12.8 C
Japan
土曜日, 9月 18, 2021

デジタル社会における企業の新規事業創出と既存事業進化の手法

今後の日本企業にはこれまで以上に「デジタル社会」に向けた革新が求められます。クラウド化やAI、IoTなどの最新テクノロジーを駆使し、新たなビジネスモデルを構築したり、価値提供をしたりしなければいずれ淘汰されてしまうでしょう。
ただし、最新システムを導入しただけで「デジタル化」したとはいえません。そこで、企業がデジタル社会に向けてどう新規事業を創出していくべきか、または既存事業を進化させるためにとるべき手法などを解説します。

デジタル社会とは何?

昨今のテクノロジーの進化はさらに加速化しています。それと同じくして加速しているのが「デジタル社会」です。そこで、デジタル社会の概念と日本の現状について見ていきましょう。

ヒト・モノ・サービスがデジタル化した社会

デジタル社会についての認識は個人ごとに多少異なるものの、大きな意味では「ヒト・モノ・サービス」を「デジタル化した社会」を指すといえます。デジタル化を通じてこれまでの文化や産業構造、人間の行動や生活までを変化させていくのです。

デジタル化の原動力は「テクノロジー」が中心となります。センシングやデバイス技術の進化によって、社会のありとあらゆることをデジタル化させ、データ化し収集できるようになりました。

またコンピュータ技術も大きく向上したことで、膨大なビッグデータを瞬時に解析できるようになったことから、ディープラーニングなどのAI技術が発展したのです。この「データ活用」が今後の日本の産業を革命するともいえるでしょう。

日本におけるデジタル社会の現状

2019年の世界各国の名目GDPランキングは、米国や中国に次ぐ3位が日本です。ただし、デジタル化という観点では日本は世界から大きく遅れています。

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「2020年世界デジタル競争力ランキング」では日本は27位にランクインしているものの、2019年の23位からダウンしました。同じアジア地域の韓国が8位を記録するなど、世界だけでなくアジアの中でも日本はデジタル化が遅れています。日本政府としてもIT戦略を立て、日本全体でデジタル活用社会の構築しようとしているのが現状です。

デジタル社会における新規事業創出の手法

では、デジタル社会に向けて新規事業の開発プロセスはどう変化するべきなのでしょうか。その代表的な2つの創出方法を紹介します。

レガシーシステムの抜本的な刷新

デジタル化を進めるうえで新たな技術を取り入れることは必須です。未着手領域のシステム開発をスタートしたり、既存の基幹を刷新したりする必要が出てきます。

しかし、日本企業におけるIT部門の多くは「レガシーシステム(既存の古いシステム)の保守」をメインとしており、新たな領域への挑戦するリソースが余ってない状況です。新規事業創出には、レガシーシステムの抜本的な刷新なくして進めません。

最新のテクノロジーを経営戦略に取り入れ、企業全体が一体となってデジタル化に取り組む必要があります。

「PoC」による試作と検証

「PoC」による試作と検証も新規事業の創出には必要です。PoC(Proof of Concept)は「概念実証」という意味を持ちます。試作段階から市場に出して価値を検証する工程のことです。

例えば、新規事業で新商品を市場に投入する際は、まず改善を前提としたプロトタイプを開発します。プロトタイプから不足点や課題点を洗い出し、すぐに改善、再度検証という流れです。このように「検証」を繰り返すことで品質がブラッシュアップされていきます。

新規性の高い商品やサービスほど「PoC」の効果が大きく、デジタル化による新規事業創出にも効く手法のひとつです。

デジタル社会における既存事業進化の手法

デジタル社会において既存事業も進化させなければなりません。3つの手法を解説します

アジャイル型で小さなサイクルで開発を進める

既存事業進化には「アジャイル型」の開発が必要です。アジャイルには「俊敏」「すばやい」といった意味があります。

ソフトウェアやシステムの開発で主に利用する手法のひとつです。従来は「ウォーターフォール型」が一般的で「企画・テスト・実運用」まであらかじめ決めた通りに進む手法でした。

一方、アジャイル型では、フェーズごとに「企画・テスト・実運用」まで進めます。小さなサイクルで繰り返し開発を進めていくのです。

デジタル社会に向けた改革を進めるにあたり、既存事業との調整に時間を掛けると成果を出せません。スピード感を持って進めるためにも「アジャイル型」で既存事業を進化させて、素早く動ける組織づくりが必要となるでしょう。

PDCAからOODAへのスイッチ

これまでビジネスを変革する手法は「PDCAサイクルを回すこと」が一般的でした。しかし、前述の「アジャイル型」へ組織を変化させていくなら「OODA(ウーダ)ループ」という考え方のほうが適しています。

OODAループとは「観察(Observe)」「適応(Orient)」「意思決定(Decide)」「行動(Act)」の4つを繰り返すことです。PDCAサイクルは「P(計画)」に予想外のことが起こると対応しにくいというデメリットがありました。

一方、OODAループの基本には「最初から予想外の事態は起こるもの」という考えがあり、その概念にうえに「アジャイル型」で行動するため、柔軟に対応することができるのです。既存事業の進化には欠かせない手法といえます。

社員のITリテラシー向上を推進

社員のITリテラシー向上を推進することもデジタル化に重要な要素です。社内にある日々の業務をデジタルツールやデジタル媒体などを活用してデジタル化していきます。

しかし、実際に利用する社員ITリテラシーが低ければ、なかなか浸透しにくいのも事実です。研修や勉強会などを通じてデジタルへの抵抗感を下げるための施策の重要となるでしょう。

デジタル社会への対応はスピード感が重要

アフターコロナのデジタル時代において企業のデジタル化は必須です。しかし、推進には小手先ではなく、抜本的な改革が求められます。

時には大きな問題が起こり、それが障壁となることもあるでしょう。それでも企業が存続するためには、デジタル社会に対応できる企業へとスピーディーに変化していく必要があります。

デジタル社会に対応するためにも「新規事業創出」と「既存事業進化」のそれぞれに紹介した手法を活かしていただければ幸いです。

Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
- Advertisment -
- Advertisment -

Featured

【事業創出パートナー募集】社長と二人三脚で「明日の街を楽しく」する事業を生み出しませんか|店舗流通ネット オープンイノベーション

【オープンイノベーションインタビュー】 「飲食店の業務委託型ビジネス」を創ったパイオニア、店舗流通ネット株式会社。初期投資を抑えた出店サービスという唯一無二のビジネスモデルを確立させ、そこで培ったノウハウやネットワークをもとに、「店舗」を軸とした不動産・人材・プロモーション・工事など多角的なビジネス展開を続けている。新たに100の事業創出を目指して、2021年度よりアクセラレータープログラムを導入。すでに2回を開催し、実績が出始めている。そして今回、9月からスタートする3回目の開催に向けて、代表取締役社長の戸所岳大氏に話を伺った。 #募集 #店舗流通ネット #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【協業企業募集】日本のライフラインを支える渡辺パイプと、持続可能な地域社会に貢献し、ボトムアップで日本を元気にしませんか

【オープンイノベーションインタビュー】 水・住まい・農業。水道などの管材や電設資材、住宅設備機器、建材を取り扱う商社であり、農業の温室などを提供する農業メーカーでもある渡辺パイプ。日本全国の生活インフラを支えるリーディングカンパニーだ。これまでに培った潤沢なリソースを活用して、日本の国力をボトムアップで高めるべく、アクセラレータープログラムを実施する。スタートアップとの協業によって、小規模事業者の経営課題も解決できるようなサービス創出や、地域貢献を目指すという。プロジェクトを統括する副社長の渡辺圭祐氏に、具体的に活用できるリソースや描く未来について話を伺った。 #募集 #渡辺パイプ #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

【ビジネスアイデア募集】近代国家を作った薩摩藩・鹿児島の企業と一緒に、次の未来を切り拓きませんか|NTTドコモ主催

【オープンイノベーションインタビュー】 2021年9月13日より募集が始まる、「鹿児島アクセラレーター2021」。これは、鹿児島県内の企業と全国のスタートアップとのオープンイノベーションにより、新たな価値創出を目指す、NTTドコモ主催のプログラムだ。参加する地域企業は、南日本新聞と南日本放送、主に建設業を営む渡辺組の3社。そこに、NTTドコモが強力なサポーターとして参画する。今回のプログラムを主催する背景や期待することなどについて、NTTドコモ九州支社 鹿児島支店 法人営業部 部長の坂本亨氏に話を伺った。 #募集 #NTTドコモ #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #オープンイノベーション #スタートアップ #CrewwGrowth #大挑戦時代をつくる #Creww

伝統工芸品のカスタムオーダーサービスで、職人による手仕事のすばらしさを広めたい!|「magokoro(まごころ)」

【スタートアップインタビュー】 「大挑戦時代をつくる。」をビジョンに掲げるCrewwでは、毎月オンラインネットワーキングにて、事業会社・スタートアップ・個人起業家などの挑戦者をリコメンドしています。 CrewwのSTARTUP STUDIO(スタートアップスタジオ)プログラム運営をメインに担当する寺田 麗未が今回ご紹介するスタートアッププロジェクトは、magokoro(まごころ)です。 #studioインタビュー #インキュベーションプログラム #スタートアップ #STARTUPSTUDIO #magokoro #まごころ #伝統工芸品 #大挑戦時代をつくる #Creww
Facebook コメント