12.8 C
Japan
日曜日, 5月 16, 2021

オープンイノベーション促進税制とは?概要や企業側のメリットを解説

オープンイノベーション促進税制が、令和2年4月から2年の期限付きで創設されました。これはスタートアップへ出資した企業が所得控除を受けられる制度です。スタートアップとのオープンイノベーションを検討している企業にとっては、追い風になる制度といえるでしょう。

この記事では、オープンイノベーション促進税制の概説と、企業にとってどのようなメリットがあるのかについて解説します。

オープンイノベーション促進税制とは?

オープンイノベーション促進税制とはどのような制度か、概要を見ていきましょう。

経済産業省が創設

オープンイノベーション促進税制は経済産業省が創設した制度で、国内の事業会社またはコーポレート・ベンチャーキャピタルがスタートアップの新規発行株式を一定額以上取得する場合、その株式の取得価額の25%が所得控除されるという内容です。

令和2年4月1日から令和4年3月31日までの2年間に行われる出資を対象とする、時限立法になります。

期間が限られているため、スタートアップとのオープンイノベーションを考えている経営者の方はこの機会に出資してみるのもおすすめです。

制度の目的

オープンイノベーション促進税制は、単にスタートアップへ出資をすることが目的ではなく、オープンイノベーションの促進を目指しているものです。

日本の大企業は自社内部で培ってきた既存の事業を優先しがちで、欧米に比べてオープンイノベーションへの取り組みが遅れています。オープンイノベーション促進税制はこのような状況から脱却し、社外から新しい技術やアイデアを取り入れて事業を活性化させることが目的です。
また、大企業の場合1億円という多額の出資を促すことで、スタートアップの飛躍的な成長を期待する趣旨も含まれているといえるでしょう。

対象企業と出資の要件

促進税制の対象になる企業は青色申告書を提出している株式会社などの法人です。このほかに事業活動の内容やスタートアップへの協力内容などオープンイノベーションを行うための要件があり、これらも満たすことが必要になります。

例えば、新たな事業に進出する目的で出資した場合、協力内容が対象法人の社員である弁護士をスタートアップに出向させて労務問題の解決を図るというのでは出資目的に合致しません。オープンイノベーション要件を満たさず、促進税制は適用されないことになります。

自社がオープンイノベーションの要件に該当するか確認したい場合は、経済産業省に事前相談できるので、利用してみてください。

出資の要件は、1件あたり1億円以上の出資を行うこととされていますが、中小企業は1,000万円以上で出資が可能です。

制度の目的でも述べたように、促進税制での出資はオープンイノベーションの活動を伴うものでなければなりません。株式は5年以上保有することが条件です。5年以内に株式を売却した場合、初年度に受けた税額控除は売却した事業年度で調整されることになります。

税制適用までの流れ 

促進税制の適用を受けるために事前申告は必要なく、スタートアップへの出資を行ったあとに証明書を申請。税務申告で証明書を添付して所得控除が行われるというのが、適用までの流れです。

オープンイノベーション促進税制のメリット

オープンイノベーション促進税制は企業側にとっていくつかのメリットがあります。具体的に紹介しましょう。

企業の内部留保を活用して節税できる

日本の企業は投資に消極的で、内部留保を多く抱えている傾向にあります。オープンイノベーション促進税制の利用によってこのような状況を打開でき、企業は自社の内部留保を活用して節税できるのがメリットです。

中小企業は1,000万円以上からの出資が可能

促進税制は大企業だけでなく、中小企業も対象です。中小企業は1,000万円以上からと少ない出資が可能。革新的な技術を持つスタートアップとのオープンイノベーションにより、自社の経営資源の不足を補うことできます。

必要な技術やノウハウ、有望な人材を補完することで、事業の活性化を図れるのがメリットです。

有望な出資先を見つけ、自社の技術改革や研究開発ができる

有望な出資先を見つけて協業することで社外の革新的なアイデアを取り入れ、自社の技術改革ができるというメリットもあります。
また、研究開発のスピードが高まり、製品やサービスのすばやい市場投下が可能です。これによりコストを削減し、収益アップにもつながります。

メリットの高いオープンイノベーション促進税制を利用しよう

オープンイノベーション促進税制は、ただ出資して節税できる制度ではありません。新しい技術やアイデアの獲得など、オープンイノベーションによって企業が得るメリットは非常に大きなものがあります。

「既存事業の先行きに不安がある」「新しい事業を始めたいが良いアイデアがない」といった悩みを抱える経営者は、オープンイノベーション促進税制の利用を検討してみるとよいでしょう。

Facebook コメント
PORT編集部https://port.creww.me/
PORT by Crewwは、Creww株式会社が運営する、社会課題をテーマに、新規ビジネス創出を目指すスタートアップ、起業家、復業家、 企業をつなぐ挑戦者のためのオープンイノベーションメディアです。
- Advertisment -
- Advertisment -

Featured

世界シェアNo. 1の日本金銭機械が、スタートアップとあらゆる社会課題の解決を目指す

【アクセラレーターインタビュー】 カジノ業界での金銭処理のパイオニアとして世界シェアNo. 1を誇る、日本金銭機械株式会社(Japan Cash Machine co.,ltd.)。世界中で貨幣の法的秩序を保ち、貨幣に対する信頼や社会の治安維持に貢献してきた同社は、既存のビジネス領域にとらわれない、新たな社会課題解決を目指して、アクセラレータープログラムを実施する。具体的に、どのようなスタートアップと協業し、どんな領域で新規ビジネスを創出したいと考えているのか。新規ビジネス開拓部の小林崇亮 氏にお話を伺った。 ※応募の締め切りは2021年4月30日(金)17時です。

日本生命とシェアダインによるオープンイノベーション!生活習慣病や働く子育て世帯、美容・健康に気遣う人に新たな価値を創出

【オープンイノベーション インタビュー】 「100年先も、大切な人の想いをいちばん近くで支える」をキャッチコピーに、人生100年時代を支える事業共創パートナーを募集した、日本生命アクセラレーター2018。スタートアップとの協業は初めてだったが、採択された出張シェフによる作り置きサービス「シェアダイン」とは、2019年の実証実験を経て2020年には資本提携を結び、コラボレーションを実現させている。具体的に、どのような課題を解決するためにアクセラを導入したのか、またシェアダインとはどのような取り組みを実施しているのか、日本生命保険相互会社 総合企画部イノベーション開発室の関 正之 氏と、本店法人営業第二部 法人部長(2018年当時)の大野 光明 氏に話を伺いました。 #日本生命 #オープンイノベーション #アクセラレーター #シェアダイン #協業事例 #大挑戦時代をつくる #Creww

「人の森」の挑戦ーオープンイノベーションでワクワクするような未来をつくりたい

【オープンイノベーションインタビュー】昭和15年創業、昭和40年代には日本最大の砂利会社となり、国土開発に貢献してきた「相模興業株式会社」が、2013年に「人の森株式会社」へと社名を変更。会社としての使命を、繁栄・発展から社会への貢献・人の幸せづくりへと大きく舵きりしました。事業領域を広げる中で、今回「ウェルネス・水・農業」の3部門において、アクセラレータープログラムによるオープンイノベーションを決意。スタートアップとの協業にかける思いを、人の森株式会社 代表取締役 加藤 政徳氏に伺いました。 #オープンイノベーション #アクセラレータープログラム #アクセラレーターインタビュー #スタートアップ #人の森 #大挑戦時代をつくる #Creww

まだ世の中にない新たな体験価値を創出する、「香り噴霧器」の製品化を目指す|アネスト岩田のオープンイノベーション

自動販売機から美味しそうなコーヒーの香りが漂ってきたら、新しい購入体験にならないだろうか――。スタートアップとの協業により、既存技術を生かした“飛び地”の新規事業創出に取り組んでいる、アネスト岩田。 そんな同社が2020年から導入したアクセラレータープログラムで、香り空間演出・プロデュース事業を展開するスタートアップ「SceneryScent」との協業を進めているのは、発電システムチームの和泉孝明氏です。具体的に、どのような挑戦をしているのかを伺いました。 #アネスト岩田 #オープンイノベーション #アクセラレータープログラム #Creww #大挑戦時代をつくる
Facebook コメント