代はサッカー中心の生活だったのですが引退後に目指すことがなくなり、友人たちと「面白いことやろうよ」といったノリで当時はスタートしました。卒業後にスタートアップに一度就職をしましたが、そこでも新規事業を担当し3年ほどで独立。「会社を辞めてもなんとかなる」くらいの気持ちだったのだが、全然なんとかならずしばらくニート暮らしをしていました笑

その後しばらく経って「これだ!」と思う今の事業が見つかって、早速投資家であるEast Venturesの松山 太河さんに話したら、「良い人だから」と投資していただいたんです笑(当時はEast Venturesの渋谷にあるシェアオフィスを借りていました)。そこからがいよいよ事業の本番でした。

「オフィス」から紐解く、スタートアップの成長戦略

続いてのトークテーマは「コワーキングの光と影」。両ゲストは、創業時にシェアオフィスを利用し、事業開発を行なっていたそうだ。創業期ならではのエピソードに、「コワーキングオフィス」という視点から迫った。

―コワーキングの「光」の部分について教えてください。

鶴岡:コワーキングの良いところですね。最初のオフィスには、Crewwの伊地知さんもいたりして、会社自体のフェーズが近かったこともあり、辛さを共有できたことは支えになりました。伊地知さんはしっかりしていて”こうやればいい”というお手本でした(笑)
もう一つ良かったことがあります。メルカリ創業者の山田進太郎さんがいらっしゃったのですが、それは本当に良い刺激になりました。所用で行くときなんかは、鋭い視線を感じましたね(笑)
他にもグノシーさんやフリークアウトさんも一緒にいた期間があったのですが、大人ベンチャーの間近で仕事をしてみて、こんなに汗かいているんだと、このぐらいやらないとだめなんだと、そういうことを間近で見てきた事で、多少の甘えすら消えましたね。

渡邊:場所に情報が集まること、そして人とのつながりは大きいですよね。今でも応援しあえるような関係性ができたし、情報に関してはインターネットでは拾えない“生の情報”が得られるのは大きかったです。事業の課題と勝ちパターンだったり、投資家の情報とか、そういうググっても出てこない情報がコワーキングにはありました。

―続いて、「影」の部分についてもお願いします。

渡邉:良いか悪いかは一概に言えませんが、成長した企業が出て行くので、「早く抜け出さないと」というプレッシャーはありました。

鶴岡:そんなに闇は感じなかったですね。ただシェアオフィスは入居費が安いので、なかなか抜け出せないんですよね。成功して出ていく人もいるけど、シェアオフィスにいることで逆に視座が上がらない可能性もある。伸びるスタートアップなんて、本当に一部なので。だから、周囲に流されない自分の軸を持たなければいけません。

コワーキングを最初に選ぶ段階で、停滞しない戦術を練ったほうがいいと思います。「環境の良さ」や「眺めが綺麗」といったことではなく、入居している企業のレベルで判断するのがいいと思います。

イベントの終盤には質疑応答の時間が設けられ、スタートアップを経営する参加者から、実体験ベースの質問が寄せられた。

鶴岡氏と渡邉氏の回答からは、両氏の事業への向き合い方と、その根底にある考えがどのように成り立っているのかが明瞭に伝わった。

イベント最後には、ネットワーキングの時間が設けられた。参加者同士が活発に交流し、大いに盛りをみせた。イベントを通じた出会いが、世の中に新たな価値が生まれるきっかけとなれば幸いだ。

執筆
INNOVATIVE PORT編集部 
「INNOVATIVE PORT」はCreww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。

Featured

【公募】循環炭素社会を目指し、スタートアップや起業家予備軍を含む研究者らを助成!

【オープンイノベーションインタビュー】循環炭素社会の構築を目的として誕生した一般社団法人カーボンリサイクルファンドは、民間からの寄付金を原資にシード/アーリーステージのスタートアップにとって必要な見返りを求めない“GAPファンド”として、循環炭素社会の実現に向けてイノベーションを起こそうとする大学・企業等の研究者(研究チーム)に助成金を交付している。そんな同団体が開催する助成活動について、イノベーション部/部長代理 鹿島淳氏に話を伺った。 #募集 #カーボンリサイクルファンド #アクセラレータープログラム #インタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【Creww ×メリービズ】管理部門の働き方を先進的にする、スマートバックオフィス

さまざまなスタートアップから次々と誕生している、バックオフィス業務のSaaSサービス。Crewwは、それらのサービスを複数導入することで、管理部門における新しい働き方とキャリアを創出し、社会に広めていくための「スマートバックオフィス化」を進めています。そこで、Crewwが導入している「バーチャル経理アシスタント」を提供する、メリービズの長谷龍一氏と、Creww取締役の高橋彗に、バックオフィスをデジタル化することの価値について話を伺いました。

スタートアップと地域企業が共創で挑む食品ロス課題解決〜hakkenの乾燥野菜によるイノベーション

【スタートアップインタビュー】 世界には、今この時も食べ物を求め飢えに直面している人々がいます。一方で、日本の食糧廃棄量は深刻です。食品を焼却処理する際に排出されるCO2は地球温暖化の原因ともなっています。大量の食糧が廃棄される現実は、誰もが知っている矛盾であり、誰も解決できなかった難題でもあります。株式会社hakkenは、驚きの発想で廃棄させずに野菜をリメイクし、扱いやすい乾燥野菜を使ったサービスを展開、フードロス解消にアプローチしているスタートアップです。可能性に満ちた乾燥ロス野菜が創るイノベーションは注目を集め、NAGANO-OIC 2021では、2社から採択されました。果たしてその協業内容とはどんなものなのか。地域に根ざした小規模生産を活かすhakkenのビジョンとはー。穏やかに淡々と語る言葉に秘められた熱い胸の内について、代表の竹井氏にお話を伺いました。 #hakken #SDGs #食品ロス #食糧廃棄 #乾燥野菜 #イノベーション #NAGANO_OIC_2021 #スタートアップ #地域創生 #共創 #Creww #大挑戦時代をつくる

蚕を使った「シルクフード」を次世代の代替タンパク質へ!フードテックのスタートアップ「エリー」

【スタートアップインタビュー】 Crewwが注目のスタートアップを掘り下げて紹介する『大挑戦時代を生きるスタートアップ特集』。今回は、蚕を使った代替タンパク質「シルクフード」を開発するフードテックのスタートアップ「エリー株式会社」へ伺いました。 サステナブルな次世代食品「シルクフード」は一体どのようなものなのでしょうか。また、昆虫食のなかでも、蚕に着目したのはなぜなのでしょうか。その社会実装の推進やマネタイズの面を含めた現在、さらには環境問題の解決を見据え、エリーが目指す展開とはー。 食品メーカー勤務の経験を生かし、新しい代替タンパク質の開発に向けて起業したエリー株式会社代表の梶栗 隆弘氏が、社会に広めたい想いーその熱い胸の内をお話くださいました。 #スタートアップ #インタビュー #FoodTech #シルクフード #エリー #昆虫食 #代替タンパク質 #大挑戦時代をつくる #Creww
Facebook コメント