キリングループは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」を策定し、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV※先進企業となる」ことを目指している。その実現に向けて、既存事業の「食領域」(酒類・飲料事業)と「医領域」(医薬事業)に加え、キリングループが長年培ってきた高度な「発酵・バイオ」の技術をベースにして、人々の健康に貢献していく「ヘルスサイエンス領域」(ヘルスサイエンス事業)の立ち上げ・育成を進めている。
※ Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造
マリについて
マリは睡眠時無呼吸症候群の患者向けに、完全非接触で状態検知・治療ができるデバイスを開発するスタートアップ企業である。医療現場ニーズに沿った製品開発を指南するスタンフォード大学のバイオデザインプログラムで生まれたアイデアをベースに創業した京都大学発スタートアップ企業で、完全非接触での睡眠障害治療の実現を目指している。非接触かつ高精度にバイタルデータを取得できる状態検知デバイスは、睡眠障害の治療用途以外にも、さまざまな場面でビジネス応用が期待できる。今後、マリのこのような技術力と、キリングループが持つ知見を掛け合わせ、睡眠領域だけでなく、幅広いヘルスサイエンス領域における活用の可能性を探索する。
マリが取り組む課題

睡眠時無呼吸症候群には、既存の治療方法として、接触型の専用デバイスの装着や手術などがあるが、患者への負担が大きく、治療の実施・継続が課題となっている。マリは睡眠状態の検知と治療の両方を完全非接触で行うことにより、患者の治療負荷を低減するデバイスを開発しており、既存治療が抱える課題の解決を目指している。また、状態検知デバイスは、高い周波数の電波で対象物との距離や角度、速度を測定するミリ波レーダを使い、体表面の微細な変位から、高精度に心拍数や呼吸数などのバイタルデータを取得することができるため、睡眠領域以外にも、病院などにおける見守りに技術応用が期待されている。
CVCファンド「KIRIN HEALTH INNOVATION FUND」について

キリンホールディングスは、本CVCファンドを通じて、ヘルスサイエンス関連の先端技術や顧客体験の向上を実現するソリューションなどを対象とした、革新的な技術やビジネスモデルを有する国内外のスタートアップ企業へ投資を行っている。短期的なシナジー創出にこだわらず、中長期的な視点で価値創出が見込めるスタートアップを対象に、スタートアップ企業が持つ新たな発想や技術とキリングループのヘルスサイエンス領域の強みや資源をかけ合わせることで、顧客の生活を豊かにする魅力的な価値を創出していく。
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献する。
CVCファンド「KIRIN HEALTH INNOVATION FUND」について
名称 | KIRIN HEALTH INNOVATION FUND (登記上の名称)KIRIN・GB投資事業有限責任組合 |
投資対象 | 国内外のヘルスサイエンス領域に関連したスタートアップ企業 |
組成時期 | 2020年3月 |
運用総額 | 50億円 |
運用期間 | 10年間 |
無限責任組合員 | グローバル・ブレイン株式会社 |
グローバル・ブレインについて
社名 | グローバル・ブレイン株式会社 |
設立 | 1998年1月 |
所在地 | 東京都渋谷区桜丘町10-11 |
代表者 | 百合本 安彦 |
事業概要 | ベンチャーキャピタル事業 |
URL | https://globalbrains.com/ |
マリについて
社名 | 株式会社マリ |
設立 | 2017年11月 |
所在地 | 〒600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町91 京都リサーチパーク9号館104号室 |
代表者 | 瀧 宏文 |
事業概要 | 睡眠時無呼吸症候群の診断・治療機器開発 ミリ波レーダを活用した非接触ヘルスケアモニターの製造、販売 |
URL | https://marisleep.co.jp/ |
