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日曜日, 6月 11, 2023

【Creww ×メリービズ】管理部門の働き方を先進的にする、スマートバックオフィス

さまざまなスタートアップから次々と誕生している、バックオフィス業務のSaaSサービス。Crewwは、それらのサービスを複数導入することで、管理部門における新しい働き方とキャリアを創出し、社会に広めていくための「スマートバックオフィス化」を進めている。そこで、Crewwが導入している「バーチャル経理アシスタント」を提供する、メリービズの長谷龍一氏と、Creww取締役の高橋慧に、バックオフィスをデジタル化することの価値について話を伺った。

あらゆる経理業務に対応するメリービズ

―メリービズが提供している「バーチャル経理アシスタント」の特徴を教えてください。

長谷 日常的な経費精算や仕訳入力から、決算、会計ソフト導入まで、あらゆる経理業務に対応する、オンラインの経理アウトソーシングサービスです。

特徴は3つあり、1つは日本全国と海外に在住するプロの経理スタッフが1,000名以上*¹登録していること。簿記2級以上で実務経験があり、さらにコミュニケーションスキルの高いスタッフが、“退職しない経理パートナー”として、まるで隣にいるかのように業務を進めます。

2つ目は、丁寧な業務設計コンサルティングをしていること。切り出したい経理業務に柔軟な対応をするために、密なコミュニケーションを取りながら、個社ごとに完全カスタマイズで業務を設計しています。

そして3つ目は、豊富な実績によってオンラインでの業務遂行ノウハウが蓄積されていることです。

メリービズのサービスを導入することで、経理が本来すべき専門性の高い仕事に集中できるようになり、業務プロセスの改善・経理のDX、新しい働き方の創出につながると考えています。

―なぜ、経理に特化した事業を立ち上げたのでしょうか。

長谷 経理に特化した理由は、創業者である工藤の原体験にあります。自身の母親が出産を機にキャリアを諦めて専業主婦をしていたのは本当に幸せなことだったのか、研究職で研究に没頭する父親が、苦手な経理業務まで行う必要が本当にあるのか、と。

そこで、人がそれぞれの得意や好きなことを活かして働ける社会を目指して、メリービズが立ち上がりました。

創業当初は個人事業主から領収書をいただいて、仕訳入力を代行するサービスを提供していたのですが、「もっといろんな経理業務をお願いしたい」という声を多くいただき、2017年に現在の「バーチャル経理アシスタント」サービスのリリースにつながりました。

―コロナ禍でバックオフィス業務のデジタル化が急激に求められるようになりましたが、その影響はありましたか?

長谷 バックオフィスをDXしたいという声が急増し、お問合せはコロナ前に比べると7倍に増えました。

それまでは、オンラインで経理の業務をすることに対して抵抗感を持つ会社が多かったのですが、コロナ禍でリモートワークが当たり前になり、時代の追い風を感じています。

しかも、リモートワークの浸透によって、「業務フロー自体が煩雑で属人的」という潜在的な課題が顕在化し、業務フローを設計し直したいという声をたくさんいただくようになったんです。そのような声に応えるべく、現在は、経理のDXコンサルティング支援もしています。

経理を細かい業務から解放する

―Crewwはメリービズのサービスを導入していますが、競合サービスがたくさんある中で、何が決め手になったでしょうか?

高橋 まず、メリービズに問い合わせをした背景としては、ほかのスタートアップ企業から評判が良かったことが理由のひとつですね。どのサービスを導入すべきか検討していた当時、月次決算の早期化をしたいと考えていたのですが、それが実現可能なのか、可能ならばどのように実現していくのか、詳しく話を聞いてみることにしたんです。メリービズのセールス担当と話してみたところ、メリービズとだったら自身が思い描く「理想の経理体制」を実現できるイメージが湧いて。それが導入の決め手ですね。
また、メリービズの良い点は、とにかくスタッフの質が高いことです。リモートでの業務は対面より丁寧なコミュニケーションが必要で、何かしらの齟齬が生まれたり、信頼関係に不安が生じたりしがちです。
でも、メリービズとのやりとりでは、コミュニケーションエラーが全くないんですよね。そのようなスタッフの質の高さなどを信頼しており、現在までサービスの利用継続につながっています。

―実際にメリービズを導入して、経理にどんな変化が生まれていますか?

高橋 日々縛られていた細かい作業から解放されて、上流のコアな仕事に注力できるようになりました。

しかも、Crewwの経理担当は1名なのですが、メリービズからベテランのスタッフが2名専属で入ってくれており、経費精算や請求、給与などの業務をスムーズに進めてくれてかなり助かっています。

働き方の変化としては、オフィスに人がいなくなりましたね。それがコロナ前からできていたので、コロナ禍で業務が滞るようなことも一切なかったです。外部環境が変わっても困らない仕組みづくりをしていたことで、何より社員のみんなが恩恵を受けたと思います。

バックオフィスの価値を高め、新しい働き方を作る

―Crewwは、「スマートバックオフィス化」を進めていると伺いました。具体的に何をされているのでしょうか。

高橋 Crewwは、さまざまなスタートアップが提供している、経理や法務、労務、人事などの優れたSaaSサービスを導入することで、バックオフィスの新しいあり方と多様な働き方を社会に広めたいと考え、スマートバックオフィス化を進めています。

きっかけは、スタートアップがいくら優れたプロダクトを作っても、会社の知名度がないとなかなか導入につながらないという話をたくさん聞いたことでした。

だから、上場を目指して準備を進めている我々が、スタートアップが提供しているバックオフィスのプロダクトを使って上場すれば、プロダクトの信頼につながると考え、現在約10のサービスを導入しています。

それに、管理部門が時間当たりの単価や効率を重視した働き方に変わると、それは必ず全社に派生しますよね。すると、ワークライフバランスの取れた働き方ができるようになるのはもちろん、もっと本質的な仕事に注力できる会社になると思うんです。

たとえば、経理は日々の経費精算業務に追われるのではなく、どの事業にどれくらいコストをかけるべきかなど、経営に影響を与える分析に時間を割けるようになる。提供できる価値は圧倒的に高まります。

―専門性を発揮して、経営を左右するような仕事ができる。

高橋 そうです。経理に限らず、バックオフィスをもっと価値を生むポストに変えていきたいし、高い専門性を持つプロフェッショナルが育つ場所にしたい。

そうなれば、高いプロ意識を持って、他の会社にも副業で価値を提供するような、先進的な働き方もできると思うんです。

だから、バックオフィスのメンバーには「副業での経験が会社に還元できるなら、いくらでも副業していい」と伝えていますし、それがバックオフィスの新しい働き方のロールモデルにもつながると思っています。

―バックオフィスが本質的な仕事をできるようになると、地位向上にもつながりますね。

高橋 まさにその通りで、バックオフィスは会社に不可欠なポジションなのに、地位が低いことがずっと以前からの課題でした。コストセンターと思われるのではなく、会社の成長に大きく寄与するポジションに変えたいと思っています。

現在Crewwでは、まさにその仕組みづくりをしている最中なので、AIに置き換わらないバックオフィスの新しいキャリアに興味のある人は、ぜひ仲間になってほしいですね。

メリービズが、企業のDXの一助に

―いずれ、「スマートバックオフィス」はパッケージ化して他社へも展開していくのでしょうか。

高橋 そうですね。我々が事例になることで、いずれ他の企業にもパッケージでの導入提案ができたらいいなと思っています。それが実現すれば、プロダクトをつくるスタートアップも、導入する企業も、そこで働く従業員も、みんながハッピーになれるはず。

そのためにも、オフィスでも家でも快適に仕事ができるよう、スマートバックオフィスを整備したいと考えています。

そもそも、バックオフィスが昔ながらの働き方をしていたら、会社全体のDXは実現できません。どの会社もバックオフィス改革は必要不可欠になるはずですし、それができないと企業存続の危機にもつながっていくでしょう。

長谷 DXというと、多額のコストで大きな仕組みを入れる、大掛かりでハードルの高いことだと思われがちです。そうではなく、小さく始めて小さな成功事例を作り、それを横展開していくという考えを持つのが大切。

いろんなサービスを試すことで初めて見えてくる自社の課題はたくさんあるはずなので、ぜひ第一歩としてメリービズを試していただき、DXの一助になれれば嬉しいです。

*1 2021年08月時点

インタビュイー
長谷 龍一 メリービズ株式会社
ビジネスディベロップメントチーム
コンサルタント

2018年メリービズ株式会社に入社。経理コンサルタント、及び統括として、従業員1桁台のスタートアップ・ベンチャー企業から、東証プライム上場企業まで、請求業務、売掛買掛・入出金管理・経費精算・月次決算業務の数十社以上のサポートに従事。現在はBizDev(事業開発)/マーケティング・協業領域を担当。

インタビュイー
高橋 慧 Creww株式会社
取締役 CFO

クリニック向けのソフトウェア開発企業での経営企画・事業開発の責任者や、上場企業の経理責任者などを経て2019年にCrewwのビジョンに共感し参画。現在は、コーポレート部門の責任者として従事。

社名メリービズ株式会社
設立2011年7月4日
資本金502,869,500円(2022年4月1日現在)
代表者山室 佑太郎
所在地東京都渋谷区円山町28-3 いちご渋谷道玄坂ビル2階
URLhttps://merrybiz.jp/

メリービズは、あらゆる経理業務を企業毎にフルカスタマイズで代行するサービス『バーチャル経理アシスタント』を提供しています。海外含む全国1,000名以上のプロ経理人材が「経費精算」「請求書発行」「月次決算」「会計ソフト導入支援」「経理DX」のほか、「給与計算」「勤怠管理」などの関連業務まで幅広く対応することが可能です。「経理業務を全部まるごと頼みたい」「入金管理だけお願いしたい」「残業が増える月末だけ人を増やしたい」など、各社に合わせた業務内容とチーム編成をカスタマイズしてご提案することができます。スタートアップ企業から中堅・中小企業、東証プライム上場企業まで様々な企業にご利用いただいています。

社名Creww株式会社
設立2012年8月13日
資本金8億2,955万円(資本準備金含む)
代表者伊地知 天(いじち そらと)
URLhttps://creww.in/
事業概要Creww株式会社は「大挑戦時代をつくる。」をビジョンに掲げ 、スタートアップ、起業家、事業会社、個人を問わず、挑戦したいすべての人のトータルサポート企業として、国内最大級のオープンイノベーションプラットフォームを運営をしています。
2012年の創業以来、企業とスタートアップによる新規事業創出を目的としたオープンイノベーションプログラムを350社以上と実施し、これまで約1000件の協業を実現しています。現在、Crewwが運営するオープンイノベーションプラットフォームには約7000のスタートアップが登録しています。
■クラウド型オープンイノベーション支援サービス 「Creww Growth
■地域のオープンイノベーションプログラム「47(よんなな)クルーズプロジェクト
イノベーションコミュニティ
■挑戦者のためのオープンイノベーションメディア「PORT
■挑戦する個人のためのインキュベーションプログラム『STARTUP STUDIO by Creww

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田村 朋美
2000年雪印乳業に入社。その後、広告代理店、個人事業主を経て、2012年ビズリーチに入社。コンテンツ制作に従事。2016年にNewsPicksに入社し、BrandDesignチームの編集者を経て、現在はフリーランスのライター・編集として活動中。

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