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土曜日, 8月 13, 2022

デジタル社会における企業の新規事業創出と既存事業進化の手法

今後の日本企業にはこれまで以上に「デジタル社会」に向けた革新が求められます。クラウド化やAI、IoTなどの最新テクノロジーを駆使し、新たなビジネスモデルを構築したり、価値提供をしたりしなければいずれ淘汰されてしまうでしょう。
ただし、最新システムを導入しただけで「デジタル化」したとはいえません。そこで、企業がデジタル社会に向けてどう新規事業を創出していくべきか、または既存事業を進化させるためにとるべき手法などを解説します。

デジタル社会とは何?

昨今のテクノロジーの進化はさらに加速化しています。それと同じくして加速しているのが「デジタル社会」です。そこで、デジタル社会の概念と日本の現状について見ていきましょう。

ヒト・モノ・サービスがデジタル化した社会

デジタル社会についての認識は個人ごとに多少異なるものの、大きな意味では「ヒト・モノ・サービス」を「デジタル化した社会」を指すといえます。デジタル化を通じてこれまでの文化や産業構造、人間の行動や生活までを変化させていくのです。

デジタル化の原動力は「テクノロジー」が中心となります。センシングやデバイス技術の進化によって、社会のありとあらゆることをデジタル化させ、データ化し収集できるようになりました。

またコンピュータ技術も大きく向上したことで、膨大なビッグデータを瞬時に解析できるようになったことから、ディープラーニングなどのAI技術が発展したのです。この「データ活用」が今後の日本の産業を革命するともいえるでしょう。

日本におけるデジタル社会の現状

2019年の世界各国の名目GDPランキングは、米国や中国に次ぐ3位が日本です。ただし、デジタル化という観点では日本は世界から大きく遅れています。

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「2020年世界デジタル競争力ランキング」では日本は27位にランクインしているものの、2019年の23位からダウンしました。同じアジア地域の韓国が8位を記録するなど、世界だけでなくアジアの中でも日本はデジタル化が遅れています。日本政府としてもIT戦略を立て、日本全体でデジタル活用社会の構築しようとしているのが現状です。

デジタル社会における新規事業創出の手法

では、デジタル社会に向けて新規事業の開発プロセスはどう変化するべきなのでしょうか。その代表的な2つの創出方法を紹介します。

レガシーシステムの抜本的な刷新

デジタル化を進めるうえで新たな技術を取り入れることは必須です。未着手領域のシステム開発をスタートしたり、既存の基幹を刷新したりする必要が出てきます。

しかし、日本企業におけるIT部門の多くは「レガシーシステム(既存の古いシステム)の保守」をメインとしており、新たな領域への挑戦するリソースが余ってない状況です。新規事業創出には、レガシーシステムの抜本的な刷新なくして進めません。

最新のテクノロジーを経営戦略に取り入れ、企業全体が一体となってデジタル化に取り組む必要があります。

「PoC」による試作と検証

「PoC」による試作と検証も新規事業の創出には必要です。PoC(Proof of Concept)は「概念実証」という意味を持ちます。試作段階から市場に出して価値を検証する工程のことです。

例えば、新規事業で新商品を市場に投入する際は、まず改善を前提としたプロトタイプを開発します。プロトタイプから不足点や課題点を洗い出し、すぐに改善、再度検証という流れです。このように「検証」を繰り返すことで品質がブラッシュアップされていきます。

新規性の高い商品やサービスほど「PoC」の効果が大きく、デジタル化による新規事業創出にも効く手法のひとつです。

デジタル社会における既存事業進化の手法

デジタル社会において既存事業も進化させなければなりません。3つの手法を解説します

アジャイル型で小さなサイクルで開発を進める

既存事業進化には「アジャイル型」の開発が必要です。アジャイルには「俊敏」「すばやい」といった意味があります。

ソフトウェアやシステムの開発で主に利用する手法のひとつです。従来は「ウォーターフォール型」が一般的で「企画・テスト・実運用」まであらかじめ決めた通りに進む手法でした。

一方、アジャイル型では、フェーズごとに「企画・テスト・実運用」まで進めます。小さなサイクルで繰り返し開発を進めていくのです。

デジタル社会に向けた改革を進めるにあたり、既存事業との調整に時間を掛けると成果を出せません。スピード感を持って進めるためにも「アジャイル型」で既存事業を進化させて、素早く動ける組織づくりが必要となるでしょう。

PDCAからOODAへのスイッチ

これまでビジネスを変革する手法は「PDCAサイクルを回すこと」が一般的でした。しかし、前述の「アジャイル型」へ組織を変化させていくなら「OODA(ウーダ)ループ」という考え方のほうが適しています。

OODAループとは「観察(Observe)」「適応(Orient)」「意思決定(Decide)」「行動(Act)」の4つを繰り返すことです。PDCAサイクルは「P(計画)」に予想外のことが起こると対応しにくいというデメリットがありました。

一方、OODAループの基本には「最初から予想外の事態は起こるもの」という考えがあり、その概念にうえに「アジャイル型」で行動するため、柔軟に対応することができるのです。既存事業の進化には欠かせない手法といえます。

社員のITリテラシー向上を推進

社員のITリテラシー向上を推進することもデジタル化に重要な要素です。社内にある日々の業務をデジタルツールやデジタル媒体などを活用してデジタル化していきます。

しかし、実際に利用する社員ITリテラシーが低ければ、なかなか浸透しにくいのも事実です。研修や勉強会などを通じてデジタルへの抵抗感を下げるための施策の重要となるでしょう。

デジタル社会への対応はスピード感が重要

アフターコロナのデジタル時代において企業のデジタル化は必須です。しかし、推進には小手先ではなく、抜本的な改革が求められます。

時には大きな問題が起こり、それが障壁となることもあるでしょう。それでも企業が存続するためには、デジタル社会に対応できる企業へとスピーディーに変化していく必要があります。

デジタル社会に対応するためにも「新規事業創出」と「既存事業進化」のそれぞれに紹介した手法を活かしていただければ幸いです。

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