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月曜日, 11月 29, 2021

オープンイノベーション促進税制とは?概要や企業側のメリットを解説

オープンイノベーション促進税制が、令和2年4月から2年の期限付きで創設されました。これはスタートアップへ出資した企業が所得控除を受けられる制度です。スタートアップとのオープンイノベーションを検討している企業にとっては、追い風になる制度といえるでしょう。

この記事では、オープンイノベーション促進税制の概説と、企業にとってどのようなメリットがあるのかについて解説します。

オープンイノベーション促進税制とは?

オープンイノベーション促進税制とはどのような制度か、概要を見ていきましょう。

経済産業省が創設

オープンイノベーション促進税制は経済産業省が創設した制度で、国内の事業会社またはコーポレート・ベンチャーキャピタルがスタートアップの新規発行株式を一定額以上取得する場合、その株式の取得価額の25%が所得控除されるという内容です。

令和2年4月1日から令和4年3月31日までの2年間に行われる出資を対象とする、時限立法になります。

期間が限られているため、スタートアップとのオープンイノベーションを考えている経営者の方はこの機会に出資してみるのもおすすめです。

制度の目的

オープンイノベーション促進税制は、単にスタートアップへ出資をすることが目的ではなく、オープンイノベーションの促進を目指しているものです。

日本の大企業は自社内部で培ってきた既存の事業を優先しがちで、欧米に比べてオープンイノベーションへの取り組みが遅れています。オープンイノベーション促進税制はこのような状況から脱却し、社外から新しい技術やアイデアを取り入れて事業を活性化させることが目的です。
また、大企業の場合1億円という多額の出資を促すことで、スタートアップの飛躍的な成長を期待する趣旨も含まれているといえるでしょう。

対象企業と出資の要件

促進税制の対象になる企業は青色申告書を提出している株式会社などの法人です。このほかに事業活動の内容やスタートアップへの協力内容などオープンイノベーションを行うための要件があり、これらも満たすことが必要になります。

例えば、新たな事業に進出する目的で出資した場合、協力内容が対象法人の社員である弁護士をスタートアップに出向させて労務問題の解決を図るというのでは出資目的に合致しません。オープンイノベーション要件を満たさず、促進税制は適用されないことになります。

自社がオープンイノベーションの要件に該当するか確認したい場合は、経済産業省に事前相談できるので、利用してみてください。

出資の要件は、1件あたり1億円以上の出資を行うこととされていますが、中小企業は1,000万円以上で出資が可能です。

制度の目的でも述べたように、促進税制での出資はオープンイノベーションの活動を伴うものでなければなりません。株式は5年以上保有することが条件です。5年以内に株式を売却した場合、初年度に受けた税額控除は売却した事業年度で調整されることになります。

税制適用までの流れ 

促進税制の適用を受けるために事前申告は必要なく、スタートアップへの出資を行ったあとに証明書を申請。税務申告で証明書を添付して所得控除が行われるというのが、適用までの流れです。

オープンイノベーション促進税制のメリット

オープンイノベーション促進税制は企業側にとっていくつかのメリットがあります。具体的に紹介しましょう。

企業の内部留保を活用して節税できる

日本の企業は投資に消極的で、内部留保を多く抱えている傾向にあります。オープンイノベーション促進税制の利用によってこのような状況を打開でき、企業は自社の内部留保を活用して節税できるのがメリットです。

中小企業は1,000万円以上からの出資が可能

促進税制は大企業だけでなく、中小企業も対象です。中小企業は1,000万円以上からと少ない出資が可能。革新的な技術を持つスタートアップとのオープンイノベーションにより、自社の経営資源の不足を補うことできます。

必要な技術やノウハウ、有望な人材を補完することで、事業の活性化を図れるのがメリットです。

有望な出資先を見つけ、自社の技術改革や研究開発ができる

有望な出資先を見つけて協業することで社外の革新的なアイデアを取り入れ、自社の技術改革ができるというメリットもあります。
また、研究開発のスピードが高まり、製品やサービスのすばやい市場投下が可能です。これによりコストを削減し、収益アップにもつながります。

メリットの高いオープンイノベーション促進税制を利用しよう

オープンイノベーション促進税制は、ただ出資して節税できる制度ではありません。新しい技術やアイデアの獲得など、オープンイノベーションによって企業が得るメリットは非常に大きなものがあります。

「既存事業の先行きに不安がある」「新しい事業を始めたいが良いアイデアがない」といった悩みを抱える経営者は、オープンイノベーション促進税制の利用を検討してみるとよいでしょう。

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